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究極のテレビを創れ! ~感動に挑む絵づくり職人たち

究極のテレビを創れ! ~感動に挑む絵づくり職人たち (テック・ライブ!) 究極のテレビを創れ! ~感動に挑む絵づくり職人たち (テック・ライブ!)
麻倉 怜士 A5

技術評論社  2009-09-05
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技術評論社 傳様より献本御礼
テレビの歴史は長く1911年、帝政ロシアの科学者、ボリス・ロージングによってブラウン管を使った通信技術、すなわちテレビシステムの特許を取り、初めて送信実験を公開した。そういえば地デジ完全移行が2011年7月24日である。公の場でTV電波の送受信が行われてからちょうど100年となる年に完全移行という因果があるとは、と驚きを隠せない。
1世紀にわたる間、TVは多くの進化を遂げ、ブラウン管から液晶へ、そしてプラズマTVや有機ELのTVまでになった。本書は進化を続けるTVをつくる、より高画質のTVをつくるため日夜挑んでいる職人たちの軌跡について書かれている。

1章「「人の思い」を形にする挑戦」
液晶テレビが誕生したのは90年代後半になってから、それまではブラウン管が主流であった。むしろ家庭ではブラウン管しかなかったといってもいいかもしれない。
それまでブラウン管に甘んじていたかというと、そうではなかった。ブラウン管に変わる技術を試行錯誤重ねたが実用化されることがなかったものもたくさんあった。
もっともブラウン管も、ノイズの除去や解像度の改善といった進化を遂げていた。

2章「液晶パネル高画質への挑戦」
液晶ディスプレイが販売され始めたのは1982年であるが、実用化されるまで時間を要した。ブラウン管であれば発行性を要するだけであったのだが、液晶パネルでは光(バックライト)を受け取って画像にさせる仕組みだったため、長時間着光に耐えられるものでなければ実用化が不可能であった。光に耐えられる液晶の開発を試行錯誤の上で行い、ついにTVの薄型化で大きな進化を遂げた。

3章「プラズマパネル超高画質への挑戦」
次なる進化は「プラズマ」への挑戦だった。液晶パネルが十分市場に出回り次ぎなる技術が必要だったからである。
本章では松下電器産業(現:パナソニック)の「パイオニア」というプラズマテレビの開発について迫っている。

4章「デジタルの力が起こした画質革命」
よくTVを宣伝するCMにおいて「ハイビジョン」や「高画質」という言葉が乱舞している。TVを創る人々は、ビット・コントラスト・色彩のこだわりが如実に表現される。5章も「絵づくり」に関してであるがそれの序章の感じをにおわせるところでもある。

5章「絵づくり職人が生み出す画質マジック」
もっともスペックといった話はパソコンなど「使う」機械によって言われるせいか、TVではそのような言葉はでてこない。むしろ4章で述べたように「画質」といった技術と言うよりも、画家のようなセンスが鍵を握っている。よりリアルに近づくために、日夜画質と戦っている。

6章「ニューデバイス「究極の高画質」への挑戦」
日夜画質と戦っている中で新たな形のTVも次々とでてきている。最近でいったら「有機EL」のTVがある。これは携帯電話のモニターで使われていることがほとんどであり、薄型でありながら自らも発光性を持つ。そのことにより液晶より画質がきれいでありながら省エネもでき一石二鳥といえる。しかし重大な欠点があるのは大型になるほど画像にムラができることにあった。「有機EL」のTVが開発され始めたのは98年頃、ちょうど携帯電話がポケベルやPHSに代わり隆盛し始める頃からであった。そのころから画面のムラをなくすなど進化を遂げ、ついに一昨年、世に出回り始めた。

7章「近未来のテレビテクノロジー」
これまで様々な形で画質とともにTVは進化してきた。これからはどのような進化を遂げるのか。2011年の地で次完全移行後のTVはどうなっていくのか、放送のスタイルとも合わせて興味深いところと言える。本章では近未来でありながらも実現の近い「4K×2K(4000×2000画素)」という高画質をはるかに凌駕するものから、3Dテレビなど昔「おとぎ話」や「夢のまた夢」と言われていたものについて取り上げられている。今の進化を見て行くとこれらの技術が現実のものとなるのは時間の問題かもしれない。

日々進化を続けるTV、その裏では「職人」の息吹が芽生えている。世界最先端と言われる日本の工業技術はいまだ衰えを知らない。本書を読んでそう思えた。

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