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2013年1月

就活エリートの迷走

就活エリートの迷走 (ちくま新書) 就活エリートの迷走 (ちくま新書)
豊田 義博

筑摩書房  2010-12-08
売り上げランキング : 201220

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新年を迎えて1ヵ月近く経つのだが、2014年卒の大学生は就職活動も本格化し、面接・筆記試験をするために各企業にゆく、OB面談に行く、ドームなど大きな会場で行われる合同説明会に参加するといったことも行われる事だろう。
しかし、その就職活動、いわゆる「就活」は果たして学生、もしくはこれから入るであろう社会、あるいは企業のために役立っているのかと言う疑問がある。自分自身も6年前の今頃は就職活動を行った身であるが、その時は合同説明会に参加したり、就活セミナーに参加したり、あたかも「受験勉強」のように「エントリーシート対策」「面接対策(模擬面接)」「筆記試験対策」を行っているように思えてならない。そうすることによって憧れの企業に入社する。その人のことを「就活エリート」と定義しているが、憧れの企業に入社にもかかわらず、「戦力外」の烙印を押されてしまい、キャリア構築の段階で迷走してしまう。
本書はその「就活エリート」の現状と、就活事情について考察を行っている。

第一章「優秀な若手を襲う「キャリアの危機」」
受験勉強の如く苦労して「就活」を行い、憧れの企業に入社することになったのだが、それに満足してしまい、いざ研修・仕事を勤めると「ロー・パフォーマンス」に陥ってしまい、数年のうちにやめてしまう人もいる。

第二章「就職活動は、どのようにして「就活」になったのか」
「就活」は言わずもがな「就職活動」を簡略した言葉であるのだが、その「就活」と「就職活動」の違い、それはその活動そのものが「パッケージ」化されているかというものがある。
確かに自分自身も「就活」の時に大学生だったためか、様々な会社から「就活ナビ」のサイトの勧誘もあれば、自分自身もいくつものナビに登録し、就職先を探していたことは今でも覚えている。

第三章「自己分析がもたらす悲劇」
「就活」を行うに当たり「自己分析」は欠かせないモノとなっており、奨励しているサイトや関係者も少なくない。「自己分析」は自分の性格・経験をもとにどの仕事が向いているのか、統計的な観点から明示してくれるツールである。「自分のやりたいことが見つからない」「自分には何が向いているのかわからない」と言う人がどの企業・業界に入ったらよいのか、のバロメーターにもなる。
「自己分析」は統計的な観点から明示してくれるが故に、それを信じ切ってしまい、就活に成功したとしても、社会人人生でキャリアが頓挫してしまう。

第四章「面接という舞台が生む錯綜」
「面接」は本来自分自身を明示し、それを対話や質問をもとにアピールをする、という方法である。その「面接」にしても、様々なマニュアル本があり、就活セミナーでは「模擬面接」が行われており、面接の際にかなりの「武装」を行うのだという。自分自身も見ず知らずの人と会話をする事があまり得意ではないため、模擬面接を何度も行い、企業にとっても本心で入社したい人を選ぶため、対抗措置を執っているという。
その駆け引きの中で、就活を行う学生は「大企業」につとめたいがために、あえて「自分」を演じることに走ってしまう。

第五章「会社に“恋”をするという不幸」
その会社に一方的な愛情を注ぐ、いわゆる「恋」をする様な状況に陥っている大学生。しかし安易な「安定志向」に走って大企業や名の知れた企業に走っているわけではない。世の中が不透明だからでこその「リスク回避」を考えたからでこそ、安定感のある場所に就職をする傾向にある。

就活のツールは年々進化を遂げている。最近では「SNS」を利用した就活、いわゆる「ソー活」も行われるほどである。しかし就職活動はツールが違えど、自分が何をしたいのか、そしてどのような企業に入りたいのか、それを行うことに変わりはない。大学生活にしても、インターンシップにしても自分の将来を見据えること、自分のやりたいことを見出すことは就職活動が始まってからでは遅い。むしろ大学生活の中で「大学生でしかできない」活動をしつつ、これから来るであろう社会人生活に触れる事もまた、重要である。

復興の書店

復興の書店 復興の書店
稲泉 連

小学館  2012-08-06
売り上げランキング : 227286

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震災は人も物も夢も希望も生きる力もすべてを飲み込んだ。
本もまた例外ではなく、地震・津波により多くの本屋が失われてしまった。それから店をたたむところもあれば、プレハブやテントで仮店舗として再会するところもあった。震災から時は過ぎ、復興の足跡が響いてくる中、本来ある「書店」も復興し始めた。
本書は被災地の書店の復興までのプロセスを描いている。

一章「本は「生活必需品」だった」
なにもかも飲み込んだ震災。その中で多くの本が失われた。その中で「本」は必要なのか、という疑問が浮かび上がった。
かつて「あって当たり前」だったもの、ありふれたものが失われたとき、どれだけ貴重な物なのか必要だった物なのか思い知らされる。

二章「福島に灯りをともす」
福島の書店の中には被災した。これは他の被災地も例外ではなかった。福島では本屋を通じて「灯り」をともす勇気を与え、本屋を始めたり、続けたりする人も出てきた。

三章「移動書店の人々」
災害により店舗を失ってしまった本屋も存在しており、その中でもクルマなど移動手段をつかって移動しながら、青空のもとで本や雑誌を販売する、いわゆる「移動書店」と呼ばれるものも存在した。

四章「ジュンク堂の「阪神」と「東北」」
大型書店として有名な「ジュンク堂書店」。故郷の旭川にもあるため親近感がある。
そのジュンク堂書店は「阪神・淡路大震災」の教訓を活かし、本を通じて被災者たちの心を温め、そして活力をつけた。

五章「飯舘村に「本のある風景」を」
福島県飯舘村は自身の被害のみならず放射能の被害も深刻であり、ほとんどの村民は避難をした。本屋を務めた人も避難せざるを得ず、現在も避難先で飯舘村に「本のある風景」を思い浮かべているのだという。

六章「復興の書店」
被災地の至る所で復興の足がかりとして「書店」をつくり、情報の発信地としている。先行きが不安定の中で「心の寄り処」としての書店がここにある。

今でこそ一歩一歩であるが、復興に向けて進んでいる。その中でも本書は「本屋」をフォーカスしたわけであるが、もしも私たちの周りに本屋や図書館がなくなったらどうなるのか、と言うことを考えさせられた印象が強かった。その上で本があること、こうやって書評ができることの喜びをかみしめることができる。本書はそんな気分にさせてくれる一冊である。

世界へ挑め!

世界へ挑め! 世界へ挑め!
徳重徹

フォレスト出版  2013-01-23
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株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。
今の日本は「閉塞感」に苛まれているのだという。企業も大企業を中心に海外進出を続けているのだが、海外の大学へ留学する学生が減少していること、海外の市場に殴り込もうとする企業は大企業ばかりで、ごくわずかしかない。
しかし日本、ないし日本人には世界に対して「戦える」力を持っている。その力を持て余すのではなく、むしろ「閉塞感」や「弱気」の枠や壁をぶち破り、青天井の如く広い視野と情熱で「グローバル」を制するための考え方を本書では伝授している。

第1章「「仕事」の枠を打ち破れ」
仕事に対する考え方の中で「完璧でなくてはいけない」「仕事はつらいもの」という考えを持っている人がいる。私の周りにもいるのだが、本章ではそれこそ「壁」であり、むしろ世界に対して戦うためには「スピード」や「量」などが大事であるという。

第2章「「成長」の枠を打ち破れ」
成長をするために、自分自身「何を求めるのか」「何で食べていくのか」を明確にする必要がある。そしてそこから想像を絶するほどの「量」をこなしつつ、失敗しながら前に進み続けることによって、自分でも想像できない所にまで達することができる。

第3章「「企業」の枠を打ち破れ」
「日本の企業」と「海外のベンチャー」
その違いには「夢」の大きさ、そしてモチベーションの差が天と地ほど異なるのである。
さらにいうと世界に通用する人材と日本企業に順応する人材も異なるという。本章ではそれらについて紹介している。

第4章「「国境」の枠を打ち破れ」
昨今の日本企業では「社内公用語」として英語を採用する企業もでてきている。昇進条件としてTOEICの点数を課する企業のあるという。
しかし、それだけでは「グローバル」に対応することができない。英語が上手でも、外国人に対して対等に交渉できる「度胸」が大切なのではないかとも思ってしまう。自分自身も高校の時にカナダに10日間ほど滞在したことはあるのだが、中学・高校の英語はほとんど役に立たず、むしろボディランゲージで乗り切った経験がある。
ビジネスでも海外に進出しようとするのであれば、直接現地にいきヘタクソな英語でも揉まれて行く方が成長だけではなく、度胸も身に付くし、世界中のネットワークを築くこともできる。

第5章「「人生」の枠を打ち破れ」
人生は一度きりしかない。さらに言うとあらゆる可能性を持っている。それを規制の枠に縛り付けた人生にするか、それともあらゆる可能性を秘めて挑むのか、それはあなた次第であるが、むしろ日本は緩和されたとはいえ前者を是とし、後者を非とする風潮は今もなお残っている。著者は後者に対する考え方を変えたいという一心で自分で築いた城を大きくするために邁進を続けている。

世界の経済、さらにはビジネスの世界は急速に変化を起こしている。しかし日本、ないし日本企業は「変化」や「リスク」に対して尻込みをしているのだが、そんな暇はもうない。だからでこそ本書はその状態に警鐘を鳴らすとともに、世界に挑む強さを生かして挑戦することこそ、日本の成長がかかっていると言える。

99%の社長がカン違いしていること

99%の社長がカン違いしていること 99%の社長がカン違いしていること
堀 龍市

あさ出版  2012-12-21
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あさ出版 吉田様より献本御礼。
大にも中小にも関わらず「企業」と呼ばれる「株式会社」には財務諸表が必要となる。その財務諸表は分析により「経営指標」に使われることが多いのだが、むしろ成功している中小企業は財務諸表で経営分析をしない。もっと言うと会社の数字そのものも見ないのだという。
中小企業は日本にある企業の99%もあるのだが、その中小企業を救うための考え方を提唱している。

第1章「「経営」のカン違い」
「中小企業」と言えど従業員の数は会社によって異なる。本書は従業員30人以下の企業にとって成功するためのことを前提にしている。
本章では経営計画や事業計画、さらには行動計画や会社としての在り方について指摘をしている。

第2章「「会社の数字」のカン違い」
会計は「今」の経営状況を知るための道具に過ぎない。それを材料にすることよりもむしろ「これから」の売り上げをのばす、顧客を満足させることによって成り立つ。利益ばかり着目しても「黒字倒産」という事例が起こっているように、利益ばかりで健全性を求めるのは危険である。(だからといって「売り上げ」だけを見て「キャッシュフロー」を見ないのも同じことであるが)

第3章「「人材」のカン違い」
少数精鋭と言われる社員と社長との関係、さらに社長から社員との考え方として「社員は家族」はあるのだが、それを意識して「かけがえのない会社」として「「働きたい」という環境づくり」「お客様にとって満足できる会社」を皆で築くことが大事であるという。

第4章「「作戦」のカン違い」
売り上げを上げ、利益を得ることが企業にとっての大原則である。しかしその大原則として売り上げを上げるために、「お客様」を集めることがなによりも大切である。その「お客様」のために何をもたらすか、満足できるのかを、小さなことでも「ナンバーワン」になることの意味を本章にて説いている。

第5章「「社長の考え方」のカン違い」
社長として「成功」することの意味、そして成功をするための「常識」とは何か、才能とは何か、など資質や心構えについて説いている。

景気は少しずつ上向いているとは言え、中小企業は依然「不安定」と呼ばれる状態にある、といわれている。その言葉を真っ正面に向き合うのか、それともその景気に関係なく「お客様」に対して、「従業員」に対して満足する、もしくは幸せにできるのかを最優先で考えることができるのか、それが成功している・していない企業ないし社長の差なのかもしれない。

人生を楽しみたければ ピンで立て!

人生を楽しみたければ ピンで立て! 人生を楽しみたければ ピンで立て!
藤巻 幸大 阿久津 康弘

あさ出版  2013-01-26
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あさ出版 吉田様より献本御礼。
著者の藤巻氏は昨年12月に衆議院総選挙における参議院上位当選者出馬による繰り上げ当選により参議院議員となった。ファッション業界から国会議員に転身したのは日本人初めてのことであるが、その決意表明は本書のあとがきに記されているためここでは割愛する。
著者はかねてから「自分ブランド」を持つことに提唱しており、本書はその完成型として「ピン(1人)で立つ」ためのルールを紹介している。

第1章「夢なき者に理想なし」
まずは自分自身の「夢」を持つことが必要である。そうでなければ自分自身のブランドの礎を築くことすらできない。夢を持ったら会社の在り方を理解し、コンプレックスに対する考え方を考え直し、どんどんチャレンジを行い、失敗しながらも楽しむことの重要性を持つことを提唱している。

第2章「行動が世界を変える」
夢に近づくためには一にも二にも「行動」がモノを言う。しかしいざ「行動」をしようとしても何をしたらよいのかわからない人も少なくない。本章では「宴会で盛り上げること」「デジタルから離れ、外を歩くこと」「メモ魔になる事」「実際に体験すること」などを取り上げている。

第3章「コミュニケーションを武器にしろ」
最近ではメールだけではなくSNSなど、直接人と会って話さずとも会話をする事ができる時代になった。その時代だからでこそ「直接人と会って話す」ことが重要視される。初対面の人と会って話をすると、直接会ってしかわからない「人柄」や「性格」などを知ることができる。そして会う数が多くなればなるほど相手との距離を縮めることができ、信頼を獲得することもできる様になる。

第4章「成功のカギはマーケティングにあり」
マーケティングはそういった業界特有のもののイメージがあるのだが、実はどの業界でも「マーケティング」があるのだという。「自分ブランド」を確立させるとしたらなおさらそれを意識する必要がある。本章で紹介されている「マーケティング手法」は既存のマーケティング手法を捩って使っているものが多い。

第5章「「自分ブランド」を確立させる」
最後は「自分ブランド」をいかにして確立するか、である。そのためには新年や価値観を持つことなどの在り方を提唱している。

「自分ブランド」は会社にいてもいなくてもつくることができる。それをいかにしてつくるか、そして「会社」にとらわれない生き方、ひいては誰の目や意見にも惑わされない「ブランド」を構築する事がいかに大切か、それを知り、実践することによって「ピン」で建てる舞台をつくることができる。

ロンリー・コンバット!

ロンリー・コンバット! ロンリー・コンバット!
日向 まさみち

角川書店(角川グループパブリッシング)  2011-05-28
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「恋に年齢や年の差は関係ない」
と言われているが、ある程度「倫理」と呼ばれるような見えない空気が立ちこめられている。その「倫理」に振れられ社会問題に化することも少なくなく、過去にもそうなったことが起こった。

1993年のドラマ「高校教師」である。

2003年にリメイクされるほどヒットを遂げたが、教師と女子高生との恋愛を題材にしていることからドラマでありながら「社会的タブー」として週刊誌を始め話題となった。

本書もまた「先生と生徒」を取り上げているのだが、「塾講師」と「女子中学生」の恋愛を取り上げている。書くからに両者の関係はあたかも「塾講師はロリコンではないのか」ということを連想してしまうが、そのレッテルを原手いる印象が強かった。

健気で一途な「女子中学生」と、
ロリコンでマンガ・アニメ好きだけど世間体を気にする「塾講師」

その両者の恋愛は予想以上の「障害」があった。風当たりも冷たかった。当然「邪魔」まであった。それでも二人の「恋」は収まるどころか、いっそう強いものへと変わってゆく。その後の結末は、何とも中学生と講師との関係らしくもあり、これからを思わせるような終わらせ方をしている。

そうそう、タイトルにある「コンバット」とは「戦争」である。本書は社会とそれに取り巻く大人たちを相手にした、「恋の『コンバット』」を如実に表していると言っても過言ではない。

デモのメディア論~社会運動社会のゆくえ

デモのメディア論: 社会運動社会のゆくえ (筑摩選書) デモのメディア論: 社会運動社会のゆくえ (筑摩選書)
伊藤 昌亮

筑摩書房  2012-12-12
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日本でデモと言えば、今も昔もあるのだが、2011年の福島第一原発事故を機に「脱原発」デモを中心に、デモ活動が広がっていた印象がある。
同年には、日本以外にも中東諸国で起こった「アラブの春」、アメリカでは「オキュバイ運動」、他にも日本と同じような「脱原発」と世界各地で様々なデモ運動が起こった。しかしそのデモはあたかも「お祭り」の様相を見せている。
「社会運動」としてのデモであるが、その「お祭り」となった要因、さらにはデモが起こった要因について本書は分析をしている。

第1章「お祭りデモと日本のプロテスターたち」
「プロテスター」は直訳すると「抗議者」を指す。キリスト教における「プロテスタント」と同義語である。
「デモ」に参加する人は必ず「プロテスター」なのか、というと実はそうではない。一見抗議をする事はしても、けっこう「面白半分」、もしくは「お祭り気分」で参加する人もいる。
シリーズ「1968年を知らない人の『1968』」の中でも書いたのだが「1968」と44年目の輪廻のごとくデモ活動は再び広がりを見せているが、その要因と参加者の心情は異なる、前者については第3章にもつながるためここでは割愛する。

第2章「占拠デモと世界のプロテスターたち」
2011年はまさに「デモの年」という言える年だった。最初にも書いたように中東諸国では「アラブの春」が起こり、アメリカでは「オキュバイ運動」が起こった。「アラブの春」については「中東 新秩序の形成―「アラブの春」を超えて」にて紹介されているのでここででは割愛する。本書で注目するのはアメリカで起こった「オキュバイ運動」についてである。
「オキュバイ」とは「占拠」のことを表しており、2011年9月17日に「反格差」を求めて、アメリカ経済の中枢にあたるニューヨーク・ウォール街を占拠し、デモを起こしたことがきっかけである。そのウォール街占拠、ちょうど10年前に9.11が起こったことをきっかけに、アメリカ全土にまで広がった。

第3章「ソーシャルメディア革命の深層」
2011年に世界中でデモが起こった要因、それは「ソーシャルメディア」によるものが大きかった。なかでも「Facebook」からの呼びかけによりデモの規模が大きくなったことにも起因している。これは2011年に限った事ではなく2009年春にもイランで相次いだ民主化デモも「ツイッター革命」と称されており、それが「Facebook」になった形とも言える。

第4章「市民運動の原理とその変容」
2011年からは起こり始めた「反原発」デモは2012年夏にピークを迎えた。その「脱原発」デモは「市民運動型」「サウンドデモ型」「ピースウォーク型」と三つにわかれている。
本章ではそのデモの三つの型について分析を行っているだけではなく、そもそも市民運動はいかにして成り立ち、形成されていったのかを分析している。

第5章「市民運動型デモとお祭りデモ」
第4章にてデモの形について紹介をしたが、そもそも「市民運動型」と「お祭りデモ」の違いは一体何なのか。本書では呼びかけ文やデモ運動そのものの形について分析をしている。

第6章「社会を帰る運動・創り出す運動」
そもそも社会運動としての「デモ」は社会を変える存在となるのだろうか、或いはつくりだす存在となるのだろうか。本来の形の「デモ」と言えばそうではあるかもしれないが、「お祭りデモ」もあるようにある種の自己満足によって「デモ」が形成されているようにも思えてならない。

第7章「抗議する運動・関係する運動」
「運動」という一括りにしても、「助け合う運動」「抗議する運動」とが存在する。頃まで紹介してきたデモは大抵後者のことを指している。では前者はどういう運動を指しているのか。簡単に言えば奨学金や補助金を求める運動のことを指している。
また、「デモ」というと市民団体が列をなし練り歩きながらシュプレヒコールをあげることを想像してしまうか、インターネット媒介とした運動も盛んに起こっていることも本書では事例として存在する。

ソーシャルメディアが出てきたことにより、ビジネスにもコミュニケーションにも変化を生じた。同時にメディアやデモ活動にも変化を生じたことは、紛れもない事実である。この潮流はもはや止まらない。むしろその形がどんどん変化しながら、続いていくのだろう。本書を読んでそう見て取れた。

人はなぜ<上京>するのか

人はなぜ<上京>するのか (日経プレミアシリーズ) 人はなぜ<上京>するのか (日経プレミアシリーズ)
難波 功士

日本経済新聞出版社  2012-01-26
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私が仕事の為に上京してきたのが2008年、専ら北海道にすんでいたため、仕事以外で仲間や友達と呼ばれる人は全くといってもいなかった。
私事はさておき、今でもそうであるが、昔から地方から職を求めて状況をする人は後を絶たない。それが「首都圏一曲集中化」を助長させてしまう。本書はその要因を明治維新から現代までの歴史とともに迫っている。

第1章「上京、青雲編。」
今となっては、様々な理由で上京するのだが、明治~大正時代はむしろ「学び」を得る、もしくは「文士」になるため、上京する。上京した先で「苦学生」となり、様々な労働をせざるを得ない状況に追い込まれた人も少なくなかった。

第2章「上京、失意編。」
大正時代が終わりにさしかかってきた頃、「関東大震災」が起こった。主に火災による焼死により、10万人以上が犠牲になった。この地震により、罹災し、東京から離れざるを得なかった人も少なくない。その人たちの多くは関西をはじめとした「新天地」を求めた。

第3章「上京、団塊編。」
時代は大正を過ぎて昭和へ、そして第二次世界大戦が終演を迎え、やがて「戦後」と呼ばれる時代、「団塊の世代」が生まれた時代に入る。
豊かさを求め、仕事を探しに東京に渡る人も出てきた。それがやがて「高度経済成長」の原動力となった。

第4章「上京、業界編。」
戦争が終わって10年以上経つと東京をはじめとした首都圏は急激な経済成長を遂げ、大国・アメリカに次ぐ経済大国にまで押し上げた。その中で「成り上がり」と呼ばれる歌手などのエンターテイナー、そして様々な文化やブームも誕生した。

第5章「上京、頓挫編。」
高度経済成長、そしてバブル景気が終わりを告げ、「失われた10年(ないし20年)」の時代に入った。職や学びを求め上京したが、頓挫し、路頭に迷う人も出てきた。たとえ職や学の場所があったとしても人間関係の息苦しさがかえってやる気の妨げとなり、結局「頓挫」してしまう。

「首都圏一極集中化」は今でも進む、しかしそれは明治時代からずっと続いている遺産であるのだが、形は変わりながら維持し続けている。本書はそれを映し出している。

小さな会社と小さな自分を大きくする51のスキル

小さな会社と小さな自分を大きくする51のスキル 小さな会社と小さな自分を大きくする51のスキル
安藤 竜二

アスペクト  2011-12-17
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日本には約700万もの会社が存在する。その中で「大企業」と呼ばれているものが1%にも満たない。ほとんどは中小企業であり、かつそこから大部分は「零細企業」と呼ばれる。いわゆる「小さい企業」であるのだが、そこに嘆くことなく、むしろ小さいからでこそ身につけられる技術、ノウハウが存在する。
本書は小さな会社から地域の産品を「ブランディンブ」するプロデューサーとして、技術・メンタル・ノウハウを伝授している。

第1章「"たたき上げ"の技術を身につける」
たたき上げの技術の中で、まず提唱しているのは「名詞を配る」ことにあるのだという。名刺交換から出会いが始まるが、そこから先のアポイントメントや行動に結びつけられるかがカギである。本章では「出会いの先」をどのように結びつけられる技術について伝授している。

第2章「なんとしても"出会い"をつなぐ」
名刺交換をした後、2回目に出会うことこそ難しいといわれている。人との出会いは「数」によるのだが、それだけではなく、同じ人と出会う「数」も含まれる。とりわけ後者は多ければ多くなるほど、ビジネスを深いものにすることができるだけではなく、芋づる式のように人脈を広げることができる。

第3章「「仕事したい!」と思わせる企画をつくる」
その人脈から「仕事」をもぎ取るために「仕事したい!」と思わせるような企画をつくる、そして相手に伝える(プレゼンする)ことで仕事につなげる第一歩にする。
本章ではそのプレゼン術を紹介している。

第4章「"困難"を突破するメンタルを育てる」
小さなところから大きな仕事にするためには、たくさんの「困難」が存在する。その困難から乗り越える、もしくは付き合う方法について伝授している。

第5章「小さな会社を越える仕事をつくりだす」
小さな会社だからこそ、小回りが聞くからでこそ、目の前の仕事に全力投球する、気配りをするなどが大切である。

私は小さな会社に勤めることはないのだが、自分自身が小さな会社を経営した時、もしくはフリーランスになったときを想像したとき、自分自身がどう仕事をすべきか、ということを示してくれる格好の一冊である。

「キャリア未来地図」の描き方

「キャリア未来地図」の描き方 「キャリア未来地図」の描き方
原尻 淳一 千葉 智之

ダイヤモンド社  2013-01-19
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最近では、自分自身のキャリアに悩む人が増えている。私自身も本業と趣味などをどうしたらよいのか悩むことも度々あり、現在でもそれに対し悩み・迷い・惑い・考えながら進んでいるような状況にある。
日本の雇用状況は「不安定」と呼ばれるほど先行き不透明の状態に陥っている。だからでこそ「ライスワーク」と「ライフワーク」の2軸で考えることが重要であるという。その2軸をそれぞれ育てることにより、両方で相乗効果(シナジー)が起こり、仕事・プライベート双方とも充実したものになる。
本書はその2軸を考える「未来地図」の描き方を著者2人のキャリアとともに示し、伝授している。

第1章「キャリアは「ライスワーク」と「ライフワーク」の2軸で考える」
会社だけの人生では、色々と限界が見えてしまう。しかし、その「限界」自体「一本道」であることを意識していることから起こってしまうのだという。
むしろ自分の「ライスワーク」を「ライフワーク」を一択(OR条件)にするのではなく、複合条件(AND条件)にすることが本書の根幹である。

第2章「消費者から創造者へ価値を作る人になる」
ライフワークにしてもライスワークにしても「消費者」から「創造者」の領域があるという。その境目とはいったいどのようなもので、「消費者」の領域から「創造者」の領域にシフトしていくのはどのような時なのかを示している。

第3章「「キャリア未来地図」で人生まるごと整理する」
本書はどのようにキャリア未来地図の描き方を現状と未来とともに伝授している。本書の巻頭にはその「未来地図」を作るためのシートもあり、自分自身がどのような経験をしてきたのか、仕事・プライベートに関わらずどのような体験をしてきたのかを描き、これからどのように進むべきかを考える糧となる。

第4章「「ANDキャリア」を探検しよう」
キャリア構築をするにもライスワークで精一杯な人もいる。しかしその状態でも憂うことなく、ライスワークをいそしみつつも、ライフワークを見つけることもできる。そのライフワークにしても「継続」する事が大切であり、それが「特技」に昇華することもできる。

第5章「再び「働く場所の仕組み」」
20代後半は「転職思春期」であるのだという。私自身も恥ずかしながら今もそうであるが「転職」と言う言葉に心を揺さぶられてしまうことが度々ある。
私事はさておき、その転職をするにしても、しないにしても会社にも「タテ」「ヨコ」が存在する。タテは上下関係、ヨコはジャンルや部署といったものが挙げられる。

第6章「僕らが見つけた「新しいお宝 = 人生への報酬」」
「ライスワーク」と「ライフワーク」はそれぞれ受け取る「報酬」の形が違ってくる。「ライスワーク」は生活をしていくのに欠かせない「貨幣」、ライフワークはむしろ「感謝」といったものがある。とはいえ逆に「ライスワーク」で「感謝」を受け取ることもあれば、「ライフワーク」で「貨幣」を受け取ることもある。
そしてその中でも「感謝」を受け取れば受け取るほど「ご指名」を受け取る機会が出てくる。そうすることによって新たな「自由」を手に入れることができる。

21世紀に入り、キャリア構築のあり方も劇的に変化を遂げており、その変化は今も続いている。その中で「働く」ことそのものの価値も変わっていく。その変化をいかに教授し、順応していくのか、そしてその「働く」ことを楽しくし、自由を手に入れるための、2つの「軸」を構築していけばよいのか。転職に悩む人もそうであるが、キャリアアップに悩む人は一度振り返るときに読むべき一冊と言える。

徹底的自分中心 プロアクティブ学習革命

徹底的自分中心 プロアクティブ学習革命 徹底的自分中心 プロアクティブ学習革命
さかはら あつし

イースト・プレス  2013-01-18
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イースト・プレス 石井様より献本御礼。
本書は資格や英語など「プロアクティブ(proactive:事前に対策を講じること)」をもとに紹介した学習法であるが、著者の経歴のインパクトが強かった印象がある。「絶体絶命」と呼ばれる言葉を2度も体験しており、そこから抜け出すために自ら勉強法を編み出し、人生を変えていった。本書で体験される「2度」の絶体絶命体験は人によってモチベーションを限りなく低下し、つぶれてしまうような状況に陥ってしまう。そこから立ち直って開発したのだから著者のモチベーションには頭が下がってしまう。
では、めくるめく「プロアクティブ」勉強法を見てみることとする。

1章「どんな試験にも応用の利く「学習OS」獲得のために」
これまで様々な学習法は英語に特化したもの、数学に特化したもの、資格に特化したものがほとんどであるが、本書ではまず「学習OS」と呼ばれるすべての学習のベースを構築することから始まる。
それは「本当にやりたいこと」を見つけたり、記憶法や時間術、モチベーション術など様々な要素が詰まっている。

2章「「プロアクティブ勉強法」とは」
学習OSの構築が終わると、今度はパソコンでいうところの「ミドルウェア」にあたる要素を紹介している。本書ではそれを「プロアクティブ・イレブン」と呼ばれており、勉強を行うに当たって重要な要素を11個紹介している。この1・2章が本書の根幹をなしており、そこから様々な形で応用する方法を3章以降で紹介している形となる。

3章「プロアクティブ受験直前対策法」
本書が取り上げた頃には大学入試センター試験が終わり、国公立では「二次試験」、私立でも大学によって一般入試が始まる。高校受験もそろそろ入試が見えてくることだろう。
本書では著者が京大に合格したエピソードをもとに大学受験(特に二次試験)に向けて直前に向けての準備を示している。

4章「プロアクティブ英語学習法」
楽天やユニクロなど「英語」を「社内公用語」として採用されている企業も出てきている。そのため英語学習に頭を悩ませている会社員も少なくなく、英語学習本についてもビジネス書向けに出されているほどである。
本章では英語勉強法についてTOEIC・TOEFLなどの試験、さらには英会話などの勉強法を伝授している。

5章「プロアクティブ・リーディング」
最後は読書術である。「プロアクティブ」にし、ビジネスとして大いに役立つための読み方を示している。

勉強にしても読書にしても、明確な「志」「夢」をもち、そして明確な「目的」を持つことが大切である。そしてそれを自分にとって大事なことのために使うことこそ、大切なことである。本書はそのための勉強を要領よくやることにすぎないのだという。自分自身も同感である。

特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ

特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ 特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ
五百田 達成 堀田 秀吾

クロスメディア・パブリッシング(インプレス)  2012-06-13
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仕事にしてもプライベートにしても「人間関係」が大切である。しかし人間関係と一口に言っても、人によって価値感や性格の合わない人もいる。それにより人間関係がこじれるだけではなく、鬱病など精神的な病に陥ることもある。
人によっては「人の話に興味がない」「人と積極的に関わろうとしない」の人もいる。本書ではこのことを「心が冷めた状態」と定義している。その状態が続くと気が付いた時にはすでに孤独になっており、誰も助けてくれない状態となってしまう。
本書は、心が冷めてしまうメカニズムと、そこから脱出する方法、そして人間関係の構築について「言語学」、及び「心理学」の観点から伝授している。

第1章「冷めた心に火を灯せ」
「心が冷める」というのは、「人との距離をとってしまう」ことになる。その「心が冷める」状態から脱するためには、つまらない話の興味を持つ、ギャップを楽しむ、言葉を変えるなど方法は様々である。

第2章「ゼロから信頼を築く」
信頼はボウフラのごとく自然に沸くようなものではない。何もないところから積み木のように積み上げていくしかない。
その信頼を築くためには人によってそれぞれであり、かつ友情や愛情、さらには仕事のパートナーシップといった「信頼」の種類も異なる。本章ではそれぞれの人の「信頼」の築き方について伝授している。

第3章「人間関係で悩まない」
人間関係で悩んでいる人が多い。その人間関係がこじれてしまうと、雰囲気も嫌悪なものになるだけではなく、自分自身の体調も崩しかねない。
その人間関係を悩まなくさせる方法として、チームプレイのあり方、話す・接するときの心構えを伝授している。

第4章「人を本気にさせてみろ」
「人を本気にさせる」
会社の中では部下などの相手に対してモチベーションを上げる、もしくは自分自身のモチベーションを上げる方法・人柄について紹介している。

第5章「打たれ強くなれ」
人にはレベルや量は違えど「試練」や「壁」と言うものが存在する。また、そのことにより心的に「負荷」もかかる。その「負荷」から強くなるためにはどのような感情を持つべきかを伝授している。

人間関係が「希薄化」している、とよくニュースでもいわれている。しかし人間は1人では生きていけないことは紛れもない事実である。「3年B組金八先生」に出てくる坂本金八の名言(「人」という字は、人と人が支えあっている)とまではいかないが、支えられて生きていることを忘れてはいけない。その支えられている存在をいかに大事にするか、それが本書の心構えや方法を伝授することによって、メッセージとなっている。

気にしない

気にしない 気にしない
葉 祥明

日本標準  2009-08
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「監視社会」と呼ばれるような今の社会。人それぞれであるが、多くは人の目を気にするような状況に陥っている。「KY(空気を読まない)」という言葉が出てきたように、出る杭が打たれるどころから「杭」すら出させないような社会となり、閉塞感すら感じさせられる。

しかしそのような世の中でも「気にしない」という言葉が助けてくれる。

一見無責任のように見えるのだが、自分自身の心を軽くする、そして背中を押してくれるような詩がここにあるような感じになる。

ただ「気にする」ことはそんなに悪いことではない。それは相手の心を「思いやる」ことそのものにある。

その「気にする」が重荷にならないためにも「気にしない」ことも大事である。本書はそのことを言っているのではないのだろうか。

湖水爆発の謎を解く カメルーン・ニオス湖に挑んだ20年

湖水爆発の謎を解く カメルーン・ニオス湖に挑んだ20年 湖水爆発の謎を解く カメルーン・ニオス湖に挑んだ20年
日下部 実

岡山大学出版会  2010-06-01
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1986年8月21日
アフリカのカメルーン共和国で全く新しい自然災害が起こった。ニオス湖と呼ばれる湖で、「湖水爆発」が起こった。「ニオス湖」はカメルーン西部にある湖であり、元々「火口湖」と呼ばれる湖であるのだが、「湖水爆発」そのものも知られていなかったため、その周辺にいた住民1,746人、さらには多くの家畜が死亡する大惨事となった。本書はその原因と引き金など、「湖水爆発」の謎とともに、災害のメカニズムと対策方法についてを著者の体験をもとに記している。

第1章「ニオス湖ガス災害」
ニオス湖の湖水爆発は最初にも書いたのだが、その2年前にちょうどその前兆にあたる「ガス吹き出し」が起こった。そのときも住民74人が死亡した。

第2章「ニオス湖で何が起こったのか」
著者は災害発生から6日後、政府から発行された「委嘱状」によりカメルーンへと渡った。「有毒ガス災害にまつわる調査として」である。初めて行くカメルーン、そこからニオス湖に向けての道、そして災害地への調査にまつわるエピソードをつづっている。

第3章「一九八七年ニオス湖災害国際会議」
第2章における調査をもとにカメルーン政府、国連開発計画(UNDP)、国連教育科学文化機関(UNESCO)らのスポンサーのもと「ニオス湖災害国際会議」が行われた。その中でも意見交換が行われ、全容解明に向けての第一歩となった。

第4章「カメルーン火山列」
日本は様々な火山がある、いわゆる「火山大国」といわれているが、カメルーンも「火山列」と呼ばれるとおり、様々な火山が連なっている。本章はその火山列を地学的な観点で考察を行っている。

第5章「ニオス湖の特異な化学組成と成層構造」
世界には様々な湖があり、その中の湖水の科学物質は異なっている。中でもニオス湖は他の湖とは異なっているところを化学の観点から考察を行っているが、かなり専門的に突っ込んでおり、化学組成・成層構造について基礎がしっかりしていないと取っつきにくい章と言える。

第6章「湖水爆発の引き金は?」
その「湖水爆発」の引き金はいったいどこからなのだろうか。原因には二酸化炭素(CO2)の自然蓄積によるものと著者は推定している。

第7章「ニオス湖・マヌーン湖ガス抜き計画(NMDP)」
原因が推定し、いよいよ「対策」として「ガス抜き計画(NMDP)」がスタートした。第5章から第6章にかけて、原因が特定するまで20年以上かかり、第7章の対策実行が行われたのは2001年。いかに問題が複雑で、かつ国際的のパワー関係などが絡み、時間を要してしまったと言えよう。

第8章「湖水爆発の反復性と伝承」
ガス抜きを行ったニオス湖やマヌーン湖では昔から二酸化炭素がたまりやすい湖であった。その理由は周辺に住んでいた民族が古くから伝わる「伝承」として残っている。

第9章「湖水爆発は日本で起こるのか」
本書の読むに当たり一番気になるのがこの「湖水爆発」が日本で起こるかどうかである。何せ日本は「火山大国」と呼ばれている国である。ニオス湖のような「火山湖」は「蔵王のお釜」や「草津白根山の湯釜」などが存在しており、とりわけ後者は1882年に噴火をしている。
しかし日本は四季折々の変化があり、ニオス湖のような「湖水爆発」はないと断定している。その理由を本章にて詳しく説明している。

第10章「ニオス湖ダムは決壊するか?ー二重苦のニオス湖」
ニオス湖の周りには天然ダムが存在しているという。湖が湖水爆発し、そのことによりダムが決壊すると、洪水がおこり、火山ガスと洪水という二重苦と隣り合わせの地域であるという。

第11章「発展途上国の抱える問題」
ガスの成分などフィールドワークを通した調査の中で「発展途上国」ならではの問題を肌で感じたという。

著者は1986年のニオス湖湖水爆発より20年もの間、定期的にカメルーンに渡り調査を続けてきた。その中で気づいたこともあるのだが、様々な関わりによりここまで研究を続けることができた。本書はその結晶と謝辞が詰まっている一冊と言える。

ロウソクと蛍光灯―照明の発達からさぐる快適性

ロウソクと蛍光灯―照明の発達からさぐる快適性 (祥伝社新書) ロウソクと蛍光灯―照明の発達からさぐる快適性 (祥伝社新書)
乾 正雄

祥伝社  2006-04
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もはや人間の生活とって「照明」は欠かせない。しかし「照明」そのものがいつ頃から親しまれたかというと、あまり知られていない。古代であれば焚き火を使ってそれを照明の代わりにしたことを想像してしまうのだが、はたして「照明」は人間にとってどのように親しまれたのか、そして、これから私たちはどのように「照明」と付き合っていくのか、本書はその歴史と傾向について分析を行っている。

第一章「太古から産業革命以前までの人間生活と照明」
古代、人は「光」そのものは「神聖なるもの」として崇められていた。その「光」も「灯り」として使われ始めたのが中世になってからのことであるが、西欧では暖炉や蝋燭といった「火」を使った灯りが中心であった。

第二章「寒くて暗い国に起きた産業革命と光源の発進」
やがて産業革命が起こると、「灯り」もオイルランプやガス灯、そしてアーク灯から白熱電球、蛍光灯へと短期間でめまぐるしく進化を遂げてきた。その進化のなかで西欧は「光」は神聖なものから「文化の象徴」として扱われるようになった。
そしてその風潮は西欧から日本へと渡り、日本でも文明開化のなかで「街灯」がともるようになった。

第三章「照明採光技法の発進」
白熱電球が広まりを見せ、それを駆使した照明技術・建築が進んだ。さらに「~ルクス」と呼ばれる照度をコントロールした工夫も目立ち始めた。

第四章「近代以後のビル様式の流れと照明の変遷」
「照明」の技術が進化する度、「快適性」や「安全性」を重視したものになっていった。そのような傾向の「照明」は日本で言うと、主に「オフィス(ビル)」が挙げられる。

第五章「照明の後戻り」
しかし「明るさ」絶対主義の照明は陰りを見せた。スピードが求められるような明るさが、人の中で「癒し」を失い、求められているはずだった「快適性」も失われていった。その中で提唱され始めた「スローライフ」には「明るさ」を押さえ、程良い「明るさ」と「暗さ」を醸すことによって「癒し」や「快適」を見出し、「暗さ」の価値が上がっていった。

「ロウソク」「蛍光灯」いずれも「明るさ」を私たちの生活にもたらしたものである。

 「ロウソク」から「蛍光灯」へ

それは人にとって「明るさ」をこの上なく求めた。しかしそれに陰りを見せたとき、

 「蛍光灯」から「ロウソクへ」

と戻りつつある。ある哲学者が唱えた「万物は流転する」ように。

銀婚式物語

銀婚式物語 銀婚式物語
新井 素子

中央公論新社  2011-10-22
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「銀婚式」は結婚25周年の時に祝う式である。結婚50周年が「金婚式」と呼ばれているので、それに倣った形で名付けられたのだろう。
著者も本書の執筆中に「本当に」結婚25周年を迎えたのだという。その25周年にあたる日がこの作品の連載一回目に当たってしまい、夫と口論になったこともあとがきにて告白している。

本書が出版する25年前には「結婚物語」を上梓しており、それから25年間の思い出を赤裸々に回想している。

25年間、「波乱」らしくもなく、けれども「平凡」でもなかった。25年の結婚生活であれば子宝に恵まれても良いのだが、不妊症だった。その治療で病院通いが続き、そのことによって夫婦関係に亀裂が生じた。

他にも小さな事件があり、そのたびに喧嘩をしたり、仲違いをすることはあったけれどもこの結婚生活が25年間続けられたのは夫がいたこと、そして馴れ合いの中で生活が送れたことへの感謝を送っている。

短期間で離婚する夫婦が多い中、こうやって25年間結婚生活を過ごすことができる術を、実体験で教えてくれるような気がする。

あと25年したら「金婚式物語」が出るのか、見てみたい気持ちがある。

「網民」の反乱~ネットは中国を変えるか?

「網民」の反乱 ネットは中国を変えるか? 「網民」の反乱 ネットは中国を変えるか?
古畑 康雄

勉誠出版  2012-10-15
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約13億人もの国民が住んでいる中国。最近その中国の最高指導者が「胡錦濤」から「習近平」に変わった。「中国共産党」の一党独裁主義が長らく続いているが、技術の進化は中国当局による統制が行われても取り入れられている。そしてそれが「民主化」への一縷の希望として国民はもてはやされ、中国当局は戦々恐々としている。とりわけ「インターネット」の進化はそれを促すほどであるのだという。そのインターネットユーザーの事を中国では「網民(マオミン)」と言い、ブログやTwitter、Facebookを使い、中国の現状と希望を叫ぶ。
本書はその「網民」たちの声と中国当局との戦い、そしてそれを日本やアメリカなどの海外ではどのように報じたのかを見ている。

第一章「中国の言論空間とインターネット」
言論統制をされているとはいえ、中国では5億人もの「網民」がいる。そのブログや掲示板をつかって書き込み、世論を作り出す、いわゆる「ネット世論」や「ネット論壇」もできている現状がある。

第二章「中国社会を知るためのネットキーワード」
「中国の常識は世界の非常識」
中国でもインターネットは使われてきているのだが、それがどのような発言を行い、対立が起こり、ユーモアがあり、それでいて政府とのインターネット上での「闘争」も起こっている。

第三章「ネットで中国はどう変わる?」
インターネットが中国でも成長してきたように、既存の中国観とは異なる考えを持つ。私たち日本人は中国の情報についてのソースは、大方「人民日報」だった。しかしネットの世界ではそれに反した情報も行き交っている。

「日本」と「中国」
互いの国は現在、尖閣諸島を発端とした対立が起こっている。しかし両国の事情は、程度はあれど同じようなものであり、かつわかりあえていない部分もある。本書は知られざる中国のインターネット事情を知るとともに、両国がわかり合えていないところも見出すことができる。

新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている―驚異の自動収入システムは今も回り続けていた!

新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている―驚異の自動収入システムは今も回り続けていた! (知恵の森文庫) 新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている―驚異の自動収入システムは今も回り続けていた! (知恵の森文庫)
荒濱 一、高橋 学

光文社  2013-01-10
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「仕組み」が紹介されて5年。「リーマンショック」「東日本大震災」を始め、世界の情勢や経済は目まぐるしく動いた。もちろんビジネス環境も大きく変わり、インターネット環境も同様である。
では最初に紹介された「仕組み」は5年前と変わっているのだろうか。それも続いているのだろうか。本書は文庫本を刊行するに当たり、ペーパーバックス版で紹介した仕組みの「5年後」をともに紹介している。

Chapter1「「仕組み」とは何か?」
そもそも「仕組み」とは一体何なのだろうか。国語辞典を引いてみると、

「仕組まれた全体の構造や各部の有機的関係」「新明解 国語辞典 第五版(三省堂)」より)

とある。しかし本書では、「自動的に収入が入ってくるもの、もしくはシステム」を指している。

Chapter2「「仕組み」づくりケーススタディ① インターネット・ビジネス」
さてここから「仕組み」について紹介する。まずは駐車場やマッチングサイト、メルマガ、ドロップシッピングなどの仕組みが紹介されている。ケーススタディの最後にはそれから5年後どのように変わったのか、という取材を行っており、仕組みを続けている人もいれば引退した人、或いはその仕組みを大きくした人、また新たな仕組みを作ろうとする人もいた。

Chapter3「「仕組み」づくりケーススタディ② 情報起業」
「情報起業」は自分の知識やノウハウをインターネット上で販売することを目的としている。本章ではその情報起業の仕組みの先駆者を紹介している。その先駆者は5年間の間にいろいろなことが起こった。新たな仕組みづくりを模索しているのだが、これまで行ってきた「情報起業」の光と闇を目の当たりにしたような感じだった。

Chapter4「「仕組み」づくりケーススタディ③ ビジネスオーナー」
ビジネスオーナーとは言っても様々である。本章では自動的に収入を作ることできる「仕組み」としてのビジネスオーナーを紹介している。そのビジネスオーナーは5年後、視点を世界に向けたビジネスを手がけようとしている。

Chapter5「「仕組み」づくりケーススタディ④ 投資」
「投資」とはいっても、証券や株式の投資ではなく、本章では不動産投資やベンチャー投資のことを指す。本書ではその二つの投資を行っている人について紹介している。そして5年後の取材の中でも、投資を続けているものもあれば、あなたの投資や事業に着手しているのだという。

Chapter6「「仕組み」づくりケーススタディ⑤ 発明」
「発明」はハードルが高いように見えるが、実はありふれたものから着想を起こし、と教えて利益を起こすのだという。本章ではその発明について「仕組み」を構築した人を紹介しているが、取材した5年後にはその仕組みを動かすだけでなく後進の育成に尽力しているのだという。

Chapter7「ラットレースから抜け出すための「仕組み」づくり講座」
これまで紹介してきた「仕組み」を作るためにはどうすればいいか。簡単に言えば「行動」することのみである。それだけではない。サラリーマンでも、会社が休みとなる週末に起業する、所謂「週末起業」をすることも提唱している。

あれから5年、最初に紹介された仕組みは、形が変われど動き続けているだけではなく、進化を続けながら続いていること、さらに仕組みを作った人も仕組みの維持だけではなく新たな仕組みづくりにも尽力している。時代は進化しているが、仕組みの重要性はこれからますます強くなっていく。そのことを本書は言っているのかもしれない。

図解 カール教授と学ぶ成功企業31社のビジネスモデル超入門!

図解 カール教授と学ぶ成功企業31社のビジネスモデル超入門!  (MAJIBIJI pro) 図解 カール教授と学ぶ成功企業31社のビジネスモデル超入門!  (MAJIBIJI pro)
平野敦士カール

ディスカヴァー・トゥエンティワン  2012-12-26
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企業がビジネスを進めていくにあたり「経営戦略」或いは「ビジネスモデル」を作ることが大切である。とはいえ、「ビジネスモデル」や「経営戦略」の教科書は存在するものの、多くはビジネススクールの教授をはじめとした経営学者が書いたものであり、机上の空論であることが多い。そのことからいざ「ビジネスモデル」や「経営戦略」を作ろうとしても頓挫してしまうことも少なくない。
本書実際に企業の新規事業立ち上げ、及びベンチャー企業への投資を行ったことのある著者が、「生きた」ビジネスモデルや経営戦略の立ち上げ方について事例とともに伝授した一冊である。

PART1「いきなり「新規事業を考えろ」!!? そもそも、ビジネスモデルって何?」
いきなり「ビジネスモデル」「経営戦略」を立てろと言われても、経営を勉強しない限りちんぷんかんぷんになってしまう。本書ではビジネスモデルと何か、さらにそもそも企業や顧客とは一体何なのか。そのことについてドラッカーやコトラーの理論を中心に紹介している。

PART2「デジタル時代のビジネスモデル 3つの戦略」
ここから具体的に、ビジネスモデルの作り方の概要についてを紹介している。
今となっては「デシタル」の時代として、著者が最も提唱している「プラットフォーム戦略」についても「楽天」や「クックパッド」を事例として取り上げている。

PART3「ソーシャルメディアの活用に注目したビジネスモデル」
「Twitter」や「Facebook」を中心としたソーシャルメディアであるが、そのソーシャルメディアを活用したビジネスも少なくない。とりわけグルーポンやスレッドアップ、ゲイリー、ザッポスなどソーシャルメディア利用したビジネスモデルを構築し成功した企業もある。本書ではそれらの企業とビジネスモデルを紹介している。

PART4「収益構造に注目したビジネスモデル」
「収益構造」にしても様々なモデルが存在する。有名どころで言えばアマゾンの「ロングテール」や、コストコの会員制モデルが挙げられる。本性ではこれらをはじめとした。収益構造のモデルを紹介している。

PART5「顧客に注目したビジネスモデル」
ビジネスは顧客があってこそ、である。その顧客の要求をくみ取ること、或いは問題解決をもとに提案をすることもあったビジネスモデルとして成り立っているのだという。本書では顧客の問題解決をどの様にするか、或いは顧客のターゲットをどのようにするのか。をもとにビジネスモデルを構築した事例を紹介している。

PART6「競合に注目したビジネスモデル」
業界によっては「競合」が存在する。その「競合」を無くすか、もしくはそれを利用するかによってビジネスモデルも異なる。前者は「ブルー・オーシャン戦略」、後者を「参入障壁モデル」を表している。本書ではその二つのモデルについて事例とともに紹介している。

PART7「流通チャネルに注目したビジネスモデル」
販売をするためには流通も必要である。その流通をいかにして変化を起こし、ユニークなビジネスモデルを作るか。本書では、製品から流通そして販売に至るまでのモデルを変化し、成長を遂げた企業の事例を紹介している。

これまで様々な事例や、概要を紹介してきたのだが、本書の巻末には実践編としてビジネスモデル構築にあたってのワークシートも掲載している。これからビジネスを始めようとする人、ビジネスモデルを構築したい人とっては学ぶだけではなく、実践することによって本書の学びも深くしていけるように作られている。これからビジネスモデルを作ろうとする人、或いは起業したい人にとってうってつけの1冊と言える。

フリーランスで食っていきたい!

フリーランスで食っていきたい! フリーランスで食っていきたい!
池田園子

ぱる出版  2012-11-07
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「自由に働きたい」「好きな仕事をしたい」
という人も多い。しかしその業界で有名になるほど特筆な技術を持たなければいけない、いざフリーランスになるにも不安がある、といったこともあり、なかなか踏み出せない、もしくは上手くいかないという人もいることだろう。
本書の著者は経験なし、専門分野なしでもフリーランスになり、生計を立てているライターがフリーランスまでの人生と、フリーランスの為の戦略を伝授している。

第1章「26歳、等身大ライター、フリーランス1年生になるまで」
著者の会社員人生はわずか2年11ヶ月。「3年以内にやめる若者」の一人であった。3年だと個人差はあるが、専門知識やノウハウはあまり身につけられていないような状態である。そのような状況の中でなぜフリーランスとして生きようとしたのか、そしてライターになろうと思ったのか。
本章では自分自身の人生を振り返っている。

第2章「経験なし、専門分野なしでも、やっていける「フリーランス戦略編」」
経験や専門知識がない「フリーランス」は戦略をはじめ、よほどの覚悟や考えがなければ生きていくことはできない。むしろ自殺行為に等しい。
そうならないための「戦略」や考え方について、自分の売り方、仕事などの「戦略」を紹介している。

第3章「フリーランスの先輩3人に食いつきインタビュー」
「フリーランス」として生きる人は様々な事情や考え方、生き方がある。本書はフリーランスとして生きる3人をインタビューしながら、自分自身と重ね合わせてフリーランスになるまで、そしてなってからのことについてを伝授している。

第4章「謙虚に身につけておきたい!絶対トクするフリーランス力」
フリーランスになって1年。後ろ盾のない状況の中でどう立ち回ればよいのか、色々な気づきや学びを得ることができた。たかが1年、されど1年、その1年のなかで気づいた「力」についてのノウハウを25個の「力」にして取り上げている。チャンスや容姿、仕事、考え方、人との折衝など多岐にわたっている。

フリーランスになると、税金や年金、保険などの手続きも自分で行う必要がある。むしろフリーランスになるにあたって重要になるのだが、それについても本書の巻末にまとめている。
フリーランスは後ろ盾がなく、会社員になることより「サバイバル」という言葉を感じさせてしまう。しかし「会社員」や「公務員」も安定ではない。不安定な世の中だからでこそフリーランスの生き方も選択枝の一つとしてある。しかし、「フリーランス」に関する本は一回りも二回りも上の世代が説いているものが多い。同じ世代の視点から「フリーランス」について書かれている本は本書しかない。同じ世代がいざ「フリーランス」になりたい、という人のためのメッセージがここにある、と言える一冊である。

Sign with Me~店内は手話が公用語

Sign with Me: 店内は手話が公用語 (ヒューマンケアブックス) Sign with Me: 店内は手話が公用語 (ヒューマンケアブックス)
柳 匡裕

学研マーケティング  2012-12-11
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商品が多様化するように店もまた多様化する。
様々な環境に置かれ、様々なハンディを持つことももはや珍しくない。耳が聞こえず、手話でしか話すことのできない、いわゆる「ろう者」もまたその一部である。
その「ろう者」の為のカフェが東京都文京区本郷に存在する。
その名も「-SocialCafe- Sign with Me」
本書はそのカフェが設立するまでの経緯を綴っている。そこには、日本が「バリアフリー社会」先進国と言えるのだが、それでもまだ構築できていない「穴」を映し出している。

第1章「聴者社会の息苦しさ~ろう者が働くというのは」
著者はこのカフェを開業するまで、じつに4回職を変えた。その中で健常者とろう者とのギャップ、そのギャップの中で就職活動でも苦労を重ね、ようやく就職した会社も挫折。その連鎖を4回繰り返した。しかし最後の4回目で自ら起業するきっかけを得た。

第2章「どん底から立ち上がる」
起業は出版と同じく「出産」と同じような意味合いをとることができるのかもしれない。簡単にいえば、ともに「産みの苦しみ」があるためである。
とりわけろう者の起業は、健常者の起業以上に偏見や差別との戦いもあり、苦労を重ねた。起業をしたい人は必ず読むべき箇所である。「産みの苦しみ」がこれほどまで克明に描かれた本はない。

第3章「ユニバーサルを目指した店作り」
そもそも著者が起業をするに当たっての「使命」はいったいどこからきているのか。それは「ろう者と健常者との「Win-Win」の関係を築く」ことにあった。
そのための出店や店作りに奔走した。予定通りにオープンすることができなかったが、何とか開店まではこぎ着けることができた。2011年12月の話である。

第4章「ありがとうの種」
ろう者と健常者とのコミュニケーション、さらにろう者の情報など様々な「バリアフリー」を実行すべく、新たな事業を展開している。

「ろう者」と「健常者」とのコミュニケーションの隔たりを解消すること、そして「ろう者」の「ろう者」による「ろう者」の為の働ける場の提供をし続ける。
章の中でも書いたように、本書の中で最も印象が強かったのは第2章である。ろう者の方に関わらず、起業をしたい人にとっては是非読むべき一冊である。

アニメ学

アニメ学 アニメ学
高橋 光輝/津堅 信之

エヌティティ出版  2011-04-22
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「アニメ」のことを取り上げる度に言うのが、自分自身大のアニメ好きである。毎シーズンごと新しいアニメをチェックするし、古いアニメのDVDを借りて視聴することもしばしばある。他人から「アニメおたく」だろ、と言われたりするのだが、否定はまずしない。それくらいアニメが好きなのである。
本書の「アニメ学」を取り上げるのも何かの縁なのかもしれない。日本のアニメは海外でも幅広く取り上げられており、世界的にも「クール・ジャパン」の象徴として扱われることが多い。京都精華大学をはじめとしていくつかの大学では「アニメ学科」などアニメにまつわる学問も存在しており、もはや「アニメ」そのものも学問の一つとして研究の対象とされる時代がくるのかもしれない。本書はその礎として「アニメ学」の入門書として「アニメ学」の基礎と、法律や教育・学術・ビジネスとの関連性を考察しつつ、これから発展するであろう「アニメ学」に誘いをかけている。

第一部「アニメとは何か」
アニメは本来「アニメーション(Animation)」と呼ばれており、絵や人形が動くことによって表現されるものを総称して表している。極端な話、人形で表現される「サンダーバード」もまた「アニメーション」の範疇と言える。しかし日本のアニメはアニメーションの一つとして扱われるが、日本独自の「アニメ」が外国語で「Anime」として扱われるようになった。それが1980年代後半になってからのことである。
当時日本ではかねてから教育的、倫理的な批判が相次ぎ、さらにアニメ制作現場についても批判的な論調が相次いだ。それは約4・50年経った今でも変わっていない。
さらに本章では日本におけるアニメそのものの歴史について取り上げているが、日本で初めて「アニメーション」が公開されたのは1917年に漫画家が自分のマンガや昔話を映像化したものであるという。現在のようなアニメ作品として取り上げ始めたのは「鉄腕アトム」が放映された1960年代頃からである。

第二部「アニメの創作」
アニメが作られ始めた頃から長きにわたって行われてきた手法として「セルアニメーション」と呼ばれるものであり、簡単に言えば数千枚にも及ぶ絵を「パラパラ漫画」のごとく動くように作る手法である。現在でも「セルアニメーション」の手法を取り入れているアニメ作品は存在するが、最近ではPCにおけるグラフィック技術を駆使した「デジタルアニメーション」も取り入れられ始めている。
手法の変遷もあるのだが、どちらにせよ制作をするに当たってのストーリー性や緩急の付け方など監督の資質も問われている。

第三部「アニメビジネス」
いかに良いアニメができたとしても、それをビジネスに直結しなければ、単なる「良いアニメ」に過ぎない。
そのアニメをビジネスにするための手法として「交響詩篇エウレカセブン」のメディアミックス、さらにDVDビジネスやコンテンツ配信などの発展についての考察とともにビジネスモデル構築の重要性を説いている。

第四部「アニメの法律と政策」
アニメを保護するに当たり「著作権法」などの「知的財産法」が存在する。その中でも「著作権」はアニメと関連が深いため、著作権にまつわる判例や著作権にまつわる「権利」や「法律」について紹介されている。
他にも政府や官庁による政策も紹介されているが、かつてアニメは「サブカルチャー」や「アンダーグラウンド」として扱われることもあり、違和感や嫌悪感があったという。
しかし世界的に認知されてからは政府や官庁とて看過できないものとなった。そのアニメにまつわる政策として文化庁では「若手アニメーター等人材育成事業(通称:アニメミライ)」、経済産業省では「アニメ人材基礎力向上事業」が挙げられている。特に前者は短編作品としてTVや動画サイトにて放映されている。

第五部「アニメの教育と学術」
アニメ業界の人材育成は主に「徒弟制度」が挙げられている。簡単に言えば師匠から弟子に制作のイロハについて教える制度である。そのシステムからアニメ産業の地方化について福岡・富山・徳島・京都などを取り上げられている。東京における環境とは一線を画し、かつ「劣悪な環境」と呼ばれるイメージに一石を投じるようなモデルばかりである。

最初にも書いたのだが、アニメを学ぶ場所は専門学校のみならず、大学でも「学問」として学ぶようになってきた。しかしその「アニメ学」は誕生したばかりであり、「学位」としても未だに成り立っていない。しかし「学問」にする事ばかりではなく、産業としての「アニメ」、そして作品としての「アニメ」もまた存在すべきであり、学問はその一手段でしかないというのがメッセージとして受け取れる。

あぶないハーブ ―脱法ドラッグ新時代―

あぶないハーブ ―脱法ドラッグ新時代― (さんいちブックレット004) あぶないハーブ ―脱法ドラッグ新時代― (さんいちブックレット004)
小森榮 薬学博士・牧野由紀子

三一書房  2012-09-06
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最近のニュースでは「脱法ハーブ」などが話題となっている。法律上「違法」ではなく、かつそれを所持する事で検挙する事ができないため、警察のみならず厚生労働省をはじめとした中央省庁でも悩みの種の一つとして挙げられる。法規制に関しては急務が求められる。
さて「脱法ハーブ」と呼ばれる薬物はいったいどのようなものなのか、そして「脱法ハーブ」に限らず、「ドラッグ」と呼ばれる薬物の規制と脱法のジレンマ、そして「ドラッグ」のない未来は訪れるのか、本書はドラッグの現状と

第1章「ハーブと名乗る薬物―新時代に入った脱法ドラッグ」
「ハーブ」といえば「ミント」や「ジャスミン」「ローズヒップ」などきれいでいながら、様々な効果や香りを楽しむことができ、女性を中心に人気がある。
その一方で、最初に書いたような「脱法ハーブ」も「ハーブ」として存在する。その「脱法ハーブ」そのものが存在したのが2004年に「スパイス」としてヨーロッパで登場したと言われている。当時からヨーロッパではスパイスやハーブなど目新しくもあり、生活空間に溶け込みやすいように作られたせいか、若者を中心に急速に広がりを見せ、それと同時に健康被害も発生させたと言われている。
その「脱法」と呼ばれている所以には「合法カンナビノイド」と呼ばれる物質である。

第2章「イタチごっこ―規制と脱法、攻防の半世紀」
「脱法ドラッグ」は別名「デザイナー・ドラッグ」と呼ばれており、あるものを規制したとしても、新たな構造の物質をつくり、また新たな「脱法ドラッグ」として流通するというものである。簡単に言えば規制をしても新たなものをつくるという「イタチごっこ」が本章のタイトルにあるように「半世紀」以上も続いており、歯止めがかかっていない状態が続いている。

第3章「未来への負債―広がる健康被害」
脱法ハーブは今もなお使われており、使用したことにより病院に運ばれたこともあれば、死亡者が出た事例まで存在する。であれば「脱法ドラッグ」を違法にすればよいのだが、第2章にある「イタチごっこ」が起こり、結局健康被害に歯止めがかからないという現状にある。

薬物にも、科学にも「進歩」が存在するが、その「進歩」が「イタチごっこ」を引き起こしている。しかしその連鎖をどう止めるのか、それは難しいものなのかもしれない。「薬物」がある限りは。

世界を変えたソーシャルメディア革命の落とし穴

世界を変えたソーシャルメディア革命の落とし穴 世界を変えたソーシャルメディア革命の落とし穴
立入 勝義

日本文芸社  2012-06-29
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「ソーシャルメディア」とは世界中で影響を与えた。それはビジネスや経済のみならず、政治においても「革命運動」の一つとして使われるようになった。
もはや「一技術」としての「ソーシャルネットワーク」は一大「メディア」となり、前述の通り「すべて」が変わった。
しかし、その「ソーシャルメディア」の革命にはある「罠」があるのだという。本書ではソーシャルメディアの「現状」と、その中に潜む「罠」と「代償」、そしてそれを回避するための処方箋を提示している。

第1章「すごい時代がやってきた?」
今となっては誰もが想像していないほど「ずごい時代」と言えるかもしれない。これまで庶民では手に入れられることができなかったPCやインターネットが使えるようになったのだから。
そのインターネットも年々使い勝手から用途が広がり、文字通り「何でも」できるようになった。そのインターネットで疑似的な体験をする事もでき、リアルの体験もインターネットのバーチャルな空間で体験することができる。

第2章「あなたの視界に潜む落とし穴」
インターネットは様々な欲求を達成することができる。とりわけ辞書的な役割を担うことも可能になった。
しかし「無知の知」という言葉があるように、インターネットには自分の視野を狭くするようなことをもたらしてしまう。

第3章「「利用の代償」という落とし穴」
ブログやソーシャルネットワークを利用することは、自分の考えや意見を衆目に晒すことにある。言葉によっては「炎上」と呼ばれるようにコメント荒らしが起こることもあれば、誰にも振り向いてくれない、いわゆる「スルー」と言われる事象が起こる。
私も以前、時事的な内容で書いたことが炎上したことがあった。それに対処するのが大変になる。
しかしそのネガティブな印象を持つ「炎上」もそれに乗じれば「メリット」になるのだという。

第4章「格差という落とし穴」
著者はソーシャルメディア・プロデューサーとしてアメリカで活動したが、本書をつくるべく、日本におけるソーシャルメディアの現実を得るために戻ってきた。それから1年、アメリカで知ることのできない日本のことを知ることができた。その中で特に関心を引いたのが「格差」の喧伝である。
それだけではなく、東日本大震災から出た「絆」、そして日本産ソーシャルメディアの陰りについても目の当たりにした。

第5章「人間関係という落とし穴」
ソーシャルメディアの発展により人間関係そのものも可視化され、量によって測られるようにもなった。しかしそれが本当の「人間関係」なのだろうか。Facebookにおける「いいね」やTwitterにおける「リツイート」や「お気に入り」など簡単にできることの意味と罠について取り上げている

第6章「一番身近で最強の敵としての自分」
もっともブログなどのソーシャルメディアは自己顕示欲を際限なく高めさせるツールである。しかしやり方によっては「自己満足」に終わってしまうことにもなってしまう。その自己満足に囚われてしまい、それに自惚れ、フリーランスになり、それが空虚なものと知るやこれまでかけた時間は無駄なものとなってしまう。
そうしないためにどうしたらよいのか、テクニック論や心構えを提示している。

本書を読んで決して他人事ではなく「自分事」であるように思えてならない。自分自身もブログをはじめTwitterやFacebook、mixiなどのソーシャルメディアを使用しており、そこでのつながりもある。しかしそのつながりはどうあるべきか、そして自分自身ソーシャルメディアで何をしたいのか考えさせられる。自分自身のソーシャルメディア観を変えるだけではなく、役割そのものを見直す良い機会となった一冊である。私だけではなく、私のようなソーシャルメディアユーザーも一度は読み通しておくと良い。自分自身を見直す良い機会である。

1968年―― 反乱のグローバリズム

1968年―― 反乱のグローバリズム 1968年―― 反乱のグローバリズム
ノルベルト・フライ 下村 由一

みすず書房  2012-04-21
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「1968年」
この年は世界中で「激動」と呼ばれる年であり、先進国では「冷戦」の絶頂期といえる年であった。その年は世界中でいろいろな革命や運動が起こり、それぞれで混乱に陥れられた時代と言える。
日本では「大学紛争」や「全共闘運動」を発端とした抗議運動や紛争が起こり、新左翼による事件もいくつか起こった。こちらについては昨年夏に取り上げたシリーズ「1968年を知らない人の『1968』が詳しい。
本書はその番外編としてアメリカをはじめ、ヨーロッパ諸国の革命や抗議運動についてを追っている。

1章「はじめにはアメリカがあった」
本章は以前に「アメリカ 1968 - 混乱・変革・分裂」でも取り上げたので割愛するのだが、アメリカと日本と同様に起こった「ベトナム戦争」への抗議デモ、さらには人種差別の撤廃を訴える「公民権運動」などが取り上げられている。

2章「ドイツ固有の道?」
冷戦時代のドイツはそれを象徴する場所として知られていた。簡単に言えば「ベルリンの壁」を境にドイツが東西に分かれ、東側はソ連の、西側は欧米諸国の影響を受けていた。「ベトナム戦争」や「プラハの春」など冷戦の核心として抗議運動や革命運動なども東西ドイツ関係なく盛んに起こった。
しかし事情が違ったのが「東西ドイツ統一」は一つも言われず、むしろそれぞれのドイツの道、本章のタイトルにある「ドイツ固有」の「1968」が存在した。

3章「西側世界での抗議運動」
「西側」は簡単に言うと欧米諸国と、本章ではそれに加えて日本の抗議運動も取り上げている。日本は夏頃に取り上げた本で紹介したので割愛するが、ここではイタリアやオランダ、イギリスの抗議運動についてを取り上げている。イタリアでは俗に「熱い秋」と呼ばれるテロ闘争が中心となり、オランダでは「白い自転車計画」「白いニワトリ計画」など「白い~運動」が中心である。

4章「東欧での運動」
世界における「1968」の象徴と言えるのがチェコスロバキアで起こった「プラハの春」である。社会主義・共産主義の圧政に晒された国民が民主主義を訴えたが、無惨にもソ連軍の弾圧に屈してしまった。この惨状は様々な作品に描かれている。そのほかにもポーランドの反ユダヤ主義運動を本章では取り上げている。

5章「なんだったのか、なにが残ったのか」
世界的に「1968年」とはいったい何だったのだろうか。著者は「創作」と評している。様々な現状に反旗を翻し、抗議運動によって革命を起こし、成し遂げられなかったという「悲劇」を作っていることを指している。

「1968年」は激動の年ではあったが、そのことによって政治や国家など世界におけるバランスは変わらなかった。それはアメリカにしても、チェコスロバキアにしても、日本にしても、東西ドイツにしても同じ事が言える。とはいえ冷戦が変化する大きなきっかけになったことは間違いない。「1968年」がもたらした影響はそのことにあるのではないだろうか。

住む人が幸せになる家のつくり方

住む人が幸せになる家のつくり方 住む人が幸せになる家のつくり方
八納 啓造

サンマーク出版  2012-02-16
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人間が生活できる重要な要素として「衣食住」がある。その中でも「食」と「衣」は重要性とその方法について様々な本がある。「住」は、その重要性を説いた本はあまり見かけない。勤務地の関係から、もしくは家族の関係から住まいを選ぶ、もしくは家賃から選ぶ等様側の事情があり、幸せのために選ぶという基準はあまりないように見受けられてしまう。
本書は、家の作り方もしくは選び方を「幸せ」や「成功」を基準にすることを推奨し、その秘訣を伝授している。

1章「「大好きな家」に住むと人生はよくなる」
人生にとって一世一代の買い物といえば、車の購入のほかに、マイホームの購入がある。そのマイホームについても購入する概念を捨て、建てることを前提に、本章では、家の建て方を紹介している。自分にとって幸せな家、及び家族にとって幸せな家を作ることの重要性を示している。

2章「幸せと豊かさを引き寄せる家の基本」
一軒家に住んでいる人も、アパート及びマンションに住んでいる人も一度考える必要があることとして「その家はあなたのライフスタイルに本当に合っているか」である。
自分の寝室や居間、及びキッチン、浴室、玄関等を見返してみる。実はそれぞれの場所にはそれぞれの意味が込められている。本章ではそれについて紹介している。

3章「幸せな家づくりのための六つの知恵」
家を建てること、家を建てるにあたり、それぞれの部屋の意味を持つこと等を2章までの中で紹介してきたが、ここでいよいよ家づくりに入っていく。本章では、家づくりのための六つの知恵を紹介しているが、中でも印象的なのが「「動機」や「思い」を見直してみる」ことにある。自分自身にとって幸せとは何か、どのような家を作るのか、そしてその家で何をしたいか、というのを考えることによって、その家の価値や空間が大きく変わる。家づくりや素材に関しての質問もあるのだか、いいお作るための根幹を忘れてはいけない。その根幹が「動機」や「思い」にある。

4章「「最高の家」をつくる三つの行動」
とはいえ、家づくりをはじめとする、家の購入等は、大きな買い物である。当然今すぐではできない。では今住んでいる環境の中で、少しでも手がつけられるような場所を見つける、周りで住環境をうまく使いこなす人等を見つけることを紹介している。

5章「「成功する家づくり」を実践した人たち」
本書ではケーススタディとして、夢をかなえた人、成功した人の家づくりを紹介している。

最初にも言ったが、家づくりがどれだけ重要なことか、そしてそれが、「幸運」や「成功」を達成することに繋がるのかを知ることのできる1冊である。

1日1分で変わる! 老いない体のつくり方

1日1分で変わる!  老いない体のつくり方 (気になるシリーズ) 1日1分で変わる!  老いない体のつくり方 (気になるシリーズ)
仲野 孝明

有楽出版社  2012-11-15
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近年ではパソコンとかでスマートフォン疲れ等肩や背中に痛みを伴うことが増えている。自分自身のパソコンやスマートフォンを持っているため、肩や背中に痛み伴うことがある。しかしよくよく考えてみると、それは猫背によるものであった。
もっというと日本人は、姿勢が悪いと著者は喝破している。本書は猫背等の姿勢の悪いところからどのように矯正し、老いない体を作るのかを紹介している。

Part1「現代人に多い、3つの悪い姿勢を直す」
現代人は姿勢が悪いと言われているが、著者はそれを三つに分けて分析している。
・女子猫背
・おじさん猫背
・かくれ猫背
本章ではその三つの悪い姿勢のパターンを分析している。

Part2「正しい座りかた、立ちかたで、老いない体をつくる!」
猫背等からのゆがみを矯正するために、本書では座りかたや立ちかた等を伝授している。その方法の中には正座をすることの他に、パソコンやスマートフォン、タブレットPC等の使い方、あるいは姿勢のサポートアイテム等、紹介の幅は多岐にわたっている。

Part3「1日1分のストレッチで、老化した筋肉をのばす」
次はストレッチである。最近ではストレッチに関する本は書店に行けば沢山あるが、本書では、姿勢を正すことを重点にし、首や肩、足周り等のストレッチを中心に紹介している。

Part4「正しい姿勢が、全身の不調を改善する」
近年ではイライラや集中力の低下、肌荒れ、息苦しさ、慢性疲労等が起こる。それら全身の不調の原因は、すべて姿勢にあるのだという。

Part5「5つの生活習慣で、100歳まで動ける体をつくる!」
最後は、ストレッチではなく、生活習慣の観点から老いない体を作る方法を紹介している。

「姿勢を正すこと」
そのことだけで、肩こりや腰痛、或いは生活習慣等、いろいろなことを解決する最善、最適な処方箋である。そのことを本書が教えてくれる。

市民がつくった電力会社~ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命

市民がつくった電力会社: ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命 市民がつくった電力会社: ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命
田口 理穂

大月書店  2012-08-08
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2011年3月11日の東日本大震災、そこから発生した「福島第一原発事故」を機に発電エネルギーとして自然エネルギーにシフトしていった。とりわけ「太陽光発電」の需要は急速に伸び、民家やオフィスにソーラーパネルを取り付けるところも増えていった。
原発事故を機に電力会社不信も高まり、あたかも「差別」の如く扱われているようだ。そこで本書である。ドイツの南部、シュバルツバルトと呼ばれる地方にある小さな町「シェーナウ」ではチェルノブイリ原発事故を機に反原発運動を起こし、既存の電力会社から脱却し、市民が「電力会社」をつくり、そこで自然エネルギーを供給し始めた。それが15年前の1997年のことである。
本書はその電力会社ができるまでとこれからをみつつ、日本における立つ原発のあり方へのヒントを示している。

第1章「福島原発の事故とドイツへの影響」
ドイツでは1960年代あたりから反原発運動は起こっていた。政府も脱原発の政策は提示したことはあったが、時とともに雲散夢消、また出てきては雲散夢消の繰り返しだった。しかし福島原発事故が起こった時、さすがの政府も決めざるを得ない状況に追い込まれた。

第2章「市民運動から電力会社設立へ」
チェルノブイリ原発事故を機に、反原発の市民運動は起こった。これは日本における福島原発事故でも同じことが言える。しかし大きな違いを見せたのが、その「市民運動」が収束し始めたとき、子供たちの将来の為に行動を起こした人達がいた。それがやがて大きな輪と資金を生み、「電力会社」の構想ができあがった。
「電力」について何もしらないズブの素人たち。しかし「子や孫の世代のために」という思いは一緒だった。
そして電力会社を設立。だが、当時の電力業界は一社独占の世界。市民の思いすら通じることは無かった。その状況から脱却すべく「市民投票」が起こった。市民運動からシェーナウ全体、やがてドイツ全体をも巻き込む大論争にまで発展した。
対立・運動・圧力・訴訟など様々な困難を乗り越え1997年に「シェーナウ電力会社」が設立された。市民が電力会社を立ち上げるという先進的な事例は「脱原発」の先鞭をとり、数多くの賛辞を得た。

第3章「シェーナウ電力会社がめざすもの」
「シェーナウ電力会社」は「利益」を目指していない。むしろ「人々の安全と環境保全」を第一にしている。そしてそのためにエネルギーシフトに関わり、省エネ推進や自然エネルギー啓発、そして脱原発推進と進めている。

第4章「市民参加こそ脱原発への道」
脱原発の為の道として「市民参加」を著者は提示しているが、決して「市民運動」までにとどめてはならない。まずは脱原発のために自然エネルギーをつくるという「行動」を起こす、そしてそこから勉強を重ね、自然エネルギーを広めていく、と言う意味合いで「市民参加」である。国に対しての要求もあるのだが、それ以前に「私たちができること」をやっていくことが大切である。

第5章「ドイツのエネルギー政策と反原発運動」
ドイツはすでに市民単位で電力会社を作ることができる、いわゆる「電力自由化」ができているところである。

では日本ではどうか。小さいながらも民間の電力供給会社はできてはいるものの、大企業依存体質が抜け切れていないせいか、なかなか進展していない。
「脱原発」の風潮が止まらないのは明白である。日本でもドイツと同じように、1995年電力自由化が行われたが、発送電分離が行われておらず、民間の電力会社参入行われているものの、シェア拡大は思ったよりも進んでいないのが現状である。ドイツの事例にあるように市民運動で国や大企業に訴えるよりも市民運動の集団を作って国に頼らず行動を起こすことが大切なのではないだろうか、と本書を読んで思った。

今だから話せる都営地下鉄の秘密

今だから話せる都営地下鉄の秘密 今だから話せる都営地下鉄の秘密
篠原 力

洋泉社  2011-09-21
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「・・・しかし、地下鉄の電車はどっから入れたんでしょうねぇ。それを考えると一晩中眠られなくなるの」

これは春日三球・照代の地下鉄漫才の一言である。この一言が「地下鉄漫才ブーム」となり、夏休みの子供たちが「営団地下鉄(現在の東京メトロ)」や「東京都交通局」に問い合わせが殺到する事態が起こったという。
当時から様々な路線があったのだが年々新たな路線が出てきており、もはや蜘蛛の巣のような様相を見せている。私も初めて東京に来たときから地下鉄の複雑さで悩ませていた、というよりもむしろ初めて行くところなどまだなれない場所や路線もある。
本書はその地下鉄の中から「都営地下鉄」の変遷と車両、基地などの設計について迫っている。

第1章「個性豊かな都営地下鉄四路線」
「都営地下鉄」といえば現在4つの路線で成り立っている。
・都営浅草線
・都営三田線
・都営新宿線
・都営大江戸線
4路線それぞれ個性があるのだが、それぞれの「個性」について、本章では紹介している。

第2章「なぜ東京には二つの地下鉄があるのか―東京の地下鉄の基礎知識―」
「二つの地下鉄」というのは、「東京メトロ」と「都営地下鉄」を指している。
「都営地下鉄」は文字通り「東京都」が運営しているのだが、「東京メトロ」は「営団」として、戦前、国や東京市(現:東京23区)、各私鉄が出資し合って作られたものである。その東京メトロと都営地下鉄の対立についてを説明している。

第3章「こんなに違う! 都営四路線の基本計画と実際」
都営四路線はそれぞれ計画があり、行き先などメトロではまかないきれないところを網羅している。本章では「四路線」とあるが、その中でも「都営三田線」の路線計画と実際について記されている。

第4章「時代に翻弄された大江戸線」
都営大江戸線は自分自身あまり使ったことがないため、余りよくわからないが、大江戸線ほど時代とともに翻弄された路線はないのだという。路線をよく見ると首都圏をぐるりと回りながらも団地など住宅地に隣接しているところが多く、さらに現在再開発を行っているところもこの大江戸線に含まれている。

第5章「私が見てきた様々な地下鉄現場」
著者が見てきた都営地下鉄の工事現場や工事の工程や見取図などを紹介しながら、どのように地下鉄ができたのかを分かりやすく説明している。

第6章「駅の設計・建設の知られざる工夫」
駅の設計や建設に関して、押上駅・浅草橋駅・東銀座駅・大門駅・泉岳寺駅など、四路線だけではなく、駅の建設にもそれぞれの事情により、難航したりする事があった。その駅の建設にまつわるエピソードとアイデアについて本章にて紹介している。

第7章「車庫・車両基地と線路の謎にせまる!」
乗客にはあまり知られていない車庫や車両基地についてどのように作られているのか、そして使われているのかを追っている。

首都圏に住んでいる方々はもはや当たり前のように使われている地下鉄。しかしそれができるまでと使われているプロセスはなかなか知る機会がない。本書はめくるめく地下鉄の謎を解明しているだけに、地下鉄の見方が変わる一冊と言える。

「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代

「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 (講談社現代新書) 「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 (講談社現代新書)
山竹 伸二

講談社  2011-03-18
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今は「生きづらい」時代と言われている。その背景に「他者の排除」があり、「価値のある人間」として認められている「承認」の欠乏があるのだという。
その「承認」を得ようとして、また他者を排除するという悪循環が、人間関係をギクシャクさせ、「生きづらさ」に拍車をかける悪循環となる。
しかしなぜ「認められたい」という「承認」の感情を要求するのだろうか、そして際限ない「承認」への欲求から脱するにはどうしたら良いのかを分析しているのが本書である。

第1章「「認められたい」の暴走」
「承認」は「ありのままの自分」そのものを認め、受け入れてくれる感情そのものを表す。しかし今の社会ではその「ありのままの自分」を表そうとすればするほど、他人の気を悪くさせ「孤立化」してしまう。
それを避けるため、あえて異なる「キャラクター」を演じて「承認」を得ようとして、「ありのまま」を表現できない感情がストレスや「闇」として蓄積していく。それが「暴走」して突飛な行動にまで起こすような原因にさえなる。

第2章「なぜ認められたいのか?」
なぜ、自分とは違う「キャラクター」を演じてまで「承認」を得ようとするのか。
「承認」を受け取るのは自分自身であるが、与えるのは家族や同僚、友人などの「他人」に他ならない。その「自分」と「他人」の関係は「対等」なのか、もしくは「主従」の関係にあるのだろうか、という違いによって「他者」のあり方も異なる。本章ではそれらのことについて「心理学」やフッサールの提唱する「現象学」とともに考察を行っている。

第3章「家族の承認を超えて」
家族を越え、他者に対して「ありのままの自分」をもって「承認」を得ようとするためにどうしたら良いのか。それは自分自身でも「ありのままの自分」を親をはじめとした他人に常日頃から表すことが大切であるのだが、その親ですら、顔を伺うように違う「キャラクター」を演じるようになってしまう。それが「承認」に対する要求への渇望が進んでいる根源にも近い。

第4章「現代は「認められたい」時代か?」
家族環境の変化もあるのだが、「承認」への要求が強くなっていった要因はそれだけではない。社会そのものも「自由」がある一方で「相対主義」や「ニヒリズム」が蔓延っている。その社会と自分に対する「承認」にズレが起こり続け、第1章にあるような「ストレス」や「心の闇」として蓄積する。

第5章「承認不安からの脱出」
その「承認」を得るべく「~ねばならない」ような風潮、いわゆる「空気」に苛まれる。「承認」をありのままの自分のなかで得るためにはどうしたら良いのか、自分自身がそれを得られる「居場所」を見つけるために行動をする、それがなければそれを「自分で作る」、もしくは相手に対して賞賛をする、認めることもまた脱出法の一つとして言える。

「承認」の欲求は人間にある感情の一つとしてあるのだが、近年はその欲求に対して満たされなくなり、それに伴って強くなっていった。しかしそれが悪循環となり「無縁社会」といった「絆の希薄」という事象もある。その「承認」感情を薄れさせるには時間がかかるが、「因果応報」にあるように「相手」や「他人」を認める・賞賛する風潮を自分、そして周りからじわじわと作ることが大切なのではないだろうか。

栃と餅~食の民俗構造を探る

栃と餅 食の民俗構造を探る 栃と餅 食の民俗構造を探る
野本 寛一

岩波書店  2005-06-24
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あけましておめでとうございます。
今年も「蔵前トラックⅡ」をよろしくお願いいたします。
新年一発目の書評はお正月にまつわる「お餅」についてです。

新年で最初に食べるもの、それはおせちと並んで「雑煮」である。雑煮の作られ方・食べ方は地方によって異なるものの、多くは「餅」を雑煮の中に入れて食べる。「餅」と言えば古くから雑煮のみならず、焼き餅にして食べる、「善哉」や「おしるこ」の中に入れて食べるなど食べ方をあげると枚挙に暇がない。元々もち米から作られているため「米食」の一部として挙げられるだけに、日本人にとっては親しみ深い。
本書はその「餅」を「栃」と呼ばれる木の実から作られる流れ、そして儀礼として、楽しみとして食べられる「餅」を取り上げている。

Ⅰ.「栃と生きるー生存のために食べる」
「食」はあくまで生存をするためにあるものである。しかし、食物は年中同じものを食べることができなかった時代は、四季折々の食物を採っては、工夫して様々な手法を用いて保存したり、味付けしたりすることによって、嘱されてきた。中でも「栃の実」は秋頃nとれる。場所も北海道・本州・四国などで採れる(九州でも少ないが採れるという)。その「栃の実」は正月に「栃餅」として食べられるだけではなく、お粥や粉にして食べられることもある。しかも保存期間も乾燥などを行うことによって6年ほどになるのだという。

Ⅱ.「餅の霊力ー儀礼の場で食べる」
生きるための「食」だけではなく、宗教やイエ・ムラの慣習における「儀礼」としての「餅食」があるのだという。そこで思いつくのが、ちょうどこの時期に飾られる「鏡餅」がある。
本章では鏡餅も紹介されているが、むしろ家内安全や豊作祈願などの願いから祭られる食べ物、食べられるものなどを紹介している。

Ⅲ.「香り、色、食感ー楽しんで食べる」
「餅」とひとえにいっても食べ方は様々であることは暴騰でも書いたのだが、本章ではその食べ方の種類を「色」「食感」「香り」と分けている。しかも餅と季節の山菜などを組み合わせており、「食を楽しむ」ことの伝統を知ることができる。

今では飽食の時代と言える。餅にしても切り餅がスーパーマーケットやコンビニエンスストアで手軽に手に入る時代になった。かつて日本は自然と共生・順応しながら食を楽しみ生きてきた。本書にある伝統をそのまま受け継ぐことは無理であっても、形を変えて受け継ぐこともできる。むしろそれこそ「伝統」といえるのかもしれない。

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