「幽霊屋敷」の文化史
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「幽霊屋敷」の文化史 (講談社現代新書)
著者:加藤 耕一 | |
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これから厳しい夏ということで、「怪異の風景学」に続いて「怪談」シリーズとなった。いっそのこと「怪談」モノのシリーズ書評をしてみようかと考えてみようかと考えてみたり。
さて本書は「幽霊屋敷」についてである。
第一章「ホーンデッド・マンション再訪」
「ホーンデッド・マンション」と言うとディズニーランドのアトラクションの一つとして知られており、ディズニー映画のタイトルとなった。私はその映画自体観たことがなく、正直言ってタイトルを見ただけでもあまりピンとこない。
著者は本書のタイトルにある「幽霊屋敷」について様々なものを得るために東京ディズニーランドに直接足と運んだという。
昨年の春までは北海道に住んでいたので行きたいという願望はあってもそう簡単に行けるところではなかった。今は川崎に住んでいるので暇があれば簡単に行けるところであるが、どうも気乗りがしない。
第二章「それはゴシック・ストーリーから始まった」
ゴシック・ストーリーという聞きなれない言葉が出てきた。これは中世のゴシック様式から出てきており、ルネッサンス期に栄えた美術形式である。古代ギリシャやローマの文化を理想とした文化であり、それに関する美術や彫刻といったものが多く世に出た時代でもある。
本章ではシェイクスピアを中心に多くの美術や文学に関する「幽霊」について、おもに廃墟や墓所という所に着目をしている。
本章では本格的に幽霊屋敷をピックアップしているが、お化けという感じよりは美術という印象が強い。
第三章「そこには不気味な館は建つ」
怖いもの好きな人はここからどうぞ、と言いたくなる。
本章はゴシック文学について紹介しているところであるが、本章ではそのほんの一部を抜粋しながら紹介しているため、文学作品の恐怖感というのをそのまま味わえる。一部だけなのでそれに興味を持ったら紹介された作品を読むと良いので一石二鳥と言うべきだろうか。
本章の最後にはラフカディオ・ハーンの晩年のエッセイ「ゴシックの恐怖」についても取り上げられている。
第四章「ファンタスマゴリーの魅惑」
「ファンタスマゴリー」というのは18世紀に発明されたフランスの幻灯機を使った幽霊ショーのことである。
英語では「ファンタスマゴリア」と呼ばれ、19世紀のヨーロッパでは隠喩的な言葉として扱われてきた。
第五章「蝋人形とペッパーズ・ゴースト」
ここまで来るとあまり幽霊のことについて知らない人でもとっつきやすくなる。
「蝋人形の館」と言うと聖飢魔Ⅱのヒットナンバーとして知られている。では実際に蝋人形の館というのはあるのかというと美術作品として1882年にマダム・ダッソーが描いた「蝋人形館」というのが存在している。他にもあるのかもしれないが本章ではこれしか紹介されていなかった。
そしてもう一つ、「ペッパー・ゴースト」は照明技術により視覚トリックを用いて幽霊を登場させるという技術である。これを考案したのも19世紀で、1862年のクリスマスの時に初めて行われたとされている。
今やゴーストハウスのアトラクションや怖い話の舞台でも用いられているためメジャーとなっているが、主に技術としての幽霊文化という所を本章では着目している。
第六章「幽霊屋敷のアメリカ化」
日本では幽霊の出るところと言うと廃屋や誰も通らないトンネルや道路、そして樹海といったものを思いつくことだろう。
しかしアメリカなど欧米諸国では「城」というイメージが強い。なぜイメージが強いのか。それはだ一章で書いたディズニーランドの「ホーンデッド・マンション」の影響が強いからであるという。
本書は「幽霊屋敷」と書かれているが、結局のところ「ホーンデッド・マンション」に対しての文化誌を考察した一冊である。ディズニーランドに行き、そこで「ホーンデッド・マンション」を体感してからでないと本書の真髄はなかなかわからないようにできている。とはいえ幽霊屋敷に関する芸術や文学といったものをについて紹介されている作品も多いので本書を読んでから体験をするというのもまた一興なのかもしれない。
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