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脳と性と能力

脳と性と能力 (集英社新書) 脳と性と能力 (集英社新書)
カトリーヌ・ヴィダル ドロテ・ブノワ=ブロウエズ 金子 ゆき子

集英社  2007-06-15
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「男性は女性の気持ちは分からない」
その逆もあるという。元々男女の傾向も違ってきており、女性はどちらかというと共生、男性は競争と言った言葉がよく似合う。
先週の水曜日に「ひみつの学校」という勉強会に参加したのだが、そこでは「感性トレンド」ばかりではなく、男性と女性の脳の違いについて取り上げられていた。
男性と女性の脳の違いを一慨であれば、定義づけられるものの、男性も女性も性格は様々であり、決めつけるのも非常に難しい。
とはいえ男性と女性の脳はいったい何なのか、どのような能力が備わっているのか、本書は「神経社会学」という聞き慣れない学問で考察を行っている。

第一章「男女間の争いにおける脳」
本書の問題提起は
「男女の間には知的能力や感情など、はっきりしたものははあるだろうか」
である。肉体的な違いは個人差はあるもののだいたいはっきりとしている。しかし中身、内なる感情はというと、たとえば「男勝りの女性」もいれば「女々しい男性」もいる。はっきりとした伏線は果たして張れるのかと考えると難しい。

第二章「違いを探せ」
先ほど書いたセミナーでも、本章でも取り上げられているが、男性と女性の脳の作られ方の違いとしてあるのが「脳梁」の器官がある。その太さの違いによるものが男性と女性の脳の違いになるのではないかという説である。
女性がおしゃべりの傾向にあるのも脳梁が太いからと言われており、太い脳梁によって、思っていることや感じたことが言語になりやすいからと言われている。

第三章「経験が脳をつくるとき」
様々なところで言われているが脳の形成は19歳まで成長するが、20歳を境に脳細胞が減少しはじめ、脳が衰えるとされている。しかし酒やタバコ、薬物などを未成年の時から服用すると、年齢に関係なく脳は衰えるとも言われている。
しかし成人になっても脳の刺激によって成長できると言われている。たとえば川島隆太教授の「脳トレ」もその一つである。

第四章「遺伝子とホルモンと性別」
では男性と女性の脳の違いは遺伝子やホルモンからきているのだろうかという疑問にはいるのだが、遺伝子が決まる「染色体」から性別や脳の傾向は決められないのだという。

第五章「情動と知性はホルモンの支配下に?」
男性が適するもの、女性が適するものも違ってきており、男性は細かい計算や明確なものが好む傾向にあり、女性はどちらかというと全体の空間、より物事を広くとらえられることを得意としている。
ほかにも女性には男性にはない「女の勘」や「母性本能」があると言われているが直感の鋭い、もしくは広くとらえられると言うところに影響しているのではないかと思う。

第六章「行動にどのような進化の刻印が押されているのか?」
男女の違い、それによって男尊女卑の社会が形成されていったのは史実としてある。しかしこの言葉にも語弊があり、韓国の宗教と経国大典を引き合いに出すが、男尊女卑の社会にいた中でも、儒教による母のあり方や存在について述べられている。女性は社会のなかでぞんざいに扱われているわけではないということがわかる。

第七章「性の混乱」
脳の働きの男女の傾向として様々な結論があるのだが、本章では様々な説に関しての批判について書かれている。

第八章「<神経社会学>へ?」
あまり聞き慣れない学問である。
しかし男性の女性の神経の違い、もしくは神経細胞の違いによって社会が大きく変わること、もしくは今まで精神医学でも解明できなかったところが解明できる可能性はある。社会学の範疇として新たな学問が開けるのかもしれない。

男性と女性の脳の違いはおそらく「永遠の課題」の一つなのかもしれない。というのは男性・女性と分けたとしてもその中で性格も思考も嗜好もそれぞれ違い、脳の働きも違ってくるのである。
しかし「神経社会学」がどのような学問か、そしてその可能性がよくわかる一冊であった。

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