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2012年5月

人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか

人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか 人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか
西條 剛央

ダイヤモンド社  2012-02-17
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東日本大震災が起こってからまもなく、国内外からボランティアが被災地入りした。しかし福島第一原発の事故からボランティアに行くことを取りやめたり、住民にとって迷惑を被ったりする人・団体もおり、それが復興の足かせになることさえもあったのだという。
その一方で本書で紹介されるものは、日本最大の支援組織である「ふんばろう東日本支援プロジェクト」である。本書はその代表をつとめている方の体験談と仕組みについて紹介している。

第1章「絶望と希望のあいだ―南三陸町レポート」
2011年3月11日
東日本で住む人たちにとって忘れられない1日だった。自信の体験談については「震災と情報――あのとき何が伝わったか」を取り上げた所で綴っているが、著者もまたその体験談を綴っている。そして翌日から南三陸町にボランティアの為に赴いたが、そこは想像を絶するほどの光景だった。

第2章「「ふんばろう東日本」の拡大とインフラとしてのツイッター、ユーストリーム、フェイスブック」
この震災でもっとも活躍したのは「ツイッター」や「フェイスブック」などのSNSであった。地震発生直後から電話や携帯メールなどの通信手段が断たれた中で、通信でき、かつSOSなどの情報も発信・傍受することができたからである。
「ふんばろう東日本」のプロジェクトが広がりを見せたのもこのSNSが大いに役立てられた。

第3章「「重機免許取得プロジェクト」―陸前高田市消防団と志津川高校避難所」
がれき処理や復興のために「重機」を使う人は貴重な人材と言える。そのために「ふんばろう東日本」プロジェクトでは重機免許取得を進めるプロジェクトを立ち上げ、推進してきた。
がれきにまみれた場所をいち早く自立できる環境を作れるために作ったプロジェクトだという。

第4章「半壊地域の苦境と「家電プロジェクト」」
震災から50日経ってもインフラが回復しないところも数多く存在した。そこで「ふんばろう東日本」では「家電プロジェクト」と称して自宅が全半壊した人たちに家電を配布することを起こした。

第5章「「ほぼ日」と糸井重里―「西條剛央の、すんごいアイディア。」外伝」
インターネット上で「ほぼ日イトイ新聞」でおなじみの糸井重里であるが、宮城県気仙沼市に「ほぼ日イトイ新聞」の支社をつくったのはあまりにも有名な話である。
著者と糸井氏のやりとりについて取り上げている。

第6章「多数のプロジェクトをどのように運営していったのか?」
「重機免許取得プロジェクト」や「家電プロジェクト」など数多くのプロジェクトを立ち上げ、そして運営をしていった。どのプロジェクトも頓挫せず、うまく機能することができた運営方法について取り上げている。

第7章「「一戦必勝」を実現する組織作りの秘訣」
数多くのプロジェクトを運営するだけあり、人数も経験者・初心者など人それぞれいる。その中で組織運営もさることながら心がけなどの組織作りについて紹介している。

第8章「ポスト3・11に向けた人を助ける仕組みと提言」
本書で取り上げたプロジェクト、もとい人を助ける仕組みは今後の災害に向けての防止やボランティアなどの提言を行っている。

人を助ける仕組みづくりは今回の震災だけの一過性のものにせず、ボランティアや企業、組織に発展し、これからの日本経済の動力にできるのか、それは著者を始め私たちにかかっているのかもしれない。

月の小屋

月の小屋 月の小屋
三砂 ちづる

毎日新聞社  2008-01-31
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「女性・38歳」

人それぞれであることを前置きしておくが、ある人は専業主婦で子だからに恵まれ、ある人はお局様、あるいはバリバリのキャリアウーマンとして仕事の世界にのめり込む。不惑にも近い年齢であり、人生に対する「迷い」も思春期に比べると無くなっている。
最初にも書いたが「人それぞれ」である。本書はそれぞれの「女性・38歳」を描いている。

-ある人は、南アフリカへにあこがれを持つ女性
-ある人は、ダメ男に引っかかり続ける女性
-ある人は、若い後輩女性の相談を受け続ける女性
-ある人は、クリスマスに友人のために料理を振る舞う女性
-ある人は、心を洗うがごとく掃除をする女性

「人それぞれ」ではあるが、38歳だからでこそ感じる、考える悩みはあるのは本書に出てくる5人の「女性・38歳」を映し出している。それ以上の世代でも、それ以下の世代でも、ましてや異性でも感じることができない感覚や心情がここにある、と言える一冊である。

TIME×YEN 時間術 (タイムエン時間術) すべての時間を成果に変える31の鉄則

TIME×YEN 時間術 (タイムエン時間術) すべての時間を成果に変える31の鉄則 TIME×YEN 時間術 (タイムエン時間術) すべての時間を成果に変える31の鉄則
長野慶太

草思社  2009-04-22
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「時は金なり」
それは「時間はお金のように」大事に扱うことを考えさせられることわざである。他にも孫子の言葉に「巧遅は拙速に如かず」というのもある。
金の持つ・持たないは個人差があるものの、時間は誰しも24時間持っている。その時間の使い方によって仕事における「成果」も違ってくる。
本書はその時間の「すべて」を成果に変える術と心構えを31の鉄則をもとに紹介している。

PART1「あなたは消費している時間が「見える」か?」
「時は金なり」ということわざを形変えてみると「時は命なり」と定義している人もいる。しかしここでは時間を徹底的に「お金」に当てはめて「見える化」することを提唱している。

PART2「効率はこれ以上あがらない。その3秒を縮めよ!」
よく私の周りでも「効率(化)」という言葉が乱舞している。しかし「効率」と言うのもなかなか形を表すことが難しい。
それはさておき、「効率」よりもスピードを縮めることを本章で提唱している。

PART3「がんばってもどうにもならない。「時間配分」を変えろ!」
読書のスピードをあげる、仕事でツールを使うことによって仕事を時間節約をはかることができる。

PART4「あなたは何を削って時間を手に入れるか?」
時間を手に入れるために、いろいろなもの・ことを「削る」必要がある。では何を「削る」べきなのか、出張・企画・管理の観点から伝授している。

PART5「類書が絶対書かない、時間術の落とし穴」
わたしもこれまで様々な「時間術」の本を読み・実践してきた。しかしそれをやっていくにあたり「本当に重要な時間」を見抜くのは難しいと言うことを痛感した。
著者もさまざまな時間術の本にふれ、絶望した時もあったのだという。本書は様々な「類書」の罠を実体験を元に綴っている。

「時間術」というと時間のノウハウばかりが言われがちであるが、本書は読む段階から「スピード感」が溢れていた。それと同時に危機感を募らせるような作りとなっているため、時間術はそういった感情と持つ必要がある、というのをひしひしと伝えさせる一冊と言える。

「つべこべ言わずさっさとやれ!」

そういっているのかもしれない。

2012年 F1モナコGP ウェーバーがポール・トゥ・ウィンで今季初優勝!

結果は以下の通り。(「F1通信」より)

Round6_final

完走16台という荒れたレースとなった今回のモナコGP、スタートからグロージャンとマルドナドの接触があり、それに可夢偉が巻き込まれリタイアという事態に。昨年5位入賞した地でしたが、日本人と相性の悪さが払拭し切れていなかったようです。

ウェーバーは予選2位でしたが、ミハエルのペナルティにより繰り上がりでPP獲得となり、そのチャンスを見事に生かしてモナコ2勝目を飾りました。

この6戦で6人の優勝者が出るという、近年まれに見る大混戦。ドライバーズランキングでは今回3位表彰台に入ったアロンソがトップを走っていますが、まだまだ15点以内に4人が集中する状況、表彰台や優勝一つでトップが変わる状況なだけに次戦以降も目が離せません。

次戦は2週間後、カナダ・モントリオール!!

2012年 F1モナコGP ミハエルが6年ぶり予選1位獲得も・・・ そして優勝予想

結果は以下の通り。(「F1通信」より)

Round6_qualifying

ミハエルがQ3ラストアタックでトップタイムをたたき出し、2006年フランスGP以来の予選トップタイムとなりましたが、前戦のペナルティにより通算69回目となるPP獲得はお預けと鳴ってしまいました。予選2位のウェーバーが通算10回目となるPPをたたきだし、モナコ2勝目に大きく近づいた結果となりました。

可夢偉は予選12位、グリッド降格などもあり決勝は11番手からのスタートで、ポイント獲得も狙えそうですが、いかんせん抜きにくいモンテカルロ。ピット戦略やスタートダッシュなどを駆使する必要があります。

さて、優勝予想と行きましょう。

本命:ウェーバー

対抗:ロズベルグ

要注意:ハミルトン、アロンソ

コース上のオーバーテイクが全レースの中で最も難しいことから予選順位とほぼ同じような様になるでしょう。ただ、クラッシュ・SC導入と言うことになれば、ピット戦略もオーバーテイク要因に上がってくるかもしれません。

ウイスキー起源への旅

ウイスキー起源への旅 (新潮選書) ウイスキー起源への旅 (新潮選書)
三鍋 昌春

新潮社  2010-04
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先日ジャパニーズウイスキーについて取り上げたのだが、そもそもウイスキーそのものの起源はどこにあるのか、というところまでは言及しなかった。
そもそもウイスキーは「蒸留水」から作られた酒であるため、「蒸留酒」そのものの歴史から紐解くと4000年にも及ぶ。ちょうど中国大陸の歴史と同じくらいである。
本書はそのウイスキーの起源を著者がイギリス留学時に入手した資料をもとに推理を行っている。

第一章「ビールとワイン」
ビールとその起源については「ビール・イノべーション」にて詳しく紹介しているので、ここでは割愛する。
ちなみに、ワインはビールよりも最も歴史は長く、約8000年もの歴史があるという。
ワインというとフランスやイタリアを連想してしまうのだが、イギリスも「ワインの国」と呼ばれるほど、ワインの生産は盛んである。

第二章「蒸留」
「蒸留」は日常生活ではあまりふれられない。しかし「結露」というと北海道在住の時には秋~冬にかけて悩みの種だったことを覚えている。とりわけ冬は氷点下まで冷え込む為、結露した水が氷となり、窓をあけるのにもぬるま湯をかけて溶かさないと開けられなかった。
脱線してしまったので「蒸留」の話に戻す。蒸留とは液体が沸点に達し、それが「蒸気」になる。その「蒸気」を冷却期に向かせ「液体」に戻して余分な物質を排除する手法のことを表す。本章では蒸留の手法だけではなく、蒸留の歴史について綴っている。その蒸留の歴史は5000年にも及ぶという。

第三章「アクアヴィテ、生命の水」
「アクアヴィテ」は初めて聞くので、ちょっと解説する。簡単にいえば「ワインの蒸留液」であり、かつブランデーと呼ばれるものである。「酒」ではなくあくまで「原酒」と呼ばれる類であり、「酔うための液体」と称されている。その「アクアヴィテ」はウイスキーを作るための根幹となる「原酒」そのものである。

第四章「ウイスキー誕生」
本書の核心に入る。
ウイスキーが誕生したのは諸説あるが、もっとも古い説はアイルランドで600年頃から作り始めたといわれている。他にも1200年代から誕生した説もある。そのルーツとしてケルト民族の歴史も併せて紹介している。

第五章「アイリッシュの繁栄と衰退」
アイリッシュは正確に言うとアイルランドに本社を置く「アイリッシュ・ディスティラーズ社」のことをいう。「エール蒸留酒」の製造・販売を行っている会社である。本章ではその会社の栄枯盛衰の歴史と著者自身の会社訪問について綴っている。本書をみる限りでは200年以上の歴史があるため、日本における老舗企業とも引けをとらないほどである。

第六章「スコッチウイスキーの奇跡」
先日取り上げた「ウイスキーは日本の酒である」で、ジャパニーズウイスキーの原点として取り上げたスコットランドのウイスキー、通称「スコッチウイスキー」について取り上げている。スコッチウイスキーが初めて日本に渡ってきたのは明治維新を果たしてからの時であるが、そのものの歴史は12~13世紀と中世の時代にまで遡る(諸説あり)。

ウイスキーの歴史は蒸留酒そのものの歴史から紐解いていく必要があるという。その蒸留酒も「ジン」や「ウォッカ」といったアルコール度数の高い酒として飲まれているのは周知の通りである。蒸留酒そのものの歴史も深いのだが、それがウイスキーのルーツでもあり、その歴史はウイスキーを楽しむ一つの「肴」ともいえる。

2012年 F1モナコGP フリー走行1・2回目結果 そしてPP予想

F1サーカスはいよいよ大舞台へ。「伝統」という名で知られるモナコGPです。モナコGPと言えばロードレースの中でも「世界3大レース」と呼ばれるレースの一つであり、F1のみならずモータースポーツ界全体で最も注目されるレースの一つと言えます。

世界中のセレブが集まる場所であるモナコ、優雅な場所で見せる火花は果たして何色になるのでしょうか。

さて、フリー走行1・2回目の結果を見てみましょう。(「F1通信」より)

1回目

Round6_free1

2回目

Round6_free2

1回目はアロンソ、2回目はバトンがトップタイムをマークしましたが2回でコンディションの異なる中でのフリー走行なだけに、各チームとも得られたものは大きかったように思えるかもしれません。

可夢偉は1回目は7番手、2回目は5番手とまずまずのポジション、抜きにくいコースなだけに予選の上位獲得は重要な要素なので速さを見せたいところです。

さて、PP予想と行きましょう。

本命:バトン

対抗:グロージャン

要注意:アロンソ、マルドナド

ヴェッテルやハミルトンがいつも予想に上がるのですが、今回のフリー走行を見ると、どうやらPPに入るかどうか微妙なところです。しかし何が起こるかわからないのが今シーズンのF1、予想通りになるとはとても思えませんが・・・。

日本遊戯史―古代から現代までの遊びと社会

日本遊戯史―古代から現代までの遊びと社会 日本遊戯史―古代から現代までの遊びと社会
増川 宏一

平凡社  2012-02-10
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日本における「遊び」の歴史は長く、とりわけ「将棋」や「囲碁」の歴史について、諸説はあるが多くは奈良時代から伝えられたと言われている。
元々は庶民の遊びだけではなく、武士や貴族の遊びとしてもあり、御前対局も行われるほど盛んなものであった。
本書は「囲碁」や「将棋」に限らず、様々な「遊具」や「遊戯」にまつわる歴史を紹介している。

第一章「遊びの伝来と定着」
「遊び」そのものの歴史は人間が生まれた歴史とほぼ等しいように思えるが、「記録」として「遊び」が初めて出てくるのは8世紀初め頃、ちょうど「大宝律令」が施行された時代である。「日本思想大系」という文献に双六や囲碁について書かれていることから始まる。しかし当時は「雑戯」とされており、不謹慎な行為とされたという。
その後平安時代にはいると「蹴鞠」も出てきており、宮廷の儀式として「囲碁」について取り上げられている。またこの時代には将棋も発祥している。

第二章「中世の遊び」
時代は平安時代から鎌倉・室町時代と動乱期、武士の時代にまで進む。そのときには西欧諸国ではトランプ(プレイング・カード)が誕生し、賭博道具として広がってきた。カードといえば「カルタ」も戦国時代に出てきているが、文献では戦国時代に「博打かるた」を禁止する旨が記載されたことから始まっている。
「将棋」における永世名人、「囲碁」でいうと本因坊の世襲が誕生したのも、戦国~江戸時代の間である。元々後者の「囲碁」については「囲碁文化の魅力と効用」に詳しく取り上げられているためここでは割愛するが、将棋も囲碁と同じように、将軍や天皇の前で行われる「御前対局」が始まったのもこの時代である。

第三章「華麗な遊びの世界」
江戸時代から様々な「遊び」が誕生・発展してきた。とりわけ「博打」に値するもの、たとえば「花札」や「チンチロリン」、庶民の遊びとしてある双六、あるいは福引、貴族の遊びとしてある投扇興などが取り上げられている。

第四章「遊びの近代と現代」
本章に入る前に先日将棋の「女流王座戦」にて、ポーランド人の女子大生が日本の女流プロ棋士に勝利したことで一躍話題となった。囲碁ではそのようなことは何度も起こっており、世界戦まで韓国や中国を中心に活躍しているという。
話を戻す。明治維新以後は西欧諸国から誕生したゲームも数多く伝わってきた。それと同時に「ベーゴマ」や「軍人将棋」といった昭和時代に誕生した遊戯もここで紹介している。

「遊び」は時代とともに進化・誕生を繰り返す。日本独自に誕生した遊びも海外に伝わり、逆に海外で誕生した遊びも日本に伝わる。そのことが続くことによって「遊び」はさらに広がりを見せる。そのことは歴史によって気付かせてくれる。それこそ本書の大きな価値と言える。

文は一行目から書かなくていい - 検索、コピペ時代の文章術

文は一行目から書かなくていい - 検索、コピペ時代の文章術 文は一行目から書かなくていい - 検索、コピペ時代の文章術
藤原 智美

プレジデント社  2011-05-27
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「文章力」「正しい文章」「完璧な文章」「きれいな文章」それぞれ一体何なのだろうか。
ほぼ毎日のように書評を書き、文章に携わっている私でもわからない。その答えは人それぞれなのかもしれない。そのことにより「自惚れ」とも言えるような文章になることも少なくなく、他人にも理解できないような文章を書くことも少なくない。
では「文章力」はどのようにつけたらよいのか、著者自身も心がけていることはあまり意識していなかったが、本書を執筆するに当たり、自らの文章体験を元に腰を据えて見出したという。

第1章「あなたは9歳の作文力を忘れている」
本章を読む前に小学生の時の作文を見開く方が良い。
私自身、今では書評家として毎日のように文章を書いているのだが、小学から中学生にかけて「作文」は「苦行」でしかなかった。自分自身の考えていることを文章にすること自体、どのように書いたらよいのだろうかと考え続けていくことにより、1日も2日もかかってしまうことがざらにあった。ようやく先生に提出しようとなると恥ずかしくてとても出せないという感情にさいなまれることも常であった。
私事はさておき、本章では著者自身が9歳に書いた絵日記を思い出しながら、文章の本質と鍛え方について綴っている。

第2章「プロ作家の文章テクニック」
本書のタイトルにある「一行目から書かなくていい」は本章から来ている。
文章はあくまで彫像のようなものであり、書きたい要素を作った後に組み立て、そして文章を最小限まで削るといったイロハを紹介している。

第3章「名文の条件とは何か」
小説やエッセイを書くに当たってどのように書けばよいのかを示している。とりわけ小説は文章を介して風景描写を映し出すことによって「名文」と表すことができるという。

第4章「日常生活で文章力を磨く」
今ほど文章を書くことのできる環境に恵まれていることはないと思った方がよい。パソコンが私たちのような庶民の手に届くようになり、かつインターネットが栄え、そしてSNSが誕生し、文章によるコミュニケーションを作ることができたからである。
だからでこそ日常生活の中で文章力を磨く機会は毎日のようにある、その機会をどのように文章を書くか考えながら書くことによって、文章力は上がってくる。

第5章「検索、コピペ時代の文章術」
第4章でいったような状況とともに「検索」や「コピペ」といったものも出てくるようになってきた。しかしこの「検索」は使いようによっては文章力を落とし、言わずもがな「コピペ」も文章力を鍛え上げるどころか殺すことにもなる。
「コピペ」をせず、検索ツールも参考程度につきあうことで文章力を鍛えていくことこそ文章力をあげる道である。

第6章「書くために「考える」ということ」
SNSやインターネットが隆盛しているからでこそ「考えて」文章を書くことが重要とされる。資料やデータはインターネット上に公開しているものも多く、それを元に文章を書くことも多くなるためである。
自らある文章表現が殺されてしまわないように、文章を見直しつつ、自らある表現をもとに「文章を描写」する事が大切である。

「文章力をあげるにはどうしたらよいのか」は作家・ライター志望の人もそうであるが、私自身も悩みの種である。文章そのものを向き合う度に「下手な文章だなぁ」と自虐してしまう。
それでも本書のあとがきに「書くということは難しいし、奥が深い」とあるとおり、文章力をあげることは料理の職人と同じく、終わりはない。著者も私も終わりなき文章力をあげる旅を続けていくのだろう。

人生論としての読書論

人生論としての読書論 人生論としての読書論
森 信三

致知出版社  2011-09-16
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読書は自らの人生を豊かにする。それは今も昔も変わらない。
しかし、その読書の方法一つにしても人それぞれであり、ある人はビジネスや自己成長のために、またある人は私のように人生を豊かにするために読むなど、用途によってもそれぞれである。
では本書の著者である哲学者・教育者である森信三の読書観は一体どのようなものなのだろうか。本書は森信三全集全二五巻のうち、第二〇巻に収録された「読書論」を抜粋している。

一.「読書と人生」
「読書は心の食べ物である」
これが著者における読書の根幹である。しかし食べ物とはいっても何でも食べればよいものではない。ただ単に多読をしていては、大食いによる「食傷」をするように、人生における糧を得ることも少ないのだという。

二.「書物の選択」
「心の食べ物」として読書をするのには、「良い読書」を心がけることが大切である。そのために良い本を「選択」することも重要である。しかし「良書」とは何か、「悪書」とは何か、その分別の基準も知る必要がある。

三.「本の読み方」
読書の仕方は人それぞれであるが、その読み方一つで「性格」も現れてくるのかもしれない。せっかちな私の場合は速読をする傾向にあるが、じっくり読みたい場合は「遅読」や「精読」を好む傾向にあるように思える。

四.「読書による人間の確立」
読書をするにも「基礎訓練」が大切であるという。ではこの「基礎訓練」とは行ったいどのようなものなのだろうか。簡単に言えば「決心」と「覚悟」を持つことにあるという。
ほかにも本章では目標達成や自己啓発、あるいは求道の一つとしての「読書」のあり方も言及している。

五.「読書における場所の問題」
読書は場所を問わない、と言われているが、車中や枕元、書斎など著者自身それぞれの場所で読書体験を行っている。その実験結果といえるところである。

六.「読書と年齢」
小学生、中学生、高校生、大学生、そして社会人、壮年、老年と年齢を重ねるにつれ、読むべき本や読書のスタイルも変化をする。本章ではその変化について論じている。

七.「読書と職業」
「職業即天職論」
これは江戸時代に士農工商がきっちりと区分けされていた時代の時に植え付けられていた考え方であるが、明治維新を境に制限はあるものの、職業選択が許されるようになった。それとともに最初にある理論は批判的に検証をする必要がある。本章ではそれをなされている。

八.「読書と実践」
当ブログでは「ビジネス書」も多く取り上げる、そのビジネス書の根幹は、ただ単に読書だけではなく、実践も伴って価値を見いだすものである。しかし読書そのものは心的・技術的双方の観点から「実践」をする事によって価値をつけられるのだという。
確かにその通りであるが、本によるのかもしれない。小説などその場の感動を覚えるような作品で実践できるのかというと私としては疑わしいためである。

九.「人生の浄福」
読書は人を豊かにする。
本章では「人生の浄福」という表現にて記されている。読書を通じて人生を形成していくのかについて論じている。

哲学者・教育者として数多くの作品を遺した森信三と読書は切っても切れないものと言えることが本書を読んでもわかる。数多くの名言とともに、読書観はビジネスパーソンとは違ったものもあれば、通ずるものもある。学者と読書の関連性を知るためにもなかなかおもしろい一冊である。

ウイスキーは日本の酒である

ウイスキーは日本の酒である (新潮新書) ウイスキーは日本の酒である (新潮新書)
輿水 精一

新潮社  2011-08
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3年前あたりに「ハイボール」が大ブームを巻き起こし、缶で売られるハイボールが売り切れる店が続出するほどにまでなった。
そのハイボールは「ウイスキー」をソーダ水で割ったものを差している(本来は水やぬるま湯でもOKだが、日本ではソーダ水が一般的)。
私自身、酒は何でも飲むがウイスキーを飲むことはあまりない。いったん飲むと止まらなくなり、二日酔いになるためである。だからあまり二日酔いしたくない時はビールばかり飲む。
私の酒癖はさておき、ウイスキーはいつ、どこで発祥したのか、というのは私自身もよくわからない。本書はウイスキーの歴史を日本のウイスキーのイロハとともに紐解いている。

第一章「日本のウイスキー誕生とその受容の歴史」
日本におけるウイスキーづくりの誕生は1923(大正12)年にサントリーが大阪と京都の境目にある「山崎」と呼ばれる所に「蒸留所」が建てられたことから始まる。その「山崎」の蒸留水はサントリーウイスキーの根幹をなしえており、かつウイスキーの高級種である「山崎」もここから来ている。

第二章「日本のウイスキーのつくられ方」
もっともウイスキーはスコットランドを元に作られた。ウイスキー作りが誕生する少し前に竹鶴政孝がスコットランドに留学し、伝統席製法を持ち帰り、第一章にあるように蒸留所を開設した。そのスコットランドの気候は湿潤でありながら夏でも涼しい。「湿潤」という点では日本に通じているが、夏場は太平洋高気圧に覆われ「猛暑」と呼ばれるほど暑い。
そのような気候に合うよう、スコットランドの作り方をベースにしながらも日本独自のウイスキーづくりとしていった。

第三章「ブレンダーが見ている世界」
「ブレンダー」という職業があること自体初めて聞いた。ではどのような職業で、どのような仕事をするのだろうか。
簡単に言えばウイスキーの開発や管理、維持をするために日々ウイスキーを管理・改良を重ねる、いわば「ウイスキーの研究職・修繕屋」といったところである。
本章の話に戻るが、著者がブレンダーとなったのは1999年、しかし入社したのは1973年を考えるとブレンダーの世界に入ったのは1999年、「遅咲きの花形」と呼ばれる人生だったが、そこから著者の快進撃は始まった。

第四章「熟成、その不思議なるもの」
ウイスキーの中でもっとも高いブランドとして「白州25年」や「山崎50年」といった長期的に熟成したウイスキーも存在しており、その味わいはもちろんのこと深みも他のウイスキーを凌駕するほどである。
その熟成するにしても、原酒づくりから貯蔵・保存に至るまでのカラクリを本章にて取り上げている。

第五章「ブレンドという魔術」
本章を知るまで知らなかったのだが、著者は「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演したことがあるという。
ウイスキーをブレンドするにあたりブレンダーは五感(特に味覚・嗅覚)を駆使して改良・維持を行う。その五感の使い方についての奥義を本章で紹介している。もっと突っ込んだものもありそうだがさすがに「企業秘密」と言えるのかもしれない。

第六章「世界の中のジャパニーズウイスキー」
長期的に熟成したウイスキーは国際的な評価を受け続けている。「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)」という世界の酒にまつわる賞にて2004年以降毎年のように受賞している。受賞実績だけではなく、世界中のウイスキーファンを虜にした。
日本のウイスキーはスコットランドを参考にしたが独特の進化を遂げた。しかしその進化はまだ途中経過である、ましてやそのゴールはないのかもしれない。いずれにせよ終わりなき進化は続き、そして世界からもさらなる進化を期待され、それを背に著者は今日も改良・維持をし続ける。

それでも東北は負けない ~宮城県知事が綴る3・11の真実と未来への希望~

それでも東北は負けない ~宮城県知事が綴る3・11の真実と未来への希望~ (ワニブックスPLUS新書) それでも東北は負けない ~宮城県知事が綴る3・11の真実と未来への希望~ (ワニブックスPLUS新書)
村井 嘉浩

ワニブックス  2012-03-01
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2011年3月11日、東北・関東地方を中心に強い地震に襲われた。その後未曾有の津波が襲われ多くの命や家屋を飲み込んだ。福島第一原発のメルトダウンも併発し、全国的に電力不足に発展するなどに見舞われた。特に東北地方では第一原発のメルトダウンによる放射能漏れ、そしてがれき処理などの課題が山積しており、復興まで時間がかかるような状況に陥っている。
あれから1年、東北地方の復興は進んでいるとはいえ、その足取りは重い。本書はもっとも大きな被害に見舞われた県の一つである宮城県の県知事が宮城の現状とこれからについて被災者を代弁して綴っている。

第一章「2011年3月11日を回顧するーあの日、宮城では何が起きたのか?」

「ついに来たか・・・・・・」(p.17より)

これが知事の地震発生直後に思ったことである。
元々三陸沖は地震の発生しやすい地域であり、震災が起こる前々日に震度5弱の地震が発生している(東北地方太平洋沖地震の予兆と言われている)。また政府の「地震調査委員会」でも30年以内にほぼ必ず起こるといわれていた。
そのことから宮城県や周辺の県にて地震を想定した訓練を行っていたという。
しかしいざ地震が起こると、想像を絶する事態や現実に直面し、先が真っ暗に感じることさえあったのだという。しかし「お先真っ暗」で立ち止まってはいけない。県民を守るために自衛隊要請など様々な決断を下した。

第二章「復興へのあまりにも長い道のりーリーダーとして県民と歩んだ1年」
リーダーの真価がもっとも発揮される時、それは未曾有の危機に見舞われた時である。もっと言うとそういうときこそ本当の意味で「リーダーの仕事」といえる。
本章では「リーダー論」というよりも、「リーダーとして」復興に取り組んだプロセスについて綴っている。
そして本書で何よりも私の胸に刻みつけられたもの、そしてメディアでは決して取り上げられないもの、それは、

「震災関連死」

である。私もそれを知ったのは先月、ある自民党参議院議員の講演で知った。その方は宮城の選挙区の人であるが、国会議員の立場から宮城を視察・支援を行った方である。その方の知人が講演の数日前に「震災」のショックによる自殺をしてしまったという。震災から立ち直ろうとしている現在、このような悲しい現実は私たちの見えないところで起こっていると考えると、震災の傷跡はどれだけ深いのだろうか、と考えさせられてしまう。

第三章「国の復興対策は正しいのか?―被災地で今、求められているものとは?」
宮城県知事として国への要求も行ってきた。そして復興担当大臣に就任したばかりの松本龍との会談の全貌、そして松下政経塾の経験、放射能問題などが取り上げられている。
もっとも印象に残ったのは副知事の話、その副知事は50年以上前に起こった「チリ地震津波」を体験した人物であるという。

第四章「宮城県のこれから、東北のこれからー東北、日本は必ず甦る!リーダーの決意」
宮城県、そして東北地方の「これから」、長い時間のかかる「復興」であり、かつ災害に強い街、さらには「エコ」や「水産」に力を入れた街づくりを目指して、日夜励んでいる。

「地震が起こった」その事実はもう拭うことはできない。しかしその現実を憂いては何も始まらない。だからでこそ「今、私(たち)にできること」を考え、行動し続けることが大切である。宮城県知事である著者はそれを実践し続け、足取りは重いものの着実に復興の道を歩んでいる。二度と消えることのできない悲しみを振り払い、東北を復活するための戦いはこれまでも、そしてこれからも続くのだから。

「論理力」短期集中講座

「論理力」短期集中講座 (フォレスト2545新書) 「論理力」短期集中講座 (フォレスト2545新書)
出口汪

フォレスト出版  2010-09-08
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著者の出口汪氏を知ったのは大学受験の時、現代文で伸び悩んでいた時である。確か「実況中継シリーズ」の参考書だったことを今でもはっきりと覚えている。「論理的」という言葉を知ったのもこのときである。
私事はさておき、物事を明快に伝えるためには「論理」は大事な要素である。明快に伝えたり、意志決定を行う際に「論理」は重要なツールである(ただし「絶対」ではない)。
本書は現代文講師として「論理」の需要性を説くとともに、著者が長年築き上げてきた「論理エンジン」についても紹介している。

第一章「言葉が人生を劇的に変化させる理由」
言葉は偉大である。しかし「言葉」を使い方次第で、自らの人生が大きく変わる。自らコントロールできる「言葉」だからでこそ使い方を覚える必要がある。

第二章「なぜ、あなたの話が通じないのか?」
人はそれぞれ出身地や血液型といった見える部分の「違い」もあれば、「人生」や「価値観」といった目に見えない「違い」もある。
「言葉」はむしろ「経験」や「価値観」などに付随している者があり、そのことにより「通じない」ことは有り得る。
「論理」にはそういった事情はなく、事実や仮定などを使い、感情を取り払うことによって通じやすくなる。

第三章「「論理エンジン」で言葉の基本を身につける」
さて、著者が長年作り上げてきた「論理エンジン」の全貌が明かされる。
まずは「基礎の基礎」といえる「論理的な文章のルール」を「文法」から鍛え上げることから始まる。平易な文章から大学入試にて取り上げた問題まで揃っている。

第四章「考えを整理するための「論理エンジン」」
次は「論理的思考」で整理するための方法について、一文や段落などの「関係」を中心に紹介している。

第五章「考えるツールを作る文章のストック法」
ここでは応用編として知識を手着させる、要約をする、といった方法を紹介している。

「私は論理的な表現が嫌いだ」という人は私の周りにもいる。かく言う私も現代文は受験教科の中でもっとも苦手立ったことは今でもはっきりと覚えている。しかし「論理」のスキルは誰でも身につけることができ、かついったん身につけてしまえばビジネスにおいても強力な道具になることは間違いない。

経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書

経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書 経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書
山田 真哉

講談社  2011-12-16
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今年の大河ドラマは「平清盛」である。しかし放送開始当初は兵庫県知事が「汚い」と評価して物議を醸しただけではなく、内容も「難解」であるという批判もあり、視聴率も過去最悪となってしまった。ただ歴史学者などの識者には好評であることを考えると、「玄人受け」の大河ドラマといえる。
その大河ドラマで話題となっている「平清盛」だが、平安時代末期に絶対的な権力を持ったものの、わずか数年で瓦解することとなったが、その原因はいったいどのような物なのか。本書は「会計」「経営」の視点から失敗の本質について考察を行っている。

第一章「教科書にはない日宋貿易の真相」
平清盛の行った功績の一つとして「日宋貿易」が挙げられる。その中で「巨万の富」を得たと言われているが、実は平氏の崩壊の引き金となった。
本章ではその日宋貿易のカラクリと成立したいきさつについて述べている。

第二章「日本経済史歳大のミステリー、「宋銭」普及の謎」
さてこの崩壊の引き金となった「日宋貿易」で著者が着目したのが「宋銭」と呼ばれる物である。「宋銭」とは簡単に言うと、

中国・北宋代に鋳造された貨幣である銅銭のことである。また、宋代には鉄銭も鋳造された(辺境部である四川・陝西において、遼・西夏への銅の流出を防止するために、銅銭の所有・使用一切を禁じられて代わりに鉄銭が強制的に流通させられたため)が、一般的には、圧倒的に多い銅銭のことを指して宋銭と呼んでいるwikipediaより)」

である。その宋銭を流通させて、経済を発展させることにより平家は財政的な観点から支配をしようと目論む。その結果「宋銭」に対する信用を得ただけではなく、通過普及や通貨偽造といった善悪双方の側面から通貨普及の草分けとなった。

第三章「平家滅亡の真犯人、そして清盛の「失敗」」
しかし、平家は「宋銭」普及からわずかの間で滅亡の道をたどっていった。源氏との「壇ノ浦の戦い」によるものだが、それ以前に平家に対して不満分子がくすぶっていた。その原因は「宋銭」であった。
ではなぜ「宋銭」が引き金となったのか。それは「宋銭」そのものの輸入をするためのルート、そして季節風により時期が限られていることにある。さらに深く問いつめていくと「通貨のコントロール」と言うのがそもそもできなかったといえる。

第四章「経営者・平清盛」
平清盛が宋銭の政策を実行し、日本で初めて銅銭が流通したことは前章まで述べたのだが、清盛が行った政策はそれだけではない。本書は「日本」そのものを経営する「経営者・平清盛」として伊勢・博多・薩摩・神戸の4カ所で行った改革について取り上げている。

大河ドラマ「平清盛」は現在も放送中であり、平清盛に関する本は様々なところで取り上げられているが、毎年の様に歴史上の人物が注目を集め、それに関する書籍も出てくる。ある種一過性の「ブーム」である様相だが、あくまでそれを「ブーム」で終わらせず、様々な観点から触れ続けることにより、歴史も歴史上の人物がおもしろくなる。本書は誰も見ることのなかった「会計」の観点からとらえているところにユニークさがある。

日本脱出~この国はあなたの資産を守ってくれない

日本脱出 この国はあなたの資産を守ってくれない 日本脱出 この国はあなたの資産を守ってくれない
午堂 登紀雄

あさ出版  2012-04-23
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午堂登紀雄様より献本御礼。
ギリシャを発端とした「ヨーロッパ危機」が止まるところを知らない。かく言う日本も「失われた10年」と呼ばれた時から赤字が急速に膨らみ、今や「デフォルト宣言」も現実味を増してきた。そのような状況のなかで昨年3月には「東日本大震災」もあったことが追い打ちとなり、経済の閉塞化も止まらない。先日「資産フライト」にも書いたのだが、日本の円を海外の口座に預ける人も富裕層ばかりではなく、年収500万円のサラリーマンにもいるのだという。
本書はその時代が止まらないことを想定して自らの資産をいかにして守るために「日本脱出」のすすめを紹介している。

第1章「受難の時代に備える―あなたのお金がどんどん吸い取られている!」
政府の消費税議論が止まらない。それだけではなく、所得税の控除額の廃止や相続税の増税、国民年金の給付金減少、給与や雇用減少、さらには放射能や災害など、日本人は様々な「リスク」と隣り合わせで生きている。「リスクに背を向ける日本人」という本があるように、日本人はリスクを忌避する傾向にあるのだが、忌避をすればするほど逃げられない状況に陥ってしまう。
しかも「投資」を行うにしても、日本人にはそういった「金融リテラシー」や「投資リテラシー」といった「お金」を学ぶ機会を得る場は限られており、かつ「お金をもうけることは悪」という固定観念、あるいは本書で言う「お子さま投資家」「お子さま債権者」が蔓延っている現実もある。

第2章「日本経済、終わりの始まりに備える」
「何が起こるかわからない」
そういった状況の中で、財政破綻も、世界的な大恐慌も有り得る。そのような状況は予測できる・できないもあるのだが、それ以前に予想外のことも起こりうる。

第3章「日本脱出計画―「攻撃」の戦略」
そのような状況の中で本章と次章の2章に分けて日本脱出計画を紹介する。
本章では「攻撃」的な観点ということで、「脱藩」や「永住」「オフショア」など本書の通りあるように物理的に日本から脱出する必要性や方法について取り上げている。

第4章「日本脱出計画―「防御」の戦略」
今度は「防御」の観点から、日本に出ず、フリーランスになる、複数の収入源を持つ、引っ越す、副業するなどのススメを紹介している。

著者の本はこれまで当ブログでもいくつか取り上げているが、本書ほど「異色」に感じたことはない。しかしそれを書かなければならないほど日本と日本人は危機にさらされているといえる。本書は「対策」だけではなく、同時に「警告」と呼べる様な一冊と言える。

秋竹朋子の声トレ!~一瞬で魅了する「モテ声」と「話し方」のレッスン~

秋竹朋子の声トレ! ~一瞬で魅了する「モテ声」と「話し方」のレッスン~ (ワニブックス 美人開花シリーズ) 秋竹朋子の声トレ! ~一瞬で魅了する「モテ声」と「話し方」のレッスン~ (ワニブックス 美人開花シリーズ)
秋竹 朋子

ワニブックス  2012-02-03
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ビジネスどころか社会人生活の中で「声」を発さない日は珍しい。プレゼンに限らず、上司・部下、さらには同僚たちとの認識あわせや役割決めなどで「声」を使う機会はいろいろとある。
しかし仕事やビジネスに関して「声」が重要であることはあまり知られていない。しかし著者は声について「生まれつき」ではなく、「鍛えられるもの」、そして声はビジネスにとって第一印象と同じように大切なものだという。
本書はその重要性と呼吸法や声の出し方について伝授している。

PART1「声がいいとモテる!? 声の重要性」
「モテ声」がブームを巻き起こしている。そうでなくても女性は男性に対し「異性」として意識するときも「声」が重要であり、かつ「メラビアンの法則」でも「第一印象」の一つとして「声」を挙げている。
しかし「声」は顔などの見た目と同じく生まれつきで鍛えようがない、という意見を持つ人がいることだろう。
だが著者に言わせれば、これは間違いであり、鍛え勝たし大で声を変えることができるという。次章以降では具体的なトレーニングに入るがここでは概要と今の傾向をチェックしておく所である。

PART2「美声への第一歩は、まず呼吸法」
演奏をするにも、歌を歌う、もしくは話すにも「呼吸」はもっとも重要な要素である。そこで本章では複式呼吸と胸式呼吸の違いと、発声などについての方法を伝授している。

PART3「顔の筋肉と舌をやわらかくする」
滑舌と表情を作るのが苦手な方がいる。本章では顔のストレッチや舌のトレーニングを写真とともに紹介している。

PART4「声の高低をコントロールする」
声の高さも相手の印象の善し悪しを決める一つの要素であるという。また時と場合によって使う声のトーンや強さも違ってくるため、声の高低や強弱をコントロールする事も重要である。
本章では「モテ声」である音域を学ぶとともに、その声にするためのトレーニング方法について伝授している。

PART5「滑舌と表現力を鍛えて愛され声に!」
最後は表情などの筋肉ではなく、むしろ「発声」を中心としたトレーニングである。愛嬌のある話し方、表現、セリフなども紹介している。

ビジネスの上で「声」は大切なことである。しかしこの「声」のトレーニングは他のスキルと同じように練習し続けることが大事である。大事であるがどのようにトレーニングしたら良いのかを伝授しているのが本書である。

大学生のためのドラッカー2 就職活動編

大学生のためのドラッカー2 就職活動編 大学生のためのドラッカー2 就職活動編
松本健太郎

リーダーズノート  2011-11-30
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一昨年に「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(通称:もしドラ)」が大ブームを巻き起こし、様々な企業や団体で「ピーター・ドラッカー」の手法を実践している所も出てきているほどである。
その「ドラッカー」の手法を用いて大学生に向けて就職活動や大学生活に関してアドバイスを行っている方がいる。
それが著者であるが、本書はその中から就職活動におけるアドバイスを伝授した一冊である。

第1章「なかなか内定が出ない就職活動中の大学生に、ドラッカーは、「何になりたいか、何を投じて何を得たいか」と言った。」
就職活動は個人差によるが、希望の会社・業界に内定を得るための活動であり、1ヶ月足らずで終わる人もいれば、1年以上かかる人もざらにいる。
ちなみに私は半年以上かかった身であるが、その中で住まいである小樽から、就職先である札幌を往復する、また月に一度は東京に行くこともあった。昼ご飯は日によるが、貧乏であった私はよくマクドナルドのマックポークを食べていたことを思い出す。時々マクドナルドにいくときは必ずこれを注文する。
私事はここまでにしておいて、就職活動の時によく考えることとして「会社とは何か」「働くこととは何か」という疑問にぶち当たることがしばしばある。私も就職活動の道中、歩きながら禅問答の如く問い続けたこともある。
本章ではそのあり方だけではなく、「成長」「プロフェッショナル」などドラッカーの本でもよく出てくる言葉も出てくる。

第2章「なぜ俺の言う通りにできないのかと苛立つ大学生に、ドラッカーは「リーダーに必要なのは、真摯さである」と言った。」
就職をしたら当然のように特定の「組織」に属する。一定の結果と経験を積むようになったらその「組織」を動かすリーダーとなる。またさらに経験や実績を積むと「組織」の規模も大きくなる。
本章ではその「リーダーシップ」についてドラッカーの言葉とともに紹介している。就職活動中、もしくはそれより前の大学生を対象としているため、「リーダーシップ像」について具体的にとらえられていない、もしくは想像できない人も多い。もし想像できたとしてもドラマやマンガ出てくるような偶像くらいである。
リーダーになったらどうなるのか、自分自身リーダーになるにはどうしたらよいのかと言うことを連想しながら読んでおくと良いかもしれない。

GWを終え就職活動を終了した方、まだ継続中の方、あるいはこれから始めるかたそれぞれかもしれない。昨年・一昨年に比べて今年度は幾分厳しさは和らいでいるとは言え、依然厳しい状況が続いていることは確かである。その状況の中で大学生から「働く」「社会に出る」「ビジネス」などの意味を考える、というよりも理想像を構築・設計する必要がある。これは内定をもらうことが「ゴール」ではなく、「スタート」であるが、そのスタートラインに立つための準備として本書がある。社会人としてのスタートダッシュを切る、そしてゴールまでの道のりを明確にすべく示した一冊が本書と言える。

2012年 F1スペインGP 27歳の俊英・マルドナドがポール・トゥ・ウィンで初優勝獲得!!

結果は以下の通り。(「F1通信」より)

Round5_final

ハミルトンの予選失格で獲得したPPを見事に活かした勝利でした。最初のスタートダッシュでアロンソにインを突かれ、トップを奪われたのですが、24~26周目のピットの間に見事トップを奪い返し、勝利をもぎ取りました。速さではメルセデスやフェラーリに若干劣るものの、マルドナドやウィリアムズの執念が光ったレースと言えるのではないでしょうか。

当ブログでF1に関する記事を取り上げたのは2007年頃、ちょうど「蔵前トラック」だったときです。その時はロズベルグと中嶋(一貴)という二世ドライバーのラインナップでしたが競争力が劣っていた感が拭えなかった時代でした。ウィリアムズは2004年の最終戦・ブラジルGPでファン・パブロ・モントーヤ(当時:ウィリアムズBMW)が優勝してから「優勝」という二文字は縁遠かっただけにチームとしてもこの優勝は大きな意味を持ったことでしょう。

ウィリアムズ全盛期と呼ばれた「ルノーエンジン」をひっさげて来たのですから今シーズンは並々ならぬものがあったのかもしれません。

スタートダッシュではトップをとれたとはいえ、惜しくも優勝を逃したアロンソですが、それでもフェラーリの面目を保ち2位。

可夢偉も9番手アスターとから順位を維持し、コンスタントに順位を上げて自己最高タイの5位フィニッシュでした。

ヨーロッパラウンド開幕戦も前戦までとは違ったドライバーが優勝・ポディウムを獲得しているだけに、どのドライバーにもチャンスがある、と言える様なシーズンと鳴りそうです。

次戦は2週間後、伝統のモナコ・モンテカルロ!!

2012年 F1スペインGP ハミルトンがいったんPPを取るも・・・ そして優勝予想

予選Q3を終えた時点での結果は以下の通り。(「F1通信」より)

Round5_qualifying

ハミルトンが最後1分21秒台につけPPを獲得いたしました・・・、がPP獲得をし、バルクフェルメに戻る途中にエンジンの燃料不足によりコース上に止めてしまいました。しかも規約(F1技術規約)に定められている車検のための燃料も1リットル提供できなかったことから、予選タイムをすべて剥奪され、最後尾からのスタートとなりました。

繰り上げでPPを取ったのがウィリアムズのパストール・マルドナド。一昨年のGP2チャンピオンであり、それをひっさげて2011年にデビューしたドライバーです。昨年は1ポイントしか取れませんでしたが、今シーズンは徐々にではありましたがポイントを重ねてきているドライバーと言えます。また予選も過去最高は昨年のモナコGPで8番グリッド。フロントローですら夢のまた夢の様なポジションでしたが、今回は調子が良くフロントローを獲得。そしてハミルトンの件で、実力ではありませんが見事初PPを獲得いたしました。

可夢偉はQ3に進出するもハイドロ系のトラブルにより9番手からのスタート、ポイント圏内からのスタートではありますが、最近スタートダッシュに難がある模様。それを払拭できるのでしょうか。

さて、優勝予想と行きましょう。

本命:アロンソ

対抗:ライコネン

要注意:ヴェッテル、ペレス

今回の決勝は晴れて暑いため、タイヤマネジメントさえ間違っていなければ強いクルマが勝つようなコンディションと言えます。

そうなってくると競争力はメルセデスエンジン勢には劣りますがアロンソはスタートダッシュも良く、オーバーテイクを防ぐ老獪さ(?)も持っています。

その後には速さに定評のあるライコネンやヴェッテルも出てきます。あと棚からぼた餅という発想からペレスにも優勝の可能性があるのかもしれません。

2012年 F1スペインGP フリー走行1・2回目の結果、そしてPP予想

2012年シーズンも本格的な戦いとなる「ヨーロッパ・ラウンド」に突入です。ここ4戦はいずれも異なる優勝者を出しており、ドライバーズ・ランキングでもトップがめまぐるしく変わる様な様相をを見せております。

このヨーロッパ・ラウンドを制するドライバーは果たして誰なのか、その試金石となるのが、今回のスペインGPでは無いかと思います。

さて、フリー走行1・2回目の結果を見てみましょう。(「F1通信」より)

1回目

Round5_free1

2回目

Round5_free2

1回目はアロンソが、2回目はバトンがトップタイムをマークしました。可夢偉も1回目は3番手、2回目は9番手と上々の位置に付けております。

今回の天候は晴れて暑いとの予想であり、フリー走行1・2回目も同様の空模様でしたからこのフリー走行のデータでどのような戦略を立てるのか、注目が集まりそうです。

さて、PP予想と行きましょう。

本命:ヴェッテル

対抗:ロズベルグ

要注意:バトン、可夢偉

コンスタントに上位をマークしたヴェッテル、競争力の強いメルセデスエンジンを持つロズベルグやバトンが来る様な気がします。可夢偉もフリー走行の勢い、あるいはそれ以上の速さを見せつけられれば、日本人史上初のPP獲得もあるかもしれません。

※ 私事の関係で、今戦、及び次戦のフリー走行3回目の結果のUPはいたしません。予選結果につきましては日曜日の12時あたりにUPをいたします。

世界でもっとも阿呆な旅

世界でもっとも阿呆な旅 世界でもっとも阿呆な旅
安居 良基

幻冬舎  2009-11
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タイトルからしてインパクトの強い一冊である。

では中身はどうか。

おそらく「旅」にまつわる本の中でも、色々な意味「最強」に無類する一冊である。もしくは「最高」に無類する一冊と言える。

色々な意味で「最高」「最強」であるが、TVでは決して放送の出来ない一冊であり、ブログやSNSでも中身を詳しく紹介の出来ない「旅」の一冊である。ましてやあまりにも「最強」かつ「最高」過ぎるため決して電車やバスなどの公共交通機関では絶対読んではいけない。

家でおとなしく本書を読んだ方が良い。そう言える一冊である。

一度読むとあまりの「最強」「最高」ぶりに(別の意味で)衝撃を受けてしまう。

USTREAMがメディアを変える

USTREAMがメディアを変える (ちくま新書) USTREAMがメディアを変える (ちくま新書)
小寺 信良

筑摩書房  2010-11-10
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最近では動画サイトの生放送やダダ漏れが広がりを見せており、TVでは放送できないようなもの・内容も放送されているだけではなく、ヴァリエーションもTVでは収めきれないほど広いジャンルの放送が行われている。その役割には今月始めにサービス総称を変更した「niconico(ニコニコ動画)」や本書で紹介される「USTREAM(略称:ユースト)」がある。
本書は世界的にも注目され、かつこれからのメディアのあり方を変える(もう変えているか)USTREAMの世界とこれからの課題について現状とともに追っている。

第1章「ユーストリームという世界」
「USTREAM」が誕生した歴史から説明する必要がある。
「USTREAM」は2007年にアメリカにて生まれた動画サイトであるが、YouTubeとは違い生放送を中心とした動画サイトであった。日本に上陸し、使われるようになったのは2009年頃からであるが、そのころには友人の美崎栄一郎氏が出版企画そのものを「ダダ漏れ」する企画を行った時である。
その生放送サイトは派生してスティッカムやニコニコ生放送になり、既存メディアを凌駕するほどにまでなった。

第2章「ユーストリームの可能性」
少し前に強制起訴の罪から無罪確定し、今となってはまた権力奪取に意欲を燃やす小沢一郎氏が会見やインタビューの場にニコニコ生放送を選んだのは周知の事実である。
その大きな理由として既存メディアに帯びている思惑や記者そのものの態度などが癪に障ることがあるのかもしれない。
それはさておき、「生放送」はリアルタイムで色々なことを伝えるツールと言えるが、公序良俗に反するものも放送できるという負の側面も存在するのだという。

第3章「ユーストリームとツイッターの相乗効果」
USTREAMで放送されることによってTwitterを使って意見をすることが出来る側面もある。ニコニコ生放送ではTwitterを使わずしても直接コメントが出来る所がある。生放送をすることとリアルタイムで意見を聞くことが出来るため、放送効果も高い。それだけではなく、最近ではスマートフォンが急速に拡大しており、電波の届くところであればワンセグよりも便利に生放送を見ることが出来る。
しかしUSTREAMには負の側面としてあるのが「当日しか見ることが出来ない」ところにある。ニコニコ生放送はその欠点を補うため「タイムシフト視聴」も取り入れられているが一定期間しか見ることが出来ないため、完全に負の側面を克服できた訳ではない。

第4章「ユーストリームがビジネスを変える」
とはいえ既存のTV番組やCMよりも制作費用は機材費用のみとなるためぐっと安くなる、機材費用を自前で用意できるなど、場合によっては費用のかからないため、費用対効果が既存メディアと比べて歴然としている。そのため、プレスリリースや製品情報やイベント開催など、マーケティングツールとして大きな役割を担うことが出来る。

第5章「ユーストリーム番組制作のポイント」
ではUSTREAMなど動画の生放送をするにはどうしたら良いのか、という方法のポイントがわからない。本章ではポイント程度であるが、アドバイスを行っている。事実USTREAMでの番組制作補助を行う業者も出ているかどうかはわからないが、無かったとしてもいずれその業者は出てくるだろう。

第6章「ユーストリームがテレビを殺す」
東日本大震災が起こったとき、生放送のツールとしてUSTREAMを使用した事例もある。TV回線が使えない中でインターネットを経由したUSTREAMを利用して、ニュースを見たという人もいた。
ましてや地上波TVでは見ることの出来ない番組やジャンルをUSTREAMやニコニコ生放送を見ることができ、かつ既存メディアでは「テレビ離れ」を増長しいてしまっている。

第7章「横たわるユーストリームの課題」
とはいえUSTREAMなど動画生放送をする際の問題点も存在する。現在でも動画共有サイトで横たわっている音楽などの「著作権」もあれば、プライバシーにより写してはいけないという「肖像権」も存在する。その両方の権利を承諾する、もしくは肖像権の場合はモザイク処理をすることによって初めて安全に放送することが出来る。
また一度放送したものも著作権が存在しており、許可無く「二次著作物」が作られる可能性があるため、権利者の立場で著作権も知る必要がある。

USTREAMはメディアそのものを破壊するのか、それとも新たな創造なのか、あるいはその両方を担うのか、発展している現在でもまだ未知数と言える。USTREAMも含めて動画生放送は一大メディアとして台頭するのか、もしくは泡沫の夢と消えてしまうのか、それは動画生放送サイトだけではなくそれを使う番組制作者や視聴者の考えに委ねられている。

劣化する日本 再生への10のシナリオ

劣化する日本 再生への10のシナリオ (ディスカヴァー携書) 劣化する日本 再生への10のシナリオ (ディスカヴァー携書)
BSフジ・プライムニュース

ディスカヴァー・トゥエンティワン  2012-03-26
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日本には様々な問題を抱えている者の、それらを解決に向けて動いているとは言いにくい。もっとも政府は政権の奪い合いや増税などのせめぎあいばかりに集中し、それ以外の政策や対策などを打つ暇がないほどである。対策が後手後手に回っていくうちにそれらの問題はもはや危機的な状況に陥っている。だからでこそ本書の最初に「手遅れは許されません」と書かれている。
本書は「BSフジ」と呼ばれるBSデジタル放送で「BSフジLIVE PRIME NEWS」が昨年10月24日~11月4日の10日間にわたって特集した「日本再建への10のシナリオ」にて10のシナリオそれぞれに識者がインタビュー、もしくは対談形式にて問題と解決方法を提言している。

シナリオ1「少子高齢化ー悲観せず、強みとして生かそう」
日本の平均寿命が延び、かつ出生率が現象の一途をたどっていると言われて久しい。最新の統計を見ると若干出生率が延びているため、少子化は幾分和らいでいるようには見える。その少子高齢化を憂いては仕様がない。
本章では「生めよ、殖やせよ」ではなく、少子高齢化時代からでこそ日本にある「強み」を生かすこと、日本人のあり方を考えることを提唱している。

シナリオ2「社会不安―安心・安全社会は雇用の安定から」
日本人はつくづく安定やノーリスクを求める民族である。雇用や景気などが良くも悪くも「不安定」な状態となるととたんに騒ぎだす。
その社会不安解消の一つとして「雇用の安定」や政治に対する信頼を取り戻すシナリオ策定を提言している。

シナリオ3「社会保障―社会保障改革で日本を元気に」
社会保障は昨今から叫ばれ続けており、シナリオ1の「少子高齢化」とともに問われている者であり、かつ人口減少を見ると共通している。
本章では年金や福祉などの「社会保障」のあり方について提言を行っている。

シナリオ4「エネルギー―地球規模の視点を忘れるな」
おそらく本書のなかでもっともホットな分野といえる。夏頃になると関西電力などを中心に電力不足に陥っており、さらに原発事故に対する不信感も強く「反原発・脱原発」などの動きも見せている。
しかしそのエネルギー政策も「太陽光」などの自然エネルギーにシフトしつつあるが、生産にも限界が生じており、「八方塞がり」とも言える状況にある。
本章では世界的変化を中長期的に認識し、あらゆる変化に対応しながら攻めていく姿勢を提言している。

シナリオ5「財政危機―増税や年金減額などの「苦い薬」も必要」
おそらく政治的な関心の一つとして「増税」がある。ギリシャや西欧諸国では財政危機が叫ばれている中、日本も他人事ではなく、借金自体1000兆円前後あり、いつ財政崩壊してもおかしくない事態と言える。
本章ではその財政危機対策として「国民にも痛み」を持つのを知ること、さらに市場そのものの恐ろしさを知ることを提言している。

シナリオ6「成長戦略―危機こそ成長に向かうチャンス」
バブル崩壊以後、日本は「低成長」の時代が続いている。その中でも「マイナス成長」になったときもあり、急成長を続けている中国に追い抜かれ、さらにインドやブラジル、ロシアも迫っている状況に陥っている。しかも前までのシナリオから見て危機的な状況に陥っている。
本章ではその危機を脱する対策について提言を行っている。

シナリオ7「外交・安全保障―正しい歴史観・国家観を持て」
政府や国家がもっとも取り上げるべきことであり、かつ政府や国家でしか取り組めないのが「外交」であり「安全保障」であると考える。民間でできること、もしくは地方にできることはそれぞれに任せておいた方が良いにも関わらず、国に頼ろうとしている所も否めない。
それはさておき、本章では国が担うべき根幹である外交や安全保障政策について歴史観や国家観を持つことを中心に提言している。

シナリオ8「国と地方―国に頼らない自治体を創る」
おそらくメディアは地方自治にまつわることを中心に語られているようだ。その渦中にいるのは大阪市長の橋下徹氏である。橋下氏の政治手法について賛否両論はあれど、「改革」をするうえで必要な方であることには間違いない。
国に頼らない自治体づくりは震災以降急務になりつつあるが、その地方自治体のあり方について本章では補助金や自立などの提言を行っている。

シナリオ9「教育―日本人としての立ち位置を定める」
教育問題もまた政治・民間など様々な所から関わる問題の一つである。近年は「学力低下」が叫ばれている中、日本の教育はどこに向かうべきか、本章ではアイデンティティや経済・金融教育を中心に提言をしている。

シナリオ10「政治とリーダーシップ―政治家に必要な三つの力」
「今の日本の政治家にリーダーシップがない」
とどこかで聞いたかわからないが、そういった声があるほど、日本の政治家への信用度が低い。それどころか新聞やTVから出る支持率を窺うばかりである。
では日本の政治家に必要な力はどのような物があるのか、本書では「三つの力」として提言を行っている。

最初にも言ったとおり本書は「BSフジLIVE PRIME NEWS」の特集として10日間にわたって取り上げたものを書籍化した一冊である。その特集が組まれる中で「本来ある番組の姿」に対して疑問を持ち、自らの番組を「発信・提言」の原点を見直して取り上げられたのだという。政治や経済、社会に対する提言についての関心を募らせただけではなく、「番組の使命」などにも触れた一冊であった。

震災と情報――あのとき何が伝わったか

震災と情報――あのとき何が伝わったか (岩波新書) 震災と情報――あのとき何が伝わったか (岩波新書)
徳田 雄洋

岩波書店  2011-12-21
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震災にまつわる本で何度も取り上げていたが、2011年3月11日に三陸沖を震源としたM9.0の大地震が起こった。その地震と大津波により約16,000人亡くなった(不明者もいるため、さらに増える可能性が高い)。最大震度5強の強い揺れに見回れた東京でも、携帯電話やメールが繋がらなくなり、連絡を取るにも一苦労した人も多かった。その中でSNSは大きな活躍を得て、それにより無事帰った人、もしくは避難した人、会社で一泊した人とそれぞれいた。
本書はその震災から1時間、1日とそれぞれどのような状況だったかを考察すると共に、自分自身も当時どのような状況に置かれ、考えたのかも明かそうと考える。

第1章「最初の1時間 どこへ向かうべきか」
地震当時、私はオフィスで仕事をしていた。その仕事をしていた最中に縦に叩きつけられるような揺れが起こり、そこから本来ある横揺れの地震が起こった。その横揺れの幅が時間が経つにつれ広がり、建物が崩れるのではないか、という感覚に苛まれるようになった。その中で必死に自分の仕事用のパソコンを支え続けたのも今でもはっきりと記憶に残っている。
ようやく揺れが収まったのもつかの間、わずか10分後に緊急地震速報が入り、また最初の揺れに匹敵するような大きな揺れに見回れた。そこから仕事は完全に中止。テレビやインターネットを駆使して地震情報を得たり、地震によって割れたガラスや散らかったものの掃除に当たった。
しかしそこから20分もしないうちに再び大きな揺れが起こった。ここまできたら「この世の終わりか」と本気で思いさえした。そこでようやくおおきな揺れが収まり、この日の仕事はここでストップし、オフィスの掃除にあたった。
私事の続きは第2章に続けることにして、最初の1時間、地震と津波が東北・関東を襲う直前の顛末を写している。

第2章「最初の24時間 連絡が取れない中で」
私事の話に戻る。
オフィスの清掃が終わった後、通常通り仕事に当たったが、JRは早々とその日の運転を取りやめているため、帰る手段は無かった。最後の命綱である私鉄も運転見合わせの状態であった。ちょうど23時頃にようやく私鉄が動く報せが入り、すぐさま私鉄に乗り、家路に向かった。しかし帰路の一つであれど、一度も歩いたことのない道だったため、道に迷い続け、ようやく家に帰ったのは深夜1時。皿などが割れるなど変わり果てた姿を想像していたが、奇跡的に本が多少崩れただけでほとんど無事だった。歩き疲れたため、その日はすぐさまベッドに就寝。しかし朝の5時に再び余震が起こり、そのまま目が覚めてしまった。
本書の話に移る。
震災・津波直後に福島第一原発では「炉心溶融(メルトダウン)」が起こり、その周辺にいる住人には避難指示が発令され、付近の住人は避難した。メルトダウンを起こした原発も地震・津波により電力や通信インフラの電源が失われ緊急連絡もままならなかった。

第3章「最初の1週間 避難すべきかどうか」
震災の起こった翌日はちょうど休みだったが、私の住んでいるところは「津波注意報」が発令していたため、迂闊に外に出られなかった。インターネットで震災にまつわる情報を収集したのと同時に義援金の寄付や、ブログやTwitterを使って震災に関する情報を伝えた。
そして翌週には「計画停電」などによる電車の本数削減もあり、いつも以上の混雑に見舞われた。通常通りの勤務とまではいかないものの、1週間もしないうちにいつもの「日常」に戻った。ブログも2日間、震災による情報を伝えるため書評を中止したが月曜日には通常通りに戻した。
本書に戻すが、その1週間で日本と海外のメディアの温度差は歴然だったという。私もインターネットを使って、震災にまつわる色々な情報を収集をしていたが、本章で紹介された通りである。主に原発事故を中心にかかれているが、それだけではなく震災の惨状も日本と海外の差は歴然としていた。

第4章「最初の1ヶ月 どんな説明がなされたか」
私の住んでいるところでは「計画停電」に見舞われ、それを行っている時間帯はオフィス近くのカフェやファーストフード店でポメラを使った書評や勉強などを行った。家に帰っても電気が使えなかったため、やることは寝ること以外に無かったためである。それが1ヶ月間同じような毎日であった。そう毎日のように出てくる緊急地震速報に怯えながらであるが。
本書の話に戻る。大震災から1ヶ月経つにつれ余震の数も減少していった。しかしその翌月にはまた大きな余震が何度か起こった。また放射能汚染もあり、東京を中心にスーパーマーケットではミネラルウォーターなどの品が品切れとなることも相次いだ。

第5章「最初の6ヶ月 だんだんわかってきたこと」
首都圏では震災の混乱はようやくおさまり、復興に向けて日本中が動きを見せている一方で、原発事故の傷跡は想像よりも遙かに深く、私のよく行く書店でも「原発事故」にまつわる書籍が乱舞した。
政府も復興や原発による対応から迷走を続け、世界的にも日本政府に対する不信感も高まった。復興ムードが冷めてしまった。

あの震災から1年経ち、教訓となることもあれば、自然の恐ろしさ、そして過去にやってきたことの愚かさを知らされることとなった。あの震災から何を学び、伝え、生かすか。私たち日本人はムードに惑わされず考える必要がある。本書は「情報」の側面から教えてくれる。

日本人の価値観 - 世界ランキングを読み解く

日本人の価値観 - 世界ランキングを読み解く (中公選書) 日本人の価値観 - 世界ランキングを読み解く (中公選書)
鈴木 賢志

中央公論新社  2012-01-06
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日本人の価値観とはいったいどのようなものか。
おそらく日本人ほどこの60年間で劇的に変わった民族はいないと言っても過言ではない。またバブルが崩壊したときも戦後間もないころから比べて振り幅は少ないものの変化は生じている。
では諸外国に比べて日本人の価値観はどのようなものなのか、本書では様々な「世界ランキング」をもとに考察を行っている。

第1章「国や政府に関する価値観」
愛国心や自国政府・政治・メディアに関する関心や犯罪どの司法にまつわる国際比較を行っている。
自国に対する誇りが少なく、政治への信頼もない、ましてや自国のために戦う関心が世界でもっとも薄いという。
自国の為に戦う人の割合がもっとも少ない理由は、おそらく「日本国憲法」の呪縛もあるのかもしれない。

第2章「人生に関する価値観」
人付き合いや人間関係、性格、ギャンブル、リスク回避など人それぞれの性格に関する統計について考察を行っている。そもそも日本人は「リスクを回避したがる」「内向的」な印象を持つことが多くかつ自由に対しての感覚がないという。
また祖先に関する関心が強いことに関しては宗教的な関心よりも、日本人独自に染み着いている「仏教」や「神道」によるものが強い。

第3章「家庭や子供に関する価値観」
結婚や出産といったプライベート、さらに休日や余暇についての統計を紹介している。
結婚・離婚・同性婚にまつわる認識差だけではなく、学校の授業やスポーツ以外の趣味(ゲームなど)なども取り上げられており、なかなか興味深い。

第4章「経済活動や働き方に関する価値観」
簡単にいえば仕事にまつわること、いわゆる「仕事」にまつわる様々なことに関しての統計を取り上げている。
高度経済成長からバブル崩壊、そして現在にかけて日本人の労働観や仕事観に変化がある。その「変化」については「仕事と日本人」にて記載しているため、ここでは割愛するが、他国との比較とはいえ、ここまで変化したのかと驚くばかりである。

第5章「科学や自然に関する価値観」
おそらく日本は世界一の「科学技術立国」と呼ばれるほど科学技術は発展している。その証拠として毎年ではない者のほぼ毎年のようにノーベル賞を輩出している。私たちは「科学技術の発展」と「科学そのもの」にどのような関心を持っているのか、本章ではそれに関する統計を紹介している。

本書を読んでいく内に新潮社新書にある「日本は世界で第何位?」を思い出す。これもまたランキングでもあり、統計もとっている者であるが、あくまで解釈そのものを論じている訳ではなく、統計そのものの解釈は私たちに委ねられている。本書は「国際日本データランキング(2012年4月19日を持って閉鎖)」をもとに事実を紹介しているだけであるため、それを解釈し、主張するのはあなた次第、と言える一冊である。

キネ旬総研エンタメ叢書~“日常系アニメ”ヒットの法則

キネ旬総研エンタメ叢書 “日常系アニメ”ヒットの法則 キネ旬総研エンタメ叢書 “日常系アニメ”ヒットの法則
キネマ旬報映画総合研究所

キネマ旬報社  2011-05-26
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「COOL JAPAN」と言われて久しい。それだけ日本の「アニメ」などのサブカルチャーは日本のみならず、海外でも人気がある所以である。
私自身、読書やF1観戦、落語鑑賞以外にも趣味があり、その一つとして「アニメ鑑賞」もある。だいたいは深夜に放送されるアニメを録画して暇な時間に見たりしている。年間でどれくらい見ているかというと、ほぼ深夜に放送されるアニメはほぼすべて見ているため、約70作品ほどになるか。
私事はさておき、最近では本書のタイトルにある「日常系」がブームを巻き起こしており、内容のおもしろさもさることながら、舞台となったところでは町興しに利用するなど様々な「ブーム」を巻き起こしている。「らき☆すた」「けいおん!」がその代表格をなしているが、そういった「日常系」の作品がブームを起こした「なぜ?」について本書では「日常系」作品を取り上げながら分析を行っている。

第1章「"日常系"とは何だ?」
そもそも「日常系」とはいったい何なのかから始める必要がある。
簡単に言えば、ごく当たり前にある「日常」そのものを描いた作品である。決して2011年4月~9月に放送された「日常」のことを言っているのではない(いちおう「日常系」と呼べる作品だが)。
それはさておき「日常系」と呼べるアニメには最初に述べた作品のほかに「ひだまりスケッチ」や昔から放送されている「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」についても本章では取り上げている。
最近で取り上げられている「日常系」といえば「坂道のアポロン」「君と僕。」くらいか。

第2章「日常系を生んだ"空気"とは何だ?」
「日常系」アニメの特徴として臨場感あふれる「物語」というよりも、それぞれのキャラクターが織りなす「コミュニケーション」が「ストーリー」を紡がせている。この「日常系」のアニメの出身はアニメが最初である「オリジナル作品」のほかに「R-18指定」のかかったゲームからきているものも多い(「To Heart」「ef - a fairy tale of the two.」などがあげられる。本書では「CLANNAD」も取り上げているが、あれは全年齢版の作品である)

第3章「日常系を受け入れた"空気"とは何だ?」
確か6年前に、YpuTubeに深夜アニメの動画が無数にアップロードされたことによって著作権も絡めて話題となった。
最近では「ニコニコ動画」などで様々インターネット番組が放映されたことにより、放送できないところもカバーしたため、前述のようなアップロード(俗に「違法アップロード」という)は減ってきたのかもしれない。
「日常系」アニメがブームを巻き起こした要素の一つとして前述のようなアップロードも手伝ったのもあるが、インターネットによる「ブログ」や「SNS」により、感想を共有することを可能にしたことによって、社会現象に近いブームを築き上げたといっても過言ではない。

第4章「"日常系"を作り出したのは誰だ?」
ではこの「日常系」を作り出したのはだれなのか。その源流として本章では「美少女戦士セーラームーン」を取り上げている。そこから「新世紀エヴァンゲリオン」「天地無用!」などの作品が放送され、「日常系アニメ」が形成されていったのだという。

第5章「"日常系"はなぜつくられた?」
しかし、地上波テレビの視聴数も右肩下がりとなり、それによる広告収入も追随して減少傾向にある。テレビ業界は「冬の時代」と呼ばれる時代に入った。深夜アニメも例外ではないが、アニメの市場規模を計る媒体としてDVDやBDなどのビデオソフトの売れ行きも最近では回復傾向にあるものの、右肩下がりが現状である。とはいえ悲観的にはできない大きな要因としてキャラクターソングなどの売り上げが伸びており、ビデオソフト売上減少を補填になっている。

「日常系」アニメの隆盛はこれからも続くことであろう。その「日常系」がどのような歴史をたどっていったのか、そしてそれが一大ムーブメントとなった要因、本書はそれについて分析を行っているが、おそらく今の社会に足りないもの、そして状況を投影したのかもしれない。

変革期の地方自治法

変革期の地方自治法 (岩波新書) 変革期の地方自治法 (岩波新書)
兼子 仁

岩波書店  2012-01-21
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地方自治そのものが注目され始めたのは1999年の「地方自治法」改正にある。それ以前にも「地域振興券」など「地方」にスポットライトを浴びる機会はあったものの、最近ではメディアの注目も増えていることから地方自治の改革がこれまで以上に重要視され始めたと言っても過言ではない。あれから10年以上の月日が流れ、メディアから取り上げられた地方自治は「大きく変わった」という感覚があるのだが、実際はどうなのか、本書ではこの10年以上の変化とこれからについて分析を行っている。

Ⅰ.「進む地域自治の改革」
地方自治体の改革はよい側面でも悪い側面でも変化をしている。その中でも悪い側面では2006年に北海道夕張市が財政破綻をし、大阪府は2008年に「財政非常事態宣言」を発表した。
さらに地域主権の強化や「道州制」といった地域集権などの改革提唱も行っているだけではなく、政府もそういった方向に向けて進んでいる現状がある。

Ⅱ.「変わる自治体」
戦後日本における市町村は、日本国憲法によって「地方公共団体」という伝統語がつくられ、メディアも追随して使われ始めた。やがてそれが「地方自治体」、もしくは「自治体」と呼ばれるようになった。それだけではなく1999年に「合併特例法」ができ、その7年後あたりに多くの市町村が合併された。当時私が住んでいた北海道では平日夕方に「どさんこワイド」が放送されているが、その後ろの数字は北海道の市町村の数を表しているため、ほぼ毎日のように番組名が変わっていったことを思い出す。

Ⅲ.「地域の自治権を自立させる」
条例や法令など、法律以外で縛られる「規則」について自治体の自立や主権はどのように変化していったのかを分析している。本書はあくまで「自治法」の変化にまつわる一冊であるため、本書の根幹について分析を行っていると言っても良い。

Ⅳ.「住民協働時代の議会と首長」
「住民協働」という難しい言葉が出てくる。簡単に言えば「住民」と「自治体」の両方の関係で共に協力試合ながら働くということを表している(そのままの意味であるが)。
そのことを念頭に置きながら住民と首長、住民と議会、議会と首長の利害関係とその関係の中から住民参加や情報公開の現状とこれからのあり方を論じている。次章では実践例を紹介しているためここでは概要にとどめられている。

Ⅴ.「住民協働の実践例」
実践例として良例を取り上げられている、かと思いきや住民訴訟や指定管理といった、どちらかというとネガティブな部分での実例を取り上げている。しかし情報公開や管理といったところでは重要な部分であることは間違いない。

地域の文化やそのものが変わっていくが、法律もふくめた制度も同時に変化をしていく。「地方自治法」の大改正が行われて12年の月日が経って、自治体の置かれている状況は大きく変わっている。その変化で自治体はどこに進むべきか、法律・制度の観点からそれを本書で示している。

喫煙と禁煙の健康経済学 - タバコが明かす人間の本性

喫煙と禁煙の健康経済学 - タバコが明かす人間の本性 (中公新書ラクレ) 喫煙と禁煙の健康経済学 - タバコが明かす人間の本性 (中公新書ラクレ)
荒井 一博

中央公論新社  2012-01-06
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最近では「禁煙」という言葉がヒステリックにいわれる印象がある。私は生まれながら喫煙をしたこともなく、煙を吸おうものならせき込んでしまうほどである。だからといって熱心に禁煙の風潮を強める気はさらさらなく、あくまで煙草は「嗜好品」であるため、本人が吸おうが吸うまいが人の勝手であり、かつ心の満足を満たすものである。名言として、

「喫煙家が禁煙家にかける迷惑は肉体的なものであるが、禁煙家が喫煙家にかける迷惑は精神的なものである。(林語堂)」

があるくらいでだから「煙草」は健康に悪いという科学的な見解よりも、むしろ心的な要因があるのかもしれない。
それはさておき、本書はその「喫煙」について経済学な見地から実体と理論、そして禁煙の実践についてを論じている。

第一部「実態編 喫煙で何が起きているのか」
まず言えるのは本書は喫煙を経済的な側面から「悪」ととらえているところから始まる。
その背景として特定の職業や趣味・嗜好について喫煙者が多い・少ないの傾向について国内外問わず、様々な文献をもとに分析を行っている。ただ、文献によっては実地で調査したものもあれば、その文献の著者自身の思想をひけらかすこともあり、なかなか信用しづらいこともある。しかしここで取り上げている文献の多くは前者の調査を批判的に分析をしているためある程度信頼できる。しかしあえて「ある程度」としている理由は調査や統計はサンプリングの数やとらえどころの違いによって結果や見方が大きく変わってくるため、一面的にとらえることほど危険なものはないからである。

第二部「理論編 喫煙者は合理的かそれとも非合理的か」
個人の嗜好(嗜癖)について文献をもとに本章のタイトルのことを論じている。ここはあくまで「理論」であるため、そこから実践をしていく基礎として本章をとらえる必要がある。
経済学的に「個人」を考察する、もしくは嗜好を考察することを考えると「心理学」や「精神学」の学問領域に片足をつっこむような内容になる。
その禁煙の心理と、成功する・しないのメカニズムについての考察も行っている。

第三部「実践編 禁煙を経済学的に考える」
いよいよ実践編である。しかしそれ以前にタバコ課税やタバコ広告禁止、禁煙治療についてを論じた後に、自らの禁煙体験と実践について取り上げている。「経済学的禁煙法」という名前を使っているが、意思決定として火災や便益について「経済」を考えて、そこから始めるときには「経済」とは無縁のタイミングを使う、という方法である。

おそらく世界的、とりわけ先進国を中心に「禁煙」のムードは高まっていくだろう。当ブログのもう一つの看板である「F1」でも喫煙広告を厳しく規制しており、フェラーリのタイトルスポンサーの「マルボーロ」もチーム名ですら名乗らせてくれない、ましてや現在活躍しているロータス・ルノーも車体カラーが現在の形(1980年代に「ロータス・ルノー」で活躍したデザインと同じ)変更になるやいなやカナダでは違法ではないか、と言う声も囁かれた。「禁煙」は健康的にもよい側面もあれば、経済学的にもよい側面は存在する。本書はそういったことを教えてくれる。

フツーの子の思春期―心理療法の現場から

フツーの子の思春期―心理療法の現場から フツーの子の思春期―心理療法の現場から
岩宮 恵子

岩波書店  2009-04-24
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人には誰しも「思春期」が存在する。男では中学生~高校生の頃、女では小学校高学年から中学生の頃までの時期を指す。もっとも心的にも、感情的にも揺れ動く時期であり、親や他人に対しても反抗的になり、親も当人もどう接したらよいのかわからなくなる。
子供にとってみれば「フツー」だが、大人との「ふつう」とは大きな隔たりが存在するために、思春期に大人などとのいざこざがある。
本書はその「フツー」と「ふつう」の違い、さらに思春期の今昔について取り上げられている。

1.「「ふつうの子」と「フツーの子」」
大人の思う「ふつう」と、今思春期にある「フツー」の隔たりは大きい。しかしこれは「時代の流れ」と言えばそれまでであるが、両者それぞれが置かれている環境や経済などを考慮して考えると「隔たり」があるのは当然といえる。
しかも思春期も最初に言ったような親とのいざこざが中心となるような「反抗期」ばかりではない。周りとの「友達」ができない、もしくはうまくコミュニケーションがとれない、といった要素も重なったことにより、親は思春期の子供にどう接したらよいのかわからなくなってしまった。

2.「女の子たちの思春期」
「隔たり」の中でもっとも大きな要素は「インターネット」の隆盛である、バーチャルでありながら不特定多数とのコミュニケーションを確立することができる反面、「リアル」と「ネット」の線引きがわからない時代にふれることにより、心の闇をネットに置いて、リアルでは他愛のない触れあいにする、もしくは距離をとった人間関係を演じるといった現状もある。本章ではそのようなことを実際に行った、ある少女の事例を紹介している。

3.「思春期とイメージ」
思春期にふれられる「アイドルグループ」、さらには「冬ソナ」を代表するドラマの感情移入と興味・話題に関して、思春期時代の「表現」についてを取り上げている。これはアニメにおける「嗜好」についても言えることであり、「アイドル」「ドラマ」「アニメ」などを題材としたときの「興味」が大きな武器にもなれば、リアル友達の「足枷」になることもある、ということを知らされる章と言える。

4.「思春期と超越体験」
最近では「中二病」もしくはネット・スラングとして「厨二」と取り上げられている最近の思春期に起こる言動や考え方について考察を行っている。
「中二病」は「思春期の少年少女にありがちな自意識過剰やコンプレックスから発する一部の言動傾向を小児病とからめ揶揄した俗語(wikipediaより)」と表されている。
「超越体験」はある種の「デジャヴ」とも言えるものであるが、それが夢と現実が重なりあうことによって、大人ではとうてい理解できないような、ある種「奇行」ととらえかねないような考えや行動を起こすこともあるという。

5.「思春期と心理療法」
その「フツーの子の心理療法について取り上げているが、この一連の「思春期」を「発達障害」などの病気として扱われることも少なくない。本章はその現状についてもふれられている。

時代が変わるとともに「思春期」の置かれる状況や傾向も変わってくる。その変化を親の世代は「正常」なものか、「異常」なものかをとらえる人もそれぞれである。
しかしスクールカウンセラーの立場から微妙な心情を持っている子供たちの現状がどうであるか、それを伝える必要がある、その使命を本書、そして著者は帯びている。私たちは今の子供たちを知る必要がある。本書はそれについて警告をした一冊と言える。

貧乏は完治する病気 ~金持ちになるための劇的な思考法~

貧乏は完治する病気 ~金持ちになるための劇的な思考法~ 貧乏は完治する病気 ~金持ちになるための劇的な思考法~
天野 雅博

あさ出版  2010-03-15
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最近では「貧困」という言葉が乱舞して久しい。そういった状況の中で「貧乏」になり、生きる希望を失うひと、そのことにより自殺に追い込まれる人も少なくない。
著者は間違いなく、本当の意味での「どん底」を味わい、そこから商売を覚え、数多くのプロジェクト・起業を成功に導いた。セミリタイアを経て「酒が無料」で、居酒屋業界に旋風を巻き起こした「居酒屋革命」をプロデュースしたことで知られる天野雅博氏のビジネス思考を「生き様」と共に語られている。

第1章「すべてがマイナスから始まった」
最初に著者は「本当の意味でどん底」を味わったと書いたが、その第1章を見る限り「どん底」よりもはるかに下、そこを突き抜けて底なしの奈落にまで転落をした人生だったという他ない。人生の転機となるきっかけはいくつかあるのだが、その「すべて」を体験しているだけあって人生を語る「重み」は違う。

第2章「なぜ、あなたは貧乏なのか」
「貧乏」という言葉の定義の難しさを思い知らされる章である。
「お金がない」という言葉の定義もどれくらいあれば「お金がないのか」、その考え方も今の収入と支出とを照らし合わせた結果、「貧乏」かそうではないか、という天秤がかかる。
しかも「貧乏」はお金ばかりのことではない。人にしても心にしても、「貧困」と同じように様々なところで派生して使われる。
その「貧乏」からいかに脱出するか、という方法よりもむしろ「心構え」を本章、というよりも本書にて大切にしている。何せ「病は「気」から」始まるのだから。

第3章「金の正体とは何か」

「カネを儲けてなにが悪い!」

2006年に村上ファンド事件で、村上氏が言った言葉であり、お茶の間でもよく言われた言葉である。その言葉の受け取り方一つだが、その背景を考える必要がある、しかし資本主義のあり方そのもの、商売、さらには資産運用など「お金」にまつわるあらゆることを問われたのは間違いない。
少し話を変えて「Master Card」のCMで言われる「priceless」、これは満足や楽しいひとときなど心的なところで味わうことを言っている。「お金で買えない価値」「お金で買える価値」、それぞれ側面も異なれば価値も異なる。本書はその中で後者を中心に語られているが、その価値は「信用」「安全」、そして「時間」であるという。

第4章「金をどう貯めるか」
日本の貯蓄率はバブル崩壊以後急速に落ち込み、世界でも最低水準にあるのだという(2008年現在、それ以降は回復傾向にある)
その背景には「貯めにくい」ような状況にあるのだが、それ以上に衝動的な「消費」もその影響もあるのかもしれない。
その一方で私たちの世代を中心に月々10万円前後貯め込む人もいるのだという。しかしその貯金の使い道、いわゆる「目標」は結局「老後のため」に行き着いてしまう。
使い道を決めなければお金の亡者に変わりない。「いざという時」も結局同じ理由に行き着く。
ましてや何の理由もない貯金は水の流れを、もしくは血の流れをせき止めているようなものであり、かつそれが経済的なダメージにもなるのだという。

第5章「金のほんとうに利口な使い方」
お金を貯める・稼ぐことよりも、むしろ難しいもの、それは「使い方」である。使い方ひとつで経営では会社の存亡に大きく関わり、かつ会社に従事するサラリーマンは自分の人生を大きく変わってしまうことさえある。
借金にしてもタイミングや金額によってかわってくるのだという。

第6章「金の稼ぎ方・儲け方」
お金を稼ぐことは簡単なことではない。しかし不可能なことではない。著者は間違いなく「どん底」からお金儲けの方法を知り、そして這い上がり、そして誰もが羨むほど巨万の富と成功、そして名声を得ることができた。しかし羨んでいては何も始まらない。人と比べる前にやることがある。本章でも「やり方」ではなく「心構え」について紹介している。

北海道・静内で生まれ育った少年はやがて世界を代表する起業家にまで変貌した。しかしそのスピリットには北海道にある「フロンティア精神」が常に身に纏っていた。そう、その精神をもとに「辛い」も「甘い」も知り尽くし、形成された「生き様」そのものが本書、そう言える。

ミッションからはじめよう!

ミッションからはじめよう! ミッションからはじめよう!
並木 裕太

ディスカヴァー・トゥエンティワン  2012-03-26
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「ミッション」というと、アクション映画の「ミッション・インポッシブル」、あるいはカトリック宗派の女子校などを連想してしまう。
それはさておき、本書で言う「ミッション」とはいったい何なのだろうか。
簡単に言えば「使命」や「理念」の事を指し、元々行動や理論の根底となるため、問題解決をする上でもっとも重要な要素であるという。それをなくしてはいかに正しく、かつきれいなロジックを持っても「ハリボテ」の如く、机上の空論になってしまう。
本書はミッションの重要性、そしてそれを前提とした問題解決の方法を著者も出てくる小説の形で伝授している。

0.「プロジェクトスタート編」
コンサルティングの「コ」の字も知らなかった女性が「経営企画室」に転属されたときから物語は始まる。元々カウンター対応だったが、いきなりの「経営」に携わる仕事に入ったから自ら置かれている世界はがらりと変わったのと同時に「コンサルティング」の恐ろしさを肌で感じることとなった。

1.「ミッション編」
「ミッション」は最初にも書いたのだが、会社としての「使命」や「理念」のことを指しているが、形のない「理念」や「使命」を「エビデンス(証跡)」として残すようなものがなければ単なる「夢」や「絵に描いたような餅」でしかない。
その「ミッション」を実行・計画できるような形のあるものにするように「MECE」や「4C」「ビジネスフロー」などのフレームワークに落とし込むことなどを取り上げている。

2.「ロジック編」
「ミッション」が形作られたら、今度は具体的なアクションやプランを立てるための「ロジック」を構築する。その「ロジック」を構築するためのツリーやピラミッド、さらには「空・雨・傘」についてを紹介している。とりわけ最後に取り上げた「空・雨・傘」は「ロジック」の中でもっとも重要な役割を果たしている。

3.「リアライズ編」
「ロジック」で計画を立てたならば、今度は「行動」「実行」である。その実行を行うためのメンバーやキーパーソン、仕組みづくりなどを紹介している。この章でふと取り上げられた2人の監督の話であるが、著者自身プロ球団のビジネスキーマンとビジネスモデルを構築し、かつ社会人クラブチームの球団社長も勤められていることからきているのかもしれない。

最近、というよりも数年前からビジネス書売場では当たり前のように「ロジカル・シンキング」を標榜する作品が置かれる。むしろ置かれない日はないほどかもしれない。それだけ書く・伝えるなど様々な手段においてそういった考え方は重要視されている表れであろう。しかし「ロジカル・シンキング」を身につけてもビジネスに直結しなければ何者にもならない。ミッションはロジカルよりも遙か以前に構築しなければならない「根幹」である。元マッキンゼーの役員が会社や球団を変革したツールやプロセスが詰まった一冊が本書である。

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