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風流 江戸の蕎麦―食う、描く、詠む

風流 江戸の蕎麦―食う、描く、詠む (中公新書) 風流 江戸の蕎麦―食う、描く、詠む (中公新書)
鈴木 健一

中央公論新社  2010-09
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本日はクリスマスイブでだが、それを過ぎるとすぐに「年越し」が始まる。その「年越し」になると「おせち」とともにいわれるのが「年越しそば」である。「年越しそば」とはいったいどこからきたのかというと、諸説はあるもの少なくとも1814年頃に刊行された「大坂繁花風土記」により定着されたとあるらしい。
「年越し」と呼ばれる年末に限らず、納涼として「そば」があり、即席麺としてのそばであれば一年中食べられている。
そばは日本中で愛されている食べ物であるが、とりわけ東京を中心とした関東地方では顕著である。東京のかつての呼び名である「江戸」、「江戸」と「蕎麦」は切っても切れない関係にある。本書はその切っても切れない関係にある、要因を歌舞伎、落語、俳句など様々な文化から追っている。

第一章「赤穂浪士、蕎麦屋に集合」
「赤穂浪士」と言えば「仮名手本忠心蔵」であり、吉良上野之介を討たんとする47人の浪士が蕎麦屋に集合し、蕎麦を舌鼓しながら意識を統一したと言われている。
しかしその「蕎麦屋の集合」はあくまで「一説」としていわれており、ほかにもいろいろな説があるのだという。

第二章「蕎麦をめぐる光景」
「江戸」と「蕎麦」は切っても切れない関係にある、と最初に書いたのだが、それがどれだけ身近なものだったのか、本章では俳句や短歌、絵図などから追っている。

第三章「芭蕉と蕎麦」
松尾芭蕉といえば「おくのほそ道」である。全国を旅しながらも有名な俳句を残し、現在でも多く詠まれている。
その「おくのほそ道」のなかでも蕎麦にまつわる名句を残しているのだという。

第四章「漢詩人、蕎麦を詠む」
蕎麦を詠んだのは俳句や短歌ばかりではない。漢詩でも蕎麦について詠まれているものがあるという。読み人の代表として本省では新井白石の漢詩を中心に取り上げている。

第五章「蕎麦の笑話」
蕎麦にまつわる噺は第八章で書くこととなるが、本章ではおもに「小咄」と言われる笑い話を取り上げている。主に「己惚(うぬぼれ)」「蕎麦賭け」などがある。

第六章「「化物大江山」のうどん童子退治」
化物大江山(ばけものおおえやま)」という作品は安永5年(1776年)、恋川春町によって発表された。その中では蕎麦による「うどん」退治が描かれている。うどんをこよなく愛する関西、もしくは香川方面の方々にとっては不快感を覚えそうな作品のイメージが強いように思えてならない。

第七章「蕎麦屋仁八というキャラクター」
「蕎麦屋仁八(そばやにはち)」という名前は歌舞伎「天衣粉上野初花(くもにまごううえののはつはな)」という演目て出てきており、蕎麦屋の主人だという。
昭和14年に作られた演目であるため、五代目~七代目の「尾上菊五郎」が得意としており、本章でも彼らが演じたシーンを中心にしている。

第八章「落語で綴られる蕎麦」
落語、とりわけ江戸落語ではそばを題材にした噺もいくつかある。本章ではとりわけ有名な「時そば」を演者にわかれてどのようなものなのかを紹介している。そばの噺としてもう一つ「疝気の虫」も取り上げている。

第九章「浮世絵の中で蕎麦は」
江戸時代では蕎麦が身近なものであったように浮世絵でも多々取り上げられている。主に歌川広重の作品が中心である。

著者は江戸時代の和歌や詩などが専門であるが、蕎麦の話をしたことで学生の受けが良かったので講義を行いつつ、一冊にしたという。江戸時代でも現代でも蕎麦は私たち日本人に愛されているといっても過言ではないことが窺える。
本書を読んでいると蕎麦が恋しくなってきた。そろそろ年末でもあるので蕎麦の準備でもしよう。

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