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無縁社会~“無縁死”三万二千人の衝撃

無縁社会 無縁社会
NHK「無縁社会プロジェクト」取材班

文藝春秋  2010-11-12
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最近は「コミュニティ」という言葉が薄れているのだという。しかしそれはあくまで「近所付き合い」という意味合いでの「コミュニティ」であり、ソーシャルメディアを介して様々な人たちとの交流を行う「コミュニティ」が進化しているため、広義での「コミュニティ」は衰えるどころか進化している、とも言える。
しかしその一方で前者の影響からか「孤独死」や「おひとりさま」といった人たちが多くなり、社会問題と化している。
本章ではそれらも含めた「無縁社会」が誕生し、「無縁死」がでていると警鐘を鳴らしている。

第一章「追跡「行旅死亡人」」

「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」

私は本書を読むまでこの言葉すら知らなかった。調べてみると「引き取り者のいない死者」のことを指しており、「縁」や「絆」が薄れてきた象徴として取り上げられることも少なくないという。
本章ではある「行旅死亡人」の身元を追いながら、社会とは何か、「つながり」とは何かを追っている。

第二章「薄れる家族の絆」
「孤独死」にあったとしても「身寄りがない」ことにより「行旅死亡人」になるケースもあれば「引き取り拒否」によりたらい回しにされることも少なくないのだという。
本章ではそのことについて追っているだけではなく、大学病院が実習などで使われる「献体」の現実についても書かれている。

第三章「単身化の時代」
「生涯未婚」
晩婚化が進んでいる一方で「非婚」も進んでおり、一生結婚できない、あるいはしない人たちが急増しているのだという。異性の嗜好の変化、もしくは価値観といったことから「非婚」を望んでいる人もいれば「経済的事情」から結婚の道をあきらめる人も多いのだという。

第四章「社縁が切れた後に」
最近では仕事が多くなったせいか、セミナーやパーティーに顔を出す機会は少なくなった。頻繁に参加していた時期には会社を退職なさった方と名刺交換したり、面識を持ったりする事もあった。
その中で仕事に集中することは大事だが、それがライフワークになってしまうと、定年になった時に寂しい思いをした、いう負の側面を教えてくれたことを今でも覚えている。
若いときは猛烈に仕事に集中していたが、いざ定年になると家族を始めとした「縁」が切れ、ひとりぼっちになってしまう方々も多くなっているのだという。
もっとも私は一人暮らしであり、仕事にも集中している時期であるが、これだけは気をつけておきたいと肝に銘じた。

第五章「"おひとりさま"の女性たち」
第三章とよく似ている内容になるのだが、本章では少し趣が違う。一昨年に東京大学教授の上野千鶴子氏が「おひとりさま」を上梓し、ベストセラーとなった。そこではポジティブな面からそれを推奨しているのだが、本章ではそれになったことによる負の側面を映し出している。

第六章「若い世代に広がる"無縁死"の恐怖」
本書の番組は昨年放送されたのだが、それに関してインターネットを中心に反響が大きかったのだという。特に私たちの世代を中心に、である。
私たちの世代は「死」とはほど遠い位置にいるのだが、その中での「無縁死」の恐怖、さらには昨今の雇用情勢や「つながり」といった影を落としている現実を本章では追っている。

第七章「絆を取り戻すために」
第一章と同じくある「行旅死亡人」を追った章であるが、それとともに「絆」とはいったい何なのだろうか。本章ではそのことについて考えさせられる。

本書で紹介されたものはあくまで「氷山の一角」と言える。昨今の社会ではバーチャルのつながりや強くなっている一方で「近所付き合い」や「家族」そのもののつながりが薄弱化しているようである。そのためにはどうしたらよいのか。家族にメールや手紙を送る、もしくは電話をかける。近所の人には挨拶でも良いので声をかけるだけでも「無縁死」を回避する第一歩を作ることができる。今の状況を憂うことであれば誰でもできる。その状況を知り、アクションをすることこそ私たちに課せられた課題といえるのではないのだろうか。

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