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最前線のリーダーシップ

最前線のリーダーシップ 最前線のリーダーシップ
マーティ・リンスキー ロナルド・A・ハイフェッツ 竹中 平蔵

ファーストプレス  2007-11-08
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最前線に立つリーダーというのは非常にかっこいい存在であり目標である。社会人たるもの目指すべきところがそこにある。しかしリーダーという存在は危険やピンチと隣り合わせであることを忘れてはいけない。本書ではそういった危険のケースからその予防策、そしてリーダーの原点について3部構成で書かれている。
第1部はリーダーシップになる危険とリスクについてである。危険についてはいくつ書かれていたがその最たるものが「喪失」であるという。自分なりの技術や能力でリーダーに上り詰めたが、上り詰めるやいなや自分の仕事に精彩を欠いてしまう、それによって地位や名誉も凋落の一途をたどりやがてはすべてを失う。そういう危険性がはらんでいることを忘れてはならない。またリーダーシップとしてのリスクを「脇に追いやられるリスク」「注意をそらされるリスク」「個人注意されるリスク」「誘惑されるリスク」の4つがあるという。「脇に追いやられるリスク」と「個人注意されるリスク」はやや似ておりその両方は他者からの妬みによって孤独感を増してしまうというリスクが生じるという。そしてそれを気にしすぎてしまうあまり仕事にも精彩を書き凋落してしまう危険性もある。だからといってそれを無視しすぎると今度は仲間からの信頼を失ってしまう、もしくは距離を置かれてしまう危険性もある。本書にも書いてあるがそれを対処するのは非常に難しく厄介である。それによる対処法というのも同時に見つけてみたかったが本書には書かれておらず残念だった。「注意をそらされる」はリーダーになることにより仕事の量が極端に増えさらには責任感により多くのことにアンテナを張り巡らさなければならない。ちょっとした注意の散漫によって凋落してしまう危険性があるというリスクである。これは最後の「誘惑されるリスク」とよく似ている。「誘惑されるリスク」も特別な自分になるという誘惑に負けてしまうことで注意力が散漫してしまうリスクを表している。後の第3部について書かれていた「慢心」もその誘惑の一つであろう。慢心についてはシーザーに関しての有名な話がある(「ブルータス、お前もか」という名言の根源)。これも誘惑などの注意力の散漫にとらわれず我が道を行く、しかしそれにとらわれすぎず周りを見ながら行動できることこそ真のリーダー像ではないかとここの部分を読んで思った。
第2部ではそんな危険なリーダーシップを発揮しながら生き延びる5つの方法を提示している。「全体像をつかむ」「政治的に考える」「衝突を指揮する」「当事者に作業を投げ返す」「攻撃を受けても踏みとどまる」である。簡潔にいえばリーダーというのは物事の全体像を見てとりその中で適材適所に人材を配置させ、問題点があればそれに対しての解決法を提示させ、攻撃を受けても過剰なく受け止める。それがリーダーの力である。当たり前のようではあるもののそれを実行に移せるリーダーはこの世にどれくらいいるのだろうか。知っていてもそれを実行に移さなければ宝の持ち腐れである。実行しても思い通りにいかないことがある。その時こそ本書では書かれていないが自分を顧みることが大切ではなかろうか。
第3部ではリーダーシップの原点を論考している。本書では「渇望をコントロールをする」「自分自身をつなぎとめる」「原動力を把握する」「神聖な心を保つ」と書かれているが、読んでみるとビル・ゲイツやスティーブ・ジョブスがいかに強い存在であったか、はたまたはペルーのフジモリ元大統領や台湾の李登輝元総統がいかにリーダーシップを発揮したのかというのが手に取るようにわかる。端的にいえば「「公」のために「私」を捨てることで生かす」に直結しているのではないだろうかと思う。つまりいかに情にとらわれず公のためにつくすことであり、人の良さは関係なく、残酷になりながらも公に生かすのである。時には無情にならなければならない。そういったことが大切である。
リーダーというのは非常に難しい役割であることがよくわかった。それと同時にリーダーとしての心構えが理解できる1冊であった。最前線のリーダーというのは一見かっこいいように思えて実は1本の綱を目隠しをしながら渡っているほど危険なことである。リーダーになる前の人にとっては必読の1冊と言えよう。

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