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2012年12月

年末恒例ランキング2012 vol.6 「F1レース」ランキング

年末恒例企画もいよいよラスト、そして今年最後の記事となる「F1レース」ランキングです。

今季は20戦と史上最もレース数の多いシーズンとなりました。2週連続になるレースも多く、ファンとしては願ったり叶ったりでしたが、ドライバーやチームにとってはエンジンやタイヤなど頭の痛いシーズン立ったように思えてなりません。

20戦とレースの多い中、前半からめまぐるしく優勝者が変わるなど、地上波放送から撤退したフジテレビにとっては悔しがる姿が目に浮かぶほど面白かったシーズンとなりました。
後半はヴェッテルとアロンソとのせめぎあいもあり、グロージャンのクラッシュもあり、そして可夢偉の活躍もあり、といたれりつくせりのシーズンでした。

その20レースの中で、今回は選りすぐりのGPを3つ紹介いたします。

第3位:中国GP

中島悟以来、23年ぶり2人目のFL(ファステスト・ラップ)を獲得したレースでした。また優勝したロズベルグにとっても参戦7年目にして嬉しい初優勝となりました。
前半戦の可夢偉は予選でも好位置を獲得しましたが、中でも中国GPではマクラーレンやレッドブル勢に引けをとらないほどの強さを見せつけたレースと言えます。

第2位:日本GP

可夢偉が日本人史上3人目となる表彰台獲得となったレースとなりました。
予選は4番手スタートで、表彰台圏内を走っていました。後もう少し速さがあればマッサを抜き日本人史上初の2位表彰台だったのですが、それでも攻めすぎるとあわよくば表彰台を逃すと言った状況であるだけに、したたかなレース運びを見せた印象を受けました。

第1位:ブラジルGP

ヴェッテルが史上初めて初タイトルからの3連覇を達成したレースでした。前半は毎回のように優勝者が変わる大混戦と言われたシーズンですが、後半で連勝を重ね、アドバンテージを得たヴェッテルが確実にチャンピオンをものにした強さを見せつけたレースでした。
この大混戦と言われるシーズンを制すると、もしかしたらミハエル以来の絶対王者体制となるのかもしれません。それを予期さえさせるレースだったと思います。

さて、2012年も残すところ、あとわずかとなりました。今年は普段の生活にまつわる記事は一切書かず、書評とF1だけで更新してきましたが、そこのネタは尽きなかったことで一日欠けることなく更新することができ、おかげさまで1456日連続更新となりました。

そして2013年、「蔵前トラックⅡ」にとっても、私にとっても「大きく変わる一年」しようと思っております。そのために現在、様々な準備を進めていますが、それについては来年、少しずつ発表しようと考えております。

どうか「蔵前トラックⅡ」を、来年も変わらぬご愛顧をよろしくお願い申しあげます。

「蔵前トラックⅡ」管理人:蔵前

年末恒例ランキング2012 vol.5「ビジネス」本ランキング

年末恒例ランキングもこれが第5弾。「ビジネス」本ランキングです。今年は67冊取り上げました。近年は他の本が面白いことから割合は少なくなってきていますが、それでも67冊も取り上げているのか、という印象もあります。

それはさておき、この中から今回は5冊を取り上げることとします。

第5位:ハーバード流宴会術

ハーバード流宴会術 ハーバード流宴会術
児玉 教仁

大和書房  2012-11-24
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「ハーバード」と「宴会」
一見合わないような組み合わせですが、「宴会」そのものが一つのプロジェクトだとすると、含蓄のいく一冊だった印象でした。

第4位:7人家族の主婦で1日3時間しか使えなかった私が知識ゼロから難関資格に合格した方法

7人家族の主婦で1日3時間しか使えなかった私が知識ゼロから難関資格に合格した方法 7人家族の主婦で1日3時間しか使えなかった私が知識ゼロから難関資格に合格した方法
原 尚美

中経出版  2012-02-01
売り上げランキング : 97064

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一日の時間が限られるのはビジネスマンに限りません。主婦も同じくらい、それ以上のものです。著者はそのなかで1日3時間しか捻出できませんでしたが、あきらめずひたむきに税理士に向けて勉強し、そして合格を勝ち取ることができました。
勉強本はいろいろとありますが、ビジネスマンもさることながら主婦にとっても心強い味方になるような勉強本はこれまで見たことがありませんでした。

第3位:「IT断食」のすすめ

「IT断食」のすすめ (日経プレミアシリーズ) 「IT断食」のすすめ (日経プレミアシリーズ)
遠藤 功 山本 孝昭

日本経済新聞出版社  2011-11-10
売り上げランキング : 27099

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タブレットPCやスマートフォンが急速に需要を伸ばした1年でした。その裏で「インターネット依存症」や「IT依存症」に悩まされる人も少なくありません。いっそのこと全部無くせばよい、という考えもありますが、時代が時代なのでそのようにはいきません。
では、1日数時間でもITから離れるだけでも価値はあります。本書は今の状態に警鐘をならしつつ、そこから脱する術を教えてくれます。

第2位:ビジネススキル・イノベーション ― 「時間×思考×直感」67のパワフルな技術

ビジネススキル・イノベーション ― 「時間×思考×直感」67のパワフルな技術 ビジネススキル・イノベーション ― 「時間×思考×直感」67のパワフルな技術
横田 尚哉

プレジデント社  2012-08-30
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ビジネススキルは時が経つにつれ変わっていきます。そのスキルを変革し、実践するのにも「何のため、誰のため」が通用することに気づかせてくれる一冊でした。

第1位:出世しない秘訣 改訂新版ーでくのぼう考

出世をしない秘訣 改訂新版―でくのぼう考 出世をしない秘訣 改訂新版―でくのぼう考
ジャン・ポール・ラクロワ 小宮山量平

こぶし書房  2011-09-30
売り上げランキング : 236687

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ビジネス書は読むだけではなく、学んだことを実践することで価値を見いだすことができるものです。
しかし本書は「その逆」をする事で出世できるという一冊です。ビジネス書としては最も「ナンセンス」であり、かつ「痛快」といえる一冊は今年の作品の中では他にありませんでした。

次回は「F1レース」ランキング。

年末恒例ランキング2012 vol.4 「人文」本ランキング

年末恒例ランキングの第4弾は「人文」本ランキングです。今年はなんと128冊取り上げてきました。毎日のように書評をしたのですが、人物や名言などの本を取り上げてきたのですが、そのカテゴリーがいずれも「人文」にまつわるものが多かったことが要因として挙げられるかもしれません。

126冊取り上げてきたこともその要因かどうかわかりませんが、印象に残った本が多かったように思えます。

昨年までは5冊でしたが、印象深い本が多かったので、今年は10冊を紹介したいと思います。

第10位:聖書男(バイブルマン)~現代NYで「聖書の教え」を忠実に守ってみた1年間日記

聖書男(バイブルマン)  現代NYで 「聖書の教え」を忠実に守ってみた1年間日記 聖書男(バイブルマン)  現代NYで 「聖書の教え」を忠実に守ってみた1年間日記
A.J.ジェイコブズ 阪田由美子

阪急コミュニケーションズ  2011-08-31
売り上げランキング : 107807

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解剖男に続く「○○男」として取り上げてみましたが、旧約・新約聖書をそのまま実践したという記録なだけに、「実践」する事の大切さと面白さが強く印象に残った一冊でした。

第9位:世界でもっとも阿呆な旅

世界でもっとも阿呆な旅 世界でもっとも阿呆な旅
安居 良基

幻冬舎  2009-11
売り上げランキング : 130904

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別の意味で衝撃を受けた一冊です。
何もいうことはありません。是非お手をとって読んだらわかります。

第8位:あきらめなかった、いつだって

あきらめなかった いつだって (100年インタビュー) あきらめなかった いつだって (100年インタビュー)
森 光子

PHP研究所  2011-05-21
売り上げランキング : 201464

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「日本の母」として、そして名女優として象徴的な存在だった森光子氏が今年の10月に逝去されました。代名詞と言える「放浪記」、下積み時代、そして「日本の母」として、女優としてどう生きたいかを示した姿が印象的でした。

第7位:天に響く歌ー歌姫・本田美奈子.の人生

天に響く歌―歌姫・本田美奈子.の人生 天に響く歌―歌姫・本田美奈子.の人生

ワニブックス  2007-04
売り上げランキング : 326318

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本田美奈子.氏は2005年、白血病で逝去されましたが、彼女の遺した歌は現在でも歌い継がれています。その38年の生涯はまさに「歌とともに生き、歌とともに死んだ」というのを印象づけさせられたと言っても過言ではありません。
そのひたむきな心と生き方は、自分自身の考え方や生き方の糧となっています。

第6位:生きざま~私と相撲、激闘四十年のすべて

生きざま 私と相撲、激闘四十年のすべて 生きざま 私と相撲、激闘四十年のすべて
貴乃花光司

ポプラ社  2012-12-13
売り上げランキング : 2227

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「平成の大横綱」と呼ばれた貴乃花親方ですが、その40年の人生は横綱まで進むことができた「光」と七光りの苦しみやスキャンダルの「影」を映し出した一冊でした。

第5位:一度きりの人生だから絶対に後悔したくない!だけど、まわりの目が怖くて、なかなか動けない。そんな20代の君が1歩住み出す50のコトバ

1度きりの人生だから絶対に後悔したくない!  だけど、まわりの目が怖くて、なかなか動けない。そんな20代の君が1歩を踏み出す50のコトバ 1度きりの人生だから絶対に後悔したくない!  だけど、まわりの目が怖くて、なかなか動けない。そんな20代の君が1歩を踏み出す50のコトバ
吉岡秀人

すばる舎  2012-11-21
売り上げランキング : 7018

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人生において迷いの多い時期で、一歩踏み出したい人にとっては「必読」と言える一冊です。行動をするために背中を一押ししてくれます。

第4位:マイル~極貧からCAへ芸能界へ、階段をのぼる私~

マイル 極貧からCAへ芸能界へ、階段をのぼる私 マイル 極貧からCAへ芸能界へ、階段をのぼる私
松尾 知枝

講談社  2012-02-07
売り上げランキング : 123377

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12月21日に結婚された松尾知枝氏の一冊です。今となっては合コンタレントといった肩書きで活動していますが、その生い立ちはまさに「激動」と呼ばれるほどの人生でした。その人生の中で本書の副題にあるとおり、確実に階段を上っていたのです。そう、「人生の階段」をです。

第3位:生きぞこない・・・・・・エリートビジネスマンの「どん底」からの脱出記

生きぞこない …… エリートビジネスマンの「どん底」からの脱出記 生きぞこない …… エリートビジネスマンの「どん底」からの脱出記
北嶋一郎

ポプラ社  2012-06-05
売り上げランキング : 20379

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エリート街道からの急転直下、このことはもはや珍しくない時代となってしまいました。しかしその「どん底」から、いかにして這い上がっていけば良いのか、いま「どん底」に沈んでいる方々には「必読」と言える一冊でした。

第2位:光に向かって~3.11で感じた神道のこころ

光に向かって: 3.11で感じた神道のこころ 光に向かって: 3.11で感じた神道のこころ
川村一代

晶文社  2012-04-23
売り上げランキング : 399584

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「心の被災地」被災地よりも「被災地」」
この言葉が今年の読んだ作品の中で、最も衝撃を受けました。東北の神社が復興に向けての姿を映しだしたのですが、その被災者である宮司夫人が東京に来たときに思った一言でした。
衝撃と同時に「決して他人事ではない」という思いさえしました。

第1位:媚びない人生

媚びない人生 媚びない人生
ジョン・キム

ダイヤモンド社  2012-05-25
売り上げランキング : 4255

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著者のゼミでの「贈る言葉」を綴った一冊です。これから社会に飛び立つ者たちに贈った言葉ですが、今その世界に飛び込んでいる人たちにも心に刻み込まれるほど印象深かった一冊でした。

番外編:1968(上)・(下)
第一日第二日第三日第四日第五日第六日第七日

1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景 1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景
小熊 英二

新曜社  2009-07
売り上げランキング : 266035

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1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産 1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産
小熊 英二

新曜社  2009-07
売り上げランキング : 286974

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上下巻合わせて2000ページもの大作でした。こうやって書評をするにしても、取り上げたいことがかなり多く、一つの記事にすることは無理だと思っていました。
それでも自分自身取り上げたかったことから、1週間連続でシリーズにして取り上げる方法を選び、取り上げました。この1週間連続は途中で煮詰まったり、どのように評していけばよいのかわからなくなるようなことは何度もありました。この1週間は自分にとっても学びや気づきの多かった時であり、この「1968」を題材とした書評集を出そうかとも考えています。

次回は「ビジネス」本ランキングです。

年末恒例ランキング2012 vol.3 「文芸・評論」本ランキング

今日のランキングは「文芸・評論」本のランキングです。今年は31冊取り上げました。昨年よりは若干少なくなってしまいましたが、それでもおもしろい本を取り上げることができたという印象はありました。(感想の善し悪しは別として)

今年取り上げた31冊の中から選りすぐりの5冊を紹介いたします。

第5位:会社ごっこ

会社ごっこ (本人本) 会社ごっこ (本人本)
泉美 木蘭

太田出版  2008-06-11
売り上げランキング : 389313

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架空の作品であるとは言え、著者の実体験を元に書かれており、印象が強かった一冊でした。

第4位:タイガーズ・ワイフ

タイガーズ・ワイフ (新潮クレスト・ブックス) タイガーズ・ワイフ (新潮クレスト・ブックス)
テア オブレヒト T´ea Obreht

新潮社  2012-08-24
売り上げランキング : 19755

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セルビアの女性作家で、かつ同年代であることから親近感が沸き本書を手にしました。しかしその中身は紛争を描かれているのですが、著者自身も戦争に巻き込まれた過去があったことから生々しさは半端なものではありませんでした。

第3位:人魚はア・カペラで歌ふ

人魚はア・カペラで歌ふ 人魚はア・カペラで歌ふ
丸谷 才一

文藝春秋  2012-01
売り上げランキング : 137825

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本書の著者であり作家・エッセイストである丸谷才一氏が今年10月に逝去されました。本書はその晩年に出版されたエッセイですが、丸谷氏ならではの文章・文体を味わうことができた一冊でした。

第2位:海の石
第1位:花の冠

海の石 海の石
大越 桂

光文社  2012-02-16
売り上げランキング : 416054

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花の冠 花の冠
大越 桂

朝日新聞出版  2012-02-17
売り上げランキング : 148064

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この2冊は3,11の惨劇から見出した希望を描いた詩集です。海の石のように動けなくなった少女が詩に目覚め、人の心を揺さぶる詩を作り上げてきました。やがてそれが花々となり「冠」となり、日本の心に広げさせる印象を持った一冊です。余談ですが、詩一つ一つを見ていくうちに涙腺が緩んでしまいました。

次回は「人文」本ランキングです。

年末恒例ランキング2012 vol.2 「社会科学」本ランキング

年末企画第2弾は「社会科学」本ランキングです。今年は67冊取り上げました。時事的な問題や社会そのものの歴史といったものも取り上げてきました。

さらに、今回はかねてから取り上げようと考えていた社会学者の宮台真司作品も取り上げてきたのも大きかったと思います。

今回はこの中から印象に残った本を5冊紹介致します。

第5位:後継者 金正恩

後継者 金正恩 後継者 金正恩
李 永鐘 金 香清

講談社  2011-02-01
売り上げランキング : 484183

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金正日が亡くなり後継者として金正恩が指名され、着々と体制を構築していっています。先日には日本に向けてミサイルを発射するなど、未だに看過できないような状態が続いています。

第4位:近所がうるさい!―騒音トラブルの恐怖

近所がうるさい!―騒音トラブルの恐怖 (ベスト新書) 近所がうるさい!―騒音トラブルの恐怖 (ベスト新書)
橋本 典久

ベストセラーズ  2006-06
売り上げランキング : 376841

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「近所迷惑」という言葉はよく言われるのですが、これが殺人事件に発展するなどの惨事もはらんでいる事実をまざまざと見せつけられた一冊でした。

第3位:僕たちの前途

僕たちの前途 僕たちの前途
古市 憲寿

講談社  2012-11-22
売り上げランキング : 2630

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この「前途」と言う名前をカタカナにして「ゼント」と言う名で会社を設立し、運営をしているのだそうです。
「前途洋々」なのか、それとも「前途多難」と言えるのかわかりません。しかし、私たちの世代は「前途」という道のりを歩きながら未来に向かっているんだ、と言うことを気付かせてくれた一冊でした。

第2位:「嫌消費」不況からの脱出

「嫌消費」不況からの脱出 「嫌消費」不況からの脱出
松田 久一

PHP研究所  2012-01-19
売り上げランキング : 260869

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私たちの世代はどうやら「嫌消費世代」と呼ばれているのだそうです。その「嫌消費」と呼ばれる時代からどのように脱するか、その状況からの処方箋を描いた印象を受けました。

第1位:僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか~絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想

僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想 (幻冬舎新書) 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想 (幻冬舎新書)
荻上 チキ

幻冬舎  2012-11-30
売り上げランキング : 3339

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ついこの間取り上げた本ですが、本書ほど今の社会をとらえた一冊はなかったと思います。「ダメ出し」ばかりがまかり通っている社会の中で、どのように脱するべきか、そして私たちにできることはという提言までなされているため、1位にいたしました。

次回は「文芸・評論」本ランキングです。

年末恒例ランキング2012 vol.1 「理数系」本ランキング

2012年ももう残りわずかとなりました。年末となると年末恒例と自分でなってしまっている、書評、及びF1の記事ランキングを決める時期。今年ももちろんやります。もう5年連続となっていますが、このランキングは自分の独断と偏見で印象に残った本、F1レースを決めると言う趣旨でやってます。

今年は311冊取り上げました。昨年は270冊ほどだったので多いな、という印象です、1日に2冊取り上げた日もあったほどなので、この冊数担ったのかもしれません。

私事はさておき、この企画のトップバッターは「理数系」の本のランキングです。

今年は17冊取り上げました。
が、昨年は14冊、一昨年の11冊と、あまり関心のない分野になってしまっているようです。

それはさておき、今回はその中から印象に残った本を3冊取り上げようと思います。

第3位:USTREAMがメディアを変える

USTREAMがメディアを変える (ちくま新書) USTREAMがメディアを変える (ちくま新書)
小寺 信良

筑摩書房  2010-11-10
売り上げランキング : 165735

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USTREAMやニコニコ生放送など生放送の動画メディアが既存メディアではとらえきれないものを放送すること亜できるとして、既存メディアに匹敵するほどの一大メディアとして取り上げられました。

第2位:ゴジラ音楽と緊急地震速報 ~あの警報チャイムに込められた福祉工学のメッセージ~

ゴジラ音楽と緊急地震速報 ~あの警報チャイムに込められた福祉工学のメッセージ~ ゴジラ音楽と緊急地震速報 ~あの警報チャイムに込められた福祉工学のメッセージ~
筒井 信介 伊福部 達

ヤマハミュージックメディア  2011-12-22
売り上げランキング : 237284

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「緊急地震速報」はいろいろとありますが、本書はNHKの緊急地震速報を指しています。その緊急地震速報を作ったのは北海道大学名誉教授の伊福部達氏、作曲家の伊福部昭の甥であり、かつこの音楽も叔父の管弦楽曲である「シンフォニア・タプカーラ」から来ていたということも衝撃的でした。

第1位:森林飽和―国土の変貌を考える

森林飽和―国土の変貌を考える (NHKブックス No.1193) 森林飽和―国土の変貌を考える (NHKブックス No.1193)
太田 猛彦

NHK出版  2012-07-26
売り上げランキング : 10692

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環境問題を取り上げた本はいくつもありますが、「森林飽和」状態もまた違った問題を生んだことは印象的でした。

次回は「社会科学」本ランキングです。

定年までに資産1億円をつくる~ロスジェネ世代家族持ちへの新マネー戦略

定年までに資産1億円をつくる ロスジェネ世代家族持ちへの新マネー戦略 定年までに資産1億円をつくる ロスジェネ世代家族持ちへの新マネー戦略
北川 邦弘

ソフトバンククリエイティブ  2012-12-25
売り上げランキング : 442

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著者の北川様より献本御礼。
今となっては雇用も生活面でも「不安定」という要素が強い日本である。とりわけ本書の副題にある「ロスジェネ世代」はバブル崩壊の時に社会に飛び込んでいるため希望が見いだせない様な時代を生き抜いてきた。その中で「お金」の意識も変わっていった、貯金をして「堅実」に生きるような人が多くなった。
話は変わるがみなさんは「お金」は自分にとって何のためにあるのか、と言うことを考える必要がある。本書はその「お金」のことについての常識を見直し、「稼ぐ」「使う」ことを見直し、お金の「ストレスフリー」をめざしつつ、定年までに資産を1億円つくる方法を示している。

第1章「絶望の時代を生き抜くために」
誰も支えてくれない、安定する場所もない、それでいて入ってくるお金も減少の一途を辿り、ますます保守的な人生にすがってしまう。
そういう時代だからでこそ、「生きること」そのものを戦略的に練る、それでいて夢を持つ、「お金」に対する考え方や姿勢を変えることが大切である。

第2章「「金持ち思考」と「貧乏思考」15の点検」
「金持ち」になるような考え方もあれば、「貧乏」になってしまうような考え方まで存在する。
本章では人付き合い、ニュース、友人、食事などの考え方を15個の項目に分けて分析をしている。

第3章「新しいお金の常識と作法」
お金に対する考え方を本格的に見直すところである。まずは「人生三大支出」と言われている「住居費」「教育費」「保険料」の出費を見直すことから始まる。そこから自分自身の収入に直結する「働き方」、そして自分とお金に対する「考え方」を変え、そして自分自身の生き方と言える「ライフプラン」を見直すことによってお金に対する考えや接し方を変えるのが本章である。

第4章「イチロー一家の物語~人生を変える魔法のライフプラン~」
イチローとはいっても、今年NYヤンキースで活躍したあのイチローではない。本章では著者が実際にコンサルティングを行った家族の一例として「イチロー(仮名)」一家を取り上げつつ、第2章・第3章の実践編を紹介している。

第5章「ゼロから学ぶ資産運用」
さて、資産運用である。本書のタイトルにある定年までに1億稼ぐ方法としての投資方法を紹介しているが、それ以前に老後までに必要なお金はどれくらい必要か、そしてそのお金は何のために使うのか、を考える必要がある。もちろん「老後のため」は理由にならない。

まずあなたにとって「お金」とは何かを自分自身の意見を聞き、そこからお金の接し方、そしてお金との共存を知り、そして自身が豊かになるような投資と考え方を示している。また本書ではダウンロードシートもあるため、読みながらでもお金に対する考え方を見いだすことができるため、実践しやすいと言える。

風流 江戸の蕎麦―食う、描く、詠む

風流 江戸の蕎麦―食う、描く、詠む (中公新書) 風流 江戸の蕎麦―食う、描く、詠む (中公新書)
鈴木 健一

中央公論新社  2010-09
売り上げランキング : 379875

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本日はクリスマスイブでだが、それを過ぎるとすぐに「年越し」が始まる。その「年越し」になると「おせち」とともにいわれるのが「年越しそば」である。「年越しそば」とはいったいどこからきたのかというと、諸説はあるもの少なくとも1814年頃に刊行された「大坂繁花風土記」により定着されたとあるらしい。
「年越し」と呼ばれる年末に限らず、納涼として「そば」があり、即席麺としてのそばであれば一年中食べられている。
そばは日本中で愛されている食べ物であるが、とりわけ東京を中心とした関東地方では顕著である。東京のかつての呼び名である「江戸」、「江戸」と「蕎麦」は切っても切れない関係にある。本書はその切っても切れない関係にある、要因を歌舞伎、落語、俳句など様々な文化から追っている。

第一章「赤穂浪士、蕎麦屋に集合」
「赤穂浪士」と言えば「仮名手本忠心蔵」であり、吉良上野之介を討たんとする47人の浪士が蕎麦屋に集合し、蕎麦を舌鼓しながら意識を統一したと言われている。
しかしその「蕎麦屋の集合」はあくまで「一説」としていわれており、ほかにもいろいろな説があるのだという。

第二章「蕎麦をめぐる光景」
「江戸」と「蕎麦」は切っても切れない関係にある、と最初に書いたのだが、それがどれだけ身近なものだったのか、本章では俳句や短歌、絵図などから追っている。

第三章「芭蕉と蕎麦」
松尾芭蕉といえば「おくのほそ道」である。全国を旅しながらも有名な俳句を残し、現在でも多く詠まれている。
その「おくのほそ道」のなかでも蕎麦にまつわる名句を残しているのだという。

第四章「漢詩人、蕎麦を詠む」
蕎麦を詠んだのは俳句や短歌ばかりではない。漢詩でも蕎麦について詠まれているものがあるという。読み人の代表として本省では新井白石の漢詩を中心に取り上げている。

第五章「蕎麦の笑話」
蕎麦にまつわる噺は第八章で書くこととなるが、本章ではおもに「小咄」と言われる笑い話を取り上げている。主に「己惚(うぬぼれ)」「蕎麦賭け」などがある。

第六章「「化物大江山」のうどん童子退治」
化物大江山(ばけものおおえやま)」という作品は安永5年(1776年)、恋川春町によって発表された。その中では蕎麦による「うどん」退治が描かれている。うどんをこよなく愛する関西、もしくは香川方面の方々にとっては不快感を覚えそうな作品のイメージが強いように思えてならない。

第七章「蕎麦屋仁八というキャラクター」
「蕎麦屋仁八(そばやにはち)」という名前は歌舞伎「天衣粉上野初花(くもにまごううえののはつはな)」という演目て出てきており、蕎麦屋の主人だという。
昭和14年に作られた演目であるため、五代目~七代目の「尾上菊五郎」が得意としており、本章でも彼らが演じたシーンを中心にしている。

第八章「落語で綴られる蕎麦」
落語、とりわけ江戸落語ではそばを題材にした噺もいくつかある。本章ではとりわけ有名な「時そば」を演者にわかれてどのようなものなのかを紹介している。そばの噺としてもう一つ「疝気の虫」も取り上げている。

第九章「浮世絵の中で蕎麦は」
江戸時代では蕎麦が身近なものであったように浮世絵でも多々取り上げられている。主に歌川広重の作品が中心である。

著者は江戸時代の和歌や詩などが専門であるが、蕎麦の話をしたことで学生の受けが良かったので講義を行いつつ、一冊にしたという。江戸時代でも現代でも蕎麦は私たち日本人に愛されているといっても過言ではないことが窺える。
本書を読んでいると蕎麦が恋しくなってきた。そろそろ年末でもあるので蕎麦の準備でもしよう。

問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい

問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい 問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい
山田 真哉

小学館  2012-12-13
売り上げランキング : 93

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著者の山田様より献本御礼。
2014年には消費税の増税があり、それによる金銭的な不安が強くなっている。そのため企業にしても、個人にしても「会計」の知識が必要になってくる。とりわけビジネスマンは「数字力」も重要な要素となっていることからなおさら必要性が増してくる。
本書は平社員が学ぶべき会計、ビジネスにおける数字、社長として押さえておくべき会計、そして資産運用・形成など個人の財産を管理するための会計を消費税増税に備えてのことも踏まえて、高校生会計部を舞台にストーリー形式にて紹介している。

1日目「平社員会計学」
まずは会計の「基礎」の部分を取り上げている。収益を出すための仕組みとそのバランス、収入の「タイプ」などを紹介し、平社員として覚えるべき会計として「機会損失」や「埋没費用(サンクコスト)」、さらには「ブランド価値」などを取り上げている。

2日目「数字力」
会計の知識を身につけるための要素として「数字力」を上げることも必要である。
「学生の頃から数学が苦手」という人でも、難しい計算や証明をする必要がないため臆することはない。損失を回避する、もしくは「安い」と言わせるようなテクニックにまつわる方法、さらには現在ヒットしているものの「数字」のロジックそのものを解き明かしている。
本書のタイトルである「2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい」という問いの答えもここで紹介している。

3日目「社長会計学」
社長にもなると会社全体のことを把握する必要がある。その一つとして財務三表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)が挙げられる。「会計」というとこの財務三表のことが問われることがほとんどである。それだけ重要度が高いことはわかるのだが、「会計」の「か」の字も知らない人にとっては取っつきにくい。
そのため、本章ではこの財務三表をわかりやすく解説している。

4日目「パーソナル・ファイナンス」
最後は個人の資産運用・形成、さらには消費税対策など個人や家庭の暮らしにまつわる会計を昇華しているが、その中で著者の投資人生を踏まえた資産運用のアドバイスも行っており、投資をしようとしている人にもためになる。

本書の中で最も印象的だったのが「まえがき」と「あとがき」である。著者は「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」が大ヒットし、会計士を勤めながらヒット作を生み出しつつ、講演も数多く依頼を受けた。その後の人生の少なからず影響を与えたのだが、その中で出てきた勘違いとジレンマを著者は赤裸々に描いている。その勘違いとジレンマの中で出てきたのが本書であり、「原点回帰」の一冊と言えよう。

10倍ラクするスマートフォン仕事術 ~シンプルで効率的なiPhone・Androidの使い方

10倍ラクするスマートフォン仕事術 ~シンプルで効率的なiPhone・Androidの使い方 10倍ラクするスマートフォン仕事術 ~シンプルで効率的なiPhone・Androidの使い方
こばやし ただあき

技術評論社  2012-12-11
売り上げランキング : 52715

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著者のこばやし様より献本御礼。
日本で「携帯電話」が誕生してから27年経つ(発売当時は「ショルダーホン」であった)。iPhoneが誕生して5年、スマートフォンが一昨年あたりから急速に需要が伸び、もはやスマートフォンが「あたりまえ」になりつつある。
そのスマートフォンは電話やメールに限らず多彩な機能を備えているので、これを仕事の効率化のために使わないわけにはいかない、とはいえどAppleやAndroidと両方あれば、それに対応したアプリも数多くある。
本書は仕事のスピードを劇的に速く、かつラクにする事ができるスマートフォン活用法を1000以上のアプリを試し、厳選したアプリを紹介しながら、仕事の高速化を図るノウハウを紹介している。

Part1「メールのストレスを激減させる11のコツ」
スマートフォンでもっとも使われる頻度の多いものとしてメールがある。とりわけ毎日数百通・数千通受信する人であればなおさら、である。
多ければ多くなるほどメールチェックそのものがおっくうになってしまうどころか、そのメールチェックですら時間がかかってしまう。
本章では表示件数を増やす、プレビュー機能を使う、入力保管する、など行うことのできるアプリを紹介している。

Part2「ほしい情報を最短スピードで手に入れる 検索/調査の効率化テクニック」
情報を検索・調査をするためにパソコンへ、しかしいつの間にやらネットサーフィンをしてしまう始末。そこから脱するために、調査や検索のためのアプリだけではなく、それぞれの使い分け方に至るまで示している。

Part3「最小限の労力で情報整理・情報発信をラクにする便利ワザ」
情報はいまや濁流のように押し寄せる時代である。そのときだからでこそ情報の取捨選択をし、発信することが大切であるが、情報の取捨選択や整理は、取り寄せたい情報によってはもっとも時間を要する仕事の一つとしてあげられることがある。
本章では情報検索・メモ・写真・電子書籍などの管理、や印刷アプリなどを紹介している。

Part4「最高に最適な操作環境をつくる! ホーム画面の整理術」
これまで様々なアプリを紹介してきたのだが、アプリをいろいろと使うとなると、どのアプリを使ったどうかわからなくなってしまう。本章ではアプリそのものを整理し、ホーム画面をすっきりする方法をスマートフォン・パソコン双方での方法を取り上げている。

Part5「スケジュールと仕事の管理をラクにして時間効率を3倍に」
スケジュール管理はビジネスでも重要な要素として挙げられる。そのスケジュール管理次第では徒労に終わってしまうこともあれば、より効率的に仕事をすることができる。
本章ではスケジュールやToDo管理のアプリを紹介している。

Part6「あるだけで意外と差がつく! おすすめ周辺機器」
ここではアプリではなく、スマートフォンをきれいに、かつ爽快に使うことができる周辺機器を取り上げている。

本書では様々なアプリを紹介したのだが、あくまでそれを実践するためにはまず、「何のために使いたいか」ということを見出すことが必要である。そのことを見いだせたら本書を使うと10倍にも100倍にも有効に使うことができる。

女ノマド、一人砂漠に生きる

女ノマド、一人砂漠に生きる (集英社新書) 女ノマド、一人砂漠に生きる (集英社新書)
常見 藤代

集英社  2012-12-14
売り上げランキング : 2082

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著者の常見様より献本御礼。
著者は単身エジプトへ渡り、ラクダを連れて砂漠の中で、移動しながら暮らすと言われる「ノマド(遊牧民)」の生活を送った。その生活は「自由」というようなイメージとは裏腹の過酷な生活だった。
本書は様々な場所を旅しながらエジプトに行き着き、そして過酷なノマドライフの中で得たもの、失ったもの、見出したものを遊牧民一族との生活の中で綴っている。

第Ⅰ部「女ひとりの砂漠」
著者は小さい頃から内気だった。その性格を変えるべく会社を辞め、フォトジャーナリストを目指すため、海外へ。世界一周の途中地点のエジプトで自分の中でしっくりくるようなものを見出し、住み続けることとなった。
日本とは異なる言語・宗教・環境である国で、かつ日本とはかけ離れているほど恵まれていない国であった。しかし人間としての「温かさ」を直に感じることができ、親近感がどっと沸いた。
そのエジプトで生活をともにしたのは、ある遊牧民の女性である。その遊牧民生活のなかで砂漠の生活、イスラム教、水や食糧のありがたみを知った。

第Ⅱ部「うつりかわり」
安定した収入や豊かな生活はその裏で「失っているもの」が多い。しかし私たち日本人が日本に住み続けている限り、気づくことはないということを思い知らされる。
移り住んだ先によっては水も食糧もあり、かつ様々な人と出会うことができる。今の日本にほど近くなるような環境であるが、大切な「心」が失ってしまう。そしてこれは日本、それも都市部といった人口が密集しているところでは如実に表れていると思えてならない。
それだけではなく、本章では結婚観や結婚式についても取り上げられている。

第Ⅲ部「男と女」
イスラム教の国、というよりもエジプトの中での夫婦事情、そして「男」と「女」の関係はどのようなものがあり、結婚前後の「男」と「女」それぞれの人生は何なのかを知ることができる。

本書は2003年から3年間ほどエジプトに住んだ時のことを綴っている。日本とエジプト、一生住み続ける様な生活と移動しながらの生活、あふれているほどモノが豊かなところと水と食糧がとれるのがやっとと言える所、距離も価値観も宗教も違う場所で日本を見つめ、「自由」を見つめ、そして「生きる」ことを見つめている。一人の女遊牧民の出会いから9年、その間に見つめたことがここに詰まっている。そして日本人に対して、日本の中では気づかなかったことを投げかけるのもまた、本書の役目なのかもしれない。

赤ちゃんにもママにも優しい 安心の子育てガイド

赤ちゃんにもママにも優しい 安心の子育てガイド 赤ちゃんにもママにも優しい 安心の子育てガイド
発行:マルコ社

サンクチュアリ出版  2012-11-10
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マルコ社 様より献本御礼。
赤ちゃんを授かったときから子育ては始まる。しかし初めて子育てを行うと、いつでも赤ちゃんの事情を優先するあまり、眠れない毎日が続く。赤ちゃんは「泣く」という感情でしか意思表示ができない。子育てだけではない。家事もまた行わなければならないので、生活も不安定になり、イライラが募ってしまう。
安心して子育てを行いたい、という願望は誰にでもある。本書はその願望を叶えるために500人の現役ママへの調査のもと、安心できる子育てについて「寝かしつけ」「授乳」「離乳食」の3つに分けて紹介している。

Part1「赤ちゃんもママも安心の寝かしつけガイド」
生まれたての赤ちゃんの仕事は「寝る」「泣く」「授乳を受ける」の3つである。
その中でも「寝る」はもっとも重要な要素である。しかしながら赤ちゃんは、ママの都合のよいように眠ることはない。数時間に1度、というようなリズムで昼夜関係なく寝たり、起きたり、そして泣く。
特に深夜に泣く「夜泣き」はママたちの悩みの種であるが、赤ちゃんを安心させるための方法も紹介している。

Part2「赤ちゃんもママも安心の授乳ガイド」
赤ちゃんの食事は、時期によるが、生まれたてから1年ほどは授乳である。授乳をするにも赤ちゃんに歯が生えてきて、噛むこともあれば、うまく授乳できず、赤ちゃんが泣き出してしまうようなことさえある。
本章では授乳するに当たってのコツと注意点について紹介している。

Part3「赤ちゃんもママも安心の離乳食ガイド」
赤ちゃんが生後5ヶ月ほど差しかかってきた頃、いよいよ離乳食を始める時期である。その離乳食を与えるにも時期が必要であり、好き嫌い・アレルギー、量など食べるものにも気を使う必要がある。離乳食を与えてもあまり食べてくれなかったり、食べ過ぎるようなことにさえなったりすることがある。本章ではその離乳食の与え方を紹介している。

本書の巻末には放射能から身を守るためのチェックシートを紹介している。放射能から守りつつ、安心して子育てをする基本がここにあり、と言える一冊である。

ユーロの正体~通貨がわかれば、世界が読める

ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める (幻冬舎新書) ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める (幻冬舎新書)
安達 誠司

幻冬舎  2012-11-30
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幻冬舎 様より献本御礼。
昨今までEU諸国では「金融危機」が叫ばれていた。俗に言う「ソブリンリスク」と呼ばれるもので、世界中で国家破綻するのではないかと戦々恐々した。日本でも「日本がギリシャ化する」というような報道が目立ち、政治主張の一つに組み込まれることさえあった。
しかしこの「ソブリンリスク」から端を発した「ユーロ危機」とはいったい何なのか。もっと言うと「ユーロ」「EU」「ヨーロッパ」そのものがどのように成り立っていったのか。そして「ユーロ」は今後どうなるのか、本書はそのことについて分析を行っている。

第一章「ユーロはこうして苦難を乗り越え、成立した」
国にはそれぞれ「通貨」があるのだが、初めて経済連合のなかで「統一通貨」が作られたのが「ユーロ」である。誕生したのが1999年だが、通貨として流通し始めたのが2002年である。
イギリスを除く欧州共同体は1958年のECCから続いていたが、そこから統一通貨の概念が初めて盛り込まれたのが1970年代、それから「仮想通貨」と呼ばれるような目に見えない通貨を導入した。ユーロ導入までも、各国の思惑が絡み合い思うように進まなかった。その「ツケ」が今回の「ユーロ危機」の遠因である。

第二章「ユーロが失敗することは、EMS時代にわかっていた!」
「EMS(欧州通貨制度)」は1978年2月に制定され、各国の通貨について「為替相場」の側から統一を計っていったが、1990年に東西ドイツが統一すると同時に「EMS危機」と呼ばれるインフレ現象が発生した。立て続けに3年後にはスタグフレーションも起こり、四面楚歌の状態に陥った。
今回の「ユーロ危機」は形が違えど、こうした「EMS危機」の繰り返しの様相を見せている。

第三章「ユーロの正体を経済学から読み解く!」
ユーロの貨幣が流通し始めてから、各国で使われた「フラン」「マルク」「リラ」と呼ばれる通貨は消滅した。統一通貨が一般に広まることによって相場は統一された。しかしGDPの延び率や貿易利益などでは各国で差が出た。本章では統一通貨にも関わらず、なぜ経済的な差が出るのか、そして長期金利についてを「経済学」の観点から分析を行っている。

第四章「ユーロ危機の正体」
本書の核心にはいる「ユーロ危機」の正体である。その正体はとどのつまり、日本における「バブル崩壊」とよく似ている、と言うべきか。
そういえばどこかのニュースで「ユーロは日本化している」という記事を見たことがある。それと同じようなことがEU諸国でも起こっていると言えば想像に難くない。
しかし財政事情や経済状態などが異なるため、日本のような「バブル崩壊」に耐え得るかどうかの違いによって、財政危機に見回れる国もあるという。

第五章「ユーロは今後どうなるのか?」
ユーロ圏は財政的な危機に見回れているが、その中でどのような変化を起こるのだろうか。著者は大きく分けて2つのパターンに分けて分析を行っている。

①ユーロ崩壊
②ユーロ圏を一つの合衆国にする(p.163より)

このそれぞれに分かれてユーロ圏の行く末について分析を行っている。

第六章「日本が危機に巻き込まれるとき」
日本でバブルが崩壊したのは1991年の時である。その後アメリカでは2006年のサブプライムローン焦げ付き、そして2008年の「リーマン・ショック」、EU諸国では最初に書いた「ソブリンリスク」。
先進国を中心に続々とバブルが沸き、崩壊する事象が起こっている。そしてそこからBRICs、新興国と同じようなことが起こるという。
その煽りを喰らい、立ち直れず倒れてゆく。そうやって危機に巻き込まれ続け、経済の糸口さえ見えないような状況に陥っている。

日本の経済は閉塞していると言われている。そのため経済成長や雇用が充足するなどをするためにはどうしたらよいのか、それには緩やかなインフレを持つことが必要であるという。自民党が政権を奪回し、これから様々な政策が作られ、実行していくのだがそれができるかどうか、それは首相を始めとした政府次第、という話である。

むしろ暴落しそうな金融商品を買え!

むしろ暴落しそうな金融商品を買え! (幻冬舎新書) むしろ暴落しそうな金融商品を買え! (幻冬舎新書)
吉本 佳生

幻冬舎  2012-11-30
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幻冬舎 様より献本御礼。
私はよく書店に行くのだが、「投資」にまつわる本は色々とある。私自身も2年半前から証券口座を開設し、投資を行っている身である。
投資をするにあたり様々な投資法について示されているのだが、その中でも有力なのが「長期分散投資」があるのだが、著者に言わせれば「かえって大損する」と言われている。本書は様々な投資に関するリスクを主張する一方で、みるからに危険な「暴落しそうな株」をおすすめする慰留について迫っている。

第1章「これだけ読めば「本書のポイント」がわかる」
身も蓋も無いのだが本章を読めばそこで終わりと見えるかもしれない。しかしここでいう「本書のポイント」はあくまで「概要」の部分であり、次章以降でそれぞれの詳細を紹介している。

第2章「長期投資で儲からなくなったのは一目瞭然」
長期に投資をすれば株価そのものは緩やかに上昇するため、確実に儲けることができると言われている。しかしその意見も無責任なのだという。その証拠としてバブルが崩壊以降の日経平均株価の変遷と下落率・上昇率などを示している。

第3章「分散投資ではもはや資産は守れない」
「分散投資」というと、異なる業種、異なる国、異なる種類に対して投資を行うイメージを持つ。しかし人によっては「分散投資」は同業種、同じ種類のものを色々と買うというイメージを持つ方もいる。
本章で糾弾しているのは後者が中心となる。前者も同様であるが、種類によっては進めているものもある。

第4章「個人向けの社債・ミニ公募債・国債、投資していいのはどれか?」
3つの債券を取り上げているが、「債券」投資というとリスクが低く手堅く儲けられるというイメージがある一方で、じつは「百害あって一利なし」の債券ばかりである。「ある一つの債券」を除いては。

第5章「外資への長期投資は日本人には危険すぎる」
外資への投資は広がりを見せている。リスクが大きい分、リターンも大きい。しかし本書はリスク管理の面から「投資」について紹介しているため、「リスクが大きい」という点でかえって危険であることを主張している。

第6章「「暴落しそうで不安だ」と思う資産のほうが安全?」
これまではおすすめしないものばかり取り上げてきたのだが、本章ではおすすめとして「暴落しそうな資産」を取り上げている。むしろ本章にあるような資産の方がリスクが大きいように見えるのだが、むしろそういった状況になることが予想されることから、見切るタイミングを作ることができるため、おすすめしているのだという。

「暴落しそうな資産」というとなかなかイメージしづらい。しかし裏を返せば「リスク」が見えるかどうか、という点では有利に働く。そうでない資産はいつ暴落する危険があるかどうかもわからない。わからないからでこそ「リスク」を知って、投資を行うことが大切であると、著者は警鐘を鳴らしている。

僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか~絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想

僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想 (幻冬舎新書) 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想 (幻冬舎新書)
荻上 チキ

幻冬舎  2012-11-30
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昨日衆院選が行われ、自民党が2009年以来3年ぶりに政権を奪回する結果となった。安倍政権の復帰もあり、来年もまた嵐の呼ぶ国会が開催されるのだろう。
国会に限らず、新聞や雑誌などのメディアでは「~叩き」が横行している。「~叩き」は今も昔も行われているのだが、昨今では「言葉狩り」の如く、一挙手一投足気に入らなければすぐ「叩く」ような有様である。「出る杭打たれる」という言葉があるのだが、その打ち方も穴になるような位にまで叩いているような気がしてならない。

しかしその「~叩き」というような「ダメ出し」ばかりして、結局代替案なしで議論が泥仕合の様相となり、国民も歯がゆくなってしまう。
それを続けていくうちに周りの国は変わっていくため、もはや、変わるために時間はもうない状態にまでなってしまった。
本書はその時間がないことを認識し、「外野」ではなく「当事者」として何を考え、提示する「ポジ出し」を提唱している。

第一章「僕らはどうして、「ここ」に流れ着いたのか」
今日本は「先行不透明」な時代である。高度経済成長やバブル景気で急速に経済成長を遂げ、そこから経済は下り坂となり、悲観的な見方をする声が多くなった。そのときこそ経済のシステムを見直すことが必要である。しかし日本の経済そのものの疲弊や資金が限られていることからなかなかうまく行かない。
そして「諦観」や「悲観」が増えていった。

第二章「僕らはどうして、間違えた議論をするのか」
消費税法案を始め、生活保護の対策、そして様々な規制にまつわる法改正などで様々な「議論」を重ねていくのだが、それが「批判合戦」や「叩き」といった議論がなされてしまう。「建設的議論」の「け」の字も無いような議論というかケンカが続いており、周りも辟易しているような状況にある。

第三章「僕らはどうして、「国民益」を満たせないのか」
国民に対する「利益」と呼ばれる、いわば「国民益」があるのだが、それを提示しようとしても「官僚の論理」により、「骨抜き」といった歪められ、「国民益」が満たせないようなものとなった。さらにいうと「法律」も国民のためだけではなく、「企業」や「権利者」ばかり保護するような法律まである。

第四章「僕らはどうやって、バグを取り除くのか」
日本には様々な課題や問題を抱えている。本章ではそれらを総称して「バグ」と定義している。そのバグを見つけだし、丹念につぶしていくことが大切であるが、メディアをはじめ私たち国民は「すぐ」「すべて」解決したがる性質にあるため、即効性の無いものはすぐバッシングする、もしくは政権や情勢が変わると翻意してしまい、当初の構想が崩れてしまう。

第五章「僕らはどうやって、社会を変えていくのか」
「叩き」や「ダメ出し」ばかりで社会そのものが停滞してしまい、経済や社会で「遅れ」をとってしまい「手痛い」状態となっている。
もはや「叩く」「ダメ出しする」時間は許されない。国に頼らずも様々な提案や行動をする、そして様々な形で「政治」に参加し、国民の立場から変えていくこともまた一つの手段である。

こうして書評を上げている間でも「バッシング」「叩き」「ダメ出し」が横行している。自分の国をよくしたい人もいれば、気に入らない人がいるだけ、自分の権力を誇示しようとして行う人もいる。しかしそれをやっていては結局日本そのものは衰退の一途を辿ってしまう。指をくわえて待つ暇があったら、今からでも様々な意見や提案を出すことである。もう国民は「評論家」ではなく「当事者」であるのだから。

直観で解く算数

直観で解く算数 (PHPサイエンス・ワールド新書) 直観で解く算数 (PHPサイエンス・ワールド新書)
岡部 恒治

PHP研究所  2012-09-19
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皆様は小学校の頃、「算数」の授業は好きだったか。
私自身は算数の授業は好きだった。しかし小学校の時の担任は専ら国語の先生だったので、国語の授業がほとんどであったので算数の授業の記憶はほとんどない。あってもやったらやった分だけ評価してくれる「家庭学習」で学んだことくらいである。
私事はさておき、その算数の授業を大人になった自分でもやってみてはと提示している本書であるが、「何を今更」という一冊であるが、「数学」や「算数」がビジネスに良いと認知されていることから侮れない。

第1章「直観と計算で図形の面積を求める」
主に図形の計算である。タイトル通り、四角形や三角形の面積を求めるものが中心になっている。しかしその計算も五角形や六角形であったり、四角形でもどこかで穴があいたものだったり、複雑なものになっているが、それを「直観」で形を変えて計算をすることによってシンプルに計算することができるのだという。

第2章「複雑な図形を大胆に、簡単に理解する」
前章と同じような図形であるが、ここではさらに複雑になる。たとえば階段のような図形があったり、いくつもの三角形が重なるような図形が存在したりなど、まともに計算をしても時間のかかるような問題が出ている。
そのような図形も三角形や四角形などに置き換えるとシンプルに計算できる。

第3章「図形の性質をトイレットペーパーで学ぶ」
図形の計算の題材の一つに「トイレットペーパー」を取り上げている。普段使うトイレットペーパーであるが、単体で使うのもあるのだが、多くは袋にまとめたトイレットペーパー(よくスーパーや薬局で売られているようなもの)を使って四角形や五角形などを求めるというものである。

第4章「角度の本質を「エンピツまわし」で見抜く」
「エンピツまわし」というと学校の授業で暇つぶしによく行われるものである。自分自身もやったことはあるのだが、なかなか難しいことはできない。以下の動画のようには。

それはさておき、「エンピツまわし」といってもエンピツの回転速度や回転している円の面積を求めるのではない。あくまでエンピツを使って角度を求めるというものである。エンピツをクロスさせたり、まわして角度を求める方法を紹介している。

第5章「マッチ棒パズルで図形と数の関係を考える」
マッチ棒の問題といえばIQクイズや頭の体操などで使われることが多い。本章では「頭の体操」ではなく、マッチ棒を使って図形をつくる、一筆書きの図形をつくる方法などを紹介している。

第6章「モチを切り分けて図形を法則をあばく」
ほとんど直方体で売られている切り餅をサイコロ上に切り分け、様々な図形に当てはめている。複雑な図形をつくる、もしくは解く際にもよく使われる。

本書は算数のように「計算」が中心になるのだが、もっとも「図形」の計算が中心である。しかしその「図形」にしても正方形や長方形の計算はともかくとして、図形そのものが複雑になると、学校で学んだ公式を使うと時間のかかることが多い。しかし本書のように「直観」でシンプルに考えてみると、驚くほどおもしろく解くことができる。「意外な方法」は数学に限ったことではなく、ビジネスの世界でもゴロゴロと転がっている。そのヒントを見いだすのにも最適の一冊といえよう。

もんじゃの社会史―東京・月島の近・現代の変容

「もんじゃ焼き」と言えば、「月島もんじゃ」というほど月島のもんじゃ焼きはあまりにも有名である。個人的にも「もんじゃ焼き」といえば東京名物という固定観念を持ってしまう。
その「もんじゃ=月島」という構図がいかにしてできあがったのか、そして「月島」と「もんじゃ」は時代とともにどのような変化をたどっていったのか、本書を見てみよう。

第1章「月島のルーツ」
「月島」自体は江戸時代に存在しない。明治20年に東京市(現在の東京23区)によって埋め立て・造成された人工島である。
元々は佃島に隣接された干潟であり、佃島から見える干潟が浮世絵になって現れている。

第2章「もんじゃストリートのルーツ―西仲通り形成史」
月島ができた当初は「もんじゃ」のかけらも無いところであった。むしろ呉服屋や料理店、さらには娯楽業などが軒を連ねる雑多な空間であった。

第3章「もんじゃ経営者のルーツ その1:自営業主と家族」
そのようなところからなぜ「もんじゃ焼き」ができ、名物と化していったのか、本章と次章にて月島にある「もんじゃ屋」の経営者のインタビューをもとに、いかにして「もんじゃ」が、「もんじゃ屋」ができたのかを追っている。
ここでは「もんじゃ」ができる前、飲食店や娯楽業など「自営業」に携わっていた方々をインタビューしている。

第4章「もんじゃ経営者のルーツ その2:工場労働者と家族」
本章では「もんじゃ」が誕生する前に「工場」の労働者だった方々をインタビューしている。

第5章「路地に広がる月島メモリー―子供と女性のもんじゃ文化」
さて、いよいよ「もんじゃ」の誕生の話に移ることとする。「もんじゃ」そのものが出てきたのは、安土桃山時代にまで遡る。茶道の祖である千利休が茶会でお茶うけとして「麩の焼き(ふのやき)」をつくらせ、振る舞ったことが始まりとされている(「お好み焼き」の起源と同様)。それから明治時代に入り、「もんじゃ焼き」と呼ばれる様になったのだという。
一方月島では戦後間もない頃から、駄菓子屋でもんじゃ焼きが振る舞われ、愛されていた。その当時は「子どももんじゃ」と呼ばれた。

第6章「マクロな都市空間の変化と月島―都市空間の機能分化」
月島からほど近いところにあるのが「築地」である。その築地に、日本でもっとも有名な「築地市場」が誕生したのは昭和10年であった(当時は「東京市中央卸売市場」)。
卸売市場が誕生してから月島に食品関連業者が増えていったのだという。

第7章「月島もんじゃの「進化」」
第5章にもあったように、「もんじゃ」は戦後間もないころから「子どももんじゃ」として愛されていた。そこから「大人もんじゃ」と呼ばれる、一般的な「もんじゃ焼き」が月島に生まれたのが1954年の時である。古くからある「もんじゃ」から、様々なテイストを生み出し、そして「もんじゃ」とは縁のない世界から「もんじゃ」の世界に入った業者も出てきた。
いつしか「もんじゃ焼き屋」は増えていき、1997年に「月島もんじゃ振興会」が出てきて、全国的に認知されるべく組織的に動き出した。その活動が「月島=もんじゃ」の構図を生み出した。

第8章「もんじゃ屋経営のスキルとネットワーク」
その「月島もんじゃ振興会」では日本中に「月島もんじゃ」を広げさせる活動をしているわけではない。「もんじゃ焼き」スキルを振興会の中でネットワークにて共有をはかっている。

第9章「もんじゃの味わいと家族」
もんじゃ屋を経営するに当たり、月島独特の「規範」もあるのだという。その「もんじゃ焼き」が広がりを店始めたとき、1979年に「月島大火」と呼ばれる大火事がきっかけだったという。

私自身「もんじゃ焼き」は数回しか食べたことがない。しかしその数回でも「もんじゃ」独特の味は今でも忘れられない。「もんじゃ」のメッカとして知られる「月島」そこでは今日も、東京人が愛してやまない「月島もんじゃ」がつくられている。

真っ当な野菜、危ない野菜 ~「安全・安心・おいしい」を手に入れる賢い知恵~

真っ当な野菜、危ない野菜 ~「安全・安心・おいしい」を手に入れる賢い知恵~ (ワニプラス) 真っ当な野菜、危ない野菜 ~「安全・安心・おいしい」を手に入れる賢い知恵~ (ワニプラス)
南 清貴

ワニブックス  2012-04-16
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八百屋やスーパーなどで売られている野菜、その野菜の中には「真っ当」なものから「危ない」ものまで溢れているのだという。
ではこの「真っ当」と「危ない」の基準はどこにあるのだろうか。そして「真っ当」な野菜が少なくなった理由とはいったいどこにあるのか、処方箋はあるのか、本書は農業そのものの現状とともに提言をしている。

第1章「農業の産業化で失われた4つのこと」
簡単にいえば、「真っ当」と呼ばれている野菜は「在来種」の事を言い、ある土地で長年栽培されていた種類のことを指す。一方で「危ない」と呼ばれているのが「F1種」と呼ばれており、人工的に作られた1代目の品種のことを指している(「雑種第一代」という)。八百屋やスーパーで扱われている野菜のほとんどは後者である。
そうなってしまった要因には「農業の産業化」を挙げている。「農業の産業化」は簡単に言えば「大量生産」や「ハウス栽培」によって通年、かつ大量に生産するようになったことを指す。そのことによって季節関係なく食べることができるが、かえってそれが野菜そのもの味わいや良さが崩れたと著者は主張している。

第2章「真っ当な農家が減った理由」
「在来種」を生産している農家も減少しているが、自分自身農家そのものが減少しているイメージがある。しかし農家そのものの考え方も変わっている、それも「お金儲け至上主義」というような考えを持つ農家も出てきているのだという。
その原因には1952年に制定された「農地法」によって「転用」ができるようになった、そしてその「転用」を期待して農家を目指す人もいるからだという。

第3章「真っ当な野菜を取り戻すために」
「転用」や「F1種」ではなく、「在来種」の野菜を生産するために著者も動いた。2011年5月に岐阜県・大垣市に移住し、小規模で行うことから始めた。その中で化学肥料を使わず、コミュニティを築きながら「在来種」をつくるというプロセスを綴っている。

第4章「真っ当な野菜を大切に味わいつくす」
その「在来種」の野菜を味わうために、「在来種」の見分け方からサラダや煮物など、野菜そのものを味わえるためのレシピを紹介している。

健康の為に野菜をとる人が多くなっている。しかし野菜は選び方一つで、自分自身の健康が脅かされるような事にさえなる。本書は野菜そのものの危機感と、本来ある「野菜」のあり方を示している一冊である。

生きざま~私と相撲、激闘四十年のすべて

生きざま 私と相撲、激闘四十年のすべて 生きざま 私と相撲、激闘四十年のすべて
貴乃花光司

ポプラ社  2012-12-13
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ポプラ社 様より献本御礼。
私が小さい頃の角界は「若貴フィーバー」と呼ばれる中で第六十五代横綱 貴乃花光司は絶対的な強さと人気を有した。相撲としてスター街道を進みながらも、度重なる怪我やスキャンダルに苛まれた。しかしそれにもめげず優勝街道を突き進み、そして引退。その後骨肉の争い、親方への再起など波瀾万丈に満ちていた。
「若貴フィーバー」の時代、同期と呼ばれた力士の中には、現在親方として角界に残った方もいれば、プロレスラーとして、あるいはタレント、経営者になったものもいた。ちなみに同期は貴乃花だけではなく曙や兄である若乃花など横綱・大関を数多く輩出しており、俗に「花の六三組」と呼ばれた。
話を戻す。本書のタイトルにある「生きざま」、誰にも真似できず、かつ貴乃花親方自身の人生を振り返るとまさにその通りの言葉と言える。ではどのような人生だったのか見てみよう。

第一章「父の引退、そして相撲を始める」
角界に詳しい人はご存じだが、貴乃花・若乃花の父親は大関・貴ノ花(貴ノ花利彰)であり、当時輪島や北の湖といった横綱勢に引けを取らないほどの強さと甘いマスクで「角界のプリンス」と呼ばれた。
子供の時の貴乃花親方時代の父の存在、そして家族団欒の中でのエピソード、わんぱく相撲で横綱になったとき、そして入門してからの思いを綴っている。
父があの「貴ノ花」の事もあり、兄とともに「七光り」としてマスコミの呪縛への苦しみは、相撲人生の中で大きな枷となった。

第二章「相撲に生涯を捧げる決意」
父である貴ノ花(当時の藤島部屋(12代目))に入門し、父と決別した貴乃花親方は兄弟子や師匠による厳しく、かつ過酷な稽古に明け暮れた。相変わらずメディアに晒される事はあったのだが、それがどうでも良いくらい稽古に明け暮れた。
そして様々な「史上最年少」記録を打ち立てていったのだが、それすら意識せず常に上へ上へと目指していった。

第三章「不撓不屈―雑草のように生きる」
「不撓不屈」の言葉は当時「貴花田」から「貴ノ花」に襲名し、大関に昇進したときの口上で言った四字熟語である。
幕内から関脇、そして大関に昇進を遂げてきたのだが、決して平坦とは言えなかった。昇進していくうちにメディアの過熱ぶりがエスカレートし、そのストレスが相撲にも表れた。優勝はできず、同期であり綱取りを果たした曙とは正反対の状態となった。
「七光り」としてデビューとした貴ノ花、その一方で、実力で綱取りを果たした曙。スターとしてではなく、むしろ「雑草」として倒れても倒れても這い上がるような状態だった。
大関に昇進してから「横綱」に昇進するまでに何度も幕内優勝はしたが、綱取りはなかなかできなかった。全勝できていないことが横審の挙げた理由だった。

第四章「不惜身命―横綱という栄光の光と影」
それでも貴ノ花はあきらめなかった。
四股名を「貴ノ花」から「貴乃花」に変え、二場所連続優勝をもぎ取り、ついに横綱昇進となった。本章のタイトルの「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」はその横綱昇進口上で言った言葉である。
横綱に昇進してからも優勝街道を突き進んでいった。しかしその一方で新たに迎えた整体師による「洗脳騒動」の疑惑報道が横綱人生に暗い影を落とした。さらに蓄積された疲労と怪我との戦い、それが貴乃花をさらに苦しめさせた。
それを乗り越え、築き上げた優勝回数は22回。今も語られる「平成の大横綱」の代名詞の一つとなっている。

第五章「親方となる、そして父との別離」
2003年に引退し、親方となった。そして父との別れであったが、ここで遺産相続騒動における骨肉の争いもあった。
しかしそのような逆境でも親方として生きていく。

第六章「相撲への恩返し」
今、角界は向かい風の中に晒されているといっても過言ではない。日本相撲協会の理事として、そして一師匠として、そして「貴乃花」そのものとして自分の相撲道はどうあるのか、どう進むのか、本章ではそれを示している。

第六章にある「相撲への恩返し」は向かい風の中にある相撲の中で、かつて自分自身がその風にさらされたときを重ねているように思えてならない。自分の弟子の優勝もあり、そして相撲の広告塔として活躍したり、「七光り」から「雑草」となり、そこから這いあがることができた相撲への感謝と恩返しは今日もまた続く。

パトロネ

パトロネ パトロネ
藤野 可織

集英社  2012-03-26
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本書のタイトルにある「パトロネ」は、フィルムに納められている円筒の缶を指している。最近ではデジタルカメラが増えてきている成果、フィルムと同じようにあまりみられなくなったとも言える。しかし古くからの写真愛好家にとってはフィルムカメラの感触と映し出される写真の味わいが忘れられず使用している人も少なくないのかもしれない。

私自身もプライベートで写真を撮ることはあるのだが、大概は携帯電話のデジタルカメラ機能を使用している。写真を撮るのがおもしろくなり、中古でもよいからデジタルカメラを買いたいという願望があるのだが、吝嗇癖が強いせいか購買には結びつかない。
私事はさておき、本書の舞台は大学のサークルで写真部に入ったところから物語は始まる。

フィルムカメラと写真にまつわる話が中心であるため、取っつきにくいイメージがあったのだが、フィルムカメラそのもの、あるいはフィルムからの現像に至るまでのプロセスや用語についてストーリーを交えながら分かりやすく解説しているため、写真撮りから現像までのプロセスが自分でも行っているかのようにすんなりと頭に入る。著者が「美学」「芸術学」を専攻していた経歴があり、その中で写真も学んだせいなのかもしれない。
さらに、「色」についても拘りが強いように見える。写真の映像のみならず、表情についても様々な「色」を多用している描写が多かった。

同期生~「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年

同期生 「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年 (集英社新書) 同期生 「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年 (集英社新書)
一条 ゆかり もりたじゅん 弓月 光

集英社  2012-09-14
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仕事の世界にしても、本書にある漫画の世界にしても、あるいはそれ以外の世界にしても「同期」はある。しかもその「同期」は親友にも戦友にもなりやすくある。
本書は毎年行われている「りぼん新人漫画賞(以下:新人漫画賞)」の第一回入賞者の3人が、それぞれの漫画観と同期たちの思い、そして編集者との出会い、そしてそれぞれの人生について綴っている。

第一章「一条ゆかり」
「砂の城」「有閑倶楽部」をはじめ少女コミックでミリオンセラーを連発している一条ゆかり。
漫画家になりたく、高校三年の時に修学旅行がてら出版会社へ面接に行くほどの行動力を見せた。
高校卒業後、単発で漫画作品を描いた後、上京したが案の定金欠に悩まされた。そこに飛び込んできたのが「新人漫画賞」である。
その漫画賞に入賞し、漫画家としての連載が決まったのだが、そこからもりたじゅんや弓月光との関係もはじまった。もりたじゅんとは「ライバル」、弓月光とは「戦友」というような感覚があったのだという。
そしてベストセラーを生み続け、現在漫画家活動を一時休止し、漫画から離れた生活をしている。

第二章「もりたじゅん」
もりたじゅんはデビュー前、3人の中ではもっとも「漫画」とは無縁の生活を過ごしていた。むしろ絵画が中心であり、それ故か画力も秀逸だった。
大学も芸術学を学び始めたのだが、大学独特の雰囲気に絵描きとしての道を閉ざしそうになるほど衝撃を受けた。その衝撃から救ったのが漫画であり、「新人漫画賞」であった。そこに入賞したが、その入賞パーティーにて二人に出会った。当時もりたじゅんは大学生、一方の一条ゆかりと弓月光は高校生だった。
やがてデビューしたものの、両者と違いあまりパッとせず、むしろ置いて行かれるような感覚に陥ったという。その後「りぼん」でヒットを生み出したが、それ以上に大きな転機となったのが「サラリーマン金太郎」などベストセラーを次々と誕生させた本宮ひろ志の出逢いであった。
やがて結婚し、子宝にも恵まれたが、漫画家として悩みだし、ついに引退。現在は主婦として漫画とは一歩離れたところで、漫画の現在を思い馳せている。

第三章「弓月光」
3人の入選者の中で唯一の男性。もっというと現在でも数多くのベストセラーを生み続けている漫画家とも言える。
「新人漫画賞」に応募する前から、様々な「漫画賞」に応募し、受賞していたが、ある編集者の一言から「新人漫画賞」に応募した。
まもなく「りぼん」や「マーガレット」などの少女誌で単発・連載などを重ね少年誌へ。弓月光の漫画はいくつか読んだことはあるのだが、性的な描写をしながらも「コメディ」と呼ばれるような独特なタッチがあるので「少年誌向け」でも「少女誌向け」でもない、むしろ両方に通用するような画風とおもしろさを換え備えていたことを覚えている。
様々な著作を生んだせいかどうかはわからないが、同じく新人賞をとった一条ゆかりともりたじゅんからは「本当に漫画が好き」という印象が強い。

「第一回りぼん新人漫画賞」が開催されたのが1967年の時である。当時は漫画そのものも急成長を遂げる前であり、ワンパターンの印象を持つような作品も目立った。あれから45年、それぞれの道を進んでもどこかで逢えば、近況報告とともにその思い出話がでてくる。そしてその思い出が「漫画家」としての原動力となり、「りぼん」としても大きな転機となったのは間違いない。

今、原子力研究者・技術者ができること

今、原子力研究者・技術者ができること 今、原子力研究者・技術者ができること
有冨 正憲

培風館  2012-03
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2011年3月11日に起こった東日本大震災を引き金とした「福島第一原発事故」により、日本、ひいては世界中で「脱原発」の気運が高まった。12月に行われる衆院選でも各政党のマニフェストは異口同音ながらも「脱原発」を掲げている。
わたしもゆくゆくは「脱原発」はした方がよい考えであるが、それ以前に「原発」とは何か、そのために原子力研究はどうするべきかを考える必要があるのではないかと考える。毒をもって毒を制すが如く、原子力を脱するためには原子力の技術の進化も重要な要素である。
「脱原発」「原発は「悪」」という風潮により迫害されつつある「原子力研究者」や「原子力技術者」のできることはいったい何なのか、本書では福島第一原発事故の原因、原子力発電双方の観点から迫っていく。

1編「福島第一原発事故はこのように起こった」
そもそも福島第一原発は「東電の怠慢」という一言で終わってしまえばそれまでであるが、それでは短絡的すぎる。もっともどのようなプロセスで「メルトダウン(炉心溶融)」が起こったのか、どのようなプロセスで水素爆発が起こったのか、そしてその原発で応急策はどのように行われたのかを物理学の観点も含めて記している。

2編「原子力発電とは何か?」
本章は原子力について前知識のない方々にとって重要な章と言える。その中でも「原子力工学」の分野について分かりやすく教えている。
もっとも日本人は「原子力」に対しての恐ろしさを世界一知っている民族である。それは現在もそうであるが、過去の歴史が物語っているからである。
原子力の歴史については以前「象の背中で焚火をすれば」と言う本で取り上げてきたのだが、本章では「水型炉」など具体的な原子力の仕組みも紹介している。

3編「福島第一原発事故はどう評価するべきなのか」
この福島第一原発の事故についてメディアや多くの本では総論的な評価をする事が多いのだが、本章では地震発生からメルトダウン、それからしばらくするまでの応急措置に至るまでの対応それぞれを評価する、言わば「各論的」な評価を行っているところが本章、もとい本書の特徴にある。

4編「原子力発電所の安全性と再起動」
3編で行った各論的な評価をもとに安全性はどうなのか、そして再起動はどうするべきかについて考察を行っている。機能の見直しや強化、ストレステスト、自然災害への対策についてを提言している。

本書のタイトルでは「技術者」や「研究者」に対してできることは何かを分析し、提言する必要がある使命を持っている印象を受けるのだが、そのタイトルにちなんだ提言を行ったのは4編の最後のみだった。あとは事故の分析にページ数が割かれている印象が強く、タイトルと違うのではないか、という評価もできるかもしれない。しかし本当の意味で事故の原因となり、これから必要なことは最後に凝縮されている、とも言える。

おいしいコーヒーの経済論――「キリマンジャロ」の苦い現実

【増補版】おいしいコーヒーの経済論――「キリマンジャロ」の苦い現実 【増補版】おいしいコーヒーの経済論――「キリマンジャロ」の苦い現実
辻村 英之

太田出版  2012-04-06
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「缶」にしても、「インスタント」にしても、「ドリップ」にしても私たちの中で愛されているコーヒー。かく言う私もホットコーヒーを飲みながら書いている。毎日缶コーヒーやインスタントコーヒーを飲まないと気が済まないため、コーヒーを飲まない日はむしろ珍しいほどである。
そのコーヒーにまつわる貿易や経済については当ブログでも何度か紹介したことはあるのだが、本書はその中でも有名な「キリマンジャロ」の銘柄から経済の流れを表そうとした一冊である。

第1章「コーヒーのおいしさ」
コーヒーは香りや苦みなど銘柄によって異なっており、それが日本人に広く愛されている証の一つであるという。
その中でも魅力なのが、様々な「違い」をインスタントでも缶コーヒーでも愉しむことができる、さらには「カフェイン」で仕事や勉強に集中することができることも、もう一つの要因と言える。

第2章「「キリマンジャロ」の生産者たち」
アメリカ大陸最高峰であり、かつ世界一標高の高い火山である「キリマンジャロ」。そのキリマンジャロでコーヒーの生産を行っている家族を密着し、そのコーヒーの生産と販売のメカニズムについてを追っている。

第3章「コーヒーのグローバル・フードシステム」
生産から販売の中から、コーヒーの栽培から収穫、さらに外皮や果肉除去、水洗・発酵、乾燥に至るまでのコーヒー豆のつくられ方を紹介している。

第4章「コーヒーの価格形成の不公正さ」
コーヒーの価格形成は、俗に言う「先物取引」における「投資」の善し悪しで決まるのだという。それが生産の善し悪し以上の力を表しており、豊作・凶作の時における価格の振り幅の変動が大きくなり、それが「不公正」という言葉となって返ってくるのだという。

第5章「ポスト構造調整とフェア・トレード」
それを解消すべくつくられたのが「フェア・トレード」である。「フェア・トレード」については「コーヒーを通して見たフェア・トレード―スリランカ山岳地帯を行く」という一冊が詳しい。

第6章「キリマンジャロの農家経済経営」
フェア・トレードはコーヒー農家にとって、さらには販売者にとって利益になったかというと、そうなった側面もあれば、そうではなかった側面も存在した。
とりわけ後者は名ばかり、もしくは不十分なものとして取り上げられており、「フェア・トレード」そのものの課題として取り上げられている。

第7章「日本のコーヒー産業の特質とフェア・トレード」
日本における「コーヒー」にまつわる市場は「喫茶店」とともに語られる。従来あった「喫茶店」から「スターバックス」や「ドトール」「ベローチェ」といった「シアトル系」のカフェにシフトしていったメカニズム、さらにブランドとフェア・トレードの兼ね合いについて分析を行っている。

第8章「コーヒー危機を超えて」
「コーヒー危機」という言葉はあまり聞き慣れない人が多いので、ここで少し説明する。
「コーヒー危機」とは国際先物市場で価格が2度暴落した事象のことを表す。1回目が1989年頃、2回目が2001年頃に起こった。特に後者は100年間で最も低い水準にまで下落したことから、本によっては後者のみで表されていることが多い。(「コーヒー危機の原因とコーヒー収入の安定・向上策をめぐる神話と現実-国際コーヒー協定(ICA)とフェア・トレードを中心に-」妹尾裕彦 より
先物市場のことを指しているのだが、この「コーヒー危機」そのものの原因を追っていくと、私たちが親しんでいる喫茶店や缶コーヒーも少なからず影響を受けていることから決して他人事とは言えない。
そのコーヒー危機の中でなにが見えてきたのか、そしてそこから何を教訓に生かすのかを分析・提言を行っている。

私たちの生活の中で欠かせないものとなっているコーヒー。そこには「経済」が根深く関係していることがよくわかる。その経済はなかなか侮れず、日本のみならず、中南米を中心に動いていると言っても過言ではない。そのことを本書は知らしめたのではないだろうか。

日本の難点

日本の難点 (幻冬舎新書) 日本の難点 (幻冬舎新書)
宮台 真司

幻冬舎  2009-04
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シリーズ「『宮台真司』の思考を解剖セヨ!」最後は日本そのものについてである。
人には長所や短所もあれば、「難点」が存在する。それは日本という一つの「国家」にも同じことが言える。その難点はいったいどのようなものなのだろうか。本書では「コミュニケーション・メディア」「教育」「幸福」「米国」「日本」のそれぞれのカテゴリーに分け「現状→背景→処方箋」という順序で考察を行っている。

第一章「人間関係はどうなるのか」
ここ最近では「SNS」が隆盛していることによってコミュニケーションの方法に広がりを見せている。とりわけ私たち「若者」と呼ばれ世代がそれらを多用することにより「フラット化」したと言われているのだが、そのことにより「非モテ」になり、既存のマスメディアが凋落するという弊害を招いている。

第二章「教育をどうするのか」
最近、教育現場では「いじめ」や「モンスター・ペアレント」など「不信」「卑劣」がはびこっている。その「不信」「卑劣」をどう解消するか、それは大人たちが子供に対する「本気」を向き合うことが大切であるという。

第三章「「幸福」とは、どういうことなのか」
最近書店を見回すと、自己啓発書にも、ビジネス書にも、一般書にも「幸福論」という言葉が乱舞しているように思えてならない。その「幸福」はいったいどこにあるのだろうか、あるいは誰が対象になるのだろうか、ということを考える必要がある。自分自身だけが幸福をもたらしては、自己中心になり、他人も含めるとそれを伝搬する必要がある。
そしてその「幸福」は宗教とどのように通じ、そしてどのような形で通用するのかの考察を行っている。

第四章「アメリカはどうなっているのか」
最近では沖縄や横浜の米兵による犯行やオスプレイの配置など、軍事にまつわることで問題が横たわっている日米関係、もっと言うとオバマ大統領の再選、それにより日本に対して厳しい注文をすることも宣言している。
そのオバマが日本に対してどのように向き合うのか、そしてその前の大統領であるジョージ・W・ブッシュの失策はアメリカにどのような暗い影を落としているのか、本章ではそれにまつわる考察を行っている。

第五章「日本をどうするのか」
日本には様々な問題が横たわっている。第四章で取り上げた問題以外に一例を挙げると、

・雇用
・消費税
・発電技術(放射能含む)
・食糧

などがある。本章では全てではないのだが、日本にまつわる諸問題についての分析を行いつつ、かねてから失っていた日本の本質について迫っている。

日本のみならず、どのようなものにも「難点」は付き物である、それを一つ一つ解消してもまた新たな「難点」が生まれる。その処方箋も時代とともに変化しており、かつ現在では通用しないものも出てくる。とはいえその問題の本質は変わらない。それは問題の根幹は現在までの「原因」をもっており、それを見つけることこそ、本書で投げかけられた課題とも言えよう。

タブレット革命 ~iPad登場でわかった“板型PC”の破壊力

タブレット革命 〜iPad登場でわかった“板型PC”の破壊力 タブレット革命 〜iPad登場でわかった“板型PC”の破壊力
松村太郎

アスキー・メディアワークス  2010-09-09
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家電量販店を見かけると「iPad」をはじめとした「タブレットPC」がいろいろと売られている光景をよく見る。自分自身もタブレットPCは「欲しい」のだが、自分自身の仕事・プライベートを考えると「まだ必要がない」と思いつつ、売場を去ってしまう。
とはいえノマドワークをするために大いに役立つ「タブレットPC」によってPCワークはどのように変わるのか、ビジネス・プライベート双方の観点でどのような変化をもたらすのだろうか。

第1章「グーグル時代の最終兵器、SNS時代の申し子」
最近ではiPhoneやiPadからはじまり、Androidのスマートフォン、さらにタブレットPCとコンピュータそのものが「ユビキタス化」してきた。その原動力となったのが「Twitter」や「Facebook」「myspace」、日本では「mixi」などの「SNS」であった。

第2章「180度のコミュニケーション」
プレゼンテーションや商談をするにもiPadやタブレットPCは大いに役立つ。プロジェクタやTVモニタでは90度の平面でしか見ることができない。それに対しタブレットPCはその場に起きながら対話をする、反対側で見ることができるなど180度で見ることができる。

第3章「「紙」から「デジタル」へ、読書体験の転換」
電子書籍はタブレットPCが誕生するずっと前から登場している。しかしタブレットPCでは書籍並の大きさであるため、書籍と同じような感覚で読書をする事ができる。さらにいうと新聞や雑誌も電子書籍と同様に使用することができることからタブレットPCは電子書籍隆盛の起爆剤と言える。

第4章「クラウドを操るノマドワーク」
最近では「ノマドワーク」をする人が増えている。かく言う私も本業はそうではないが、こうやって書評を書くときは近くの喫茶店を転々としながら書いている。他のお客の迷惑にならない程度に。
そのノマドワークをするための格好の武器となるのが、iPadをはじめとしたタブレットPCである。iPadであればEverNoteをはじめiWorksをつかったオフィスワークをいつでもどこでも行うことができる。タブレットPCもまた然りである。

第5章「アプリは経験のダウンロード」
スマートフォンやタブレットPCはアプリを使って様々な体験や経験をダウンロードをする事ができる。仕事を効率化したり、あたかもリアルで会話することができるような体験をすることができる。

第6章「タブレットラーニングで学びが変わる」
アプリやサイトの中では様々な「学び」を得ることができる。教科書やノートのデジタル化もさることながら「YouTube Edu」や「iTunes U」「iUniv」など大学講義が丸々アップロードされているサイトまで存在する。教科書のデジタル化では最近小学校にて教科書を丸々「iPad」で使うことができるような話も聞いたことがある。

第7章「コンピュータのある生活が変わる」
普段「コンピュータ」というとデスクトップ、またはノートPCを利用してインターネットやオフィスワークをする形態も大きく変わる。さらにいうとメディアやコミュニケーションのあり方も変わってくる。

私が初めてiPadに出会ったのは一昨年の春、日本で入荷されるちょっと前の頃である。出版にまつわるイベントであるのだが、英語版のiPadにふれたことは今でも斬新な体験だったことを覚えている。もはや今では当たり前なものとなったのだが、タブレットによって本書のように「大きな変化」をもたらしたものもあれば、現在でも変わらないものもある。そう、進化と維持が混在している時代が日本のITの現状と言える。

サブカルチャー神話解体―少女・音楽・マンガ・性の変容と現在

増補 サブカルチャー神話解体―少女・音楽・マンガ・性の変容と現在 (ちくま文庫) 増補 サブカルチャー神話解体―少女・音楽・マンガ・性の変容と現在 (ちくま文庫)
宮台 真司 石原 英樹 大塚 明子

筑摩書房  2007-02
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シリーズ「『宮台真司』の思考を解剖セヨ!」第6弾はサブカルチャーである。これまで社会にまつわることばかり取り上げてきたのだが、今回ほど私が取り上げたいものはない。宮台氏は社会学者であるが、サブカルチャーにまつわる言及も多い。
その言及の源流を探るべく、1992年~1993年に「アクロス」という雑誌で連載されたものから2007年版に加筆された本書をみてみることとする。

第1章「少女メディアのコミュニケーション」
主に少女マンガのコミュニケーションを中心にしているが、それだけではなく「少女」を元にした作品も取り上げられているため、時代の変遷は戦前にまでさかのぼっている。「乙女」から「少女」といった「女らしさ」「少女らしさ」にまつわる独特な表現から読者と作者との「コミュニケーション」の変遷を描いている。

第2章「音楽コミュニケーションの現在」
「音楽」のジャンルはJ-POP、歌謡曲、ロック、ニューミュージック、クラシック、ジャズなど様々である。単一のジャンルでも「恋愛」や「政治」などテーマをカテゴライズすると、「音楽」の幅広さと奥深さが窺える。
その「音楽」にまつわる「コミュニケーション」は、歌詞や曲における「私」と、それを聞いている「私」とのやりとりにある。そのやりとりも「フォークソング」から「ニューミュージック」、そして各年代のポップスにと変化を遂げていく。

第3章「青少年マンガのコミュニケーション」
青少年マンガは70年代以降から40年にわたる間、著しく成長を遂げていった。その一方で「有害コミック」の議論も絶えず、評論家のみならず、政治的にも論争の的となっている。
その青少年マンガにまつわる「コミュニケーション」の変遷を追っている。「コミュニケーション」とあっても少女マンガとはひと味違った「恋愛」や「戦い」、あるいは「友情」にまつわるものまである。

第4章「性的コミュニケーションの現在」
前章までの内容をみるからに「エロマンガ」のイメージもあるかもしれないが、本章では「広義」の「性的コミュニケーション」についての考察を行っている。「広義」といっても「絵画」や「ヌード写真」「AV」「風俗産業」などを指している。

第5章「サブカルチャー神話解体論の地平」
そもそも本書における考察の対象は1970年代~1990年代が中心である。その範囲となった大きな要因は「新人類」と呼ばれるものがキーワードになっているのだという。

実は本書の作品は1993年に「単行本」として初めて出た作品であるが、それ以前に著者の修士論文も同様のタイトルであった。1982年の話である。そのときから増補版が出た25年もの間でサブカルチャーの環境は劇的に変化している。少なくとも「文化」の副産物と呼ばれていた「マンガ」「アニメ」といった類は国外でも認知され、人気を呼び、昨今でも「COOL JAPAN」という賛辞が送られ続けている。そのような環境から論者の中には「ポップカルチャー」という言葉を用いる方もいる。

サブカルチャーの進化とともに修士論文から歩んできた25年が単行本、そして増補版とともに「進化」を遂げてきた著者の結晶と言える一冊である。再増補になるのか、そしてそうなるとしたらどのような進化になるのか、それも含めて期待したい。

ミッシングリンク―デジタル大国ニッポン再生

ミッシングリンク―デジタル大国ニッポン再生 ミッシングリンク―デジタル大国ニッポン再生
谷脇 康彦

東洋経済新報社  2012-07-20
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本書のタイトルである「ミッシングリンク」は直接訳すと「失われたつながり」のことをいう。
日本の情報通信産業にはそういったものがあり、それが国際競争力の強化を妨げている原因として挙がっている識者も少なくない。
本書はどのようなところで「ミッシングリンク」があるのか、そしてそれを解消するための処方箋とは何かについてを提言している。

1章「機器とサービスはつながっていない」
簡単に言えば携帯電話・スマートフォンとその周りのサービスとのつながりのことを表している。携帯電話・スマートフォンの進化はめざましく、年々新しい機能をもった物がでてきているほどである。
しかし、アプリ開発やクラウドといった技術は日本は遅れをとっているどころか、携帯電話とリンクしていることが少ない。その現状を打破するためにはプラットフォームの確立が大きな課題であるという。

2章「供給者と利用者がつながっていない」
日本は商品開発と買い手の目利きは世界一である。その一方でサービスに遅れをとっているのだという。
それが浮き彫りとなったのが「東日本大震災」における、Googleの「パーソン・ファインダー」である。簡単に言うと、インターネットを通じて安否情報を確認しようとしたが、「個人情報保護」が足枷となり思った以上に見つけることができなかった。その一方で「パーソン・ファインダー」機能は個人の許可は不要で個人の写真を共有化することにより、迅速に見つけることができたと言う事例がある。
個人情報保護を批判するつもりではないのだが、それが「情報流通」の妨げとなるのであれば見直す必要があるのではという提言もなされている。

3章「情報通信産業と他産業がつながっていない」
クラウドや情報サービスを生産する情報通信産業とそれを利用する他産業とのつながりが薄いと言っても過言ではない。とりわけその印象が強いのは中小企業や町内会などの小さな団体が顕著である。
導入コストもそうなっている要因の一つとして挙げられるが、「クラウド」を利用することによって低減することができるのだという。

4章「国内市場と海外市場がつながっていない」
近年「グローバル化」と呼ばれているのだが、想像以上に情報通信における国際化に向けた競争は後れをとっているのだという。
その要因としてコスト削減ばかりに目がいっていることも一つ、さらには海外との競争を想定していないことも一つとして挙げられている。

5章「官と民がつながっていない」
4章と共通するのだが「官」と「民」とのつながりも情報通信産業の国際化が妨げられている要因の一つとして挙げられている。理由には「コンプライアンス(法令遵守)」もあるのだという。ようはデータそのものを海外のデータセンターに預けることができるのか、そしてその海外の法律で個人情報保護が行われるのか、というリスクが存在する。「リスク」そのものを忌避したがる日本人であるが故にそれもネックとして挙がり、「クラウド化」「グローバル化」できない状況にある。「インターネットの自由」「表現の自由」の議論にまで及ぶのだが、それを発展するためには「官」としても各国の対立を解消するための「外交」もその一つの手段としてある。

5つのミッシングリンクを紹介したのだが、章が重ねるにつれ、情報通信産業の問題の根深さがよくわかる。しかしそれらの問題を一つ一つ解決をしていかなければ「デジタル大国」を確立できないことも言える。栄枯盛衰という言葉があるとおり、「ものつくり」では世界一だとしてもいつかは衰退する。新たな「世界一」を作り出すチャレンジが日本、そして日本人に求められているということを暗に警鐘を鳴らしているように思える。

原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治に向けて

原発社会からの離脱 自然エネルギーと共同体自治に向けて (講談社現代新書) 原発社会からの離脱 自然エネルギーと共同体自治に向けて (講談社現代新書)
宮台 真司 飯田 哲也

講談社  2011-06-17
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シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖セヨ!」第5弾は「原発」である。昨今では「脱原発」の風潮が強く、衆議員総選挙における各党のマニフェストをみても「異口同音」ながらも同じような声明を出している。
いずれは「原発」から脱し、自然エネルギーの開発を模索すべきであるが、その「原発」から脱すること、そして電力独占や官僚支配からいかに脱するかを前大阪市特別顧問の飯田哲也との対談で解き明かしている。

1章「それでも日本人は原発を選んだ」
そもそも原発の礎となる原子力研究が解禁されたのは1952年、原子力発電が始まったのは1963年である。「ヒロシマ」「ナガサキ」や「第五福竜丸」の件により、原子力に対してヒステリックになる人も多かった人もいれば、強い日本を作るために「原発推進」を推し進める人が存在した。
しかし政治は「アメリカ追従」をどんどん進め、それ自体も選挙によって選んだ。結局「原発」を選んだのは私たち「国民」に他ならない。

2章「変わらない社会、変わる現実」
「現実」は時代とともに変化を生じる。しかし日本の政治や社会そのもののシステムは変わっていないのだという。高度経済成長では「モノ」が大量生産される時代であったのだが、これは「脱原発」による代替エネルギーとして「太陽光発電」が大量需要・供給が起こったことと同じことである。よく「○○バブル」と呼ばれるような好景気を起こし、やがては崩壊する。「バブル景気からの崩壊」についての教訓や反省を踏まえていないことから「社会の歴史」は輪廻のごとく繰り返される。

3章「八〇年代のニッポン「原子力ムラ」探訪」
著者の飯田氏は自然エネルギーを推進の第一人者であるが、元々は原子力核工学を専攻していた。その研究の一環として「原子力ムラ」にも入ったことがあるのだという。

4章「欧州の自然エネルギー事情」
しかしその飯田氏が、原子力核工学をやめ、自然エネルギー研究にシフトしたのが1984年、ソ連(現:ロシア)のチェルノブイリ原発事故であった。それからソ連は原発を脱し、自然エネルギー開発へとシフトしていった。そしてそれがソ連からヨーロッパに伝搬されたのだが、日本では自然エネルギーの認知はまだまだであった。

5章「二〇〇〇年と二〇〇四年と政権交代後に何が起こったのか」
時代は進み、2000年の「電力自由化論議」から本章ははじまる。ここでは原発のメルトダウンのリスクではなく、むしろ「核廃棄物」や「もんじゅ」といった核施設の賛否についての論争を指している。
そこから7年後の2007年には「新潟県中越沖地震」が起こった。そこでは柏崎刈羽原発も影響を及ぼしたのだが放射能漏れとなるまでには至らなかった。それだけではなく「六ヶ所再処理工場」にまつわる論争も起こっていた。

6章「自然エネルギーと「共同体自治」」
自然エネルギー推進者として本章では福島県前知事と東京都の環境局長を取り上げている。しかしその自然エネルギー推進も官僚や反対勢力、もしくは無関心により、自然エネルギー政策そのものが風化してしまった。

7章「すでにはじまっている「実践」」
とはいえ「福島第一原発事故」を教訓に自然エネルギーの推進が始まり、「実践」まで行われている。さらに電力会社に依存されない「自由化」も行われているが、それのロードマップの構築も急がれている。

「原発神話」が完全に崩壊された今だからでこそ、電力会社依存から脱し、自然エネルギーの構築が求められるのは自明の理である。しかしその自然エネルギーも過度に推し進め過ぎてはまた「バブル景気」のような事象が起こり、原発のようなリスクが生じればまた離れてしまう。電力にしても、経済にしても、社会にしても「繰り返される」世の中になってしまう。その「繰り返される」社会システムを脱すること、それが自然エネルギー推進もふくめて日本の社会を向上させる唯一の方法と言えよう。

歌舞伎座の怪人

歌舞伎座の怪人 歌舞伎座の怪人
中村 獅童

講談社  2009-03-13
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中村獅童と言えば、「ピンポン」や「硫黄島からの手紙」などの映画に出演している人気俳優のイメージが強い。しかし本当は「萬屋」の屋号を担う歌舞伎役者である。もっというと本当の名跡は「二代目 中村獅童」である。先代は3年前に亡くなった獅童の父である。

その獅童は父であるが、その父は歌舞伎役者をデビューしてから間もないときにきつい小言を言われたことに逆上し、鬘を投げつけて梨園を去り、映画俳優として大成したという経緯がある。

歌舞伎界の中でも「異端」と言われる名跡「中村獅童」を梨園に戻し、俳優と歌舞伎役者の二足わらじに揉まれながら活躍する著者の半生と歌舞伎座の思い出について綴っている。

また、本書では昨日逝去した十八台目中村勘三郎との思い出も綴っている。

第一章「たからもの箱・歌舞伎座とぼく」
「歌舞伎座」は歌舞伎役者にとって「殿堂」と呼ばれるほどの檜舞台である。
その歌舞伎座は2010年4月にいったん閉座し、建て替え工事が行われている。古式ゆかしい建物から複合ビルとなり完成は2013年4月頃となる。
その閉座する前の歌舞伎座の思い出、8歳でのデビューのころから、役になりきれず、もがき苦しみ、それでいてなかなか売れなかった頃のことを回顧している。そこから俳優に挑戦し、映画「ピンポン」のオーディションを受けた時の思い出も綴っている。
今となっては人気俳優にまでなった二代目 中村獅童、その獅童が人気俳優になるまでの道のりは決して「平坦」と言う言葉ではなかったことが窺える。
もっというと中村獅童の血縁には時代劇スタアとなった「萬屋錦之介」もいた。父も映画俳優になったことも言ったのだがその血筋も所以なのだろうか。

第二章「歌舞伎座の四季」
日本にも「春夏秋冬」の四季があるとおり、歌舞伎座にも四季は存在した。
歌舞伎座の憧憬にしても、その中で演じられる演目にしても、さらには楽屋の中も変化するのだという。
本章では1月~12月(睦月~師走)の歌舞伎座についての思い出を綴っている。

第三章「「正統派異端系」―歌舞伎の外の世界」
歌舞伎役者として、映画・舞台俳優として、そして「二代目 中村獅童」としてどのように生きるべきか、本章では俳優として、そして自分自身の葛藤を歌舞伎の外の世界として映画監督や俳優との出会いの中で綴っている。

第四章「家族、親戚、そして」
著者の血筋は祖父である、三代目中村時蔵から遡る。時蔵の息子には四代目(時蔵)もいれば、父である初代 中村獅童、第一章の終わりにいった通り時代劇スタアの萬屋錦之介もいるほど「七光」といっても過言ではないほどだった。それが重荷となって歌舞伎としても、俳優としても苦しんだことはあったのだが、彼らとは違う「二代目」独特の芸を磨いていった。その影響には父や叔父たち、さらには「萬屋」そのものの思い出と、「萬屋」の屋号を大きくする思いを語った。

これまで芸能ニュースや映画などでしかみられなかった二代目 中村獅童が「等身大」の姿を綴っていた。人気俳優の中に秘められた「思い」と「苦労」がまざまざと見せつけられる一冊だったように思える。「萬屋」がどこまで大きくなるのか、期待をしつつ見てみたいという思いさえした。

格差社会という不幸

格差社会という不幸(神保・宮台マル激トーク・オン・デマンドVII) 格差社会という不幸(神保・宮台マル激トーク・オン・デマンドVII)
宮台真司 神保哲生

春秋社  2009-12-24
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シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖せよ」第4弾は昨今話題となった「格差社会」である。数年前からずっと「格差」という言葉が乱舞していたのだが、それがもっとも叫ばれたのが2007・8年頃、ちょうど小林多喜二の「蟹工船」が超訳版や漫画版として出てきたころである。
本書が出たのはもっとも叫ばれてから1・2年後、「リーマン・ショック」を発端とした急速な景気減速により、「派遣切り」や「貧困」が台頭してきた時代である。
とはいえ「格差」という言葉は消えたわけではない。むしろもっと声高に叫ばれているとも言える。
本書はその「格差社会」によってもたらされた「不幸」について鼎談形式で考察を行うと同時に、そのような社会をいきるためにどうしたらよいのかを示している。

第1章「格差と少子化と結婚できない男と女」
「格差」により希望が持てなくなり、そしてそれが「晩婚化」や「少子化」という歪みを生じている。
ステレオタイプな議論となってしまうが、高度経済成長やバブル景気では「がんばれば報われる」ため、多少無理をしても頑張ることができた。しかしバブルが崩壊されてからは「頑張っても報われない」ような状態が続き、それが長らく「草食系男子」が発生したこと。さらには男女交際が自由になったことにより、いつでもどこでも恋愛ができる安心感が「結婚」や「恋愛」に対する優先度が下がったことも要因として挙げられている。

第2章「格差社会をサバイバルする」
本章では「ハイパー・メリトクラシー」の議論が中心となっている。「メリトクラシー」と一言で「業績主義」といい、「成果主義」とも類似している。
その「業績主義」が偏重することにより「ハイパー・メリトクラシー」となった。業績の良さによって給与になって返ってくる考えであるが、現実はそうではなく、むしろ「人件費カット」という詭弁として使われていることが多い。
その「ハイパー・メリトクラシー」自体、企業だけではなく教育でも同じような事象が起こっている。しかし「能力」といっても学力として優秀ではなく、むしろルックスやそれ以外の「能力」や「特技」に関して秀でていることが中心となった。

第3章「貧困は自己責任なのか」
昨今では「貧困」という言葉であふれている。しかしその貧困も世代間の意識によって「自己責任」として片づけられ、無視されることさえある。
しかしその「貧困」は二〇代だけで言われているのだが、それ以上に三〇代~五〇代にも同様のことが起こっており、生活保護が受けられず餓死してしまうという事例も発生している。さらにはその「貧困」を追いつめる「ビジネス」、いわゆる「貧困ビジネス」も横行している。
その貧困に対しての解決に、大きな障害としてあるのが、前述の「無視」や「無関心」である。それを政治につなげていくために「訴える」こともまた大切であるのだという。

第4章「格差社会はなぜ生まれたのか」
では、「格差社会」はなぜ生まれたのか、という根本的な議論に入る。その背景には当時の小泉政権の中で起こった雇用における「規制緩和」が挙げられている。その根拠の一つとして小泉政権以前の1993年と1997年のタクシー業界における規制緩和を取り上げている。またもう一つとして「日本の社会システム」そのものにも欠陥があるのだという。日本の労働についてもアメリカで成功した事例が多く取り上げられ、採用されてきたのだが、日本では必ず成功したとは言えないものも多かった(有名なのが「成果主義」)。日本とアメリカとで社会システムが異なっており、その背景も異なっている。それを日本人は知らずに取り入れたのも一つの要因と言えよう。

第5章「アメリカという格差社会の幸福論」
「格差社会」が叫ばれている日本であるが、一方でアメリカはどうか。
アメリカでも「格差」は起こっているのだが、その格差の度合いは日本のそれを遥かに超えている。極端な話では1%の富裕層がアメリカ全財産の99%を抱えているほどで、残りはすべて貧困層、あるいはそれに近い所にいるのだという。しかもその格差から這い上がるためには2世代もかかるのだという。

「格差」によって不幸は生まれることは間違いない。その一方で日本は資本主義社会である以上、格差を完全に消すことはできない。ただ、個人単位では格差に対する考え方を変えることができる。そしてそこから政府に対して「セーフティネット」を構築する事を訴えることもできる。あるいは民間単位でもNPOやNGOで活動する事もできる。
「不幸」という言葉を叫ぶことなら誰でもできる。そこからアクションを起こす必要があるのではないのだろうか。

知覚のなかの行為

知覚のなかの行為 (現代哲学への招待Great Works) 知覚のなかの行為 (現代哲学への招待Great Works)
アルヴァ ノエ Alva No¨e

春秋社  2010-12
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「知覚」というのはいったい何なのだろうか。調べてみると、

「動物が外界からの刺激を感じ取り、意味づけすること」wikipediaより)

とある。「五感」と呼ばれる機能から得られた情報をもとに脳を経由して「体験」として構成する孤とを指す。
その「知覚」をもってして意識した「行為」にはいったいどのような意識があるのだろうか、かつどのような哲学が存在するのだろうか。本書ではそれらについての考察を行っている。

第1章「知覚に対するエナクティヴ・アプローチ 序論」
知覚に対しての論考の中心となるのが「エナクティヴ・アプローチ」と呼ばれる手法である。「エナクティブ」とは直訳すれば「成立する(enact)」のことを指しており、行動が成立するための「知覚」とは何かを表している。行動をするための「知覚」として「経験」や「情報」があり、それを脳内でどのような処理をするか、そしてその盲点について考察を行っている。

第2章「心のなかの画像」
人は目に見えるものを通じて脳の中で画像を映し出している。しかし目を通じなくても、「思い出す」「イメージする」ことで目に映さなくても見えてゆく画像や動画もある。本章ではそのことについて表している。

第3章「内容をエナクトする」
心の中でも、目から見えるものの中でも映し出される映像や情報といった「知覚」にはどのような内容が出てくるのか、本章では考察を行っている。

第4章「エナクトされる色」
目でも心でも映し出される映像には「色」が出てくる。とりわけ「目」には「色覚」があり、「心」は「イメージ」によって色が付く。
その「色」は脳で「エナクト(成立)」するのだが、そのプロセスはいったいどのようなものがあるのか、本章では考察を行っている。

第5章「内容におけるパースペクティヴ」
「パースペクティヴ」とは日本語で「遠近法(perspective)」と呼ばれており、

「主に絵画・作図で同じ大きさでも視点から遠いものとして小さく描いたり、角度によってものをひずませて見えるように描く方法」wikipediaより一部改変)

とある。本章では今まで考察を行った「内容」を「パースエクティヴ」の観点で考察を行っている。

第6章「経験における思考」
「知覚」の中にも「経験」というのがある。過去の経験から普段見えるものも経験によってまた違って見えるものもある。イメージもまた然りであり、その「経験」が「知覚」に対して具体的にどのような効果をもたらすのかの考察を行っている。

第7章「心のなかの脳 結論」
本章では結論として「経験」や「視覚」「イメージ」から作られる「知覚」は「脳」を媒介としてどのように認知されるのかの考察を行っている。

本書は哲学というよりも「知覚」をフォーカスとしていることから「認知科学」「脳科学」に重きを置いている。その意味で「知覚」はどのような効果があるのか、よく学ぶ「哲学」とは一線を画したものとなっている。

幸福論―“共生”の不可能と不可避について

幸福論―“共生”の不可能と不可避について (NHKブックス) 幸福論―“共生”の不可能と不可避について (NHKブックス)
宮台 真司 鈴木 弘輝 堀内 進之介

日本放送出版協会  2007-03
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シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖せよ」の第3弾は幸福論である。昨日までは就活や入門といったものが中心であり、「社会学」において素人であっても取っつきやすい作品を選んできたが、ここからは少し取っつきにくくなる。社会における「幸福」とはいったい何なのか、それは個人的な価値観それぞれであるが、そもそも「幸福」は誰しも手に入れられるのか、いかにして「幸福」を感じられるのか、本書では3人の社会学者が「鼎談」という形で論じている。

第一章「パターナリズムこそ幸福の大前提?」
「パターナリズム」は一言で言うと「温情主義」「家父長主義」であり、

「強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるようにと、本人の意志に反して行動に介入・干渉すること」wikipediaより)

とある。
親子をはじめとした「他者」とのコミュニケーションによって成り立つことが多い。
話は変わるが、「幸福」を得るための塾体験や「缶状プログラム」、さらには第1弾でも紹介した「適応力」、「男女」など多岐にわたって「幸福」を得るためにはなにが必要かを論じている。

第二章「いかに幸せと思わせるかー幸福の社会工学」
「幸福な社会」を「設計」するためにどうしたらよいのかについての議論である。その誰に対しても「幸福な社会」をつくるためには様々な難点がある。その難点について本章では「ディズニーランド問題」や「三択クイズ問題」などユニークな用語が目立つ。

「ディズニーランド問題」・・・様々な世界を楽しむ一方で、物流や汚水処理など、「裏」と呼ばれる部分が見えなくなること。

「三択クイズ問題」・・・三択を選べる自由を「三択しか選べない不自由」を多い隠される事象。「二項対立」に似たようなものがあるように思える。

第三章「エリートが「幸福な社会」を作るのか?」
その「幸福な社会」を作るとなると、国家を動かす必要がある。その国家は官僚など「エリート」を動かす必要がある。
本章では「エリート」が作られる仕組みから、そのエリートが「安全保障」、及び「教育」の観点からどのように帰る必要があるのか、現状とともに提示している。

第四章「教育を通して「疑似階級社会」を作る?」
昨今の教育では、憲法上で担保している「平等」を基本としている。しかしその「平等」が拡大解釈され、運動会のかけっこでは皆で手を繋いでゴールするなど「競争」そのものが忌避されるような風潮さえ起こってしまっている。
その「平等」を脱し、「疑似的」に「階級社会」をつくること、そしてその根底として「機能」を教えることの重要性について議論を行っている。

第五章「<社会設計>の不可能と不可避」
では複雑な社会設計は可能か、という論題に移る。その社会設計を変えるためには「教育」が根幹となり、そこで、「感情的」な「安全」を持ち、かつ「地域」と連携して、社会的に「適応」する力をつけることなどを挙げている。

本書は個人的な「幸福」ではなく、社会的に「幸福」を築かせるにはどうしたらよいのかを見いだしている。本書もそうであるが、第1・2弾でもでてきた言葉がいくつかある。「適応力」「感染」「教育」である。「適応力」は自分と社会に対して順応できる力、感染は「スゴい人」など人を媒介として、人格・性格的に影響を受けること、そしてそれを得る機会として「教育」があるという。
3冊しかみていないのだが、それが一貫しているように思えてならない。

ハーバード流宴会術

ハーバード流宴会術 ハーバード流宴会術
児玉 教仁

大和書房  2012-11-24
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大和書房 三輪様より献本御礼。
12月となり、忘年会のシーズンである。もっともその名を冠した「宴会」が休日前となる金曜日を中心に多く行われるのも、恒例と言える。
その忘年会の幹事を行うのはほとんど会社の新人であることが多い。社会経験というよりも、むしろセッティングやスケジュール調整といったものまで実践形式で学ぶことができる場としてもある。新人だけではなく、宴会好きが感じをつとめることもあり、私の知り合いに転職する際、履歴書に「趣味:宴会」と書くほど宴会好きの方もいた。

とはいえ宴会をしようにも何から始めればよいのか、あるいはどのように盛り上げて、喜ばせて行けばよいのかわからない。そこで「ハーバード流」である。本書のタイトルを見ると一見ミスマッチのように見えるのだが、宴会を通じて「リーダーシップ」や「イノベーション」「コミュニケーション」「オペレーション」を学ぶことにつながることを考えると「ハーバード」で学んだことを「宴会」につなげることができるのだという。ではそのメカニズムを見てみよう。

<基礎編>
まずは基礎編として「宴会」とは何か、「幹事」とはどのような役割を担うのかの心構えを伝授している。
最初にも書いたのだが「リーダーシップ」や「コミュニケーション」を学べる場として役立つ。

<実践編>
宴会を催すにも、入念な「準備」や「調整」が必要である。規模にもよるのだが「宴会」は「一大プロジェクト」として見なされることもある。
日程や会場決め、余興などの準備、さらにいざ本番になったときのコミュニケーションといったものも伝授している。
それだけではなく、「宴会」と一口にいっても「忘年会」や「新年会」ばかりではない。「立食パーティー」や「合コン」「結婚披露宴」をはじめ、その「二次会」や「三次会」など「宴会」といっても多岐にわたる。その多岐にわたる「宴会」もTPOによっての実践を伝授しているため、どのような「宴会」でも通用するようにつくられている。

本書を読んでつくづく思うのが、人それぞれであるがビジネスマンをはじめとした日本人は「宴会好き」と言える。その「宴会」は和気藹々と楽しむ場であるのだが、その場を盛り上げ、よいものにしていくのはビジネスにも通じるものがある。最初にも書いたように、一見ミスマッチしているようなタイトルであるが、むしろ「ハーバード」で学んだビジネススキルを学ぶのに最適の「場」と言える。
そろそろ忘年会の始まりである。幹事はこの本で忘年会を盛り上げよう!

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に 14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に
宮台 真司

世界文化社  2008-11-11
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シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖せよ」第2弾は社会学そのものである。
これまで自分自身も「社会学」に関する本を読み、書評を行った。「社会学」は現在ある身近な「社会」について考察を行っているのだが、その「社会学」としての歴史とともに考察を行っているため取っつきにくい点も多い。
しかし本書のタイトルに「14歳からの」と冠しているだけに、現在の社会を中心にどのようなものかを知るために、専門用語を原状に止められるギリギリまで噛み砕きながら語っている。

1.「<自分>と<他人>」
著者が生まれた昭和30年代は「みんな仲よし」で生きることができた時代であった。しかし現在、それだけでは生きることができない。おざなりの「仲よし」ではなく、相手に認めてもらえる「承認」や「合意」、さらには熱心に関わる為の「コミットメント」が重要視されている。
しかし日本の教育は昭和30年代の時とはほとんど変わっていない。

2.「<社会>と<ルール>」
最近では法律など様々な形で「ルール」が厳しくなってきている。
著者は中学と学校紛争を起こったのだという。少なくとも1970年代の頃であり、1968年前後に起こった「大学紛争」の後であり、そのころには「高校紛争」もいくつかあった。
その著者の生い立ちの中で見てきた社会とルールの関係について本章では語っている。

3.「<こころ>と<からだ>」
現在と著者が生まれた時代の中でもっとも大きな「違い」は「リアル」と「バーチャル」という形で「世界」が分かれたところにある。簡単に言えば「インターネット」や「ゲーム」が出て、疑似的に恋愛や遊びができるようになったことにある。
それが要因となったのか、自然に触れたり、異性との恋愛する機会が減少した。

4.「<理想>と<現実>」
どうやら日本人は「仕事に対して期待しすぎ」であるのだという。自分自身も過剰に期待してしまうため、「期待してしまう」感情に陥ってしまう。しかしそうなってしまうのも、明治維新や戦後間もない頃の「歴史」、さらに日本にしかない「独特」の背景も絡んでいるのだという。

5.「<本物>と<ニセ物>」
人間における「本物」と「ニセ物」についてを論じている。その中でも著者が出逢った「本物」と呼び、かつ尊敬した人間についても紹介している。第1弾で紹介した「ぶっ飛んだ」人間のことをさしているが、昨今、その人間がいないことについても著者は嘆いている。
その「本物」と「ニセ物」をどう見分けるか、具体的なやり方は存在しない、というより、様々な人に会ってみないとわからない、としか言いようがない。

6.「<生>と<死>」
人は必ず「死ぬ」。それは誰にも変えようの無い事実である。
著者が「死」を考える、きっかけとなったのが著者の母の死であった。その「死」は宗教や倫理、もしくは哲学で考えることが多いのだが、「コミットメント」や大ヒットした「千の風になって」などを元に「死」と社会事情とのリンクができるのだという。

7.「<自由>への挑戦」
「自由」はよい響きである一方で、自分自身に「責任」がつきまとう。
しかし社会学という学問の立場から「自由」は何なのだろうか、本章では「社会学」における「自由」と「不自由」についてカントはホップズ、アリストテレスといった古典的な社会思想から、人からの「感染」、さらには「歴史」などをもとに解き明かしている。いわば本書における「まとめ」としての「自由」がそこにあると言える。

8.「BOOK&MOVIEガイド」
ここでは「社会学」を深く知るべく、読書や映画案内といて様々な作品を紹介している。「社会学」を知ることにスポットを当てているため、一部を除いてあまり知られていない作品ばかりである。

本書は社会学における「基礎の基礎」を14歳の為に紹介した一冊である。取っつきやすいように「口語」で社会学における様々なものを紹介しているように、これから「社会学」を学びたい人、社会を変えたい人に、「今」の社会を教えている一冊である。

絶対ブレない「軸」のつくり方

絶対ブレない「軸」のつくり方 絶対ブレない「軸」のつくり方
南 壮一郎

ダイヤモンド社  2010-12-10
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地下鉄に乗ったときとある広告を見つける「年収1000万円以上」のエグゼブティブ向けの求人情報である。
その求人情報を提供する会社がビズリーチ、そしてその社長が著者である。その著者の半生を描くとともに、「チャレンジをする」「やりたいことをやる」重要性を本章にて説いている。

第1章「明日から来てくれ」
著者はプロ野球チーム「東北楽天ゴールデンイーグルス」の創業メンバーである。その創業メンバーになる前はスポーツビジネスを夢に2003年に独立を果たすも、メジャーリーグのエージェントに手紙を送るも全く仕事に直結することなく、まさに「丁稚奉公」の如く無給で様々な仕事を手伝った。
そして飛び込んできたチャンス、それが「プロ野球再編問題」であった。そこに楽天が参入する事が宣言されたという。そこから三木谷社長に向けて20分間ものプレゼンを行い、返ってきた言葉が本章のタイトルである。

第2章「夢を語ることはリスクでも何でもない!」
人は誰しも「夢」を持って生きている。その夢を実現するかどうかは自分自身の心と行動次第である。
その「夢」に向けて行動をすることには「リスク」はつきものであるのだが、その「夢」を公に語ること自体にはリスクはない。
むしろその「夢」を語るからでこそ本書のタイトルにある「軸」を作ることができる。
というのはその「夢」から「やりたいこと」を見つけ、その「やりたいこと」をかなえるために「できること」を見つける。そしてその「夢」に一歩近づけることができる。

第3章「自分の欲にもっと素直になろう」
人にはどのような形であれ「欲望」はある。その「欲望」が自分にとっても、相手にとってもプラスになるのであれば良いのだが、公序良俗や社会規範に反するのであれば考え物である。ましてや宗教によっては「欲望」は悪としてとらえられているのだという。
それはさておき、その「欲望」に対して素直になり、それを「やりたいこと」に落としこみ、強みを見つけ、情報収集をし、そしてそれがモチベーションにつなげていくことについて本章では説いている。

第4章「一緒に歴史をつくろう」
本章ではその夢を叶えるために、応援をする、巻き込むといったことで邁進することの重要性について説いている。夢は自分一人で叶えられないことを暗に主張しているようでもある。

第5章「待っていてもドアは開かない」
夢を叶えることは「ドアを開ける」ことと同じようなものであるように見える。しかし行動を起こさなければ、自分自身も周りの環境も変えることができない。周囲に言いまくり、行動を起こすことによってドアを開くことの重要性を本章にて説いている。
そして著者が経営している「ビズリーチ」の誕生秘話も本章にて言及している。

著者はまさに「リスク」と「行動」の両方を持ちながら生きた方といえる。やりたいことを見つけるために「リスク」をもろともせず行動をする、そして失敗してもまたチャレンジをして行動を起こす。そのためには著者自身の持つ「スポーツビジネスをやりたい」という「軸」があるからでこそなせることである。
みなさんは「軸」を持っているのだろうか。あるいは本当の意味で「やりたいこと」はあるのか。本書を通じて心の中で聞いた方がよい。

宮台教授の就活原論

宮台教授の就活原論 宮台教授の就活原論
宮台真司 石黒正数

太田出版  2011-09-17
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これまで社会にまつわる本は多数書評してきた。しかし本書の著者である社会学者の宮台真司氏の本については偶然なのか不明だが一度も書評をしていなかった。かねてから社会学博士の宮台真司についての本を書評しようと思っていた。そこで「シリーズ「『宮台真司』の思考を解剖セヨ!」」と題して、これまで宮台真司の著作をもとに宮台氏の思考経路を解剖していこうと考え、1週間にわたって宮台氏の著作を書評していこうと思う。

その第1弾は昨今話題となっている就職活動についてである。

首都大学東京で2007年より2年間の間、社会学教授を勤める傍らで、「就職支援委員会」の委員長として学生の就職活動を支援した経歴を持つ。
今年12月1日に2014年卒業向けの就職活動の説明会が解禁された。博報堂では解禁日の午前0時ちょうどに会社説明会が開始されたこと、さらにはリクナビやマイナビではサーバダウンが起こるなど話題となった。現在の大学3年生、もしくは大学院1年生はこれから厳しい就職戦線に立つだろう。
ちなみに私も6年前は、今の大学3年生と同じような状態であった。そのエピソードについては他の就活本で書いたので、ここでは割愛するのだが、その就職活動をするに当たっての心構えとして、2年間就職活動を支援した中で見えてきたものを大学生に向けて語った一冊である。

第1章「なによりも"適応力"が求められている」
そもそも「就職活動」は何のためにあるのか、そして採用をする会社は何を求めているのだろうか。一言にいえば「社風にあった人格」だが、学生側からはあまり「ピン」とこない。しかし「その会社に適応する能力」があると「企業研究」は必要とはいえど、ある程度理解はできる。
「企業研究」がいかに大切か、というのがよくわかる。

第2章「仕事は自己実現の最良の方法ではない」
「自己実現」は簡単にいうと、仕事など様々な手段を通じて自分の夢を叶えることを指す。
しかし仕事だけでは自己実現をすることができない。社会そのものが絶えず変化するのと同時に企業も変化を生じる。いくら自己実現をしたとしても、明日できなくなることさえあるのだ。

第3章「自己実現より"ホームベース"を作れ」
自己実現が無理だとしたら「仕事」に何を求めればよいのか、という疑問が沸いてしまう。
著者は「ホームベースを作ること」にあるのだという。「ホームベース」は本章の言葉を借りると、

「感情的な安全を保証する場」(p.76より)

をいう。精神的な話となるが、精神面で落ち着ける場所、もしくは仕事を指しているが、大概は家庭や地域のことを指すことが多い。
その「ホームベース」も「ワーク・ライフ・バランス」がなければなし得ることさえかなわない。しかし昨今の社会や企業はそれが難しいという。ただ個人に「ワーク・ライフ・バランス」を行うことによって伝搬する事は可能である。

第4章「自分にぴったりの仕事なんてない」
「自分に適職はあるのか」
就職活動のときに大学生は何度もそれを問いつめ、適職診断を行ったことは一度や二度はあるだろう。かく言う自分もそれを行ったことはあるが、自分自身「SEをやりたい」という一点張りで就職活動をしていたため、参考程度にしてあまり結果に左右しなかった。
その適職診断は結局「幻想」にすぎない。適職かどうかは仕事をしなければわからないことであり、ましてやそれすらも「ない」。
適職は「見つける」ものではなく、むしろ「作られるもの」であるのだから。

第5章「CMと就職情報サイトに踊らされない仕事選び」
私が就活生だった時代もそうであるが、就職情報サイトは数多くあり、10~20ものサイトに登録を行い、就職活動を謳歌している大学生もいる(かく言う私もその一人だったが)。
そういった就職情報サイトに踊らされている人も就活生をみると少なくないのだが、果たして就職活動サイトが正しいかというとむしろ文脈が誇張されているため、踊らされている要因としてある。
ではどのように仕事を選ぶべきか、それは「社会的に正しい」企業を選ぶ、もしくは中小企業を選ぶことを提示している。

第6章「就職できる人間になる"脱ヘタレ"の心得」
就職活動において内定をとりまくる学生とそうではない学生の違いは何なのか。著者が両学生をみてきた中で「実績があるか無いか」の違いだという。「実績」は学生生活の中での活動をする、たとえば自治会の会長として何の改革をしたのか、あるいは仲間たちとイベントを企画し、成功させたというのもある。
それだけではなく、本章では著者が出会いを震撼・感染させた「スゴい人」も紹介している。自分としては後者のインパクトが強く、自分も逢ってみたい気持ちになってしまう。

第7章「社会がヘタレを生んでいる」
第6章で言い忘れていたのだが、実績づくりこそ「ヘタレ」脱却の一つである。自分自身の限界まで挑戦する事ができたこと、不特定多数の人とのコミュニケーションを行うことができることなどにある。
しかし社会そのものが「ヘタレ」を生み出している。簡単に言えば部活動やサークル、研究会活動における「グループワーク」を行う力が欠如していることが大きな要因とされているという。
その「グループワーク」で思い出したのだが、企業によっては採用活動のなかで「グループディスカッション」や「グループワーク」が課されているところもある。それは「プロジェクトという集団のなかで仕事をする」能力を測るために行われている。
しかし、その「グループワーク」ができない人間が増えている要因として、「部活動」や「サークル活動」に参加しない、もしくは集団活動の重要性を教えない教育にも問題があると指摘している。

第8章「すぐには役立たない就活マニュアル」
「就活マニュアル本」は書店に行けば年中置いてある。私も就活本を購入して、読んで、実践した経験はあるのだが、役に立たない本が多かったように思えてならない。
本章の話に戻す。就活マニュアルを完全否定するつもりはないのだが、それを実践する以前に会社の特性や自分自身を知ることにある。その重要な一手段として「OB訪問」がある。

そもそも就活している皆さんは「何のために就活をしているのか」を見直す必要がある。就活が始まった時期であり、「もう遅い」というイメージがあるのだが、むしろこの時期だからでこそこれから就活を始める方々、来年・再来年と就職活動を控えている人に対しては「読むべき」一冊である。「就活」そのものの考えを見直し、学生生活そのものを見直す大きなきっかけとなる。

貿易ビジネスの基本と常識

貿易ビジネスの基本と常識 貿易ビジネスの基本と常識
大須賀 祐

PHP研究所  2009-02-21
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貿易ビジネスはあまり聞きなれない。しかし貿易を通じたビジネスを通じて、海外の商品を販売しようと考える人も少なくない。
本書ではいざ「貿易ビジネス」を始めようにもわからない人のために「貿易ビジネス」を始めるにあたっての基礎知識と仕組み、法律などの基本中の基本を伝授している。

第1章「輸入取引のしくみと流れ」
貿易ビジネスを始めるにはまず「輸入」で商品を仕入れることから始まる。
その輸入を行う仕組みと、ここで知っておくべき「条約」についてを本章では紹介している。

第2章「輸入取引のはじめ方」
第1章では基本的な流れと最低限守るべき「条約」を紹介したが、具体的に輸入先をどのように探すか、見つかったら今度はどのような商品を選ぶべきか、といったことの概要を紹介している。

第3章「輸入代金の支払い・保険の基本」
商品の選定が終われば今度は実際に商品の仕入れ、代金の支払い方法について伝授している。
さらに、仕入れを行うことができても、空難・海難事故により仕入れることができなくなることさえある。そのための「貿易保険」の概要と加入方法に至るまでの流れも紹介している。

第4章「輸入貨物の入荷・通関・引取り・国内販売」
第3章までは大まかな仕入れの流れであるが、そこから先についてが貿易ビジネスの中でもっとも大事なことであり、これを怠ってしまうと、仕入れたものを販売することができるだけではなく、国内外との信用を失ってしまう。
その「大事なこと」には通関手続きや関税設定、そして販売までのプロセスについて分かりやすく説明している。

第5章「輸出取引のしくみと手順」
「貿易ビジネス」は輸入販売だけではない。国内で生産した物を海外で販売する、いわゆる「輸出ビジネス」もまた「貿易ビジネス」の一つである。
その輸出ビジネスをするために本章では輸出販売をするための流れを紹介している。

第6章「貨物の船積・郵送」
輸出ビジネスの一つとして「商品の配送」がある。その中には「貨物の船積」や「郵送」もある。その方法として「信用状」や「船荷証券」、「インボイス」「パッキングリスト」などの「船積書類」の作成方法について紹介されている。

第7章「回収のしくみと手続き」
輸出によって販売を行ったら、今度は資金の回収である。ここでは「為替手形」や「買取依頼書」などの文書や有価証券の概要と作成の重要性について紹介している。

第8章「関連業務の知識と進め方」
これまでは輸入・輸出ビジネスについて紹介したが、ここではそれ以外の業務として「為替の予約」「輸送運賃の算出」などが紹介されている。

貿易ビジネスは様々な法律・条約が絡んでおり、かつ銀行や通関、運送業者などが絡むため、複雑かつ難しい。それをストーリー仕立てで基礎から学べる本はなかなかない。本書は初めて貿易ビジネスを始める人にとっては必読の一冊であり、かつ貿易に携わる人にとってもそのビジネスをつかむために重要な一冊と言える。

人を動かす[超]書き方トレーニング 劇的な成果が手に入る驚異の作文術

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文章はなかなか難しい。この書評をしている時でさえもそう思ってしまう。文章と一言でいってもビジネス文書もあれば、小説といったものまで存在しており、書き方はそれぞれ異なる。本書はあくまで「ビジネス文書」や「論文」といった文章の上達方法を中心としているが、小説や新聞の文章、そして「国語教育」のあり方について伝授している。

第一章「あなたの文章に「再現性」はあるか?」
「再現性」というのは簡単にいうと、自分で「見る」「聞く」「考える」ことで得た情報を文章や映像によって表すことを指す。その「再現性」を強く出せるかどうか、これはビジネス文書や小論文のみならず、文芸作品も「情景」という観点から共通して言える。

第二章「あなたの世界観や知識を上手に伝えるには?」
どのような文章であれ「伝える」ことが大切である。その「伝える」ために「分かりやすく書く」ための方法として「抽象」「具体」と相対するものを使って「読み手」に興味を持たせつつ、全体像を映し出せるようなものに仕上げることが大切である。

第三章「論理的な文章の書き方」
「論理的」な文章を書く方法であるが、よく使われる「三段論法」は使われていない。むしろそれを批判しつつ、あまり聞き慣れない「トゥルーミンロジック」と「BQR論理」という方法にて紹介している。

第四章「小論文・エントリーシート・自己PRの書き方」
第三章までの理論をもとに小論文、エントリーシート、履歴書の自己PRといったものの書き方を紹介している。就職活動や転職活動のシーズンがこれから始まる人にとってはうってつけであり、自分自身や自分の考えることをアピールするための方法として全焼までの方法がもっとも通用しやすく、かつ実践しやすいとも言える。

第五章「小説の書き方」
小説はビジネス文書や小論文のように論理的な文章が通用するほど一筋縄では行かない。私自身も短編小説おいくつか書くことがあるのだが、毎回のように苦戦している現状がある。それ自体個人的な楽しみであるため、誰が困るわけでもないのだが。
本章はその「小説」を書く前の心構えや著者自身の体験からの「書く方法」について伝授している。

第六章「新聞の文章は参考になるか?」
大学生から社会人になってから間もない頃までは新聞を購読していたのだが、最近は解約し、読むときも不定期となった。理由は簡単で新聞そのものの情報が思想ばかりで、情報を伝えるという信用ができなくなったからである。
(もっと言うと書評が掲載している毎週日曜に購読しているくらいである)
とはいえ新聞は情報のみならず、文体として学べることもたくさんある。そういう意味では文章、ひいては新聞は侮れないと言える。

第七章「日本の国語教育を考える」
これまでの日本の国語教育では論理や文章表現よりも「読解」といったことに重きを置かれており「書く」ことの重要性が蔑ろにされ、さらに「語句」に対する教育も軽視されているについて著者は憂いている。

第八章「書くために「感性」を磨け」
文章を書くことと「感性を磨く」ことは共通しないように思える。しかしその文章でも「人を動かす」ためにはその「感性」は必要であるのだという。その「感性」を磨く為にはどうすれば良いのか、本章ではあまりふれられていないのだが自分の感動する文章を見つける。もしくは演劇や芝居を見るなど様々な「体験」をする事によって磨かれる。

文章は生き物である。論点ばかり追いかけて、情報だけ乗せるのも文章であるが、文章はそれだけでは成り立たないのもまた一つの解である。文章は生き物であり、一文だけで人の心を奮い立たせることも、逆に鎮めることも可能である。その文章をいかにコントロールするか、本書で学び、実践し、自らの血肉にする事が必要であるのではないのだろうか。

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