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ツタンカーメン 少年王の謎

ツタンカーメン 少年王の謎 (集英社新書) ツタンカーメン 少年王の謎 (集英社新書)
河合 望

集英社  2012-07-13
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古代エジプトの有名な王として「ツタンカーメン」が挙げられる。古代エジプトの歴史を知らなくても、みなさまにはピンとくるほどである。
別名「少年王」と呼ばれたツタンカーメンであるが、その生涯や活躍については未だに謎が多い。科学的な観点から判明し始めたのでさえ2010年になってからである。
本書はその最新の科学的観点も含め、ツタンカーメンが存在した歴史の状況とツタンカーメンの死も含めた生涯について解明できたところについて考察を行っている。

第一章「ツタンカーメン王墓の発見」
ツタンカーメンが埋葬されているピラミッドが発見し、探索に入ったのが1922年頃である。それ以前にもツタンカーメンの墓の周辺にて探索していた。ピラミッドの中には副葬品などが発見され、世界中で「世紀の大発見」として取り上げられた。

第二章「ツタンカーメン王の呪い」
その本格的探索が終わり、探索者とそのスポンサーは国民的英雄としてもてはやされた。しかしその後探索者やスポンサーの周りには不可解な出来事が起こった。「ツタンカーメン王の呪い」、有名な言葉で「ファラオの呪い」と呼ばれるようになった。シャーロック・ホームズの生みの親であるコナン・ドイルも新聞でそれに近い表現で形容した記事を発表した。

第三章「古代エジプトの黄金時代と異端の時代」
ツタンカーメンが王となった「古代エジプト」は紀元前3000年頃から紀元後642年のビザンツ帝国支配から解放されるまでの間のことを指す。俗語として「中国4000年の歴史」という言葉顔負けであり、「エジプト5000年の歴史」という喩えも出せるにも思えてならない。
ツタンカーメン王は古代エジプトにおける「第一八王朝」と呼ばれる時代の末期に、王になった。その時代は「オリエント文明」の全盛期であり、その前後に治世を収めた王のピラミッドが乱立された。この王朝にいた時代の史料が豊富にあるのもこの全盛期があってこそなのかもしれない。

第四章「ツタンカーメン王とその治世」
ツタンカーメンが王になった期間はわずか10年という短い期間であったのだが、その王に即位する間、さらにその10年間の治世は未だに謎がある。その中で解明されたのは即位するまでのプロセスである。ツタンカーメンの父と言われるアメンヘテブ4世からツタンカーメンの間の約20年間、3度王が変わっているがそのなかでうごめく権力闘争が浮き彫りとなった。

第五章「ツタンカーメン王の死と埋葬」
最新の科学を利用した解析では即位したのは10歳前後、亡くなったのも10代の終わりだったという。短命でありながら、年端もいかないような時に王となり、亡くなったことを考えると、王自らが治世を行ったのは考えにくい。
そのツタンカーメン王がなぜ死んだのかについても謎に包まれていた。今でも解明されていないのだが、諸説ある死因のなかで他殺ではなく、別の疫病で死んだという説が有力であると明らかになった。

第六章「第一八王朝の終焉」
ツタンカーメンの死は第一八王朝の崩壊そのものを表していた。ツタンカーメンには2人の子供がいたのだが、いずれも幼い頃に亡くなり、かつツタンカーメン王の後に即位した王もツタンカーメン前後の長さの短命政権に終わり、やがて滅びた。

ツタンカーメンの王としての歴史はわずか10年余りであり、未だに謎に包まれている生涯だった。しかしなぜ古代エジプトの歴史を知らずしても「ツタンカーメン」は有名なものとなったのか、「ファラオの呪い」も含め、ごく最近の探索により起こったものから広まったのかもしれない。そのことを知ることができるだけでも、本書の価値は高いと言える。

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