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中村安希

亜紀書房  2011-05-09
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(株)オトバンク 上田様より献本御礼。
本書の著者はアメリカと日本の両方で社会人生活を送った後、世界各国で取材旅行をした経験を持つ。その著者が単身で永田町に飛び込み、国会議員を取材することを行った記録である。
今国会や政治が混迷を極めているというが、実際の場に私たちは足を踏み入れることは不可能に等しい。国会議員でさえも街頭演説でふれあうくらいがやっとである。著者はその国会議員とリアルで出会いどのように思ったのか、そして国会議員の「本心」は、いったいどうなのか。

第一章「国会議事堂前 一」
著者が国会議員に取材を始めたのは取材旅行から帰国して間もないときである。海外の取材がほとんどだったために、日本の政治についての情報もあまりないままの飛び込み取材だった。

第二章「ボロボロ」
帰国して国会議員の取材をする傍ら派遣社員としていくつもの仕事をしていたという話である。派遣社員の話はネガティブなものが多かったのだが、本章でもその例に漏れていなかった。

第三章「国会議事堂前 二」
国会議員のインタビューが中心であるが、飛び込み取材によって反省点や得られたことが多いように見えた。

第四章「バイバイ」
私たちの世代は選挙に行っていないという意見がある。本書において著者がインタビューをした国会議員の方々も口を揃えて言う。しかし本書では私たちの世代を代弁して政治システムの在り方にまで意見を述べていた。それだけではなく、著者なりの選挙システムの在り方まで提示しており、そのシステムについても私は「賛成」と言いたい。

第五章「リセット」
日本人は「変化」という言葉に嫌悪感を持つ傾向にある。むしろ「何も変わらないこと」、「安定」や「維持」という言葉に、どことなく安心感を生んでしまう。それが今の社会や経済、ひいては労働市場にも同様のことが言えるのかもしれないと考えてしまう。

第六章「スタートライン」
著者の小学生時代から大学時代までの歴史を綴っている、とりわけ中学生の時の話は本書の中でもっとも衝撃的であった。私の想像を遥かに凌駕するほどである。どれほど出会ったかは「当ブログでも書けないほど」である。

第七章「セルフスタート」
大学進学など高校生の卒業後の進路を元に著者の体験談とインタビューを織り交ぜている。進学か就職かと言う所であるのだが、著者はアメリカの大学に進学した。その時日本では「97年金融危機」が起こっていた。その後は私たちの世代が不況の煽りを最も受けてしまう世代となってしまった。

第八章「サバイバル」
人口の構造は20年前と今でははっきりと違っている。というのは非婚・晩婚などの理由による少子化によることで若い世代の人口が右肩下がりとなってしまったためにある。しかし「少子化政策」と称して、中国建国当時にあった「産めよ殖やせよ」と言うような内容が中心となっている。また経済も過去に行った政策を再び行えば大丈夫だろうという学者や識者もいる。
多かれ少なかれ時代は変化している。その変化の中で従来の政策や対策がうまくいくか、と言うと必ずしもそうではない。「臨機応変」その言葉は日本の国家にはないのだろうか、と著者は投げかけている。

第九章「コミュニケーション」
海外の人たちとのコミュニケーションをする重要性について書かれている。著者と私たちの世代の隔たりを垣間見える所である。というのは明白なものでは著者は取材のため約65もの国を回ってきた。それに引き替え私たちの世代は「嫌消費」。海外はおろか国内の旅行でも控えてしまう。
本章では自身の海外体験談を元にしている。

第十章「信頼」
日本は海外への災害援助や軍事でも後方支援で貢献をしている。また物資や資金でも援助を行っている事は事実である。では日本は国際的に信頼を得ているか、と言う質問にはどう答えるのだろうか。一番適切なものでは「信頼は得られているが、まだ足りない」というのが、現状では良いのかもしれない。

国会議員のインタビューと自身の生い立ちと海外体験談が中心となっている本書であるが、どことなく考えさせられる箇所が多かったように思えてならない。ニュースや雑誌では決して知り得る事のない「何か」、それは考えさせられる要素を著者は本書を通じて提供をしているように思える。

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