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書評の部屋(社会科学)

シリア~アサド政権の40年史

シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書) シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)
国枝 昌樹

平凡社  2012-06-17
売り上げランキング : 65482

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3月31日にも書いたのだが、シリア騒乱は終わる気配が見えていない。むしろ激化の一途をたどっており、国際問題にまで発展している状況にある。
本書はシリアの歴史・社会・現状について元シリア大使として4年間いた経験を駆使して、シリアの現状、そしてアサド政権の現在・過去・未来について分析している。

第一章「吹き荒れた春の嵐」
「春の嵐」というと4月2日夕方~3日あたりまで全国的に起こった嵐のことを指していない。
そもそも「春」というのは2011年1月から起こった「アラブの春」のことを指しており、まさに嵐のごとく吹き荒れ、かつ中東諸国や北アフリカへと広がっていった。シリアも2011年3月に反体制デモが始まった。

第二章「中東の活断層」
「中東の活断層」と呼ばれたのは「シリア騒乱」が起こったとき、という印象が強いのだが、騒乱が起こる以前からそう名付けられていた。
その理由として多様な「民族」や「宗教」「宗派」が集まっており、そのことによってあたかも活断層のように緊張状態が続き、いつ対立によるテロや内部紛争が起こってもおかしくない、という状況を指している。

第三章「シリアをめぐる国際状況」
「シリア騒乱」が泥沼化し、国連などの国際的期間、あるいは各国の政府からも非難声明や経済制裁も行っている国々が出てきている。
そのシリアを巡って国連では非難・制裁決議をかけようとしたのだが、中国・ロシアが拒否権を発動し、否決に追い込まれた。そこにはシリアに対する外交というよりも、「シリアに対する米国の外交姿勢」に対して批判的だったという背景にあった。

第四章「ハーフェズ・アサド大統領の30年」
現大統領の父である「ハーフェズ・アサド」が政権を獲得したのは1969年。政権対立により起こったクーデターにより政権を奪取し、すべての実験を握った(ちなみに大統領になったのは1971年)。この独裁により現在も続く一党独裁、及び軍事政権が樹立された。シリアは近代化をはかる一方で、反対勢力の抑制も行っていた。
長期政権を続けていくうちにハーフェズは体調悪化が浮き彫りとなり、後継者問題も起こった。第一候補だった長男は事故により夭折し、次男が後を継ぐことになったのだが、政治手腕を疑問視する人は内外問わず存在した。

第五章「バシャール・アサド大統領の10年」
ハーフェズの死により、いざこざはあったものの次男のバシャールが就任した。2000年の話である。
就任してからはシリア騒乱だけではなく、「イラク戦争」にも関わった。

「アサド政権」という名だけであればハーフェズ・バシャール親子を併せて40年以上経つ。「アサド政権」は事実上の一党独裁・軍事政権で、そのことでシリアの近代化を押し進めることに成功した。しかしその独裁政権によって歪みは生じているが、その「歪み」はシリアに限らず、「アラブの春」を機に大規模デモが起こった国々とほぼ同じといえる。民主化の大きなうねりは今も続いており、シリアが本当の意味で「変わる」のはいつの日になるのか定かではない。

現代日本の政党デモクラシー

現代日本の政党デモクラシー (岩波新書) 現代日本の政党デモクラシー (岩波新書)
中北 浩爾

岩波書店  2012-12-21
売り上げランキング : 75537

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日本の政治は混迷の一途を辿っているという。昨年12月の衆議院総選挙で自民党に政権が戻った。その政権が戻った時期と重なるようにして、今まで停滞気味だった経済も回復し始めた。
経済は成長し始めたにもかかわらず、選挙制度や外交、福祉など課題は山積しており、政局の光明はまだまだ見えていない。
本書は日本の政党や選挙の変遷、そしてこれからについて考察を行っている。

第1章「小選挙区制導入への道」
55年体制の象徴として衆議院総選挙で「中選挙区制」があった。それが1993年に崩壊したとき、非自民8党連立内閣によって「中選挙区制」を廃止し、「小選挙区制」が採用された。しかしその「小選挙区制」はそのときに始まったにすぎず、55年体制の末期に、自民党の長期政権をにらんで作られたという。8党連立政権はそれを黙認したに過ぎない。

第2章「マニフェスト選挙の始まり」
元々「政権公約」として取り上げられてきたものであるが、はじめて「マニフェスト」が定義されたのは2003年の参議院通常選挙である。その背景には新進党から自由党、さらに、民主党に合流した小沢一郎が挙げられる。

第3章「政党政治の構造的変容」
「政党政治」は明治時代の頃からずっと存在するのだがその政権構造は変化が常に起こっている。
ではどのように構造が変化しているのか。党員や支持母体の衰退、あるいは党員や議員同士の対立や離脱入などが挙げられ、それが党が枝葉の如く分かれたり、合併したりしている。最近では選挙の為に離党し、勢いに乗る政党に入る議員も少なくない。

第4章「市場競争型デモクラシーの岐路」
選挙があたかも「市場競争」の如く「トレンド」と呼ばれる政党に入り、何とか再選するようなことも昨年の衆議院総選挙であった。また「マニフェスト」もそれが達成するかどうか、あるいは机上の空論に過ぎなかった、というのもメディアや活動によって評価され、民主党はその「マニフェスト」で自滅してしまった。

今年の7月には都議会議員選挙もあれば、参議院通常選挙もある。今後の選挙はどのような選挙になるのだろうか、まだ定かではない。

混迷するシリア――歴史と政治構造から読み解く

混迷するシリア――歴史と政治構造から読み解く 混迷するシリア――歴史と政治構造から読み解く
青山 弘之

岩波書店  2012-12-20
売り上げランキング : 28044

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現在シリアでは紛争が泥沼化している状況にある。国連も非難決議や各国では経済制裁などを行っている。にも関わらず、シリアの状況に光明が見えておらず、実質的な混迷が続いている。難民もでてきており、それに対する支援もNPO・NGO問わず広がりを見せているが、具体的な活躍はニュースを始め情報として伝わっていないのが現状である。
本書は「アラブの春」から始まり、シリア騒乱、そしてアサド政権体制のこれまでとこれからについて分析を行っている。

第1章「バッシャール・アサド政権は「独裁体制」か?」
日本では「パッシャール・アサド」、もしくは「アサド政権」と呼ばれるシリアの大統領であるが、元々は父から受け継がれたものである。その父は「ハーフェズ・アサド」と呼ばれ、1970年から約30年もの間政権を維持してきた。一般的に後者の方が独裁者として呼ばれることが多いのだが、「蛙の子は蛙」という諺から、息子の「パッシャール・アサド」も独裁者ではないか、という意見の遠因になっているのかもしれない。

第2章「東アラブの覇者」
東アラブというと、本書で紹介されているシリアだけではなく、レバノンやイスラエルと言った国々も含まれている。それらの国々を見てみると、内乱や紛争が起こっている地域が多く、危ない国々が集まっている印象が強い。しかしそれを考えてしまうとソマリアをはじめとした東アフリカ諸国も同じ事が言える。

第3章「反体制勢力の「モザイク」」
「アラブの春」の勃発以降、シリアでも騒乱が続いている。その背景にはパッシャール・アサド体制の支持・不支持の対立が存在している。
その中でも、反体制勢力はいったいどのような組織があり、それは国の政治組織として公認されているか否か、さらには規模の違いなど様々あるという。

第4章「「アラブの春」の波及」
「アラブの春」を発端とした改革運動は止まるところを知らず、エジプトから中東諸国、そしてシリアにも波及した。シリアに波及した時期はアラブ諸国の中でも最も遅く2011年6月だった。
波及は遅かったこと、そして政権が折れずに強硬な態度をとり続けてきた結果、2年経とうとしても解決の糸口すら見えてこない。

第5章「「革命」の変容」
長期化の要因の一つとして、一度革命を起こしたのだが、8月の「血のラマダーン」による大弾圧により、失敗を遂げてしまったことが挙げられる。その失敗により複数ある反体制勢力がバラバラになり、目指すべきものが見えなくなってしまったこともある。
さらに革命と弾圧の繰り返しの中、この件が国際問題へと発展していった。国連でも制裁や非難決議を進めていった。しかし中国・ロシアなど国々の思惑の対立もあり、国際的な解決が進まない状況となってしまった。それでも国単位で経済制裁などを推し進めていったが、そのしわ寄せは「市民」に来ていた。

今日でもニュースでシリアについて聞かない日はない。化学兵器もあれば反体制勢力のことについても取り上げられている。しかもその騒乱はシリア国内のみならず、レバノンが政局混乱という状態に陥っていることから、周辺諸国からも騒乱の煽りを受けている状況にある。事態の収拾はいつになるのだろうか、その道筋は見えていない。

ポケット図解 日本銀行の仕組みがわかる本

ポケット図解 日本銀行の仕組みがわかる本 ポケット図解 日本銀行の仕組みがわかる本
久保田 博幸

秀和システム  2012-09
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昨日21日、黒田東彦氏が日銀総裁に就任した。「アベノミクス」と呼ばれる経済政策で、経済は上昇傾向にあるのだが、日銀としてどのような役割を担いながら、金融政策を推し進めていくのかが課題として上がっている。
黒田氏の就任会見で、2%の物価上昇を目標にした「追加金融緩和」を行うことを示唆した。まだ示唆しただけに過ぎないが、具体的な枠組みについては、これから検討し、公の場で発表されることだろう。
新たな日銀総裁が誕生したことも踏まえて、本書では日銀と主な業務、そして根幹たる「金融政策」の仕組みについての入門として、それらの役割や歴史について紹介している。

第1章「中央銀行の役割」
日本銀行は別名「中央銀行」と呼ばれている。また、日本銀行の主な業務は「日本銀行法」という法律によって決められており、主に、

・紙幣の発行
・物価の監視と舵取り
・政府の金庫番

と言った役割がある。

第2章「中央銀行の歴史」
「中央銀行」は日本で「日本銀行」であるが、他にもイングランド銀行(イギリス)やライヒスバンク(ドイツ)などが挙げられる。中央銀行そのものの歴史は17世紀のスウェーデン・リクスバンクや前述のイングランド銀行が始まりと言われているが、日本銀行はいつ頃から誕生したのか、というと1882年である。ベルギーの「ベルギー国民銀行」をモデルにしている。

第3章「中央銀行の業務と仕組み」
日本銀行の業務は「日本銀行法」によって定められているが、第1章では「紙幣の発行」について言及した。本章ではそのほかに「紙幣流通の調節」や「民間銀行の監視」などが挙げられている。

第4章「金融政策」
最初にも書いた「金融政策」だが、具体的にはどのような政策の事を言うのか、そのあらましを本章で紹介している。中長期的な目標を立てる、もしくは市場との対話がメインとなる。

第5章「金融政策の移り変わり」
金融政策が以下にして決められてきたのか、その歴史について日本経済の変遷とともに説明している。

第6章「金融政策の影響と対策」
その金融政策が決まる事によって市場は大きく変わる。「市場」といっても、私たちの所で見えるものでは「日経平均株価」といった株や為替の動きが挙げられる。

新しい日銀総裁が就任したが、これから日本経済はどのような舵取りとなっていくのか、そしてその舵取りによってどのように動いていくのか。それを注視するのも大事であるが、その前に日銀の存在について本書とともに見直すこともまた一つの手段と言える。

地域政党~地域政党は政治の地方分権だ

地域政党: 地域政党は政治の地方分権だ 地域政党: 地域政党は政治の地方分権だ
村山 祥栄

光村推古書院  2012-12-25
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日本の衆議院・参議院には自民党や民主党、日本維新の会をはじめ様々な政党が存在する。しかし地方に裾を広げてみると、その地方独自の政党も存在する。その政党を「地域政党」と呼ばれており、地方行政に少なからず影響をもたらしている。しかしその地方にすんでいない限り、知る機会が少ないという現実がある。
本書は京都の県や市で活躍している地域政党「京都党」の代表自らが、地域政党の役割と現状、そして国政政党との違いと地域政党の未来について綴っている。

第1章「地方政治の現状と課題」
「地方分権」という言葉が乱舞しているが、実際は中央への権力集中は続いており、「なかなか」どころか「まったく」進んでいないのが現状にある。それは中央省庁の既得権益を保持せんと動いているためでもある。
さらに地方には「過疎化」や「人工争奪戦」と呼ばれるような事象まで起こっており、都市間競争も絶えない。

第2章「地域政党とは何か?」
本書の根幹である「地域政党」の定義とはいったい何なのか。元々イギリスにおける「スコットランド国民党」が1934年に設立されたが始まりである。そう考えると来年は70年という節目を迎え、「地域政党の年」にも見て取れる。
日本における地域政党は1950年にまで遡る。当時米国の統治下にあった沖縄に存在した。

第3章「地域政党の定義と理念」
地域政党の定義、それは地域密着といえばそれまでであるが、それを反映するベクトルは都道府県や市町村といった議会、あるいは新党大地のように地方の声を国政に反映する地域政党も存在する。そのベクトルによって活躍する場所も異なり、理念も異なる。

第4章「地域政党と国政政党」
しかし現在の地域政党は都道府県や市議会において影響力を持っているかというと、あるものの自民党や民主党のような国政政党に及ばない現実もある。その国政政党の議会議員は国会議員の下請けの存在として扱われており、国が決めた政策や考え方を反映するような存在でしかない。その証明となるのがどの地方議会でも同じような意見・決議がかけられ、可決されている状態、あるいはマニフェストもあたかも国政のカーボンコピーのようになってしまっているのだという。

第5章「様々な地域政党~地域政党分類~」
「地域政党」と一括りにしても第3章にも紹介したのだが、地方に根付くのか、それとも地域の声を国政に届けるのかが存在する。さらに政党の成り立ちからも議員たちが立ち上がって結成されたものもあれば、首長が主導して立ち上がった政党も存在する。
成り立ちやベクトルは地方のみならず、政党それぞれであるが、本章ではそれぞれの地方政党を紹介しつつ、地域政党の傾向について分析を行っている。

第6章「地域政党の課題」
日本における地域政党の歴史は60年以上あるのだが、急速に地域政党の数が増えたのは2011年の統一地方選の時である。その原動力となったのが当時の大阪府知事である橋下徹(現:大阪市長)であり、名古屋市長の河村たかしの存在である。両者はそれぞれ「大阪維新の会」と「減税日本」を結成し、国政進出の足がかりとしたことにある。それぞれの党は長のカリスマ性により、支持が集まった。それに起因してか、様々な地方政党が誕生したが、資金や党籍の問題もある。本章ではそのことについて綴っている。

第7章「地域政党独自の環境整備」
地域政党の問題はその政党のみの問題だけではない。国政に対しても地域政党のスタンスについての法整備ができていないと著者は主張している。

地域活性化の要としての「地域政党」はこれからスポットライトを浴びようとしている。その中で地域ならではの対策や変革をつくり、守るべきところは守ること、そしてなによりも地域住民の近くにいることこそ最大の課題であり、役割であろう。

マンガはなぜ規制されるのか - 「有害」をめぐる半世紀の攻防

マンガはなぜ規制されるのか - 「有害」をめぐる半世紀の攻防 (平凡社新書) マンガはなぜ規制されるのか - 「有害」をめぐる半世紀の攻防 (平凡社新書)
長岡 義幸

平凡社  2010-11-16
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日本のポップ・カルチャーの代表格としてマンガやアニメ作品が挙げられる。数十年にわたって日本のみならず、海外でもブームが起こっており、日本文化の一つとしても挙げられている。
しかし、その中でもマンガは東京都の「青少年条例」や国の「児童ポルノ法」の槍玉に挙げられ、前者はすでにマンガのキャラクターなど「非実在青少年」も対象に挙げられている。
本書はその「規制」について問いを投げている。

第一章「ドキュメント「非実在青少年」規制問題」
東京都の「青少年条例(東京都青少年の健全な育成に関する条例)」改正により規制の対象が「非実在青少年」まで広がったのは2010年末のことである。それが成立するまでの過程では、都議会内外で紛糾するほどであった。いったん2010年3月に同様の条例案が提出され、審議されたが、否決された。しかし当時の都知事をはじめ、それに賛同する議員の後押しもあり、ふたたび法案が提出され、議論の末、成立された。

第二章「規制の論理とその仕組み」
マンガにおける表現規制に関しては、法や条例が定められた時よりも前からずっと起こっていた。詳しいところは第三章・第四章で歴史として記されているが、ここでは「松文館事件」や「児童ポルノ法」「わいせつ罪(刑法)」などの法律や事件について法や条例が制定されるまでの流れを取り上げている。

第三章「マンガ規制の歴史1(1950年代から80年代前半)」
本章と次章では「マンガ規制」そのものの歴史を取り上げている。第三章は初期~80年代前半までについて取り上げられている。本章のタイトルにある通り、手塚治虫が「新宝島」でデビューし、日本におけるマンガが表舞台に出始めた頃から起こっていたことになる。
それと同時に隆盛を極めたのが「赤本マンガ」と呼ばれるものがあり、いわゆる「エロ」や「グロ」「ナンセンス」を基調としたマンガである。この「赤本マンガ」に対し、婦人会などが槍玉を挙げ、規制をかけるべく訴えたという。既にマンガに対する嫌悪感と規制にまつわる声は60年以上前から続いていたことになる。
この婦人会による運動は「悪書追放運動」と呼ばれており、一種の「魔女狩り」とする声もある。有害と言われるマンガを校庭に集めて焚きつけにする、いわゆる「焚書」が横行した。

第四章「マンガ規制の歴史2(80年代後半から現在)」
「赤本マンガ」と呼ばれるマンガは形を変えながらも様々な形で受け入れられている。しかしそれに対し嫌悪する者も昔も今も変わらない、とも言える。
しかしこの80年代を伏線に「エロ」「グロ」や犯罪要素を盛り込んだマンガを「有害コミック」とし、槍玉に挙がる。以前にもあるように見えるのだが、1989年に「連続幼女誘拐殺人事件(宮崎勤事件)」が起こったことで「マンガバッシング」「おたく叩き」が過熱化した。

第五章「マンガ規制は何を意味しているのか」
「性表現の規制」であれば、別にマンガに限ったことではない。裾を広げてみれば小説もあれば、川柳、もっと言うと古典にも性的な表現はある。しかしなぜ「マンガ」だけが「規制」されるのだろうか。
「マンガ」は子供たちが見るものであり、その「マンガ」は度々性的な表現を持つ。その性的な表現を持つことで子供たちの「健全」が失われてしまう。
ステレオタイプかもしれないが、これが「マンガ規制派」の論理である。では「表現の自由」は侵害されるのでないか、もしくは「健全」とは何を意味しているのか、という問いが続々と出てくる。しかしマンガ規制にしても、非規制にしてもそれらの議論は60年の時を経て未だに平行線を辿っているという他ない。

「マンガ規制」と一括りにしても、歴史も議論も根深く、短絡的に「規制」したからと言って解決するわけがない。「規制」しなくてもまた然りと言える。それは思想の根幹が対立しており、その隔たりは深い。
しかし第五章でも言及したのだが、なぜ「マンガ」ばかりが規制されなければならないのか、そこにはマンガだけではない、「ある」事情があるのかもしれない。その「ある」という部分が未だに謎と言える。

同性愛と異性愛

同性愛と異性愛 (岩波新書) 同性愛と異性愛 (岩波新書)
風間 孝 河口 和也

岩波書店  2010-03-20
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「愛」の形は人それぞれであるが、その「愛」の形によって世間的に受け入れられたり、痛烈な拒否反応を示すようなケースもある。とりわけ後者の風潮を強く表しているのが、「レズビアン」や「ゲイ」といった「同性愛」が挙げられる。
日本では同性婚が民法上禁じられているが、同性愛を主張する人もいれば、それを売りにしている業者も存在するのは事実としてある。
本書は「愛」の形によって嫌悪感を持ったり、差別を被ったりする人、さらにはその社会構造について考察を行っている。

第1章「エイズ・パニック」
病院などの医療機関に行くと、エイズにまつわる啓発ポスターが貼られていることがある。それだけエイズに対する関心が強くなっていると言える。
その「エイズ」患者が日本で初めて現れたのは1985年、そのときから新しい病である「エイズ」が出てきて、国民がパニックに陥り、アジア諸国から出稼ぎに来た外国人が風評により宿泊や車の利用などを拒否されるといった、通称「エイズ・パニック」が起こった。
そのとき「エイズ」が発生する要因として「同性愛」や「アブノーマルな恋愛」といったものが挙げられ、一種の偏見が国民の間で広がるようになった。

第2章「法廷に出された差別」
同性愛に対する偏見は長きにわたって続いた。しかしその「偏見」は「エイズ」発生以前にもある。芸能人でもその偏見を受けた人もあるが、有名な例を2人挙げる。
シャンソン歌手であり、「ヨイトマケの歌」や「メケ・メケ」「愛の讃歌」で有名な美輪明宏も「丸山明宏」と時に「ホモ・セクシャル」を週刊誌で告白し、大バッシングを喰らい、芸能界から干されたことがあった。詳細な年代は不明だが1950~60年代にかけてのことである。
もう一つ挙げると、歌手・女優とで活躍した佐良直美キャッシーとの同性愛関係も大バッシングを喰らった。1980年のことである。
本章で紹介される裁判は1991年に提訴された「「都立府中青年の家」裁判」である。同性愛の立場を主張するために、同性愛に関する市民団体が勉強会を開催するため、青年の家を確保したが、それが理由となり許可されなかったことを不当としたことで争われた裁判である。

第3章「歴史の中の同性愛者たち」
歴史を紐解いてみると、「ゲイ」や「レズビアン」といったものはある。江戸時代でも喜多川歌麿の春画にも「男色」にまつわるものもあれば、文学でも井原西鶴の「好色一代男」では「少年愛」といった同性愛を描いたものもある。
第4章「ホモフォビアと異性愛主義」
「ホモフォビア」は一言に言うと「同性愛嫌悪」である。
とどのつまり「レズビアン」や「ゲイ」などを嫌悪する人や風潮を表している。
ただ、その「ホモフォビア」の傾向は「男らしさ」や「女らしさ」を求める傾向もあることは付け加えておく必要がある。
この「ホモフォビア」として象徴的な事件として2000年2月10日夜に都立夢の島公園でリンチ殺人起こった、俗に言う「ヘイトクライム事件」がある。
「ヘイトクライム事件」の被害者は同性愛者であり、犯人も警察の調べにより「同性愛者を狙って襲った」と供述している。しかしこの事件に関して「同性愛」について取り上げたメディアは少なく、「遊ぶ金ほしさ」「ホームレス」という取り上げ方が多数だった。そのことから本書ではそれを中心に取り上げられた。

第5章「性的マイノリティとは何か」
とはいえ、同性愛について取り上げられたドラマ・映画・アニメは比較的に出てきている。アニメではBL(ボーイズ・ラブ)を取り上げた「世界一初恋」「純情ロマンチカ」など、GL(ガールズ・ラブ)では「少女革命ウテナ」「マリア様がみてる」がある。同人作品などまで広げてみれば枚挙に暇がないほどである。
性的なことを訴えるというよりも「愛のカタチ」のあり方を訴える作品も出てきており、そういったマイノリティも増えてきているといっても過言ではない。

第6章「親密であるということ」
これまでは雑誌や実際の出会い位でしか出会う場がなかったのだが、インターネットが急速に普及したことに伴い、同性愛者のコミュニティができることも容易になった。それが社会的地位を訴える、自らの立場を表現する人も増えている。

性的な部分もそうであるが、「愛のカタチ」は人それぞれである。人間には「偏見」の考え方や感情を持ってしまうのだが、そういった「偏見」のありかたは、そういった価値観を知ることができる現在、「偏見」が薄れるとともに、マイノリティは広がっていくことになる。本書は「愛のカタチ」のあり方を見直すきっかけとなる一冊となる。
最後になるが自分はノーマルであり、同性愛者ではない。単純に愛のカタチはいろいろあるのではないか、と思い本書を手に取っただけである。

若者の働く意識はなぜ変わったのか―企業戦士からニートへ

若者の働く意識はなぜ変わったのか―企業戦士からニートへ 若者の働く意識はなぜ変わったのか―企業戦士からニートへ
岩間 夏樹

ミネルヴァ書房  2010-04
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働くスタイルもそうであるが、「働く意識」も時代とともに変化をしている。最近では「豊かになりたい」「生活のため」「終身雇用」があたりまえであり、「会社のために働く」というのがメジャーだったのだが、時代や情勢は常に変化するものであり、私たちの世代の働き方や働く事への「考え方」も変化した。
本書は私たちの世代がなぜ「働き方」や「働く意識」に変化が生じたのかについて考察を行っている。

第1章「若者は社会の変化に順応できるか」
高度経済成長、そしてバブル経済と好景気と呼ばれる時代が終わり、それとともに大企業も必ず「安定している」とは言えない状態となった。大中小かかわらず、企業では「リストラ」が行われており、定職につくことさえ難しい状況になった。
もっというと私たちの世代にあって一つ二つ上の世代にないものはインターネットであり、SNSの存在である。その影響もあるのだが、それが増えた要因として「共同体」つしての「閉塞感」が漂っているように思えてならない。
「閉塞感」や「倦怠感」がはびこる時代のなかでどのように社会に順応できるか、もしくは作ることができるのかが大きな課題と言えよう。

第2章「若者の「失われた十年」とインターネット」
私たちの世代が働き始めたのはちょうど小泉政権以後の時である。その時代はインターネットの利用が急速に伸び、ホリエモンをはじめとしたIT起業家も出てき始めた。インターネットを利用して、就職活動をすることもあれば、それを仕事の道具として、生活道具として利用することもできるようになり、コミュニケーションのありかた、さらには生き方そのものも変化を起こした。

第3章「若者の働く意味の変化」
その変化の中で際だっているのは「嫌消費」である。決してある国が「不買運動」のデモを起こすような事はしないが、自然と「欲しがらない」ようになった。ものが豊かになった、ということも原因として挙げられる。
形のある「モノ」への消費指向が薄れている今、私たちの世代は何のために働いているのだろうか。かつての世代は「豊かになること」「生活のため」、というようなものがあったのだが、現在では「スキルアップ」や「キャリア構築」「楽しむ」といった考え方へと変わっている。

第4章「総中流社会に代わる若者の居場所」
団塊の世代が労働の中心にいた頃は「一億総中流」というのが考え方の主流になった。しかしその考え方、スタイルはバブル崩壊とともに崩れ、「下流化」が進んでいる。その中で私たちの世代の居場所はどこにあるのか、少し前に取り上げた「生き場を失う日本人」のようにアジアなど海外なのか、それとも日本のどこかに居場所があるのだろうか、それは私たちの世代の中にあるのかもしれない。

「働く」ということへの意識は時代とともに変わる。それは文化の成長によるものもあれば、経済や技術、社会情勢など複雑な要素を絡んでいる。それを否定と見るのか、進化と見るのかそれは当ブログを呼んでいる皆様次第である。

1968―世界が揺れた年

1968―世界が揺れた年〈前編〉 (ヴィレッジブックス) 1968―世界が揺れた年〈前編〉 (ヴィレッジブックス)
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1968―世界が揺れた年〈後編〉 (ヴィレッジブックス) 1968―世界が揺れた年〈後編〉 (ヴィレッジブックス)
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「1968」
その年は世界的にも激動の年であった。これまで当ブログでは日本、アメリカ、そしてヨーロッパ各国について取り上げたが、本書はその総集編というべきところで1968年が始まったときから「プラハの春」、メキシコオリンピックが開催された「夏」から、アメリカ大統領選挙が行われた「秋」と時間を追って取り上げている。

<前編>
第一部「われらが不満の冬」
「革命前夜」という言葉がある。ここから来るであろう「革命運動」や事件、など歴史的な「うねり」をもっている。革命運動が起こる以前、各国は以下のような状況にあった。

[アメリカ]
度重なる人種差別、とりわけ黒人への差別は右派を中心に深刻化していった。「ブラック」や「ニグロ」をいう言葉が一般にも浸透し、黒人と白人の対立が「血で血を洗う」とまではいかなくても、それに近いような対立があった。
また、ベトナム戦争も泥沼化し、アメリカによる軍事介入に対する疑問や不満も募っていった。

[チェコスロバキア]
ソ連の圧政下にあり、独裁者スターリンが亡くなっても、同様の状況が続いた。

[ソ連]
ソ連内でも集団農業が崩壊し、いくつかの民族が「民族運動」を起こしてはソ連軍による弾圧が繰り返された。

[日本]
「1968」でも取り上げたのだが、大学における急速な授業料の値上げが起こった。しかも大学生に対する需要の増加に追いつけず、満足に勉強できるような講義を受けることができなかった。
政治でも岸政権からきた「60年安保」による、アメリカ優位の不平等条約を結んでしまい、政治不信が急速に広がった。

[アフリカ]
アメリカと同じく人種差別が深刻化していった。それも「アパルトヘイト政策」が掲げられたように国家主導で行われていた。

世界中で様々な「憤懣」が募り、そしてそれが「プラハの春」となって爆発し始めた。

第二部「プラハの春」
俗に言う「プラハの春」が起こり始めたのは年が始まって間もないときであった。ノボトニーが第一書記を解任され、後任にドプチェクが選ばれたことから始まる。
ノボトニーは長らくソ連に追従する路線に走った政治家であったが、年明けから民主化を進めるといった融和路線に転向した。しかしそれも報われることなく、3月に大統領も辞任した。ちょうど春先にあったことから「プラハの春」と名付けられ、ソ連の圧政から解放され自由を得る光明が見えてきた。しかし、そこでソ連の介入(というよりも不法侵入)により、改革の針は思うように進まなくなった。
一方ではアメリカや日本の大学生がベトナム反戦や大学に対する不満に対するデモが起こっていた。日本では大学講堂を占拠する事件も起こった。またアメリカでは「公民権運動」を発端とした黒人と白人との対立が激化していった。

<後編>
第三部「オリンピックの夏」
1968年はメキシコシティーで夏季オリンピックが行われた年であるが、そこでも男子200M走の表彰式で「ブラック・パワー・サリュート」が起こった。そのオリンピック会場となったメキシコでも同様に1968年の渦に巻き込まれていた。実質的に制度的革命党(PRI)の一党独裁政権にあった中で急激な経済成長を見せた。その一方で現在の日本にある「格差社会」がここでも起こり、PRIの独裁からの脱却を求める学生団体がデモ行進などの抵抗運動を起こしていた。
「オリンピック」でいうと、もう一つある。2月に行われたフランス・グルノーブルの冬季オリンピックである。底ではチェコスロバキアのアイスホッケーチームがソ連のチームに僅差で勝ったことで、街頭へ勝利を祝いに繰り出すほどチェコスロバキア国民が熱狂したという。「プラハの春」は政治的な要因が引き金になったのだが、このオリンピックも遠因として挙げられるのかもしれない。

第四部「アメリカ、選択の秋」
1968年秋、アメリカでは大統領選挙があった。公民権運動の主導者の一人だったキング牧師が暗殺され、民主党のカリスマとして名を馳せたJFKことジョン・F・ケネディも暗殺され、ベトナム戦争が泥沼化し、政治不信も募っていった。その中で大統領選に勝利し、新たに大統領に就任したのは、ロバート・ニクソンである。しかしそのニクソンに対する不信も少なくなく、就任式にデモを呼びかける運動も所々で起こった。
1968年の終わる12月21日にはアポロ8号が打ち上げられ、人類でもっとも月上に近づいたことで話題となり、後のアポロ11号の月面着陸のきっかけにもつながることとなった。戦争をのぞいて「激動」という言葉が最もふさわしい年、「1968」はそうして終わりを告げた。

「44年目の輪廻」

これは小熊英二著の「1968」を取り上げた時に書いた言葉である。1968年から43年後の2011年も形は違えど「激動」と呼ばれる時代だった。中東諸国を発端とした革命運動、俗に言う「アラブの春」があった。アメリカでも経済的な衰退が著しくなり、オバマ政権に対する不信も募っていった。日本では東日本大震災を発端とした原発事故により、反原発運動が急速に高まっていった。それはあたかも「激動」と呼ばれた「1968」に似ている気がしてならない。そう感じたからでこそ、この「1968」の歴史を見つめ、教訓を得るために本書、そしてその歴史を顧みる必要がある。

「生き場」を探す日本人

「生き場」を探す日本人 (平凡社新書) 「生き場」を探す日本人 (平凡社新書)
下川 裕治

平凡社  2011-06-16
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今も昔も日本を離れ、遠い異国の地で働く・暮らす日本人はいる。老後に裕福な余生を過ごす人や家庭もあれば、新天地や刺激を求め、海外で働く・学ぶ方々もいる。さらに、日本に絶望し、口悪く言うと、自ら捨てて、逆に捨てられ異国にゆだねるようなことさえ起こっている。
最後に書いたような日本人を「「生き場」を探す者」と表す。本書はその人たちの現実を映している。

Ⅰ.「日本に帰らない」
外国に行き、そこで夢破れたが、貧乏になり、日本に「戻れない」方々もいれば、日本に対する絶望に打ちひしがれ日本に「戻らない」方々もいる。

Ⅱ.「詐欺」
日本へ旅行に行った外国人の多くはこう言う。

「日本は世界でもっとも治安のよい国だ」

そう考えると、日本以外の他国では多かれ少なかれ治安は悪く、強盗や詐欺などが公然と横行する国さえある。
本章では異国に移ったがそこで詐欺被害に遭った家庭のエピソードを綴っている。

Ⅲ.「妻」
家族そろって異国の地に移住するところもあれば、家族を残して単身移住するところもある。本章ではその中でも後者のエピソードだが、その中で市場や家族とのいざこざも見られる。

Ⅳ.「ひとり」
両親も兄弟も失い、親戚の関わりもない、まさに「天涯孤独」という言葉を持つ人を取り上げている。
社会からも「ひとり」になり異国の地へ。しかしそこに待ちかまえていたのは残酷なる「現実」とまたちがった「ひとり」だった。

Ⅴ.「賞味期限」
「賞味期限」は一般的には食べ物につけられるのだが、俳優やサッカー選手といった職業や人にとってもあてはめられることもある。本章では怪我により俳優人生に賞味期限を迎えた、男性が新たな可能性を求め異国の地へ渡ったエピソードを綴っている。

Ⅵ.「貢献」
日本のエンジニアが異国の地で活躍する方もいる。異国の地で技術発展を行い、経済発展に貢献する方々もいる。本章ではその方々を紹介している。これまでずっと「夢敗れた」や「残酷な現実」といったネガティブな人々ばかりであったが、こちらはむしろポジティブな意味で異国の地に渡り、活躍している。

日本と諸外国の経済の差は徐々に縮まりつつある。その中で異国の地に赴き、活躍する者は出てくることは間違いなく、現にそうなっていると言っても過言ではない。その状況の中で日本はどのようなたち位置にいるべきか、それを再考することが、岐路に立たされた日本がすべきことである。

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