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日本は財政危機ではない!

日本は財政危機ではない! 日本は財政危機ではない!
高橋 洋一

講談社  2008-10-10
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表題からして衝撃的である。
本書は日本の財政についてを明かしている。まず先に日本の借金は約850兆円以上ある。しかし高橋氏に言わせれば財政危機ではないと主張している。その理由の一つに「埋蔵金」が隠されていること、そのほかには財務省が行っている数字のレトリックがあるという。本財務相官僚である高橋氏だからでこそ語れることがたくさん書かれている。
序章「「日本は財政危機」の嘘」
現在日本は未曾有の大赤字を抱えている。それを為した最たる機関は官僚である。その官僚の経済音痴で積み重なってしまったのだと著者は主張している。さらに政治家も強調という名の媚びすぎにより諸外国に利益を持っていかれた形である。国際社会は著者も述べているとおり弱肉強食である。自国の利益を最優先にしなければならないが、どうも日本政府、及び官僚のお人好しの体質が国益優先になっていないようである(ただし、一部の政治家や官僚はそうではないということだけは付け加えておく)。
第一章「財務省「増税キャンペーン」」
財務省の「増税キャンペーン」についてこきおろしている。増税派の最たる人と言えば与謝野氏であるが、増税が必ずしも悪いというわけではないのは私も同じである。何が何でも増税反対、減税すべきという人もいるが、ではこの財源はどこから持ってくるべきなのかというのをあえて問いたくなる。確かに消費者にとっては消費税増税は死活問題になりかねない。しかし増税の前にやることがあるのではないか。上げ潮派も著者も同じ意見である。それの証拠に埋蔵金と経済成長が挙げられる。
第二章「埋蔵金をめぐる政官の攻防」
しかし財務官僚は埋蔵金の実態を否定し続けている。さらにそれをひた隠しにしながら、いまだに国民に向けて増税しなければ財政破綻するという煽動を行っている。この第2章では特別会計が載せてある。これを見ると黒字がほとんどであり、黒字分はどこで使われているのかというのが知りたくなる。官僚がこの黒字を食い物にしているのだろうか。あるいは献金という形で政治家に配分されているのか。
第三章「埋蔵金の全貌」
埋蔵金の全貌について書かれており、「霞が関埋蔵金50兆円リスト」という図表もある。その中で最も多いのが独立行政法人の「出資金」への売却が全体の約3割を占めている。それ以外にも細々と内訳が書かれており、どこから捻出しているのかがよくわかる。そしてここでもう一つ気になる文言があった。
「完全民営化」と
「完全に民営化」である。
この2つの文言は一見意味は同じように見えるが実は意味合いが異なる。
「完全民営化」は民有・民営を携帯に取る民営化である。要するに国有、もしくは特殊保有ということから完全に脱し、本格的に民に委ねることになる。「完全に民営化」であるがまず「民営化」の意味合いから変わってくる。「民営化」にもいくつか意味があり、一つは「完全民営化」と同じ意味合い、もう一つは「特殊法人化」(JRの初期形態などがこれにあたる)、さらにもう一つは政府が根拠の法律だけを持つ形態(農林中央金庫など)がある。この「完全に民営化」は2つ目、もしくは3つ目の意味にあたることが非常に多い。つまり民営化は名ばかりで「民営化はするが官僚の管轄内に入ること」になる。ここが官僚のあざといところと言えよう。
そしてもう一つは「周波数オークション」について書かれているが、これについては私自身あまりよくわからない。池田信夫教授のブログに詳しく書かれているのでそちらを参照されたい。
第四章「増税を行う前に行うべき税制改革」
よく「増税」というと消費税が挙げられることが多い。しかし本当の「増税」というと我々消費者が喜ぶ法人税の増税もあれば、最近では「後期高齢者医療制度」のように「老人の切り捨てか」と言われるような相続税の増税、酒を飲む人への反発も多い「酒税」など様々な増税ができる。しかし永田町の政治家は「消費税」にこだわる。それはなぜか「自民党の古参が容認しやすい」からであると著者は言う。所得税の増税はどうかというと応援してくれる団体が反発しやすいからであるという。ここに応援団体と政治家の異様な駆け引きがあるように思える。応援団体はある程度所得をもっている人たちが多い。それにより富裕層を搾取するつもりかと反発し、次回選挙では応援するし地蔵が激減してしまっては政治生命が絶たれてしまう。それを防止するために所得税や法人税を増税することができないという。
第五章「日本がよみがえる金融政策」
第六章「官僚帝国の逆襲」
第七章「官僚内閣制の脅威」
終章「道州制で変わる日本の財政」
埋蔵金にまつわる様々なことについて新たな事実が明らかになった。そう考えると日本は財政危機ではないというのはその通りかもしれない。しかし埋蔵金があるからと言って、それを逆手にとってバラマキ政策の連続を行っているようでは純粋な赤字の増加に伴って、いよいよデフォルト(債務不履行)になってしまっては意味がない。霞が関の役人は自分達が行った過失を認めるべきではないのか。そして赤字を減らす、もしくは予算を黒字に持っていかせるためにどうすればいいのかというのを活発に議論すべきではないだろうか。赤字まみれの大阪府が橋下知事による財政の抜本的改革を今度は国主導で行うべきではないだろうか。いくらでも手段はある。

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