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航空幻想

航空幻想 航空幻想
中条潮

中央経済社  2012-09-01
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航空業界は昨今、揺れに揺れているといっても過言ではない。一昨年の1月に起こった「日本航空」の民事再生法適用、昨年からでてきた「LCC(Low Cost Carriers)」の参入などがあり、近年航空業界は競争が激化の一途を辿っている。
本書は近年激化している航空業界と日本における「規制」の現状について考察を行っている。

第1章「LCCは「格安航空会社」か?」
「LCC」というと連想するのは「格安」である。アジアにスポットを当てると「エア・アジア」や「ジェットスター・アジア」などが挙げられる。お手頃な航空運賃で海外に行くことができる。反面サービスは限定的、もしくは有料で行われる。既存大手のようなフルサービスが受けられない、もし受けたとしても既存大手と同じくらいの金額になる側面を持っている。

第2章「「LCC元年」の幻想―なぜ育たない日本のLCC」
LCCが育たない要因として、国内のLCCの代表閣として「スカイマーク」が取り上げられている。私も大学の頃スカイマークを利用したことがあるが、低価格であるが、サービスもそれなりであったことは今でも覚えている(「それなり」がどれほどであったかは体験するとよくわかるのでここでは割愛する)。
そのLCCは日本でも様々な航空会社が参入されているが、それでも日本はごくわずかである。その要因は法的な「規制」というよりも新規参入を嫌う航空業界、ひいては日本そのものの社会構造も挙げられる。

第3章「幻想から目覚めたか日本航空―破綻から再上場までの道」
日本航空の破綻からわずか2年で復活し、再上場間でのプロセスについての考察を取り上げている。日本航空の破綻は、TVや新聞などのメディアでは大いに取り上げられた。1997年に起こった拓銀や山一証券の倒産と同じような取り上げられ方をしているのでは、と疑いさえもした。

第4章「進展したか日本の規制緩和」
日本における「規制」は、簡単に言えば「航空法」と呼ばれる法律によって、需給調整が行われていた。その規制は2000年に法改正を行い、運賃の改定や参入が自由化された。しかしその規制緩和とは裏腹に残っている「規制」が仇となり格安航空が進まない現状が残っている。

第5章「空港整備・運営に関する幻想と誤解」
日本は島国であるが、100もの空港があり、一昨年にはその多くが赤字となったのだという。それについてマスコミはつるし上げて批判の大合唱を行ったが、その多くは国や地方が管理している空港ばかりであり、さらにその多くは整備仕切れていないのだという。

第6章「空港民営化が日本の空を変える」
第5章で取り上げた現状を打破するための糸口として、著者は「空港の民営化」を提唱している。民営化する事によるメリット、そして国や地方の管理によって横たわっていた課題を解消する、というメリットを本章にて主張している。

第7章「「ハブ空港」と羽田国際化の幻想」
「羽田空港」のハブ化が始まったのは2009年、それによって羽田空港の国際線ターミナルができあがったのが2010年頃である。もともと「羽田空港」の正式名称は「東京国際空港」であることを考えると当然と言えるのかもしれない。

第8章「発着枠の配分の合理化」
発着枠やピーク料金など混雑時にでてくるような問題についての考察と解決法について取り上げられている。

第9章「「公共性」の幻想」
そもそも空港は地方や国が管理しているのだから「公共性」が必要ではないか、という意見もあるが、「航空市場」と呼ばれているだけあって「公共性」という言葉を使うのは市場そのものが成り立っていないのでは、と著者は本章にて指摘している。

航空業界は変化をしている。しかし日本人故か「変化」そのものを嫌い、規制そのものの緩和も嫌う傾向にある。しかし航空業界の規制緩和と変化は、諸外国で行われている。それを日本が行えるのか、それが日本の航空そのものの未来がかかっていると言える。

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