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チャランポラン闘病記――多発性硬化症との泣き笑い2000日

チャランポラン闘病記――多発性硬化症との泣き笑い2000日 チャランポラン闘病記――多発性硬化症との泣き笑い2000日
林家 こん平

講談社  2010-03-19
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私は小さい頃から「笑点」という番組が好きだった。記憶に残っているものでもっとも古いものは確か23年前だったか、ちょうど司会が今は亡き五代目三遊亭円楽師匠であり、当時の回答者には七代目桂才賀師匠がいた時であった。なかでも子供の頃からファンだったのが「林家こん平」師匠である。しかしそのこん平師匠も2004年8月を最後にレギュラー出演から外れた。最近出演されたのは円楽師匠が逝去して間もない時だったか。
一門としての苦労も一身に背負い、そして大看板に成長していった矢先の病魔に立ち向かった2000日、師匠と病気との闘いを本書は記録している。

第一章「突然襲った病魔」
2004年の6月20日放送分の「笑点」から異変が起こり始めていた。その日の桂歌丸師匠の挨拶の中でこう述べていた。
「実は先週、こん平師匠が喉ののどの調子が悪いせいで病院に1週間入院していたのだそうです。(以後略)」
その週からこん平師匠の声はかすれて聞こえるようになっていた(回答自体は衰えを見せておらず、かなり面白かったのは記憶に残っている)。
そして9月最初の放送を最後に笑点の画面から姿を消した。
そのころこん平師匠は病床にいた。喉の病気とともに「多発性硬化症」という難病を患ったのである。本章では発祥してから入院までの事についても綴っている。

第二章「15歳で上京してきた少年」
こん平師匠は笑点の自己紹介でいつもおっしゃっているように新潟県の「チャーザー村(新潟県長岡市小国町千谷沢)」の出身である。15歳に上京し初代林家三平に弟子入りした、と言いたいところであるが、トリを務めるほど大ブレイクしていた身であるが実際は「二つ目」という身分であるため、正式に入門したのは三平が真打になってからのことである。
入門してからは「訛り」との戦いであり、アナウンサーの発声練習よろしく言葉の矯正を毎日のように続けていたのは有名な話である。
それだけではなくライバルからの壮絶ないじめにも耐え抜いて前座人生を突っ走っていった。

第三章「『笑点』デビューと真打昇進」
こん平の人生の中で切っても切れないものの一つとして「笑点」がある。「笑点」の前身である「金曜夜席」のころから出演しており、そのときの思い出話も本章、及び次章にも綴っている。
「金曜夜席」、及び「笑点」に出始めた頃はまだ二つ目であった。当時の司会は立川談志であり、その人の思いで話もある。

第四章「師匠の死から一門を率いる苦労」
こん平師匠の中で最大の苦労話というとここに尽きる。一昨年に、海老名香葉子氏の「おかみさん」という本が発売されたのだが、そこには初代三平の死後、辛酸を舐めたエピソードが数多く詰まっていた。
本章でもそのことについても綴っているだけではなく、一昨年の秋に亡くなられた五代目円楽師匠の思い出も本章にて綴っている。

第五章「ジイジ、がんばって」
さて、「多発性硬化症」になってからの入院・リハビリ生活を本章と次章にわたって綴っている。入院生活とリハビリ生活では常にストレスや欲求不満(仕事や食事などに対する)との戦いであったという。
過酷なリハビリでも子供や孫、さらには仲間や弟子たちの励ましによって徐々に快方へ向かっていった。

第六章「消えぬ情熱」
こん平師匠はリハビリを続けながら、趣味の卓球に、そして高座にと活躍を続けている。
その間には弟子、とりわけ初代三平の息子たちが「九代目林家正蔵」「二代目林家三平」の襲名といったこともあった。そして現在では子や孫、さらには曾孫まで誕生ししている。65歳を過ぎた現在、難病は抱えているものの、元気に高座に卓球にと精力的に活動している。

「多発性硬化症」を患ってから現在までを綴られているだけではなく、出生から今までの自伝という形であった。しかし子供の頃からファンであった私にとっては「待ちに待った」といえる一冊であり、同時にこん平師匠の等身大をみることで改めて、こん平師匠の偉大さを知ることのできた一冊であった。

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