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ゲームセンター文化論―メディア社会のコミュニケーション

ゲームセンター文化論―メディア社会のコミュニケーション ゲームセンター文化論―メディア社会のコミュニケーション
加藤 裕康

新泉社  2011-03
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「ゲームセンター」は最近あまり行かないのだが、大学生の頃はほぼ毎週のようにゲームセンターに通って、格ゲーなどをして遊んでいた。そのせいか本書を手に取ってみたくなった。
そもそも「ゲームセンター」はどのような歴史を辿っていったのか、そしてどのような文化を形成していったのだろうか。本書はそれを考察した一冊である。

第1章「ゲームセンターへの視線」
ゲームセンターが一躍脚光を浴び始めたのは1970年代、ちょうど「スペース・インベーダー」がブームになった時の頃である。
そのころからゲームセンターの店舗数が増えていったのだがそれも長くは続かず、ファミコンなど家庭用ゲーム機の誕生により現象の一途を辿っていった。
「スペース・インベーダー」の誕生と同時に誕生したものの一つに「ゲーム批判」もある。これは30年以上経った現在絵も続いているが、当時は流行だった「スペース・インベーダー」に乗じたものが多かったのだという。

第2章「ゲームセンター文化の生成」
時代とともにゲームセンターの文化も変容していく。スペース・インベーダー誕生の頃は一人で楽しむものだったのが、「格ゲー」の誕生などにより見ず知らずの人たちと楽しむことができるようになった。現在ではオンライン対戦もあり、不特定多数の人たちと戦ったり、楽しんだり、コミュニケーションをとったりする事ができるようにもなった。
ゲームだけではない。雰囲気やきょう体にも変化が生じていった。本章ではその変遷も描いている。

第3章「コミュニケーション・ノート」
ゲームセンターもあるが、おもちゃ屋でもカードゲームの対戦ができるデュエル・スペースと呼ばれる所にも「コミュニケーション・ノート」は置かれていた。私はそういったところにも行ったことはあるのだが、むしろデュエル・スペースに行く頻度の方が高かった。そのためコミュニケーション・ノートと言うと。それを思い出させてしまう。
ゲームセンターでも同様にコミュニケーション・ノートがあるのだが、どのような役割を担っていたのだろうか。
当初は店員と客とのコミュニケーションとして使われていたのだが、いつの間にか「客」と「客」とのコミュニケーションにも一端を担うこととなる。

第4章「イラスト・ノート」
これはゲームセンターだけに限らずコミュニケーション・ノートのある様々な場所にも共通していえることかもしれないが、章のタイトルに出てくる「イラスト・ノート」もコミュニケーション・ノートの一つとして挙げられる。自己表現の場としての役割を担っている。

第5章「快適な居場所とするための戦略」
「コミュニケーション・ノート」はインターネットでいう「掲示板」の役割のはしりの如く大きな役割を持っていたのだが、悲しきかな「誹謗中傷」の道具に使われることもあった。そのためか、「客」と「店」、あるいは「客」と「客」の対立も目立つようになり、居心地が悪くなることさえあった。
その対策として締め出しなども行っているのだが、それも「イタチごっこ」にしかならなかった。

第6章「伝言・掲示板」
第3章以降からは「ゲームセンター」そのものよりも「コミュニケーション・ノート」の所が語られることが多い。これはいったいなにを意味しているのだろうか。
私の推測からして、「コミュニケーション・ノート」が誕生したのは、少なくともインターネットが普及し始める前であり、そのときは見ず知らずの人たちとコミュニケーションをとれる手段はせいぜいパソコン通信かコミュニケーション・ノートくらいしかなかったのだろう。そのコミュニケーション・ノートがインターネット普及により、そこにシフトしていったように思える。

ゲームセンターの空間ではゲームを楽しむだけではなく、「客」と「店」、そして「客」と「客」とのコミュニケーションにより成り立っているのかもしれない。「コミュニケーション・ノート」の存在がゲームセンターにとってどれほどの役割を示しているのか、本書はそれを教えてくれる。

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