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東京裁判への道2

東京裁判への道(下) (講談社選書メチエ) 東京裁判への道(下) (講談社選書メチエ)
粟屋 憲太郎

講談社  2006-08-11
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下巻に移ると今度は一気に変わり日本の自主裁判、A級戦犯容疑者の釈放と細菌、毒ガス戦での罪状の在り方、そして東京裁判の在り方について書かれている。まずここではA級戦犯の釈放について7人の死刑終了後、起訴されず釈放されたA級戦犯を「A’級」として扱っているところが特徴的である。A級戦犯として起訴されたのは全部で28人であるがそれ以外にもA級戦犯として起訴はしていない者の巣鴨プリズンに収監されたり聴取・尋問を受けたりしている人も数多くいる。最近・毒ガスというと七三一部隊が有名であるがこれについても興味深い。というのは七三一部隊は生物・価格の分野から軍事的に研究を進める機関である。その中で細菌兵器や毒ガス兵器の開発にもあたり、中国人やモンゴル人など約3千人を虐殺したとされているが、これについては証拠の疑問点が多く立証できていないのが現状である。むしろ虐殺は行われていないという声もあるが、現時点では行われていないということが正しいのかもしれない。しかし本書では毒ガス戦も裁判の立証にできたと言っているが、政治的な裁判でも立証できると言ったらそうである。しかし立証されなかったのは米軍との取引によるものであったという。ちなみにこの部隊の幹部の一部がミドリ十字(現:田辺三菱製薬)を設立した。ミドリ十字と言えば薬害エイズやC型肝炎のことで有名であるが本書と趣旨がずれるためここでは割愛させていただく。さいごではちょっと聞き捨てならない、もとい読み捨てならないところがあった。
「東京裁判では、日本の植民地における朝鮮人強制連行、「従軍慰安婦」問題、毒ガス作戦など…これら一方的な「勝者の裁き」では実現しないことである。(p.183より一部抜粋)」
本当にそうだろうか。では勝者の裁きでは実現しないとすれば広島・長崎の原爆による30万人もの虐殺も東京大空襲における20万人もの虐殺も裁かなければならない。つまり戦勝国においても日本人に対する虐殺により罪に問われなければいけないことがあるのにもかかわらず不問になっていることがおかしい。それに東京裁判というのは国際法に基づいて裁判を行っておらず連合国各国の思惑によって裁かれたというのは忘れてはならない。

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