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国際正義の論理

国際正義の論理 (講談社現代新書) 国際正義の論理 (講談社現代新書)
押村 高

講談社  2008-10-17
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「国連安全保障理事会におかれましては、その議題について、客観性をもって、国際法の規定並びに正義及び衡平の原則に従いつつ討議をする義務があります。(p.7より)」
これは国連の安全保障理事会からある国へ送られた書簡である。ある国は5年前の3月に戦争を行い、民主化というのを名をうって復興に取り組んだが、結局泥沼化に陥ってしまった国である。当然その国の大統領、及びその国の信頼は大きく失墜してしまった。もうここまで書けばどこの国なのかはわかるだろう。「力こそ正義」というのを世界一の軍事力を振り回して自分が正義だというエゴイズムで成り立っている国である。イラク戦争の時も「大量破壊兵器があった」というのが完全に大義をすり替えて戦争を行っている。その前段階でもまるで日本にハル・ノートを突きつけたような無茶な要求をしたこともある。国連1441号決議である。ただフセイン政権はそのひどい内容を呑んだことがアメリカの誤算となり、大量破壊兵器が存在せず、査察延長を求める声が大きかったがアメリカはこれを拒否し、アメリカに対する批判が強くなり、アナン事務総長(当時)もアメリカに警告したほどである。そう考えると国際正義とは一体何なのかというのが分からなくなっている。そう考えるとこの「っ苦佐井正義」とは一体何なのか。
第一章「正義に「国境」ができるまで」
第二章「「国際正義」の誕生と変転」
第二章の途中までは哲学的な内容に入っているのであまりうまく説明できないので今回は第二章の後半から入っていくことにする。まず環境問題における国際正義であるが、環境問題自体は取り組まなければいけない問題ではあるのだが、その裏には「排出権取引」や「京都議定書」といった環境問題とは「あたかも関係があるように見えて実は政治的要素の濃い」ものまで含まれている。また環境問題に関して日本はヨーロッパのことを引き合いに出してまだ日本は環境対策が進んでいないと槍玉にあげる。京都議定書における二酸化炭素の排出削減目標が「1990年比」になっていることが最大のネックになっていることはご存じだろう。ドイツなどのヨーロッパでは冷戦などによるいざこざで環境対策をほとんど行っておらず、環境先進国ドイツでも東西ドイツの統一によりこの年には二酸化炭素排出量が急激に上がった年でもある。一方日本は第一次石油ショックを機に作業服など環境にやさしいものを取り入れてきた、もっと言うと90年が最も二酸化炭素の排出量が少なかった年でもある。日本は京都の環境会議でイニシアチブを取るつもりが逆にイニシアチブをとられた結果となったからでこそこういう結果になってしまった。ちなみに現在では6%削減の目標であったのだが逆に約7%増加しており、この履行が困難となっている。先に不履行を宣言したカナダではなんと1.5倍に膨れ上がっている(GHG data from UNFCCCより)。
第三章「正義の交錯としての戦争」
それぞれの国々はそれぞれの正義を持っている。その正義が交錯することによってさまざまな問題を引き起こしてしまう。戦争とは私も当然やりたくない。だがこの戦争について知らなければ語ることができない。戦争にはそれぞれの国々の正義がぶつかる。それが続く限り戦争というのはなくならないというのは事実であり、武器を使わなくとも戦争は起こり得る。例えば思想の戦争でも、人権問題を振りかざすようなこともある意味で「戦争」と呼べるものではなかろうか。
第四章「人道的介入」
戦争や紛争を人道的介入によるべきではあるもののではこの「人道的介入」をどのようにして行えばいいのか、そしてそれが効果をもたらすのだろうかというのはまだ定かになっていない。「人道的介入」とは、武器を持たずして、主に先進国が仲裁を行うことによって、対話という形での和平・和解を促すことを指す。「人道的介入」を行ったことによってガーナやリベリアなどで成果を上げているが、「人道的介入」が先進国がイニシアチブをとって解決するというのが難しいところがある。
第五章「貧困の放置は不正なのか」
今年の10月中旬に取り上げた「貧困問題」だが、これを招いた原因から入っているが、資源が乏しい、もしくは資源があってもそれを国益にできない「風土原因論」か西欧の植民地化による「西欧責任論」かという所から入っている。どちらかなのかというのもはっきりとしない。だがこれだけは言える。植民地化に関して何らかのかかわりはあるということは間違いないと思う。
第六章「行動する主体と責任」
第七章「文明と正義」
文明と正義というのはある意味で似ているように思える。文明によってはほかの文明を否定し、自らの正義による戦争によって崩壊させる。もしくは国連の組織やグローバリズムを濫用することによって文明を破壊するということもある。西郷隆盛の言葉を借りればそういうことを「野蛮」という。
第八章「人権をめぐる文明間対話」
近年では「人権」という名を用いた「正義」がよく使われる。例えば「国際人権委員会」における日本への避難がいい例である。また刑事裁判における被害者・加害者双方の人権のぶつかり合いもまた「正義」のぶつかり合いと言えよう。
人権や権利、自由や「正義」というのはだれしもが平等にあるとは限らない。憲法上担保されていると言えどもこれらというのは必ずと言ってもいいほど対立するものである。その対立によって不平等をこうむったりするというのは法律論以前に自然的に、哲学的にも必ず起こるものである。
さて日本は正義を振りかざせるのかということも考えるべきだろう。何せ戦後60年以上アメリカの似非「正義」という傘に守られ続けているが、もし北朝鮮や中国から攻め入られた時には必ずと言ってもいいほど見捨てられる。今こそ軍備も含めて日本の在り方、「正義」を見直す時期に入っているのではないだろうか。

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コメント

■豪 CO2削減で慎重な目標-サブプラムローンと排出権取引の失敗が重ならなかったことはまさに人類にとって僥倖か?
こんにちは。オーストラリアのCO2削減目標下げたこと妥当だと思います。多くの人があまり気づいていないようですが、地球温暖化二酸化炭素説にもとづく、排出権取引が今よりももっと普及していたらと思うと、背筋がゾッとします。排出権取引は、はっきりいって、サブプライムローンと同等もしくはそれ以下の低劣な金融デリバティブ商品です。もし、排出権取引がサブプライムローンのように証券化され、多数の取引がなされていたとしたら、そうして、サブプライムローンと同時期に同じような問題を引き起こしていたら、今の金融危機などはるかに上回る大恐慌になっていたかもしれません。意味のない排出権取引など破棄すべきです。今や人類にとってほとんど意味のない地球温暖化二酸化炭素説ならびに温暖化災厄説の呪縛を解き放ち、人類にとってより良い選択をするときです!!

>yutakarlsonさん。

コメントありがとうございます。

>地球温暖化二酸化炭素説にもとづく、排出権取引が今よりももっと普及していたらと思うと、背筋がゾッとします。

排出権取引(現在では「排出量取引」)は明らかに政治的な取り決めで行われており、あたかも二酸化炭素が地球温暖化の根源であるというあたかも定説化されていることには糾弾しなくてはなりません。

>意味のない排出権取引など破棄すべきです。

まさにそのとおりです。排出権取引を破棄し、環境対策をよりよいものとすることを議論する必要があります。

最後になりますが、ブログを拝見いたしました。環境問題について非常に詳しく書かれており、私も勉強になります。ぜひこのブログを続けてください。ありがとうございました。

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