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2011年12月

年末恒例ランキング2011 vol.6 「F1レース」ランキング

年末恒例企画もいよいよラスト、そして今年最後の記事となる「F1レース」ランキングです。

今季は19戦と2005年シーズンに並んで最多タイの開催となりましたが、今シーズンはヴェッテルのシーズンだった、と言っても過言ではありません。PPもナイジェル・マンセルが記録した14PPを塗り変える15PPを獲得いたしました。年間の開催数もあるとはいえ、記録を塗り変えただけでも大きな出来事です。

そしてシーズン後半には失速したとはいえ、可夢偉の活躍も際だっていました。下位ポジションのスタートからオーバーテイクショーを見せたのも印象的でした。

今回はレース内外で印象を受けた、選りすぐりのGPを3つ紹介いたします。

第3位:バーレーンGP

本来は今季は20戦開催される「はず」でした。しかし今年の初頭にかけてエジプトを発端とする大規模デモが相次ぎました。2月末にはバーレーンにも大規模デモが飛び火し、開催中止にまで追い込まれました。開催されなかったGPですが、F1はどうして中止になっtのか、国々としてのF1は何なのだろうかを考えさせられる出来事でした。

第2位:オーストラリアGP

こちらもレースではなく、むしろレースが始まる前の日本に対しての各ドライバーのメッセージが感動的でした。実質的な開幕戦となったのですが、折しも東日本大震災が起こった後のことでした。

第1位:モナコGP

伝統のモナコですが、今季前半戦における可夢偉の大活躍を象徴するレースでした。このレースの予選で可夢偉は12番手スタートでしたが1ストップ作戦が功を奏したのもあるのですが、徐々に順位を上げ、最終周でウェーバーにオーバーテイクされるものの5位フィニッシュを獲得。今季最高の順位でフィニッシュとなりました。もっともモナコは日本人ドライバーにとって「鬼門」と言われており、過去にポイントを獲得したのは中嶋一貴(2008年)のみでした。そこで5位を獲得できたことは前半戦のハイライトといえるシーンと言えます。

さて、2011年も残すところ、あとわずかとなりました。今年の蔵前トラックⅡも相変わらず、書評にF1にと書き綴り続けていましたが、毎日欠けることなく投稿できたのも、応援してくれるファンがいるから、その人ことにつきます。もう1000日以上連続して投稿し続けていますが、私が続けられる限り、ブログ記事をUPし続けていく所存です。

どうか「蔵前トラックⅡ」を、来年も変わらぬご愛顧をよろしくお願い申しあげます。

「蔵前トラックⅡ」管理人:蔵前

年末恒例ランキング2011 vol.5「ビジネス」本ランキング

年末恒例ランキングもこれが第5弾。「ビジネス」本ランキングです。例年はこのカテゴリーが最も多く取り上げておりましたが、昨日も書いたとおり、今年は73冊と2番目に多い冊数でした。元々当ブログはビジネス本専門ではなく、ありとあらゆる本を取り上げることが当ブログのポリシーなので、ビジネス本に偏ることは好ましくありませんが・・・。
それはさておき、ビジネス本の中にもおもしろいところ、あるいは実践すると思わぬ効果を生んだ本も中にはありました。例年は選りすぐり10冊でしたが、最も多かった人文は5冊だったので、今回は5冊を取り上げることとします。

第5位:パーソナル・プラットフォーム戦略

パーソナル・プラットフォーム戦略 (ディスカヴァー携書) パーソナル・プラットフォーム戦略 (ディスカヴァー携書)
平野敦士カール

ディスカヴァー・トゥエンティワン  2011-11-16
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プラットフォームが重要視されてきた時代だからでこそそれに対応する戦略が必要であることを知らせてくれた一冊でした。ソーシャルネットワークも発展してきたことにより、プラットフォームを構築することが容易にできるようになったからでこそ、「ひとり社長」ができる時代になった、というのを象徴づけた一冊でした。

第4位:「ひとり時間」で、すべてがうまく回りだす!

「ひとり時間」で、すべてがうまく回りだす! 「ひとり時間」で、すべてがうまく回りだす!
池田 千恵

マガジンハウス  2011-07-28
売り上げランキング : 27152

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ビジネスマンになるとあれこれやることが増えるだけではなく、一人で考える時間も容易にとることができなくなります。私もだんだんそれを実感するようになってきました。その「ひとり時間」を重要視し、いかに使うかを気づかせてくれた一冊でした。

第3位:プロフェッショナルサラリーマン ― 「リストラ予備軍」から「最年少役員」に這い上がった男の仕事術

プロフェッショナルサラリーマン ― 「リストラ予備軍」から「最年少役員」に這い上がった男の仕事術 プロフェッショナルサラリーマン ― 「リストラ予備軍」から「最年少役員」に這い上がった男の仕事術
俣野 成敏

プレジデント社  2011-11-15
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ビジネスマンとして、プロフェッショナルとしてのあり方を教えてくれた一冊でした。リストラ候補と呼ばれた時代から意識や仕事法など様々な「改革」を経て最年少役員に抜擢されたエピソードまで満載の内容でした。

第2位:今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?

今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか? 今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?
中村将人

経済界  2011-10-25
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本書もさることながら、著者のプロフィールも強烈なものでした。5度も死にそうになった経験を持っていることから、「最後の一日」を思わずにはいられなかったのかもしれません。人は誰しも「死」と隣合わせと呼ばれる中で、悔いのない人生を送るにはどうしたら良いのか、というのを考えさせられる一冊でした。

第1位:マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~

マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~ マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~
マネー・ヘッタ・チャン

あさ出版  2011-04-25
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ビジネス書の中で最もインパクトの強かった一冊と言えます。投資にしても、自己啓発にしても、人生にしても様々なところで「甘い声」「甘い罠」が蔓延っています。本書はそのようなことを鋭く(黒く?)抉った至高の一冊でした。

次回は「F1レース」ランキング。

年末恒例ランキング2011 vol.4 「人文」本ランキング

年末恒例ランキングの第4弾は「人文」本ランキングです。昨年まではビジネス書に次いで多かったカテゴリーでしたが、今年は82冊と最も多く取り上げました(ビジネス書は明日取り上げますが73冊でした)。歴史や自伝、自己啓発もこの分野に入るためカテゴリーとしても幅広かったのも、最も多く取り上げられた所以だったのかもしれません。

この82冊の中から選りすぐりの5冊を紹介いたします。

第5位:魂のゆくえ アースマラソン766Days

魂のゆくえ アースマラソン766Days (ワニプラス) 魂のゆくえ アースマラソン766Days (ワニプラス)
間 寛平

ワニブックス  2011-08-05
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2008年末からスタートしたアースマラソンが今年の1月にめでたくゴールを迎えました。約2年半に渡って続いたアースマラソン。その中で何を感じ取ったのか、そして何を思ったのかが、走者本人の視点から綴られているのが印象的でした。

第4位:雑草軍団の箱根駅伝

雑草軍団の箱根駅伝 雑草軍団の箱根駅伝
岡田 正裕

ファーストプレス  2006-10-07
売り上げランキング : 286872

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今年の1月2・3日に行われた箱根駅伝、優勝したのは早稲田大学でしたが、もう一つ際だっていたのが拓殖大学でした。その拓殖大学の駅伝監督は5年前、亜細亜大学を初の総合優勝に導かせた岡田正裕氏。岡田氏の駅伝哲学そのものを学ばせてくれる一冊でした。
そして来年の箱根駅伝ももうすぐ始まります。来年の箱根ではどのような活躍を見せてくれるのでしょうか。

第3位:人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法 人生がときめく片づけの魔法
近藤 麻理恵

サンマーク出版  2010-12-27
売り上げランキング : 7

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今年のベストセラーを象徴づけられる一冊でした。著者のこんまりさんとは昨年の12月と今年の3月にお会いしておりますが、すてきな方でした。そのこんまりさんの片づけ法は今までの「片づけ術」とは一風変わった印象を持っていましたが、実際にやってみると片づけがおもしろいだけではなく、心まですっきりする感じも受けました。

第2位:YELL!(エール!) 東日本大震災チャリティーブック

YELL!(エール!) 東日本大震災チャリティーブック YELL!(エール!) 東日本大震災チャリティーブック
アスコム編

アスコム  2011-04-20
売り上げランキング : 133210

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今年を象徴付けさせられる出来事として3月11日に起こった東日本大震災(東北関東沖大地震)が挙げられます。防災に関してもこれほどまで重要性が問われたこと、そして自然の猛威の中での人間の無力さをありありと感じました。しかしその出来事に絶望してばかりでは何も始まりません。

「今、私たちにできること」

それが最も問われたのかと考えております。かく言う私も震災直後、そして1日・2日と日が経つごとにその思いが強くなっていきました。そして本署の出版社もその命題に対しての一つの答えを出した結晶が本書であったように思えます。

第1位:ろくでなし 伝説のミスター麻雀、酒と女とカネの無頼75年

ろくでなし 伝説のミスター麻雀、酒と女とカネの無頼75年 ろくでなし 伝説のミスター麻雀、酒と女とカネの無頼75年
小島武夫

徳間書店  2010-12-17
売り上げランキング : 61958

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今年最高の一冊を象徴づけられるものでした。麻雀を始めた頃(と言ってもゲームですが)は小島先生の麻雀術の本を買いあさり、読みふけっていたことを今でも思い出します。またMONODをはじめ麻雀番組にも出演し、その中でも「魅せる麻雀」をモットーとしているに恥じない打ち筋は魅力的でした。御年75歳でありながら、今年は麻雀グランプリMAXMONDO名人戦の二冠を獲得をしており、まだまだ先生の時代だという印象をうけました。
その先生の「生きざま」そのものを見せつけられた、と言える一冊でした。

次回は「ビジネス」本ランキング。

年末恒例ランキング2011 vol.3 「文芸・評論」本ランキング

今日のランキングは「文芸・評論」本のランキングです。昨年・一昨年はあまり取り上げなかったのですが、今年は小説そのものの楽しさ、そしておもしろさを伝えることを追求するべく、36冊取り上げました。ビジネス本や人文本と比べても半分くらいでした。また小説の書評をすることの難しさも改めて知った1年だったと思います。

それでは今年取り上げた36冊の中から選りすぐりの5冊を紹介いたします。

第5位:ラスト・ファンタジー

LAST Fantasy LAST Fantasy
鈴井 貴之

幻冬舎  2010-12
売り上げランキング : 259911

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地元・北海道が生んだミスター、鈴井貴之氏の一冊です。エッセイでありながら小説でありながら・・・という一冊ですが、地元・北海道のにおいもふんだんに漂わせる一冊でした。

第4位:八月の魔法使い

八月の魔法使い 八月の魔法使い
石持 浅海

光文社  2010-07-17
売り上げランキング : 212088

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これはごく最近取り上げてきたものですが、本書ほど「デジャヴ」を感じた本はありません。もっとも会社員であるため、そういったことも起こり得る、ということもあるのかもしれません。

第3位:ニッポンの書評

ニッポンの書評 (光文社新書) ニッポンの書評 (光文社新書)
豊崎 由美

光文社  2011-04-15
売り上げランキング : 102135

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書評とは何か、書評家とは何かについて、書評家界のトップをひた走る豊崎由美氏が本ではなく、書評そのものを切った一冊です。いつも過激な切り口で書評を行う所、そして大先輩の書評家から、私に対する「挑戦状」のような一冊であったと思います。

第2位:幸福の商社、不幸のデパート ~僕が3億円の借金地獄で見た景色~

幸福の商社、不幸のデパート ~僕が3億円の借金地獄で見た景色~ 幸福の商社、不幸のデパート ~僕が3億円の借金地獄で見た景色~
水野 俊哉

大和書房  2011-10-28
売り上げランキング : 1436

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本来は「ビジネス書」という位置づけかと思いましたが、自伝的な小説という印象があったため、こちらにランクインいたしました。著者の水野氏は面識があり、著者のセミナーにも何度か参加しており、その中でも過去の話は聞いたことがありました。本署はそのことについても記されているのですが、あそこまで赤裸々に書かれており、読んでいる自分にとっても考えさせられる一冊でした。

第1位:私のおとぎ話

私のおとぎ話 私のおとぎ話
宇野 千代

文芸社  2011-01-19
売り上げランキング : 683970

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元々は1985年に同名のタイトルが出版されたのですが、今年の初頭に復刻した一冊です。著者の宇野千代氏が亡くなられてちょうど15年の節目だったことも起因しているようです。本署は11のおとぎ話を綴っているのですが、その一つ一つは大人の私でも心にグサリとくるようなものばかりでした。

次回は「人文」本ランキング。

年末恒例ランキング2011 vol.2 「社会科学」本ランキング

年末企画第2弾は「社会科学」本ランキングです。今年は67冊取り上げました。「社会科学」といっても「科学」ではなく、むしろ時事的な本を取り上げることの多い分野であり、今年もさることながら過去の事件についても取り上げています。
今回はこの中から印象に残った本を5冊紹介致します。

第5位:なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか

なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか
中崎 隆司

彰国社  2007-06
売り上げランキング : 487161

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「ハコモノ行政」という言葉はもはや「死語」かと思ったのですが、最近では八ッ場ダムなどが取り上げられており、今でもそれに頼ってしまっているような状況を突いている一冊でした。

第4位:ツイッターノミクス

ツイッターノミクス TwitterNomics ツイッターノミクス TwitterNomics
タラ・ハント 津田 大介(解説) 村井 章子

文藝春秋  2010-03-11
売り上げランキング : 13699

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最近ではFacebookととものTwitterも人気は急上昇しています。そのTwitterによって何がもたらされたのかがわかる一冊であったのですが、本書が出版された後の今年には東日本大震災が起こり、TwitterやFacebookなどのSNSが大活躍した年であったため、本書を取り上げました。

第3位:婚活貧乏 結婚してはいけない人を避ける方法

婚活貧乏  結婚してはいけない人を避ける方法 (中公新書ラクレ) 婚活貧乏  結婚してはいけない人を避ける方法 (中公新書ラクレ)
露木幸彦

中央公論新社  2010-06-10
売り上げランキング : 176063

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昨年・一昨年には「婚活」がブームとなり、ワイドショーでも取り上げるようになりました。しかしその裏側についてはあまり語られなかった印象を受けましたが、本書はその婚活を行った人の「暗」の部分を生々しく映し出してくれた良作と言える一冊でした。

第2位:無縁社会~“無縁死”三万二千人の衝撃

無縁社会 無縁社会
NHK「無縁社会プロジェクト」取材班

文藝春秋  2010-11-12
売り上げランキング : 18685

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これは事件として取り上げたと言うよりも最近の風潮から、そうなってしまっているように思えてなりません。東日本大震災でも約2万人もの多くの命が失われてしまいましたが、無縁仏の名のごとく、死んでも誰も見向きもしてくれず、本当の意味での「孤独」に死んでいく人たちがこれからも増えて行く。それを象徴づけるような一冊でした。

第1位:6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録

6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録  角川SSC新書 (角川SSC新書 130) 6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録  角川SSC新書 (角川SSC新書 130)
石巻日日新聞社

角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)  2011-07-09
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今年がもっとも象徴した事柄といえば3月11日の東日本大震災。わたしの住んでいる所も震度5弱の地震に見舞われました。それから翌日・翌々日と書評などの記事を中止し、震災関連のニュースをお送りいたしました。

本書はこの3月11日から6日間、壁新聞で被災地に情報を届けた方々の話です。当ブログでは特定の新聞社やメディアに関する批判も繰り返してきたのですが、本書はもっとも「報道」とは何か、「新聞」のほんとうの役割は何か、という「原点」を伝えてくれた、という点でもっとも印象に残る一冊でした。

次回は「文芸・評論」本ランキングです。

年末恒例ランキング2011 vol.1 「理数系」本ランキング

2011年ももう残りわずかとなりました。年末となると年末恒例と自分でなってしまっている、書評、及びF1の記事ランキングを決める時期。今年ももちろんやります。もう4年連続となっていますが、このランキングは自分の独断と偏見で印象に残った本、F1レースを決めると言う趣旨でやってます。

今年は273冊取り上げました。今年の冊数を見てみると「これだけやっているんだぁ・・・」という感慨に浸ってしまいます。

私事はさておき、この企画のトップバッターは「理数系」の本のランキングです。

今年は14冊しか取り上げられませんでした。。
昨年の11冊から若干進歩していますが、やはりもう少し取り上げるべきだった分野だなと思っています。。

今回はその中から印象に残った本を3冊取り上げようと思います。

第3位:ニワトリ 愛を独り占めした鳥

ニワトリ 愛を独り占めにした鳥 (光文社新書) ニワトリ 愛を独り占めにした鳥 (光文社新書)
遠藤秀紀

光文社  2010-02-17
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ニワトリは宗教的にもタブーとされている箇所はアフリカの中部くらいであり、それ故いかに愛されているかを示した一冊です。

第2位:「弱肉強食」論

「弱肉強食」論 「弱肉強食」論
小原 秀雄

明石書店  2009-07-31
売り上げランキング : 541104

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「弱肉強食」は生物の中では至極当然といわれている理ですが、この「弱肉強食」そのものと人間の生活において「弱肉強食」とは何なのか、そして人間と生物とでどのような違いなのかまで書かれているところが印象的でした。

第1位:解剖男

解剖男 (講談社現代新書) 解剖男 (講談社現代新書)
遠藤 秀紀

講談社  2006-02-17
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解剖のすばらしさを伝えた一冊ですが、文字通りタイトルの印象は強烈なものでした。もちろん私自身、このタイトルに魅力を感じ、衝動買いしてしまいました。

次回は「社会科学」本ランキング。

降水確率50%は五分五分か

降水確率50%は五分五分か (DOJIN選書 8) 降水確率50%は五分五分か (DOJIN選書 8)
村山 貢司

化学同人  2007-07-20
売り上げランキング : 74450

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TVやインターネット問わず気象情報は誰でも見る。しかし気象情報の中には私たちがふと疑問に思うような「気象用語」が存在しており、ちんぷんかんぷんに陥ることも少なくない。
本書のタイトルにある「降水確率50%」は雨になるかどうか五分五分か、ととらえがちであるが、あくまで降水確率は「雨が1時間に1mm以上降る確率」でしかなく、ちょうど北海道や東北など雪の降る地域では「雪が1時間に2~3cm以上降る確率」であり、降水確率が50%となったら、必ずと言っても良いほど雪が降る、場合によっては吹雪や大雪になる危険性もある。
本書は普段私たちが目や耳にしている気象情報・天気予報の利用法やからくり、さらには地球温暖化についてを取り上げている。

第1章「天気予報の上手な利用法」
天気予報にはタイトルにある「降水確率」のほかに、「注意報」「警報」「雨や雪の強さ」などの解説を行っている。

第2章「なぜ天気は変化するのか」
天気はなぜ変化するのかをより「気象学」という学問に近い観点で説明している。おそらく本書の中では専門用語もあり取っつきにくいところと言えるが、梅雨の時期など身近な内容も取り上げつつ紹介されているためわかりやすい。

第3章「激しい気象現象」
毎年夏から秋にかけて日本列島を直撃する台風であるが、今年は台風による被害は過去10年間でも最悪の規模であり、東日本大震災とともに、甚大災害として取り上げられた。
台風の誕生は赤道直下の東シナ海であるが、その台風が勢力を強めること、あるいは巨大化する理由について本章では論じている。

第4章「天気予報に欠かせない、気象データ」
「気象データ」とは現在の気象状況のデータのことを言っており、天気予報を立てるには欠かせない。気象データそのものを扱っている代表格として「東京アメッシュ」があげられており、突発的な雨やその状況についてリアルタイムでチェックすることができ大いに役立っている。
本章では予報の立て方と気象予報士の試験についてを取り上げている。

第5章「気象の変化と自然」
気象の変化の一つとして雲があげられており、そのほかには波や霧など海や川などに関わることが多い。本章ではそれについて取り上げている。

第6章「暮らしに役立つ天気の知識」
日本は基本的には温帯が多い国であるが、北海道などの冷帯(亜寒帯)、沖縄などの亜熱帯の地域もあり、気象の幅は広い。
それだけではなく、花粉や桜、流氷をはじめ、最近では熱中症や紫外線の予報まで存在する。流氷は北海道のオホーツク海側に限られるが、他は全国的にも身近なものが取り上げられているため、天気予報を使い倒さずにはいられなくなる。

第7章「地球温暖化と異常気象」
このごろ極端に厳夏や冷夏、あるいは厳冬や暖冬になることがあり、そのことにより「地球温暖化」と言われる。しかしそれが遠因にあるとはいえ、それで終わってしまうのもどうだろうか。本章では最初に取り上げた現象について「エルニーニョ現象」や「ラニーニャ現象」などとともに考察を行っている。

気象予報は今も昔も私たちの生活に密着をしている。しかしその中にはなかなかわからない言葉もあり、そのことにより混乱してしまうこともある。本書はそのようなことを解決するための解説書、と言えるような一冊である。

ヨコハマ伊勢佐木町 復活への道

ヨコハマ伊勢佐木町 復活への道 ヨコハマ伊勢佐木町 復活への道
山田 泰造

日本経済新聞出版社  2009-07-08
売り上げランキング : 713269

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私の住む川崎市から少し離れると神奈川県の県庁所在地である横浜市に行くことができる。横浜市にはみなとみらいのある桜木町が代表されるが、横浜市の顔の一つとして本書では伊勢佐木町を取り上げている。
伊勢佐木町というと本書でも紹介されているが、故・青江美奈が歌った「伊勢佐木町ブルース」が有名である。

最近では「イセザキモール」が誕生し活気があふれている。しかしこの伊勢佐木町はそれが誕生するまでは活気を失いつつあったのだという。そこからどのように蘇ったのか、本書はその軌跡を示している。

第一章「全国でも類を見ない観光都市ヨコハマ」
神奈川県の中心地と言われる横浜市は人口350万人を越える大都市でありながらも、横浜中華街や西洋文化の影響を受けた元町、貿易の要としての名残が残る赤レンガ倉庫など枚挙に暇がないほど観光名所が存在する。

第二章「ヨコハマの原点はここにあった」
横浜市のたどった歴史は幕末から第二次世界大戦など様々な事柄の影響を大いに受けたところでもある。幕末は日米修好通商条約により開港し、西洋文化の中心地の一つとしても栄えた。しかし第二次世界大戦のなかで「東京大空襲」と同じく「横浜大空襲」が起こり、街は焼け野原となり、戦後米軍による接収もあった。

第三章「復活をめざして立ち上がる若者たち」
伊勢佐木町の商店街は老舗の商店街として名を馳せていたが、店の倒産が相次ぎ寂れていった。その現状を憂いた若者たちが立ち上がり、伊勢佐木町の町おこしを行い始めた。「若者にしかできないこと」「若者が喜ぶこと」を次々と行い始めた。そしてそれをブログなどの媒体に展開することにより、伊勢佐木町のイメージアップをはかった。

第四章「伝統あるイセザキの新たなまちづくり」
日本とアメリカの香りが良い意味で融合している街である伊勢佐木町。その再生もそれを重んじながら進めていった。「伊勢佐木町ブルース」にあるとおり、歌をはじめ映画やアートなどの芸術を融合させるなどのプロジェクトを進めていったことなどについてを本章では取り上げている。

第五章「もはや街全体が"ステージ"と化す」
街づくりの集大成の一つである「イセザキ映像祭2009」を取り上げている。かつて「映画の街」と呼ばれた伊勢佐木町復活させつつ、新しい形の「映画の街」をつくられた「象徴」として開かれた。このイベントは大成功をおさめたが、「映画の街」としての活性化を続けただけではない。音楽やフェスタなどのイベントも次々と展開し、街全体が「ライブステージ」とまで化すようになった。

第六章「街を活気づけるストリートミュージシャン」
この街の出身であるアーティストの代表各としてゆずがいる。ゆずも伊勢佐木町の松坂屋でライブを行い続けたことによりスターダムにのし上がってきた経歴を持つ。青江美奈もそうであるが、ゆずもまた伊勢佐木町によって育ってきたバンドと言っても過言ではない。

そしてもう一つ伊勢佐木町からJOHNLOSというバンドが生まれている。そしてそのバンドがまた伊勢佐木町のストリートミュージックを活気づかせている。

伊勢佐木町はかつて様々な文化の発祥地であった。その文化がさびれても、雄志により新たな文化を生みだし活性化して行く。伊勢佐木町の人々にはそのような魅力がある。伊勢佐木町は昔は輝いていたのではない。今も輝いている街。それが伊勢佐木町の魅力であり、それに向けて雄志たちは今も奔走を続けている。

八月の魔法使い

八月の魔法使い 八月の魔法使い
石持 浅海

光文社  2010-07-17
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「事件は会議室で起こっている」

これは「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」にて真矢みき演じる沖田仁美が、織田裕二演じる青島俊作に初めて会うなり言った言葉である。本書はまさにその言葉を形にしたような一冊と言えよう。

私たち庶民が官僚や国会議員が不思議な世界であるように、会社によって異なる世界を「不思議な世界」ととらえてしまう。会社と一口に言っても会社の規模、業種など様々であり、その中での人間模様も様々である。

本書は現役の会社員がある事故や後継者争いについてを描いている会社ミステリー作品と言える。「ミステリー」と言うと殺人が起こったり警察による臨場感あふれる取り調べを連想してしまうが、本書のような「会社ミステリー」にはそういったものはなく、むしろ会社内の人間関係の「あや」を忠実に描きながら臨場感を展開という印象を受ける。

「会社」を題材にした作品は江上剛氏の作品を始め数多く取り上げられている。しかしそれは「経済」にまつわるものが多いのだが、本書はそうではない。「事故報告書」を題材にした「事件」を取り上げられているため、会社員である私でもいわゆる「デジャヴ」のような感覚に陥ってしまう。そういった意味で本書はミステリー界に新たな風穴を開けた、と言っても良い一冊である。

文化・メディアが生み出す排除と解放

文化・メディアが生み出す排除と解放 (差別と排除の[いま]) (差別と排除のいま) 文化・メディアが生み出す排除と解放 (差別と排除の[いま]) (差別と排除のいま)
荻野 昌弘

明石書店  2011-07-29
売り上げランキング : 827430

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「差別」にまつわる報道は今も昔も存在する。差別的な表現や言葉を発しただけでもニュースに取り上げられたり、謝罪、あるいは辞任に追い込まれるような報道まである。たった一言で人は傷つけられることはあるのだが、私はあきらかに「言葉狩り」を既存メディア主導で行っている感が拭えず、メディアそのものの「ジャーナリズム」を疑ってしまう。
メディア観に関してはここまでにしておいて、本書では文化やメディアで取り上げられる「差別」の歴史とあり方について論じられている。

1章「食とマイノリティ」
「食による差別」
宗教的なタブーがあまりない日本ではあまりピンとこないが、宗教によって食べることを禁じている。タブーと言えばカニバリズムくらいかもしれないが。
本書は食にまつわる「差別」について書かれているが、ホルモンなど私でも食べたことのある、また本章で取り上げられている「油かす」も食べたことがある。
いずれも部落の食材としてあったのだが、それが高度経済成長あたりにメジャーなものとなり、現在では私のように、そうであったことすら知らない人も多い。

2章「蘇り、妖怪化する歌、「お富さん」をめぐって」
「死んだはずだよお富さん」
この曲は1954年に春日八郎が歌った「お富さん」である。今から50年以上前に発売された曲であるが、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」などにも取り上げられたこともあり、私でも最初にある歌詞だけなら知っている。
もっともこの曲が発売されるやいなや大ヒットとなり、子供の間でも「お富さん」を口ずさんでいたという。
本章では大ヒットした「お富さん」の誕生エピソードとその時代背景について考察を行っている。

3章「スポーツと差別」
本章のタイトルをみると1968年のメキシコシティーオリンピックの陸上男子200mのことを取り上げているのかと思いきや、2009年8月に開催されたベルリンの世界陸上で南アフリカの女子選手が金メダルを獲得したが性別確認検査を受けインターセックスであることが発覚し、話題となったことを取り上げている(メダルの剥奪は無かった)。

4章「差別・排除を助長する/回避するインターネット」
差別や排除とインターネットは切っても切れない関係と言える。既存メディアは差別的な発言をするだけでも「失言」や「抗議」事となるが、インターネットは匿名性も相まってかそういったことは殺人予告などよほどのことがない限り取り沙汰されるほどではない。
しかしそれは助長されるものとして扱われるが、回避する方法としてのインターネットもあるという。私自身インターネットを多々利用するが、差別などを回避する、というのは考えにくい。
それはともかくとして本章では差別とインターネットの関係性について考察を行っている。

5章「障害者表象をめぐり"新たな自然さ"を獲得するために」
障害者と一括りにしても様々なものがあり、差別的な言葉もある。しかし最近では「障害者」という言葉そのものも「差別語」ではないか、という指摘もある。
差別的な表現はメディアでもタブーの表現としているのだが、かつて差別的な表現を使っていることについての考察を行っている。たしか現在では様々な歌手によってリメイクされている美輪明宏氏の「ヨイトマケの唄」も差別的な表現から日本民間放送連盟で放送禁止歌の対象にされていたことについて、本章を読んで思い出した。

6章「<マンガと差別>を考えるために」
障害者ではなくとも国による差別をマンガなどの媒体でも扱われることがある。本章では「はだしのゲン」をはじめマンガで表される差別的な表現について論じられている。

「差別」に関する本では必ずこのことを言っている。「差別はなくならない」と。それは人間以前に動物として生活している以上動物による様々な「差」が生じている。人間にも国や性格など「違い」が細部まであることからそのことによる「差」が必ず生じる、そこから「差別」という言葉ができあがる為である。
差別はなくならない以上、「差別」といかにして付き合うかが大切である。差別的な表現と同様に言葉などの表現はどうあるべきか、本書はそれについて考えさせられる一冊である。

耳かきエステはなぜ儲かるのか? 成功する「超ニッチビジネス」のカラクリ

耳かきエステはなぜ儲かるのか? 成功する「超ニッチビジネス」のカラクリ (講談社BIZ) 耳かきエステはなぜ儲かるのか? 成功する「超ニッチビジネス」のカラクリ (講談社BIZ)
鬼頭 宏昌

講談社  2010-06-15
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ビジネスの世界は最近幅広くなってきている。少数派の人々を対象にした、いわゆる「ニッチビジネス」と言うのもあるほどだ。
本書のタイトルにある「耳かきエステ」もその一つであるが、繁盛をしているのだという。
ではなぜそのような「ニッチビジネス」は儲かるのだろうか。本書は様々な「ニッチビジネス」を紹介をしながら追っている。

第1章「耳かきエステはなぜ儲かるのか?」
本書のタイトルの考察からはじまる。言わば最近の「ニッチビジネス」の代表各と言っても過言ではないという。
「耳かき」とはいっても耳掃除もそうであるが、女性との他愛のない会話をするなど、耳を掃除してくれるとともに渇愛(愛情が枯渇すること。元々は仏教の言葉から来ている)を満たすことができるなど、モノの満足と言うよりも「ココロ」の満足を満たすことができるという。
女性を指名できる、と考えるとキャバクラや風営法に引っかかるようなモノを連想してしまうが、そういったものではなく、むしろ女性とのコミュニケーションをとりたいといいう願望が形となったと言える。

第2章「立ち飲み屋はなぜ儲かるのか?」
本章で取り上げられている「立ち飲み屋」は最近できたものではなく、むしろ昔からある「古参」といえる立場にある。しかし最近になってそういったビジネスが繁盛しているのだが、その理由はいったい何なのか。
ターゲットにしているのは男性の一人客。とりわけ中年層を意識しているという。ここでも第一章でもあった「渇愛」を満たす、もしくは「安価で軽く飲める」という感覚が人気を呼んでいる。

第3章「小型ラーメン店はなぜ儲かるのか?」
最近私はラーメン店に行かないのだが、街中・郊外問わず様々なラーメン店を目にする。ラーメン店とは一口に行っても一店舗しかない個人ラーメン店もあれば、全国に展開しているチェーン店まである。
本章では小型ラーメン店が儲かる理由について取り上げられているが、ラーメン店の強みを生かしつつ、小型化することによってどのような利点があるのかを紹介している。

第4章「簡易葬儀はなぜ儲かるのか?」
最近では結婚式が多様化したのと同じくして葬儀の形式も多様化している。「簡易葬儀」もその一つであるが、元々「どんぶり勘定」と呼ばれた葬儀業界であるが、大手小売業社が葬儀業界にも進出したことも一因もあって、ビジネスチャンスが転がり込んだと言える。

第5章「コンサルタントはなぜ儲かるのか?」
私はセミナーやパーティーなどで様々な人と知り合うが、その多くは何らかの形での「コンサルタント」と語る人々が多い。「コンサルタント」は評論家と同じように誰にでもなることができる職業である。しかしコンサルタントは誰もがなれる職業であるが、専門的に特化している人、もしくは集客によってもうかる職業に変貌することができる。本章ではそのカラクリを紹介している。

事業を興す人、あるいは独立をする人はこれからも出てくることであろう。そのような時に自らのスキルだけではなく、時代や本質を読みとる「眼」も必要となってくる。その眼をもって何を始めていくのか、そしてどのように展開をしていくのか、を本書では教えてくれる。

お行儀の悪い神々

お行儀の悪い神々 お行儀の悪い神々
マリー・フィリップス 青木千鶴

早川書房  2009-03-19
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ギリシャと日本の共通点、それは財政的に逼迫している所にある、という生々しくも、物騒な話はしない。もう少しきれいな共通点では神話により多数の神々が誕生したことでも知られている。ギリシャと言えば「ギリシャ神話」があり、日本にも「古事記」や「日本書紀」で出てくる日本神話がある。

本書の話であるが、ギリシャ神話に出てくる神々がもし現代のロンドンで生活をしたらどうなるのか、を投影した一冊である。

もしもゼウスが現代の生活ではどのようになるのか、ヘラはどのような人物になるのか、アフロディーデやアルテミスはどのような職業に就くのだろうか・・・ギリシャ神話に出てくる神々は有名無名問わず数多くの神々がいるため、列挙するだけでもきりがない。しかしギリシャ神話なのにギリシャ神話ではない生活感とコメディ感がふんだんに盛り込まれているため、ギリシャ神話を知っている人でも、知らない人でも楽しむことのできる一冊と言っても過言ではない。

民具学の基礎

民具学の基礎 民具学の基礎
岩井 宏實

慶友社  2011-10
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「民具」とはそれぞれの地域の慣習によってつくられた道具、もしくは家具のことであり、大蔵大臣を歴任した民俗学者の渋沢敬三によって名付けられた。日本には地域によって様々な民具が誕生し、使われてきているが、本書ではその民具がいかにしてつくられたのか、という歴史的、あるいは地理的な観点などを織り込みながら考察するとともに、「民具学」という新たな学問の礎を築いた一冊である。

一.「民具研究の軌跡」
「民具」と一括りにしても世界に視野を広げてみると、その国々の歴史まで裾を広げる必要があるため、本書では日本における「民具史」や「民具学」についてを展開している。
「民具」にまつわる研究が始まったのは近代に入ってからのことであり、明治時代初頭にエドワード・S・モースが生物の研究材料の採取の傍ら、日本人の暮らしや家具に深い興味を持ち始めたことが始まりである。

二.「民具の諸相」
様々なものやことが時代とともに変わるとともに、民具も例外ではなく時代や需要によって改良したり、誕生したりしてきた。本書ではその時代とともに変わる民具を衣食住や労働、あるいは宗教など用途に併せて紹介している。

三.「民具研究の視座」
民具研究の一例として漆器や人形の歴史やつくられ方について紹介をしている。研究というと、史料を用いて考察を行う考えが強いが、「民具学」はどちらかというと「民俗学」のようにつくられ方や地域を直接見聞して考察を行う、いわゆるフィールドワークも多い。

四.「世相史からみた身辺の民具」
世相は「世の中そのものの有様」を意味しているように、その時代の生活を象徴する民具を取り上げている。明治・大正・昭和時代それぞれの民具が紹介されている。昭和時代の民具とは言っても、「電気釜」など高度経済成長を象徴づけられるものも取り上げられているため、「民具学」と言えども古くさいイメージ、というよりも親近感があるように思える。

五.「在来民具の再生と継承」
前章の最後で「古くさい」イメージではなく親近感があると言ったが、「民具学」がいかに私たちの生活に親近感を持っているのかを紹介している。伝統工芸はもちろんのこと、プラスチックやステンレス容器などの誕生についても本章にて取り上げられている。

六.「民具の総合的考察」
「民具」そのものの考察と言うよりも、用途ごとにどのような歴史を辿っていったかの考察を行っている。
七.「民具展示論」
私自身、博物館には年に一度くらいしか行ったことがないが、博物館にいくと目に付くのは昔あった民具の化石や欠片、あるいは民具そのものが展示されているのを目にする。
民具の展示を象徴付けられるものとして「歴史」を物語らせるものとして、が多い。
ここでは民具がいかにして展示され始めたかを考察している。

私はこれまで「民俗学」にまつわる本をいくつか取り上げたことはある。しかし「民具学」は本書に出会うまで「み」の字も知らなかったと言っても過言ではない。「民俗学」をも「歴史」や「地理」とも親近感があり、かつ私たちの生活に密着している学問としての「民具学」、本書はその学問の誘いとなるような一冊と言えよう。

なぜうつ病の人が増えたのか

なぜうつ病の人が増えたのか (幻冬舎ルネッサンス新書) なぜうつ病の人が増えたのか (幻冬舎ルネッサンス新書)
冨高 辰一郎

幻冬舎ルネッサンス  2010-08-25
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おそらくバブル崩壊してから「うつ病」が急激に増えており、社会問題にまで発展している。「うつ病」などの「心の病」に関する本はいくつか読んでおり、それに関して様々な収穫があった。本書は「うつ病」の増加に関してスポットを当てている。

第一章「うつ病患者が増えている」
「うつ病」という名前はバブル崩壊以前から使われていたのだが、使う頻度が増えたのはバブルが崩壊された頃からであり、急速に増えたのは1999年になってからのことである。なぜ1999年になってからなのかは次章にて取り上げられている。
「うつ病」と一括りにする事ができず、病自体の度合いや種類など様々である。

第二章「なぜ一九九九年からうつ病患者が増えたのか」
では1999年に急増した理由はいったい何があったのだろうか。もっともバブルが崩壊したのは90年代前半、山一証券などが倒産した金融危機は1997年であった。その年にゆかりがあるとするならば「ノストラダムスの「1999年7の月」」があるが、それとうつ病とは関係ない。
うつ病が増加した原因、それは「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」が日本で初めて導入された年であった。

第三章「なぜ「SSRI現象」は起きるのか」
「SSRI」は前章でも言ったように、1999年に導入されたのだが、その年を境に急激にうつ病患者、ならびにメンタル休職者が増大した。「SSRI」が導入された理由なのか、それとも「SSRI」による副作用にあるのだろうか、と誰もが疑うかもしれない。ちなみに言うとこれは日本に限らず、先進国でも「SSRI」が導入された年を境にうつ病患者が増加しているデータもある。
なぜそれが起こるのだろうか。それは「SSRI」の導入により、その投薬を進めることが増え、さらに薬を売るためのある種「押し売り」のような現象により、そうさせているのだという。医療と薬の関係。それは「SSRI」に限らず、他の病気でも言えるのかもしれない。

第四章「「SSRI現象」によるうつ病診療への影響」
「うつ病」が増大したのは、うつ病そのものが増えた訳ではなく、「うつ病」の受診者が増えたことによって表れている。むしろ統計的にとられるのは後者であるのだが。
第三章で述べたようなことについて本書では「SSRI現象」と呼ぶが、本章ではそれと「うつ病」診療との関連性について述べている。

第五章「抗うつ薬の有効性について」
いったんうつ病になり、抗うつ薬を投与したり、処方箋として常用したりする。しかしそれで関知するわけではなく、最悪の場合一生つきあう病気となり得る。
しかも「抗うつ薬」の効用どころか「抗うつ薬」を投与することへの疑問も本書では投げかけている。

第六章「増え続けるメンタル休職への取り組み」
抗うつ薬への疑問、うつ病患者への増加、それらを考えると新たなうつ病になってしまうような気がする。うつ病を撲滅する道はおそらく遠いものとなってしまっているのかもしれないが、それを未然に防ぐ方法として本章では企業におけるメンタルヘルスの取り組みの一つとして「メンタル休職」を取り上げている。

うつ病が急激に増えた原因の一つとして「SRRI現象」を本書では取り上げている。確かに一理ある。しかしそれは新薬が誕生することによって啓発キャンペーンやある種の押し売りを行うが如く、病気でもない人を病気扱いするようにされているのだと。本書はそれを投げかけているのではないだろうか。

私のおとぎ話

私のおとぎ話 私のおとぎ話
宇野 千代

文芸社  2011-01-19
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宇野千代氏は小説家である一方で服飾デザイナーや編集者、実業家など「多芸多才」を地で行くような方であり、さらに数多くの男性遍歴を持つ、といった波乱の人生を歩んで行った方で有名である。本書には同じ小説家の瀬戸内寂聴氏の推薦文が記されているが、数多くの男性遍歴がある、波乱にまみれたという点で通ずるものがある。
小説としてはそれほど多くなかったものの、自らの人生をモチーフにした作品が多く、惹きつけるものがあった。
「童話集」として十編取り上げられている。

<ぴいぴい三吉>
一九四七年に上梓された同名作品があるが、本作もそれが取り上げられているのだろうか。
それはさておき、泣き虫の三吉とよく鳴くすずめとの物語である。時代は明治時代あたりだろうか。その証拠に三吉が東京に移り住むくだりがある。

<ナーヤルさん>
三吉が東京に移り住んでからの話、インド人のナーヤルとの交流を扱っている。当時は珍しかった外国人であるが、お互い通じるもの、三吉とナーヤルの旅の綴りが今の私たちにはない人と人とのコミュニケーションの大切さがいかに重要かがよくわかる。

<三吉とお母さん>
三吉と母の物語であるが、私の中ではもっとも心に残った話である。私の母親は現在も実家の喫茶店で働いているが、その母親がもし病気になり、死の床に行きそうになったら、ということを想像させてしまう。兄妹はいるがそれぞれ働いている中で私は母親とどう接したらよいのか、考えさせられてしまう。

<靴屋の三平>
自らが犬や鳥になりたいと思ったことは必ず思ったことがあるだろう。しかしもしも自分が「本当に」そうなったときに自分はどうなっているのか、という考えを重ねあわせてしまう。それと同時に自分にそういう子供がいたら親の立場ならばどうしていたのだろうか、と考えさせられてしまう。

<詩人とお爺さん>
貧乏と金持ち、そして生きた「釜」の話であるが、本作の最後に「みなさん考えてごらんなさい」と閉められているが如く、考えさせられるような作品であった。

<空になった重箱>
「何でも手に入る自由」がある時の自分と、「恵まれていない」時の喜びを映し出している作品のように見えた。モノが豊かにあり、何の不自由なく手に入れることのできる社会に対する警鐘というべきであろうか。

<吉郎さんと犬>
吉郎という少年と二匹の犬の物語であるが、その二匹の犬の名前とつきあい方について考えさせられた。

<桃の実>
狐と男の話であるが、もっとも「狐」というと「化かされる」、もしくは「騙される」イメージが付き物と思ってしまう。この作品もそうであるが「騙される」ことの怖さを改めて知った作品であった。

<十年一夜>
狐を助けたお爺さんの物語である。動物がいかに尊い存在であるが、人間にとっての餌となったり、人間が動物を護ったりする事がある。この作品はどちらかというと後者のことを言っており、動物の大切さを知ることができる。

<腰ぬけ爺さん>
お爺さんと小鳥の物語である。お爺さんの卑しさに誘惑され小鳥の言うことですら忘れてしまうことにより、耳を傾けることの大切さを知ることができる。

著者の宇野千代氏は1996年にこの世を去った。あれから15年、彼女の生き様とそれに投影される描写は今もなお生き続けている。本書はおとぎ話であるが、98年の人生の中で大切なことが数多く詰まっている。そういった印象を受けた。

人生に悩んだら「日本史」に聞こう 幸せの種は歴史の中にある

人生に悩んだら「日本史」に聞こう 幸せの種は歴史の中にある 人生に悩んだら「日本史」に聞こう 幸せの種は歴史の中にある
ひすいこたろう 白駒妃登美

祥伝社  2011-06-15
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最近「歴女」がブームになっているのだという。
確かに日本・世界のみならず「歴史」はこれまでの日本や世界を知る上で大事なことである。
私も書評を介して歴史を学んでいる身であるが、とりわけ日本史は日本人としてどのような道を歩んできたのか、がよくわかる。
本書は人生に悩んだときの処方箋としての「日本史」を紹介しているが、歴女歴なんと30年にも及ぶ方が、歴史上功績を残した人物の様々な生き方を6つのカテゴリーに示している。

夢.「先人に学ぶ「夢」を叶える生き方」
夢を叶えるために年齢という名の枷は存在しない。本章では豊臣秀吉や伊能忠敬など身分、年齢の差を乗り越えて夢を叶えた人物を紹介している。

粋.「先人に学ぶ「粋」な生き方」
「粋」という次は「いき」とも読めることができれば、「すい」とも読むこともできる。
日本人として「粋」な生き方、かつて江戸時代にはそのような生き方が主流であり、落語の世界、もしくは噺家にもそういった生き方を求める人もいる。
かつて江戸時代にあった仕草や作法をはじめ幕末から明治時代にかけて活躍した志士など「粋」を特に重んじた人物も紹介されている。

楽.「先人に学ぶ人生の「楽しみ方」」
俳句や川柳なども遊びに「色」を使う理由などを表しているが、本書の中で最も印象に残った章である。
一つは著者の一人である臼井氏自身が日本史に目覚めたエピソード、そして吉田松陰の考え方であった。

愛.「先人に学ぶ「愛」される理由」
「愛」というと、キリスト教にある「隣人愛」を連想するが如く日本とは縁が遠いように思えてしまう。かと思えば西郷隆盛の「敬天愛人(天を敬い、人を愛す)」という言葉にもあるように「愛」を用いることも少なくないのでは、と思ってしまう。
本章では坂本龍馬など「愛」される人、もしくは人を「愛」する人物を紹介している。

絆.「先人に学ぶ「絆」の紡ぎ方」
今年の漢字は「絆」に選ばれた。今年の3月に起こった東日本大震災の直後、ソーシャルネットワークをはじめ、様々なメディアでもって「絆」に気づいた方々もいるのではないだろうか。
それを歴史上の人物に紐解いてみると、真っ先に表れたのがジョン万次郎(中浜万次郎)である。嵐にのまれて漂流し、アメリカにかわいがられ、日本に戻ったときにはすでに幕末の時代を迎え、そこで西洋文化や言語の橋渡し役として大いに貢献した。

美.「先人に学ぶ日本人の「美しさ」」
日本人は「美徳」を重んじる民族でもある。本章ではその美徳にまつわる人物を紹介している・・・と言いたいところだが、本章では「美しさ」にまつわるエピソードが中心となる。人物の中で唯一紹介されているのが小栗上野介であるが、これについては以前この本でじっくりと取り上げた為、ここでは割愛する。

「日本人には歴史力が必要」

この言葉はジャーナリストの櫻井よしこ氏が語った言葉である。かつて先人たちが通ってきた轍、心、使命がこの日本史には詰まっている。かつて日本人が残していったもの、そして忘れていったものがここにはたくさん詰まっている。本書はそれを教えてくれる。

哲学で解くニッポンの難問

哲学で解くニッポンの難問 哲学で解くニッポンの難問
三田 誠広

講談社  2011-03-29
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日本の政治のみならず、社会全体で様々な「問題」を抱えている。「問題」によってはすぐに解決できるものもあれば、いつまでも解決の道筋のたたない、いわゆる「永遠の課題」といえるようなものもある。
本書はどちらかというと「後者」といえるようなものを「哲学」の観点から紐解いている。章立てを見てみると、根本的な話題が多く、むしろ「哲学」でなければ読み解くことができない問題ばかりである。ちなみに本書はお悩み相談室のように各章に関しての疑問や悩みをQ&A形式にて答えている。

第一章「「現実」という難問」
現実の反対は何なのだろうか。言うまでもなく反対は「理想」である。しかしその「理想」も現実を鑑みながら作り出されたものと考えると、現実と理想は表裏一体なのかもしれない。
それはさておき、「現実」は今の状態を表しているのだが、どうしても目をつむったり、反らしたくなるような現実もある。本章ではそのようなつらい現実の悩みについて答えている。

第二章「「定年」という難問」
「定年」は誰が定めたのだろうか。それはいつの間にかそれが定められたのかもしれない。ちょっと調べてみたら、

「法規・規則により、一定の年齢到達を事由に退官・退職することになっている年齢。」goo辞書より)

とある。定年退職を迎えたときにあなたは何をしたらよいのか、没頭できる趣味や楽しみたいことがたくさんあるとするならば本章を読む必要はないのだが、そうはいかない人も多い。本章では定年に関しての悩みについて答えている。

第三章「「夫婦」という難問」
「夫婦」とは何なのだろうか。調べてみると、

「婚姻関係にある男女の一組。夫と妻。めおと。」goo辞書より)

本章ではそれについての悩みもあるのだが、答えは「何だかなぁ・・・」という答え方をしている。というのもそもそも「哲学」で読み解いているのだから、「哲学」的に紐解いて欲しかったからである。回答自体はもっともらしいが。
それはさておき、本章では夫婦に関する悩みを答えている。

第四章「「主婦」という難問」
最近では「主婦」だけではなく「主夫」をする人も多い。もっとも女性が働ける場も増えてきており、「専業主婦」をする人も少なくなってきている。「主婦」の役割は家事だけではなく「子育て」もあるのだが、本章では「子育て」に関する悩みが多いように見える。

第五章「「死」という難問」
哲学でもっとも紐解く題材が多いのが「自分」や「考え方」「生き方」、そして「死」がある。「死」のあり方は哲学でもあるのだが、宗教でもそれを取り上げている。
本章ではタイトルにあるようなことについて答えているが、本書の中でもっとも「哲学的」と言える。

第六章「「日本」という難問」
「日本」はどのような国なのか、「日本」はどのような歴史を辿ってきたか、これを哲学的に答えるのは難しい。むしろ政治哲学や思想学という分野に当たるのではないかと考える。
本章は歴史や国土に関する質問に答えている。

第七章「「老い」という難問」
「老い」は人間として生きている以上、誰にも免れることができない。本章では老いに対する不安について答えている。

人は誰しも悩みはつきものである。悩みによっては永遠に解決できないようなものもあり、それをあたかも禅問答のごとく考え込むこともある。本書は哲学的に解いているのかどうか疑問であったが、禅問答するような悩みを解決していることは確かである。

日本人が知っておきたい森林の新常識

日本人が知っておきたい森林の新常識 日本人が知っておきたい森林の新常識
田中 淳夫

洋泉社  2011-10-25
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環境問題の中でも森林は重要な役割を担っている。もっとも二酸化炭素を吸収するものとしている。森林の大切さの理由の一つとして挙げられるが、本書は森林にまつわる常識のウソを突きつつ、人と自然との「共生」を図っていくための森林の役割を伝えている。

第一部「「森林の常識」にはウソがいっぱい」
いきなり衝撃的な章である。地球温暖化の切り札としてある森林だが、二酸化炭素の吸収や天変地異の役割としての「森林」があるのだが、それは半分当たっていて、半分間違っているという。二酸化炭素を吸収しないことについては、木はいつまでも成長するわけではないというのがある人間の一生と同じように成長もある時期で止まり、ある時期に死ぬのだから。

第二部「森の異変は人とともに起きる」
森林伐採やアマゾンのジャングルについても環境問題の中で取り上げられるもののひとつである。しかしそれについても著者は異議を唱えている。雑木林や竹林などは伐らねばならないことや、クマやシカの生息数が増えていることにも、ここにて言及している。

第三部「林業から見える日本の森」
では、森林はどうあるべきか。温暖化解消のためになるのだろうか、人間や動物における「共生」に役立つのだろうか。ここでは林業や農業の未来を取り上げつつ提言を行っている。

地球温暖化を含む環境問題はおそらく私たちが生きていく上で避けて通れない。ましてや人間と自然との「共生」に大きく関わっている。森林保存も確かにその一つの手段であるが、保存や維持ばかりでは逆に温暖化を増長させてしまう。「保存」の概念も大切であるが、もっとも「共生」をはかりながら保存もあれば、森林とのつきあい方も変わっていくのではないか、というのを言っている。

環境問題は少しずつでも解決してゆく必要がある。そのための一手段としてのあり方を本書は示しているのではないだろうか。

海の向こうに本を届ける

海の向こうに本を届ける 海の向こうに本を届ける
栗田明子

晶文社  2011-11-11
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日本の出版物を海外に届ける仕事。
出版物を届けることに日本は何の役割を持っているのだろうか。本書はその出版エージェントを日本で初めて勤め、そして約40年にわたってその役割を担い続けた女性の半生を本書では描いている。

1.「商社から出版界に」
著者ははじめから出版界にいた人間ではない。当初は日本の商社に勤めていたのだが、その仕事に悩んだとき、マックス・ウェーバーの本でアメリカの出版社に興味を持ちはじめた。

2.「アメリカの出版社訪問」
アメリカの出版社である「タイム社」に入社したのは1963年。それからアメリカ中の出版社を訪問しながら「出版エージェント」という仕事を初めて目の当たりにした瞬間でもあった。

3.「ボローニャ国際児童図書展」
アメリカを離れイタリアへ。イタリアのボローニャにて、本章のタイトルにある図書展に足を運んだ。その図書展が後の「作家エージェント」、そして「著作権輸出」に関しての大きな指針の一つとなった。

4.「作家のエージェント」
「作家エージェント」という職業は最近ではよく聞くが、ボローニャの図書展に足を運んだ70年代の時はあまり聞きなれない職業であった。「作家エージェント」とは何なのか、簡単に言うと自らの著作を出版社に売り込む人たちのことを言うが、作家自身が出版社に売り込むエージェント的な役割を担うこともある。

5.「ブッククラブ」
「ブッククラブ」というと、私は「読書会」を連想してしまうが、本章ではそうではなく、国内外の著作を流通する組織のことを総称している。4章と同じく70年代にはそのような組織は存在せず、アメリカにあるブッククラブを介して日本の著作物を輸出した。

6.「日本から文芸書を提出する」
契約に関する話をこぎ着けた後、いよいよ日本の文芸書の翻訳権などを輸出するのだが、その中で交渉をしてきた作家とのエピソードの中で、とりわけ珠玉なものを綴っている。

7.「栗田・板東事務所の船出」
今となっては外国の書籍が翻訳されて輸入されることもあれば、日本の著作が外国に翻訳されて輸出されることもある。しかし本章のタイトルにある事務所が設立される1981年以前は輸入はあれど、輸出は少なかった。その現実を憂いた著者は自ら著作権輸出を中心とした事務所を設立した。

8.「日本著作権輸出センター発足」
しかしその事務所も軌道に乗った訳ではなく、むしろ泥船に乗ったような状態が続いていた状態であった。そしてまた出版社や銀行へと奔走を重ね、「日本著作権輸出センター」を発足させた。日本の著作権を輸出させることを目的としていた。

9.「日本文化をいかに伝えるか」
日本の文化、とりわけ出版物は日本人ならではの表現や描写がある。それを翻訳を介して輸出することによって海外に日本の文化を伝えたい、という使命を著者、ひいては「日本著作権輸出センター」は持っている。

私は「著作権」というと「守る」「保護する」というイメージでしかなかった。本書は「著作権」そのものの法律ではなく、むしろ日本で生まれた著作物を海を越え様々な人に読まれること、そしてそれが日本の文化への理解につながることを伝える一冊である。今となっては著作の輸出入は多いのだが、それがいかに始まり、続いていったのかがよくわかる。

ニュースではわからない欧州危機のゆくえ

ニュースではわからない欧州危機のゆくえ (洋泉社MOOK) ニュースではわからない欧州危機のゆくえ (洋泉社MOOK)
永野 良佑

洋泉社  2011-12-08
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洋泉社 様より献本御礼。
欧州危機に関するニュースは新聞やTV、ネットなどでも叫ばれている。しかし日本での関心事かというと、そうではあるが、最優先事項とは言えない。しかしギリシャを発端とした経済危機はEU内全体に発展するどころか全世界、とりわけ先進国において影響を与えているのは間違いない。これ以上悪化すると日本人の生活にも悪影響を及ぼしかねない。
本書ではそういった金融危機についてのカラクリを解き明かすとともに、これからの世界経済は、日本経済はどうなっていくのかを本書では予測している。

PART1「欧州危機と2012年世界経済」
日本の国債が海外のファンドなどにおいて格下げが続いている。しかしそれは日本に限ったことではなく、先進国全体に言えることである。
「リーマン・ショック」を発端とした世界金融危機は現在でも続いている。しかしそれは2009年以降明らかにされてきたギリシャを発端とした「欧州(ソブリン)危機」も起こり、先進国の経済危機は長期化の様相を見せている。
本章では欧州危機の現状とそれが先進国、そして中国やインドなどの新興国に与える影響について述べている。

PART2「欧州ソブリン危機のゆくえ」
「欧州(ソブリン)危機」は解決の糸口が見えていない。その見えていない要因の一つとしてEU内の国々による利害関係の拗れが挙げられる。ギリシャと同じく財政危機を迎えるイタリアやスペイン、アイルランドもあれば、財政が健全であるフランスやドイツがいる。それらの対立と日本や米国などによる、財政危機国への支援はいったいどうなるのか、財政危機はどのように進んでいくのか、本章ではそれらについてを紹介している。

PART3「欧州通貨同盟が抱える欠陥」
そもそも「EU(欧州連合)」はいつ、どのように誕生したのだろうか、から本章は始まる。「EU」の前身には「EC」「EEC」があるのだが、それらは第二次世界大戦の教訓などから組まれた連合体であり、ヨーロッパ全体でのコミュニティを広めようとした。しかし各国の利害関係や不均衡が顕在化してきた。しかしそれは奇しくもユーロ通貨が誕生した2002年を皮切りに発生している。

PART4「ソブリン・リスクと過去のデフォルト」
欧州危機での最悪のシナリオ、それは「デフォルト」の連続であろう。そうなってしまうとデフォルト国を中心に世界中で「ハイパーインフレ」が起こってしまう。そのデフォルトを過去に行ってしまった例にアルゼンチンが挙げられるが、本章ではそれでも取り上げられている。

PART5「今後のシナリオを大胆に予測」
ギリシャのデフォルトやユーロ離脱も含めて本章では様々なシナリオについて欧州経済がどうなっていくのかを描いている。

PART6「他人事ではない日本の財政問題」
日本はギリシャやイタリア以上の債務超過に見舞われている。しかしギリシャのように世界的に騒がれている訳ではなく、むしろ慢性的な財務超過として取り上げられていることが多い。
しかし日本の財政調教はもはや「破綻」と言われてもおかしくない状況に陥っており、長期的なものも含めて財政対策が出ていない現状にある。それは米国も同じように債務超過に見舞われている。

欧州危機をはじめ、先進国各国の財政状況は危機的状況にあると言っても過言ではない。しかし一人勝ちになっているような状況すら見いだせない中で日本のみならず世界経済はどうなっていくのか、そしてどうしていくのか、本書はそれを示している。

昆虫未来学―「四億年の知恵」に学ぶ

昆虫未来学―「四億年の知恵」に学ぶ (新潮選書) 昆虫未来学―「四億年の知恵」に学ぶ (新潮選書)
藤崎 憲治

新潮社  2010-12
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「昆虫」というと、小さい頃の夏休みには昆虫集めにはまった人も少なくないだろう。私はどうか、というと小さな虫でも身をよじるほど虫が大の苦手であったため、昆虫集めはやったことがなかった。
そのような自分が本書を紹介するのもおこがましいが、本書は昆虫の進化と特性、さらには今日の環境問題の関連について考察を行っている。

第1章「昆虫とはどんな生物か」
「昆虫」と一括りにしてもいろいろいるのだが、生物学上では「節足動物」の一部に属している。つまり複数の足をもつ生き物の多くが「昆虫」に分類されるのだろう。

第2章「昆虫たちのみごとな進化」
昆虫には様々な種類がいるように、進化も様々である。本章ではチョウやハチの進化をもとにどのように進化していったのか表している。

第3章「昆虫が群れるわけ」
昆虫はよく群れる。しかしなぜ群れるのか、本章を読むまでわからなかった。そもそも群れるのはいつ頃か、というと他の動物などを襲うとき、餌にありつくときなど様々である。フェロモンも群がる一因として挙げられているが、フェロモンだけで片づけられるほど単純なものではないようだ。

第4章「生態系における大きな役割」
昆虫も他の動物に限らず食物連鎖が起こっている。昆虫は植物の媒介役としての役割を担っており、食物連鎖の上できわめて重要な位置にいるのだという。

第5章「地球温暖化センサーとしての昆虫」
地震などの災害が起こる直前にニワトリなどの動物も即座に危険を察知し、知らせる。天変地異とまでは言わないものの大量発生などで地球温暖化など環境面での異常を察知することが昆虫にはできるという。

第6章「昆虫と人類の闘い」
簡単に言えば昆虫を「害虫」と扱う人間とのイタチゴッコについての考察である。前章にも言ったように環境の変化による昆虫の大量発生と、それの駆除をどうしていったのか、それが繰り返されイタチゴッコの状態となっているのが現状である。

第7章「害虫を上手にコントロールする」
その「害虫」を上手にコントロールをするにはどうしたらよいのか、その一つの手段として「害虫管理」を取り上げている。害虫を完全に根絶するのではなく、一定の数になるよう駆除や繁殖をさせる方法である。

第8章「バイオミミクリー革命と昆虫」
最近では昆虫にある力をもって食品や工具など様々な場面で活用されている。たとえばスズメバチの幼虫からでるアミノ酸液から作られる「VAAM」もその一つである。

昆虫は不思議な存在である。時には食物連鎖で大事な存在とされ、人間に忌避されると思いきや、食品や工具に利用されることもある。しかし生物学でも昆虫は解明されていないところが多く、昆虫の謎はすべて解き明かせたわけではない。その「謎」の部分が後に私たちの生活に役立てられる、その可能性を秘めているのかもしれない。

1000ヘクトパスカルの主人公

1000ヘクトパスカルの主人公 1000ヘクトパスカルの主人公
安藤 祐介

講談社  2011-07-06
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よく天気予報で「○○ヘクトパスカル」という単位が使われる(一昔前は「○○ミリバール」だった)。これは簡単に「気圧」であり、高ければ高いほど下降気流が活発になるため雲が出にくく、低いと雲が広がりやすく、雨や雪が降ることもある。

1000ヘクトパスカルは青空が広がっているとはいえ若干の雲もある現象であることが多く、「晴れ時々曇り」をまさに表現した数とも言える。

本書は就職活動を控えた大学生が、不自由も不満もない生活の中で感じた不安があった。その不安から空を見上げていたが、空の中で感謝の気持ちを覚え、その空の下の中で生きる人たちを見た。空を見上げるシーンの部分を読むと、私が大学生の時に出会った「無力と微力の二人の天使」を思い出させる。言うまでもなく、本書の主人公は「無力の天使」に近い存在であると思う。空を見つつ、学生したり、アルバイトをしたりしているので、完全に「無力の天使」とは言えないが「空を見る」ことによって空の美しさとともに、空を見なければ気づかなかった「感謝」の気持ちを表すようになった。言葉や人だけでは知り得ない「空」の意味。本書はそれを表しているのかもしれない。

だから、僕らはこの働き方を選んだ~東京R不動産のフリーエージェント・スタイル~

だから、僕らはこの働き方を選んだ 東京R不動産のフリーエージェント・スタイル だから、僕らはこの働き方を選んだ 東京R不動産のフリーエージェント・スタイル
馬場正尊 林厚見 吉里裕也

ダイヤモンド社  2011-12-09
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ダイヤモンド社 市川様より献本御礼。
時代は仕事そのものや技術、それだけではなく働き方そのものも進化している。昨年にダニエル・ピンクの著した「モチベーション3.0」が上梓され、苦役の働き方、から利益の働き方へ、そして楽しみとしての「働き方」へと進化していった。斬新な考え方であるが、それは理想論だと切り捨てる論者も存在した。
しかしそのモチベーションを生かし、「働き方3.0」を実践した企業が存在している。本書で紹介される「東京R不動産」がその実例として上げられている。本書は机上の空論のように思えた「働き方3.0」の姿を自ら示している。

第1章「東京R不動産の仕事」
「東京R不動産」は文字通り不動産業であるが、ウェブ内で展開する不動産紹介サイトを運営している。しかも巷にある不動産屋にはできない「こだわり」にも応じてくれるようにつくられている。
この「東京R不動産」は2003年に社員たった10人の手によってつくられ、現在でも10人だけで運営を行っている。

第2章「会社員とフリーランスの間」
「東京R不動産」は「フリーエージェント・スタイル」という働き方をとっている。いわゆる成果によって報酬が変わるというものである。「成果主義」のようにおもえるのだが、あくまで会社と「契約」するだけで個人の自由と裁量によって決めることができる。「放任主義」なのではないか、と考えたりもするのだがそうでもなく人間関係はゆるくありながら仕事そのものはキチンとやる組織だという。

第3章「良いとこ取りの組織論」
人間関係はゆるくあるものの仕事はキチンとする組織。まさに本章のタイトルにあるような「いいとこ取り」とも言えるような組織を成り立たせている。
だからでこそ遠慮することなく、「おもしろさ」と売り上げの「数字」を目指して邁進することができる。しかしその「邁進」もおもしろさを希求し続けている。

第4章「ビジネスとおもしろさのマネジメント」
「東京R不動産」の仕事の機軸の一つとして「おもしろさ」がある。それを見てみると、ふとこの言葉を思い出す。

「おもしろきこともなき世をおもしろく」

これは幕末の志士である高杉晋作の言葉である。「おもしろさ」を求めること自体が「不謹慎」という風潮が成り立っているように見えるのだが、だからでこそ「働く」「仕事をする」ことの楽しさを希求する組織や会社が必要なのかもしれない。おもしろいことを真面目にやり、個性を大事にしつつ、こだわりを持つ。そのことによっておもしろさをマネジメントしつつ、魅力的な組織や会社としていっている。

第5章「やりたい仕事をして生きる」
「好きなことを仕事にする」ことは良いことか、それとも悪いことか。それは労働観や価値観などで二分される。事実それはどちらも正解である。簡単にいえばそれは人それぞれであるからだ。
しかし好きなことでも、嫌いなことでも、「やりたいこと」であったとするならば、働けば働くほど、楽しさも面白さも増してくる。

最初にも言ったとおり、時代とともに働き方も変わってくる。かつてはモノの豊かさを求めるために働いていた。しかしモノが飽和状態にあるとき、こんどは心に豊かさのベクトルを向け始めていく。そして働き方もそうであるように。

死のテレビ実験――人はそこまで服従するのか

死のテレビ実験---人はそこまで服従するのか 死のテレビ実験---人はそこまで服従するのか
クリストフ ニック ミシェル エルチャニノフ 高野 優

河出書房新社  2011-08-20
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私は最近TVを観ていない。つまらないからである。とはいえ大学生まではTVっ子だったため、TVにまつわるエピソードは色々とある。TV番組の中でおバカなキャラクターを嘲たりするような番組が増えているという。以前は「熱湯コマーシャル」などをはじめとした過激番組があったのだが、本書ではそれを遙かに凌ぐほどのTV実験にてTVと服従について考察を行っている。

第1部「テレビは殺人を犯せるか?」
いきなり物騒なテーマである。日本でやれば公序良俗に反するどころか刑法で違反されているため、そもそも放送できない。殺人をネタにするような話をするのも物騒ではあるものの、日本の番組でもそんなこともあった。バラエティーでありながらバイオレンスなシーン、あるいは相手に屈辱を与えるようなシーンも数多く存在する。そのたびにBPOやPTAが抗議をしたり告発をしたりする。
本書で取り上げた恐ろしい実験は実際にフランスにて行われたという。もしも日本でこの実験が行われたとしたら・・・ゾっとしまうどころか、よけいにテレビ離れが進行するように思えてならない。

第2部「テレビへの服従」
「実験」はクイズであるが、出題者は一般人である、もしもそのクイズに間違うと、解答者に対して出題者は電気ショックを与えるものである。それが1問ではなく、20問にもあり、解答者もさることながら、出題者にとっても心的な負担はあまりにも大きい。
電気ショックを与え続けると殺すほどの力を持っているため、まさに「スタジオで一般人が一般人を殺す」ことを行っている。
電気ショックを与え続けることによる異常状態に人はどこまで服従させるのか、あるいはテレビにはどのような権力を持つのかの考察を行っている。

第3部「テレビの暴走」
テレビのみならず、メディアにも「権威」や「権力」があり、そのことによる「横暴」や「暴走」も起こり得る。たとえば「生放送やらせ」に関しても「テレビの暴走」の範疇の一つであり、かつ過剰な「イジリ」や「嘲り」もその一つに挙げられる。「テレビ」という名の独裁者があたかも「空気」の如く人の心をコントロールさせ、そして異常な行動でさえも許容されるように服従させる危険をはらんでいる。

本書の材料として行われた実験は端から見れば非人道的行為のように見える。しかし昨今あるTV番組でも本書のような実験ほどではないが、そういった風潮が世界的にも起こっているのだという。テレビ、そしてそれを観る自分、そして「テレビ」という名の権力とはいったい何なのか、それを見直す「ショック療法」的立ち位置と言える一冊である。

魂のゆくえ アースマラソン766Days

魂のゆくえ アースマラソン766Days (ワニプラス) 魂のゆくえ アースマラソン766Days (ワニプラス)
間 寛平

ワニブックス  2011-08-05
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吉本興業の芸人として有名である間寛平氏が2008年12月から2011年1月にかけて地球一周をマラソンとヨットでまわる、「アースマラソン」を立ち上げた。本人曰く「目立ちたいから」という理由であるが、フルマラソンどころか245.3Kmもの距離を走るスパルタスロンを3度完走するほどの実力を持っていることから、「アースマラソン」を考案し、実行したのかもしれない。
本書は766日続いたアースマラソンの記録を著者の観点から綴っている。

第1章「夢の始まり【大阪~鴨川 太平洋横断】」
アースマラソンのはじまりは2008年12月17日に大阪のNGK(なんばグランド花月)からスタートした。そのときには同じ吉本の先輩や後輩をはじめ、ファンも集まり、後輩である明石家さんまの号砲でスタートとなった。そこから千葉の鴨川まで1週間かけて走り、ヨットで日本を出た。
出航したのは2009年の元日。わたしもその顛末はTVのワイドショーで観たことがある。
そして間寛平による「本当」のアースマラソンが始まった。そして2ヶ月の航行を経てアメリカ・ロサンゼルスに降り立った。

第2章「遙かなるニューヨーク【ロサンゼルス~ニューヨーク】」
ロサンゼルスからニューヨークまでのことを綴っている、いわゆるアメリカの西端と東端を横断するマラソンであるが、横断するまでの約4ヶ月もかかったが、その中でオリンピック招致大使もあった。その中での最たる出来事は親友である忌野清志郎の訃報であった。間氏は自らのブログで哀悼の意を示し、そして涙を流しながら走り続けた。

第3章「ヨーロッパの光と影【大西洋横断 ユーラシア大陸横断へ】」
ニューヨークを出航し、大西洋を渡り、ヨーロッパ大陸へと渡った。ヨーロッパの中で足の激痛もあれば、2016年オリンピック開催地決定、そして紛争地へとユーラシア大陸の西側を渡っていった。

第4章「見果てぬ夢が叶うまで【トルコ~トルクメニスタン サンフランシスコ】」
ヨーロッパから中東諸国に渡り、シルクロードに渡るまでのことを綴っている。アースマラソンの中で最も危険と呼ばれる地域でアースマラソン2年目を迎えた。危険地域の恐怖の他にもさらにここでは別の恐怖があった。2010年始めに「前立腺ガン」が発覚したのである。

第5章「激走! シルクロード【トルクメニスタン~中国・青島】」
中東大陸から中国に向けて動き出す。ユーラシア大陸横断もいよいよ後半に入っていった。イランを脱出した後の灼熱地獄、そして少し前に書いた「キルギス動乱」の中心地での事件などが綴られている。ようやく中国に辿り着き、ユーラシア大陸横断を達成した。

エピローグ「東に向かって、西から戻る【中国・青島~大阪】」
2009年元旦に鴨川から太平洋を渡り、その2年後の1月4日に日本海から日本に戻った。2年ぶりの帰国となり、1月21日、766日続いたアースマラソンも完走を果たした。

間寛平氏が766日にも及ぶアースマラソンは何だったのだろうか、アースマラソンにまつわる本はいくつかあるものの、実際に走った人が感じたこと、思いなどがありのままに綴られている。マラソン、戦争、病気、それぞれの国など感じたことは数え切れないものであったのかもしれない。そして観ている私たちはこのアースマラソンで何を感じ取ったのか、それは私たちにしか知らないものなのかもしれない。

呼んでみただけ

呼んでみただけ 呼んでみただけ
安東 みきえ

新潮社  2010-09
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小学校か中学校時代に呼ばれて反応したら、タイトルにあるように返されることがあった。意地悪な返し方であるが、親友や恋人だったらそれも許されてしまう。しかし荘でなかったら自分としては気を悪くしてしまう。バカにされているように思えてならないからである。

それはさておき、本書は幼稚園か小学生の子供とその母親がおはなし(おとぎ話?)をしつつ親子のやりとりを綴っている。そのおはなしは日常あるようなおとぎ話ではなく、本書オリジナルの「創作話」であり、一つ一つの物語に様々な意味がこめられている。クラゲの話からイチゴ、あるいはモグラの話など多彩であるため、もしも自分に子供が出たのであればぜひ読ませてみたいものもある。

ちなみにこのタイトルは子供が母親に向かって話した言葉であるが、好奇心によるものなのか、子供が親に対する愛情の現れの一つなのか、わからないが「愛あるいたずら」の印象のように思えてならない。

とはいえ今私たちの忘れている「家族愛」や「親子愛」がふんだんに詰まっており、読んでいる私でも心が暖まる一冊といえる。

観光の目玉~物語を生かした地域旅~

観光の目玉: 物語を生かした地域旅 観光の目玉: 物語を生かした地域旅
佐藤 喜子光 齋藤 明子 平居 謙

学芸出版社  2011-09-15
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旅行は人間としての見識のみならず、様々な意味で幅を広げさせる。わたしも今年の5月に初めて単独旅行をしたときには萩・神戸・名古屋と言ったがそれぞれの場にて斬新な体験をすることができた。
本書は観光で「地域活性化」をさせるための方法を事例と「物語」とともに紹介している。

第1章「ポストZERO年代の社会と観光」
「観光」の形態は時代が変わるにつれて変わってくる。戦後日本でも飛行機の誕生から旅行業界の勃興などがあった。そのためか、自由な旅行もあれば、旅行会社のパッケージ旅行もあれば、電車や飛行機を使うことにより、移動手段も増えていった。

第2章「境港「水木しげるロード」徹底研究」
今年の春の叙勲にて水木しげる氏は文化功労者となった。「ゲゲゲの鬼太郎」やその源となった「墓場鬼太郎」などが有名である。また朝の連続テレビ小説でも「ゲゲゲの女房」の原作となった。
それはさておき日本一の漁港である境港があることで知られる鳥取県境港市では1992年に「水木しげるロード」がつくられ、地域活性化の一環として話題となった。もともと水木しげる氏の出身地にあることからそれにちなんだ「ゲゲゲの鬼太郎」でもって地域活性化を図ろうとしたのである。
あれから19年間、「水木しげるロード」が誕生する前も、誕生した後でも数多くの難題が立ちはだかったが、それを一つ一つアイデアを出しながら解決していくさまについて本書では描いている。

第3章「もっとある! 地域力演出に役立つ「物語」」
「水木しげるロード」のみならず、最近ではマンガやアニメ作品で「地域活性化」させる、いわゆる「聖地巡礼」の旅が話題にあがっている。一例には「らき☆すた(埼玉県久喜市)」「花咲くいろは(石川県金沢市)」が挙げられる。
他にも伝説や民話などを地域活性化の材料として使うこともある。岩手県遠野市の「遠野物語」がその代表である。

「地域活性化」は経済的に疲弊している地方にとっては至上課題の一つと言える。最も観光の目玉をどれにするかについては、地方自治体にとっても悩みの種であり、地域住民や発展の間で悩む地方も少なくない。だからでこそ観光の目玉をどうしたらよいのか、というのを本書ではそれを示している。「水木しげるロード」が中心となっているのと「目玉」を力説したいことにちなんで、で本書のジャケットに「目玉おやじ」としているのだろう、と思ったのは私だけであろうか。

検証 キルギス政変―天山小国の挑戦

検証 キルギス政変―天山小国の挑戦 検証 キルギス政変―天山小国の挑戦
浜野 道博

東洋書店  2011-09
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2010年4月7日

日本から遠く離れた「キルギス」と言う国で民衆が蜂起、時の政権はたった一日で倒れた。しかしその2ヶ月後には民族対立が激化、内紛となり数百人が死亡した。
かつてキルギスは冷戦終結後からロシアの干渉により様々な事件や紛争が起こったところとして知られている。しかし今回のそれとは訳が違っており、最初にもいったとおりキルギス国内、及び国民によって起こった政変であった。
本書ではニュースでも取り上げられた「キルギス政変」はいったい何だったのだろうかを考察している。

第一章「アカーエフの失敗と「チューリップ革命」」
キルギスが独立したのは1991年、そして本書のタイトルにあるアスカル・アカーエフが初代大統領に就任した。約15年という長期政権の中、革新的な政治が人気を呼んだが、長期になるにつれ、利権の占有など強権的な政治を行っていたことにより国内外で非難を浴びた。国内ではその非難のボルテージは年が経つにつれ高まり、それが頂点に達した2005年の大統領選挙の不正疑惑から端を発し「チューリップ革命」に発展した。
長期政権の「澱」が生み出した疑惑、そしてそれが上記に逸したものとなり、もう一つの革命の潮流を生み出した。アカーエフ政権の失敗とはそれなのかもしれない。

第二章「バキーエフの五年」
アカーエフの後任として選ばれたのが、クルマンベク・バキーエフである。そのバキーエフ政権はアカーエフとは対照的に保守的な政権であった。ましてやバキーエフは「個人権力」の確立の野望があったため、アメリカやロシアは警戒していた。
2010年の政変によってバキーエフ政権の終焉を迎えたのだが、そのきっかけの一つとなったのが息子への政権委譲にあった。しかももっと問題だったのは政権委譲そのもの委譲に委譲する息子であった。息子は2006年にビジネスマンに転身したが、それは名ばかりであり、本当はロシアを中心とした犯罪組織に荷担して荒稼ぎをしていたという。
それだけではない。公有地の売却などにより農村の生活が圧迫され、破産に追い込まれた農民も多発した。急速な資本主義によって日本とは比べものにならないほどの格差が生じたことも要因としてある。

第三章「民衆蜂起から民族衝突へ」
そして2010年4月7日がやってきた。バキーエフ政権は崩壊し、新たにローザ・オトゥンバエヴァが暫定政府を誕生させ大統領に就任した(7月に正式な政府の大統領に就任)。バキーエフはキルギスから脱出し亡命した。辞表に署名したと伝えられていたが、あくまで正式なものではなく、ましてやバキーエフと反バキーエフの対立が激化した状態のまま暫定政権が誕生したため、民族同士の衝突が起こり、内紛状態となった。

第四章「開いた傷口」
オトゥンバエヴァ大統領は暫定政権から正式な政権とし、民族衝突の収拾を図った。憲法の制定や連立政権など対立軸にあるようなものを排除しつつ、「自由」を標榜した政治を行った。民族衝突は次第に沈静しつつあるが、完全になくなったとは言えず、これからも続く。果たしてその衝突がなくなる日がいつになるのか、定かではない。

現在も動乱の続いているキルギスであるが、今年の大晦日には新たにアルマズベク・アタンバエフが大統領に就任する。4人目の大統領であるが、彼が大統領になったとき、キルギスがどうなっているのか、世界中でも注目が集まる。「キルギスの時計の針が進むのか、あるいは戻るのか」と。

学校と社会の現代史

学校と社会の現代史 (放送大学叢書) 学校と社会の現代史 (放送大学叢書)
竹内 洋

左右社  2011-09-29
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「教育問題」が叫ばれるのは今も昔も変わらない。しかしこの「教育問題」も一括りに言ったもので、小中高校をはじめとした学校そのものの問題、あるいは教育指導要領をはじめとした教育内容にかかわる問題など様々である。
その「教育問題」は時代とともに変化をしていっている。本書は教育問題そのものを現在あるものだけではなく、戦中・戦後問わず教育の歴史を紐解くことによって教育問題解決への道筋を示している。

第一章「高度成長と教育拡大」
戦後から経済成長は続き、後に「高度経済成長」と呼ばれる長期的な好景気が日本の経済界で起こった。その経済成長とともに生活水準も上がり、やがて教育水準も上がっていった。戦前・戦中あたりは大学進学でさえも珍しかった時代であったため、受験戦争もだんだん過熱化していった。

第二章「大衆受験社会」
高度経済成長の時代前後には「良い大人になるには、良い高校に入り、一流の大学、そして一流の企業に就職をする」という固定観念が蔓延していた。
そのことによって「受験」そのものにスポットライトを浴びることとなり、毎年秋から冬にかけて「受験」や「入試」にまつわる記事が乱舞した。今や「大学全入時代」であるが、その熱は今でも続いている。

第三章「教育問題の変貌」
本書の核心の一つと言える。というのは、本書は教育の歴史、そして「教育問題の歴史」の考察も行っている。
本章では戦後初めての「教育調査」を行っている資料も存在しており、1952年がもっとも古いのだという。1952年だとGHQの統制から解放されて間もない年と言える。テーマは「戦中教育の反省点」だという。戦後教育の礎となったか、単なるサンプルとして扱われたか定かではないが、教育問題自体は戦後間もない時から始まっていたのは間違いない。

第四章「学校への疑惑」
戦前における学校は「希望の場」であった。しかし戦後になってから学校に対する「疑惑」が生じ始めた。戦後のタイミングでそういった「疑惑」が生じたと考えると、GHQの洗脳があったのではという疑念を生じてしまう。

第五章「葛藤の場としての学校」
社会には様々な「矛盾」を生じている。その「矛盾」との葛藤を戦いつつ最適解を見つけていくことで社会そのものを変化させる。
教育の場としての「葛藤」もまたある。本章では学校が「葛藤」の場であり、社会における「葛藤」を学べるところについて考察を行っている。

第六章「教育問題の考え方」
昨今起こっている教育問題の中から「いじめ」や「不登校」についてを、本章では数学的観点から考察している。

第七章「パブリック・スクールというノスタルジア」
簡単に言うと、日本では一般的である「公立学校(パブリック・スクール)」が世界的に誕生したあらましと行く末について追っている。

今も昔も「教育問題」は付きまとっている。しかし問題があるからでこそ教育そのものは暗くなるわけではなく、むしろ明るくすることができるのではないかと思ってしまう。教育問題は「教育」そのものがある限り永遠に解決はしない。しかしその「教育問題」を面と向き合い続けることにより教育は良くなるのではないだろうか。

手帳カスタマイズ術 最強の「マイ手帳」を作る58のヒント

手帳カスタマイズ術 最強の「マイ手帳」を作る58のヒント 手帳カスタマイズ術 最強の「マイ手帳」を作る58のヒント
舘神 龍彦

ダイヤモンド社  2011-12-02
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ダイヤモンド社 市川様より献本御礼。
そろそろ2012年の手帳販売も佳境を迎える頃である。私の周りにもだいたい「1月始まり」の手帳を購入する人も多い。本書もそれに向けての一冊であるが、前にも同じ手帳術にて書いてあるとおり、私は大学生の頃から「4月始まり」の手帳を毎年購入している。当然来年も同様に購入するため、私自身は4月版の形で見ることとする。

CHAPTER1「「貼る」「挟む」でマイ手帳にアレンジする」
著者が使用している手帳は「ほぼ日手帳」や「「超」整理手帳」など複数の手帳を切り貼りし、かつ自作や市販のリフィルを使い、かつパーツも増設するなどをして、本当の意味で「マイ手帳」として作り、使用している。
本章でもメモ帳やカレンダーについてを取り上げている。

CHAPTER2「「自作リフィル」で自分だけの習慣化フォーマットを作る」
「リフィル」とは、簡単に言うと「6穴の専用用紙」のことを言い、用途はメモ帳やTodoリスト、カレンダーなど多岐にわたる。
本章ではそのリフィル「自作」のすすめであるが、いきなり最初から自作を進めているだけではなく、ダウンロードもののリフィルを自作用にカスタマイズする方法も掲載している。それ故ダウンロードのアドレスもふんだんに掲載している。

CHAPTER3「パーツを増設してマイ手帳の可能性を無限大にする」
手帳は「書く」ためだけではなく筆記用具などを収納する道具にもなる。本章ではそれを実現できるための「パーツ」を紹介している。モレスキン風にゴムで留めるものもあれば、スマートフォンやメモ帳などを収納する方法まで記載されており、手帳の使い方がますます幅を広げることができる。

CHAPTER4「毎日の生活に活かすマイ手帳カスタマイズ術」
カスタマイズ術のなかでもどちらかというと「プライベート」向けのカスタマイズ術を紹介している。リストやふせん、マップなどが中心として挙げられている。

CHAPTER5「仕事に活かすマイ手帳カスタマイズ術」
私の中でももっぱら手帳が活かされるのは「仕事」であることが多い。本章でもその場合のカスタマイズ法を紹介しているのだが、課題や議事録、人脈や工程などが中心として挙げられている。

CHAPTER6「マイ手帳を使いこなすためのデジアナ併用術」
巷では様々な手帳術が紹介されているのだが、クラウドが使われ初めてから「システム手帳」よりも「クラウド手帳術」などデジタル中心の手帳術も紹介されている。
本章でもクラウドを用いるのだが、あくまでクラウドなどの「デジタル」でも、紙媒体での「アナログ」も一元化することによって両方の強みを活かしながら手帳をカスタマイズする方法を紹介している。

手帳の使い方は人それぞれである。仕事の業種・職種をはじめ、仕事の内容から、考え方、仕事以外でもプライベートでも使い方は多岐にわたる。これから来年の手帳を買う人も多いようだが、自分自身オリジナルの手帳をカスタマイズする事によって、手帳をツールとしての幅を広げるだけではなく、自らの夢や目標を手帳に載せて1年を飛躍することができる。手帳には無限の可能性を秘めている。そのことを本書は言っているのではないだろうか。

官僚制批判の論理と心理 - デモクラシーの友と敵

官僚制批判の論理と心理 - デモクラシーの友と敵 (2011-09-25T00:00:00.000) 官僚制批判の論理と心理 - デモクラシーの友と敵 (2011-09-25T00:00:00.000)
野口 雅弘

中央公論新社  2011-09-22
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近頃のTVや新聞でも相変わらず「官僚批判」が後を絶たない。もっとも「官僚を叩けば日本は良くなる」といった幻想を信じているようにしか私には思えない。
しかしその「官僚制批判」を政治哲学という観点から紐解けるという。本書はそれを明かしている。

第Ⅰ章「リヴァイアサンとロマン主義」
「リヴァイアサン」と言えば「万人の万人に対する闘争」で有名なトマス・ホッブズの代表的な作品である。主に階級的な政治(絶対王政)を肯定しつつも、自然状態を紐解いている。官僚制の政治はそのような政治の中で醸成された。

第Ⅱ章「デモクラシーと官僚制」
やがてモンテスキューやルソーによって民主主義の概念ができつつなると、「官僚制」は弱体化する・・・かと思いきや、民主主義になったからでこそ「官僚制」が強まるケースも存在する、たとえば高度経済成長期の日本もその一つである。
その官僚制について、ホッブズやルソーらは政治論の傍論として論じられてきたが、その「官僚制」を本格的に論じ始めたのがトグウィルでありマックス・ウェーバーである。

第Ⅲ章「「正当性の危機」から新自由主義へ」
日本において「官僚バッシング」が起こり始めたのは1990年代、折しもバブルが崩壊し、「失われた10年」が到来した頃にあたる。それまでは経済が右肩上がりになっていくにつれ、官僚批判をしなくても日本は良くなるという考えが主であった。そのため主立った官僚批判は少なかった。しかし、バブル崩壊後は日本政治や経済に悲観的な見方を示したことから官僚批判が盛り上がったのかもしれない。

第Ⅳ章「「鉄の檻」以後のカリスマの問題」
「鉄の檻」とはマックス・ウェーバーが「支配の社会学」の中で閉鎖的な社会を揶揄して言われた言葉である。日本の「官僚制」の社会はその言葉に当てはまる。その強固な官僚制と言われる「鉄の檻」から脱した後の政治、あるいは政治家のことを論じている。

第Ⅴ章「読み直されるウェーバーの官僚制論」
ウェーバーの「官僚制」について論じたのは第Ⅳ章にて紹介した「支配の社会学」である。これは1922年に発表されたものであり、来年この本が発表されてちょうど80年を迎える。そのときだからでこそ、この「官僚制」について本格的に読み直そうという動きがある。

「官僚批判」は日本のみならず、世界のどこにでもある。しかし日本ではそれが20年もの間、その声を聞いたことがないほど様々なメディアで叫ばれている。しかし批判ばかりしていては何も変わらない。だからでこそ「官僚」はどのようにしてできたのか、原点を知る必要があるのではないのだろうか。

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