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秘伝のタレは腐ってる?

秘伝のタレは腐ってる? 秘伝のタレは腐ってる?
山本 御稔

日本経済新聞出版社  2009-08-04
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「秘伝のタレ」というと「店の味」として根幹をなすものであり、主に串カツやウナギなど様々な飲食店で使われている。
しかし本書のタイトルにあるとおり「腐っている」ということをいわれるといやな感情をもよおしてしまう。逆に考えてみると知らずしてかそれらを食べている人が病気にならないと不思議がってしまう。
それはさておき、本書は「会計」の観点から合理的な行動を行うための「虎の穴」と言うべき一冊である。

1.「秘伝のタレは腐ってる?」
「サッと作った」ものと「手間暇かけて作った」ものがある。同じもの・同じ金額であるが、あなたは買うとしたらどちらをえらぶのだろうか。
さらにいうとこれが日常品だったら、食品だったら・・・と場合分けすると、どちらを選ぶのか、本章では「心理的財布」や「稀少性」「価値」についてを考察している。

2.「不振のイチローにヒットは期待できるか?」
今年・昨年と不振にあえぎ、とりわけ昨年は10年続いた1シーズン200本ヒットの連続記録がついに途絶えた。イチローと言えば「打率3割」になることが非常に多いのだが、その「3割バッター」にある「錯覚」について本章では分析している。

3.「薄っぺらのトンカツと分厚いトンカツ」
本章のタイトルを見ると買うとしたら言うまでもなく後者である。しかし前者もサクサク感を味わうだけであれば捨てがたいと言える。
私の嗜好はさておき、薄っぺらでも分厚いとの違いはトンカツそのものの厚さももちろんのことだが、それぞれの「精神的価値」が分かれるのだという。今の状況によって「分厚い」ほうに価値がある人・状況もあれば、「薄っぺらい」の価値の方が高いととらえると判断する価値のことを表している。
本章ではトンカツの話だけではなく、様々な「精神的価値」についてを紹介している。

4.「ときに高い買い物をしてしまうのはなぜか?」
私自身も日常品であれば安い買い物をしたがる。しかし時として高いものも買いたがってしまう。
買うタイミングによるが、高くても今時点で価値のあるものに対して、後で買おうという「後悔」をしないようにという意味合いでついついかってしまう。本章ではこのようなことを「後悔の嫌悪」と定義しているが、本章ではそのような事象のほかにも「株投資」にまつわる話についても紹介している。

5.「教育ママはなぜいつも熱心なのか?」
簡単に言えば「時間的価値」と「本質的価値」の違いについて紹介しているが、題材がなかなかおもしろく、本章のタイトルにあるように「教育」について、さらに「社会人人生」について、さらには「ダイエット」について、とかなり身近にある「価値」がある。

6.「おいしいものは最初に食べるか、後で食べるか?」
よく聞くのが「好きなものは最初に食べるか、最後に食べるか」というのがある。別に最初に食べようが、最後に食べようが「好き」であることには変わらないのだからどうでも良い。
しかし「おいしい」というのは少し違ってくる。たとえば寿司だったらネタによって乾いてしまったりして鮮度が落ち、味わいも変わってくるからである。そうではなくても、時期的においしいものを食べるタイミングをどうするかを考えてしまう。本章では「機会費用」を中心に先ほどのことについて紹介している。

7.「増殖する宇宙人」
今までのものから考えてみると、本章ほど奇天烈なタイトルはない。簡単に言うと本章では「情報負荷」や「増殖」の原理について紹介しているが、題材もタイトルの通り「奇天烈」と言える。

8.「30年後の「ちくわ」の値段は?」
結論から言うと「インフレ率」を紹介している。いまでこそちくわは商品によるが、だいたい100円と言っても過言ではない。しかし30年後にはいくらになるのか・・・、そして「インフレ率」の原理、さらには「複利」など、ようやくよくある「会計」の話に入ってきたという感があった。

本書は会計的な観点から様々なことを紹介しているが、中身はタイトルと同じように「異色」と言える。「会計」というと堅苦しいイメージがあるのだが、本補は装丁を見ると「"ココロ"と"時間"に惑わされない」とあるが、中身で(良い意味で)惑わされてしまう。しかしその惑わされ方によって新しい「常識」を植え付けられる一冊とも言える。

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