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就活エリートの迷走

就活エリートの迷走 (ちくま新書) 就活エリートの迷走 (ちくま新書)
豊田 義博

筑摩書房  2010-12-08
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新年を迎えて1ヵ月近く経つのだが、2014年卒の大学生は就職活動も本格化し、面接・筆記試験をするために各企業にゆく、OB面談に行く、ドームなど大きな会場で行われる合同説明会に参加するといったことも行われる事だろう。
しかし、その就職活動、いわゆる「就活」は果たして学生、もしくはこれから入るであろう社会、あるいは企業のために役立っているのかと言う疑問がある。自分自身も6年前の今頃は就職活動を行った身であるが、その時は合同説明会に参加したり、就活セミナーに参加したり、あたかも「受験勉強」のように「エントリーシート対策」「面接対策(模擬面接)」「筆記試験対策」を行っているように思えてならない。そうすることによって憧れの企業に入社する。その人のことを「就活エリート」と定義しているが、憧れの企業に入社にもかかわらず、「戦力外」の烙印を押されてしまい、キャリア構築の段階で迷走してしまう。
本書はその「就活エリート」の現状と、就活事情について考察を行っている。

第一章「優秀な若手を襲う「キャリアの危機」」
受験勉強の如く苦労して「就活」を行い、憧れの企業に入社することになったのだが、それに満足してしまい、いざ研修・仕事を勤めると「ロー・パフォーマンス」に陥ってしまい、数年のうちにやめてしまう人もいる。

第二章「就職活動は、どのようにして「就活」になったのか」
「就活」は言わずもがな「就職活動」を簡略した言葉であるのだが、その「就活」と「就職活動」の違い、それはその活動そのものが「パッケージ」化されているかというものがある。
確かに自分自身も「就活」の時に大学生だったためか、様々な会社から「就活ナビ」のサイトの勧誘もあれば、自分自身もいくつものナビに登録し、就職先を探していたことは今でも覚えている。

第三章「自己分析がもたらす悲劇」
「就活」を行うに当たり「自己分析」は欠かせないモノとなっており、奨励しているサイトや関係者も少なくない。「自己分析」は自分の性格・経験をもとにどの仕事が向いているのか、統計的な観点から明示してくれるツールである。「自分のやりたいことが見つからない」「自分には何が向いているのかわからない」と言う人がどの企業・業界に入ったらよいのか、のバロメーターにもなる。
「自己分析」は統計的な観点から明示してくれるが故に、それを信じ切ってしまい、就活に成功したとしても、社会人人生でキャリアが頓挫してしまう。

第四章「面接という舞台が生む錯綜」
「面接」は本来自分自身を明示し、それを対話や質問をもとにアピールをする、という方法である。その「面接」にしても、様々なマニュアル本があり、就活セミナーでは「模擬面接」が行われており、面接の際にかなりの「武装」を行うのだという。自分自身も見ず知らずの人と会話をする事があまり得意ではないため、模擬面接を何度も行い、企業にとっても本心で入社したい人を選ぶため、対抗措置を執っているという。
その駆け引きの中で、就活を行う学生は「大企業」につとめたいがために、あえて「自分」を演じることに走ってしまう。

第五章「会社に“恋”をするという不幸」
その会社に一方的な愛情を注ぐ、いわゆる「恋」をする様な状況に陥っている大学生。しかし安易な「安定志向」に走って大企業や名の知れた企業に走っているわけではない。世の中が不透明だからでこその「リスク回避」を考えたからでこそ、安定感のある場所に就職をする傾向にある。

就活のツールは年々進化を遂げている。最近では「SNS」を利用した就活、いわゆる「ソー活」も行われるほどである。しかし就職活動はツールが違えど、自分が何をしたいのか、そしてどのような企業に入りたいのか、それを行うことに変わりはない。大学生活にしても、インターンシップにしても自分の将来を見据えること、自分のやりたいことを見出すことは就職活動が始まってからでは遅い。むしろ大学生活の中で「大学生でしかできない」活動をしつつ、これから来るであろう社会人生活に触れる事もまた、重要である。

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