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「お通し」はなぜ必ず出るのか―ビジネスは飲食店に学べ

「お通し」はなぜ必ず出るのか―ビジネスは飲食店に学べ (新潮新書) 「お通し」はなぜ必ず出るのか―ビジネスは飲食店に学べ (新潮新書)
子安 大輔

新潮社  2009-05
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「お通し」と言うと必ずと言ってもいいほど、居酒屋を思い出す。社会人になってから宴会や懇親会の時だけしか居酒屋に足を運ぶということはないのだが、その時に出される「お通し」と言うのはなかなか酒にあっていて美味である。しかし居酒屋に行くと必ず「お通し」と言うのが出るがこれは一体なぜなのか、これは「注文が入ってから客に出すまでのつなぎとして出される品物」のことを言っている。これはあらかじめ作っておいたものから、昨日の残り物といったものまで様々である。良く考えてみると後者を効率的に出しているということであれば現在多い「食品ロス」の予防線にもなるのである種の効率化を図ることができるのだから、日本の居酒屋と言うのは非常に合理的、かつ効率的と言える。
ヨタ話はさておき、本書は飲食店からみた「ビジネス」について迫った一冊である。

第1章「そもそも飲食店って儲かるの?」
飲食店やコンビニ弁当などを総称して、「外食業界」と言われているが、この業界自体は自動車以上に規模が大きく、24兆円市場とも言われている。それの大部分を支えているのがファーストフードチェーンやコンビニといったものの割合が多い。
しかしこれは、あくまで「売上」をもとにして算出されており、実際の利益は人件費や原材料費に割かれているため、思ったほど上がっていないというのが現状としてある。

第2章「ジンギスカンと立ち飲みのあいだ」
この業界と言うのは「流行しやすい」反面「廃れやすい」と言われており、スープカレーやもつ鍋といったものがブームになり、それに関する専門店やメニューが増加するが、すぐに取りやめになったり、店をたたむというのが続出している。
本章では2004〜2005年に流行したジンギスカンと、同時期にひそかにではあるが流行した立ち飲み屋についてピックアップしている。これについて関心はあったのだが、北海道出身のせいか、ジンギスカンは結構な頻度で食しており、肉の中でも最も好物であるためそれほど驚きもせず、流行にも乗ることはなく、立ち飲み屋も実は1度も言ったことがない。

第3章「「女性に人気のヘルシー店」は潰れる」
今日は「健康ブーム」もあってかヘルシーメニューと謳う店も増えてきている。「若い女性」をターゲットにした飲食店も多い。しかしそれらは本当に女性の心をつかんでいるのかというのはいささか疑問に持っている店舗も多く、そもそもマーケットとして成り立っているのかというのもあるという。

第4章「情報化が偽装を生み出す」
今日は情報化社会と言われており、情報の激流の中どのようにして正しい情報を入手するのかというのが課題として挙げられる。情報の中には虚偽や誇張といったものもあるため、それをうまく分別できるのかというのも情報取得の技術として挙げられるが、なかなか思う通りにはいかないというのが悲しきかな現実である。

第5章「偽グルメ情報にご用心」
こちらも第4章と同じようなことを言っている。

第6章「「オーナーの夢だった店」は潰れる」
「オーナーの夢だった店」と言うとあまりピンとこないのだが、自ら理想としてあった店を開店することによって利益が生み出されるといったら大間違いと指摘している。出店にしても、勝利の採算がつかなければ結局のところ「無駄骨」と言う他ない。

第7章「ショッピングセンターはおいしいか」
私は良くショッピングセンターに行くが、そこでの飲食店はどうなのかということについて書かれている。良く行くので関心があるのだが、本章によるとどうやら「マイナスの要素」があるという。似たような店舗が誕生することによって、期待外れと思ってしまう客が増えていく、そのことによって外食業界そのものの売り上げが減少するということから「マイナスの要素」と言っている。

第8章「店舗拡大の落とし穴」
店舗拡大というとオープンしたら非常に人気があったので、2号店・3号店を作ることによって客獲得を拡大しようとするものであるが、今日のご時世、かつ外食業界全体の縮小化と言うのが著しい中本当に意味があるのかと疑問を呈している。

第9章「上場は勲章ではない」
ワタミや白木屋など東証に情報している飲食店と言うのは少なくない。それらがブランドとして成り立っているからであるが、ブランド化することによっての綻びがあり、売り上げにも直結しないと指摘している。綻びと言うとおそらく「労働環境」と言うのが挙げられるのかもしれない。

第10章「飲食店の周りに広がる「宝の山」」
外食業界は暗い話題ばかりではない。暗くなっている周りには宝と言うのがちりばめられているという。オンラインにおける予約、ファンド、廃棄物マネジメントなど見えないところで外食業界が盛り上がれる要素がいくつも存在する。

第11章「「個店の時代」が到来する」
著者によるとこれからは「個店」というのが流行すると見られている。個人経営する店のことであり、ビジネスとは関係なく、気軽に楽しめる飲食店についてのことを言っている。

第12章「食が日本の輸出企業になる」
いかにも嘘話のように聞こえてならないのだが、これは「飲食店の輸出」ということを表しており、必ずしも、農業で生産される「食品」の輸出が伸びるということではない。考えてみればコンビニが日本のスタイルが形成され、海外に逆輸入と言う形で扱われている。日本食ブームにのっとりすしやてんぷらなども人気である。これからは「ジャパニーズ・ファーストフード」が跋扈する時代が来るのではと著者は考える。

外食業界はなかなか奥が深く、暗いと言われているが、その反面大きな可能性を秘めているというのが分かる。女性に人気と言うようにメディアが面白がるようなものではなく、味や本当の意味での競争ができる飲食店と言うのが作られるというのを願ってやまないが、私自身あまり外食しない人間なので説得力に欠けてしまう。

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