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「葬儀」という仕事

「葬儀」という仕事 (平凡社新書) 「葬儀」という仕事 (平凡社新書)
小林 和登

平凡社  2009-07
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一昨年に映画「おくりびと」という映画が大ヒットした。「おくりびと」は納棺師のことについてつくられた映画であるが、そのことによって「葬儀」にまつわる関心が増えていったのも事実である。詳しくは第三章にて述べることとする。
葬儀業界には「どんぶり勘定」とも言えるとも言われかねないほど料金体系が統一されていなかった。しかし昨月の産経新聞でイオンが葬儀業界に進出したニュースがあり、葬儀における料金体系の透明化にも拍車がかかる。
本書は実際に葬儀業界にいる人が、業界事情や会社の内部にまで迫った一冊である。

第一章「職業としての葬儀」
著者は高校卒業後、夏はサーフィン、冬はスノーボードに明け暮れる日々が続き、いわゆる「ニート」と呼ばれる存在であった。しかし親に就職するように言われ新聞の折り込み広告から葬儀業界に飛び込んだ。
葬儀業界は高給取りであることでも有名であるが、死体を扱うということ、それぞれの事情(家族や関係者との)をかいま見ることを考えると相応の対価であると考える(しかしこれから効率化とか生産性とやらで切り詰められるかもしれないが)。死体を扱うにもスーツでなくてはならず、なんといっても「死臭」に耐えなくてはやっていけない。私でも想像できないほど壮絶な業界である。

第二章「やっぱり葬儀社はやめられない」
葬儀業界でも様々な人間模様があるが、なんといっても死体から、どのような事情で死んだのか、人間の悲惨さというのを読みとることができる。人の死をみた遺族の苦悩、悲しみというのを肌で感じることができるとなると、そこから学びにもなるが、感情的な人であれば辞めたくなってしまう。

第三章「葬儀をめぐる「ひと・もの・かね」」
葬儀専門の業者ができたのは江戸時代の中期と言われている。それまではというと遺体を放置するか土葬でもって供養をしたと推測できる。周りの人々が穴を掘り、供養をすることで葬儀としていた(村八分も例外として扱われていた)。葬儀業者ができたときには「地域密着」というのが主であったが、今でも「病院」や「警察」に指定された業者でなければやっていけないと言う。
さて映画「おくりびと」が大ヒットしたと言うがそれによりどのような影響が起きたかというと、「納棺師」の志望者が急増したという。ちなみに本章にも書かれているが「納棺師」は特定の地域でしか成り立っておらず、しかもできたのが約10年前と比較的新しい。

第四章「まっとうな葬儀をやりたい」
葬儀を行うにしても満足のいく値段と形式、内容などがあるが、事故死や自殺など予期せぬ死の時には準備もままならず、満足のいく葬儀はなかなかできない。むしろ天寿を全うするときには自分や家族がよく相談をする時間もあるため、満足のいく葬儀ができるという。
これは遺言などの相続争いについても似ており、あらかじめ公証人の下で遺言状を作成していた場合、相続の訴訟にならずにすむが、それがままならなかった場合は相続にまつわる法律に頼らなければならないため弁護士との相談、ひどいときには訴訟にまでなりかねない。
立場は違えど、部分的には似ているような気がする。

第五章「葬儀で損をしないために」
葬儀は今や「透明化」に向けて歩きだしたといっても良い。その中で私たちにあった葬儀体型を見極め、納得のいくまで詳細の見積もりを出し、双方ともに満足のいくモノにすることが大切である。

日本は高齢化社会であり、これから葬儀業界は改革される中、最も重要な業界の一つとしてあげられることになる。葬儀業界がいかに変わっていくのか、イオンの開けた風穴がどこまで広がるのか楽しみである。

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