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2008年7月

足利義満 消された日本国王

足利義満 消された日本国王 (光文社新書) 足利義満 消された日本国王 (光文社新書)
小島 毅

光文社  2008-02-15
売り上げランキング : 314915

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足利義満と言えば室町時代初代将軍足利尊氏と後醍醐天皇によって分断された南北朝の統一や、室町幕府の権力強化、さらには金閣寺建立まで尽力をしたという室町時代の中でもっとも有名な将軍の1人にあげられる。ちなみに表題の「日本国王」だが、これは明国の皇帝から封号が与えられており、実質的な的な日本の支配者に与えられる称号であった。義光は明国と貿易を行うために、数回にもわたって使節を送っていたことからその封号を手にしたという。日本を繁栄させるために行った明との貿易、その中で手に入れた日本国王。しかし歴史の教科書ではこれは名乗ることはない。なぜかというのが本書である。
本書を読んでわかったのだが義光の外交は現在の媚中政治家の中国外交とよく似ている。つまり国の繁栄のために中国を選んだ、しかしそのやり口は単に権力の増強のためという何とも悲しい結末と言うしかなかった。しかも執拗な中国外交により日本の繁栄をほかの将軍に比べるとおろそかところもあったと考えると、日本の媚中派政治家の根幹をつくったといっても過言ではない。

ドキュメント 精神鑑定

ドキュメント 精神鑑定 (新書y) ドキュメント 精神鑑定 (新書y)
林 幸司

洋泉社  2006-03
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「精神鑑定の何であるかを、私たちにはまだ何も知らない!」
本書の表紙を一つめくった時に出た最初の文である。この時点で衝撃的な本であるなと感じた。精神鑑定とは一体何なのかと言うのはまだまだ私たちにもわからないところがある。本書はケースも交えながら解説している。そもそも精神鑑定は法律に書かれているのかと言うと実はそれ自体は明記されていない。本書の冒頭で書かれているが刑法39条において心神喪失の者は刑は課さず、心神耗弱の者には減刑するという条文である。それを調べる一つの道具としての精神鑑定はある。しかし光市母子殺害事件の差し戻し控訴審において精神鑑定を行った野田正彰氏の精神鑑定について、評論家の宮崎哲弥氏との論争になったというのはあまり知られてはいないものの、ひそかに有名な論争になった。精神鑑定と言うのは身近ではないにしても、来年の裁判員制度ではこの精神鑑定が証拠として挙がってくる可能性はあるということを考えると決して他人事ではなくなる(しかし対象事件を見るとその可能性は結構低い)。
さて第1章ではそんな精神鑑定とは何なのかと言うのを多くの章に分けて結構細かく説明されている。また刑法39条をはじめとした法律に関することも書かれているので知っておいて損は全くないといってもいい。第2章では精神鑑定に関することの中身に入っていく。特に最後の部分は要注目と言ったほうがいい。最近では論文調の精神鑑定書であったり、精神鑑定の結果から「これは無罪だ」と決めつけるような鑑定書まで出てきていることも明らかになった。ちなみに精神鑑定から無罪・有罪を判断するのは裁判官であり、前述のとおり証拠の1つであるので裁判上重要視はある程度されるものの、決定的な証拠となりうる可能性は低いと言っていい。
さて第3章では具体的なケースに入っていく。様々なケースが盛り込まれており、判例にも書かれていない事柄などがあったので、刑法を勉強されている人(特に総論で、しかも39条を研究なさっている方)にはお勧めである。100選(刑法判例100選Ⅰ(有斐閣))では載っていなかったところだらけなので。最終章では精神鑑定の現状について書かれているだけではなく、心に病んでしまうことの多い現状についても書かれている。日本は高度経済成長によりものは豊かな時代となり、今では飽和時代の真っ只中である。その犠牲として渇望されているのは心の豊かさである。それと家族の複雑化と共働きによるコミュニケーションの低下、そして学校や職場の人間関係による人間不信によるものもある。それによっての精神的な病の増加によって犯罪に走ってしまうというケースもある。例えば秋葉原連続通り魔事件がその1例であることも忘れてはならない。

安倍政権論

安倍政権論―新自由主義から新保守主義へ 安倍政権論―新自由主義から新保守主義へ
渡辺 治

旬報社  2007-06
売り上げランキング : 613054

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安倍政権は1年という短命政権であったが、その中で強行採決でありながらいくつもの重要法案を通したそれだけではなく、従軍慰安婦問題でも「強制性がなかった」という発言、安倍政権というのはKY総理やお友達内閣と言われ、さらには閣僚の不祥事により求心力が急激に低下、参院選でも歴史的大敗により第1党を民主党に奪われてしまうというさんさんたる結果となり、続投するも体調が芳しくなく首相の座を降りてしまった。
私は安倍政権という真の保守政治として非常に画期的なものとなるであろうと考えていた。しかし閣僚の不祥事にやられ、それに呼応するかのように参院選で大敗し世論の風がますます冷たくなったことを考えると安倍前首相は信念は非常によく、かつ実行力に長けており本当の意味で戦後政治を生産を行い、真の日本の政治・憲法になるであろう思った。当然拉致問題も強硬路線により解決を早める圧力もかけてくれることにより、魑魅魍魎ともいわれる北朝鮮の独裁政権の崩壊も見えるのではないかとも思った。しかし閣僚の人選がまずかった。それだけではなく自分で何でも背負い込んでしまう生真面目さも仇となったと思う。本当であれば安倍前首相の後ろ盾となる老練な人を1人でもいたらおそらく安倍前首相の政治はもっと長生きできたはずだし、閣僚の人選ミスも未然に防げたと考える。
でもわたしはあきらめていない。今度はもっと豪胆であり、老獪になり、また再登板する日を。

教科書に書かれなかった戦争

教科書に書かれなかった戦争 PART50 (50)

著者:呉 香淑

教科書に書かれなかった戦争 PART50 (50)

教科書に書かれなかった戦争の最後を飾るのは、「朝鮮近代史を駆け抜けた女性たち32人」となっている。朝鮮近代史なので日本では戦前にあたり、韓国併合によって日本の植民地になっていた時代の朝鮮にいた32人の女傑たちを紹介している1冊である。
まずここで断わっておくが、本書を読んだからと言って自虐史観への転向などは一切しない。日本でも今の韓国に徴兵制の在り方を教え、本来の愛国心を教えたということには変わりはない。しかし韓国の独裁主義と左派主義による洗脳教育によって屈折してしまったことは皮肉である。
さて32人の女傑であるが多くは朝鮮独立運動(三・一独立運動)にかかわった人であったが、様々な角度から男尊女卑社会(朝鮮王朝では「経国大典」が聖典として使われ、その中で男尊女卑の社会が育ったといわれている。しかし、儒教の教えもあり女性の立場と言うのは地位的には不利とはいえど精神的には優位に立っていると私は思う)の流れを断ち切り様々な場で女性の確立を行ってきた者たちもいる。それを考えると単なる朝鮮礼賛というものではなさそうである。
女傑の多くが三・一独立運動にかかわった人と言ったが、ちょっとここで話が外れるが朝鮮半島でも三・一運動など独立運動はいくつか起こっている。しかし日本軍や警察の弾圧によってそれ自体が鎮圧されたということは朝鮮に限ったことではなく、同じく植民地だった台湾でも行われていた。ここでも独立運動での弾圧も行われておりしかも虐殺なども起っていた。中国側は60万人と言っているがこれ自体は真っ赤な嘘である。いくつかの文献には書いてはあるが全部を総合計しても、蒋介石が行った二・二八事件よりもはるかに少ないとされている(ちなみに二・二八事件の犠牲者は約28,000人)。台湾では独立による反乱は起こったものの、しかし現在の日本人が忘れてしまったものを台湾は今でも根強く残っている。これは戦前の日本での厳格な教育の賜物と言える。
話を戻す。本書の短絡的な感想としては、こういうのがなぜ教科書で書かれなかったのかが知りたいと思った。この内容であったら日教組は喜んで飛びつくと思うなぁとつくづく思ってしまうのは私だけであろうか。日教組はこういうのが好きだからおそらくこれを見た後に本書を読むのではないかとも邪推してしまう。

自治体破産―再生の鍵は何か

自治体破産―再生の鍵は何か (NHKブックス) 自治体破産―再生の鍵は何か (NHKブックス)
白川 一郎

日本放送出版協会  2007-03
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2006年6月北海道夕張市が財政再建団体の申請を表明した。観光政策等に失敗し、多額の赤字を抱えてしまったという。そして赤字隠しも発覚しその額は数年分にもなる。しかしその赤字予備軍と言うのは全国各地にあり、特に熱海市や大阪府では財政危機宣言を宣言している。宣言していないところでも多額の赤字を抱えており。大阪では5兆円とわれているが、北海道ではそれ以上の赤字を抱えているという。だが知事は財政危機宣言を行っていない。それは財政破綻や危機宣言を行ったら行政に対する信頼が0になってしまうのである。当然財政の健全化と言うのは必須条件ではあるが、それ以上に財政を透明化することは、民はそれによって信頼を失う人もいれば、透明化したことにより行政に対して愛の鞭を打つ民もいる。自治体の財政がひどい状態を隠そうとする首長がいいのか、それとも大阪の橋下知事のように財政を透明化し黒字化を進めようとする首長がいいのか、それを選ぶのは我々国民の選挙である。国のために、地方のためにだれを選ぶべきかと言うのは国民に与えられた選挙の権利の行使である。それを有効に利用しない限り「経済は一流(今は二流)・政治はに隆・国民は三流」と言われ続けるだろう。

いま医療現場で起きていること

いま医療現場で起きていること―医師と患者、相互理解のために いま医療現場で起きていること―医師と患者、相互理解のために
金子 則彦

健康ジャーナル社  2007-06-10
売り上げランキング : 682955

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ここ最近では医療に関するニュースが流れている。医療事故やタライ回し、尊厳死、医師不足など医療の問題は山積している。知っているかどうかは分からないがそれで犯人扱いされるのが厚生労働省もあるが、現役医師たちにも火の粉が降りかかってきている厳しい現実がある。現場の医師たちはどのような現状であるのか現役医師の立場から悲鳴を上げ、悩み、そして怒りをぶちまけている。
第1章では今現場で起こっていることを挙げている。現行の医療制度がここで語っている。医療事故の根本は医師個人の資質不足である。その原因は現行医療制度の問題であると著者は語っている。現在の医療制度は医療費が安すぎている。しかし日本の医療は結構進んでいる。すなわち少ない料金で最高の医療を行っておりきわめて効率的であるといえる。しかしその医療と言うのは超高齢社会となりつつあるいま医療を受ける人もだんだん増加している。逆に医師の数は減少している。減少した理由は様々であるが、医療ミスによるメディアバッシングの酷さも一つの要因と挙げられる。
第2章では著者が院長であるということなので院長の立場からの病院、病気に関して著者なりの意見を述べている。この章の冒頭に出てくる「患者様」をみると、「医者はサービス業」と言う考えも分かってしまう。と言うのは最近ではモンスターペイシェントについて深刻な問題を抱えている。また家庭医療だけで完璧に済む者なのに患者が病気を大げさに言うだけ言って精密な検査を言うのはいいが、何もなかったらそれまでの代金は払わないという患者までいる。また前に書評をした「ドクターショッピング」のような内容も然り、患者の扱いの窮状も生々しく書かれている。苦しさはそれほど感じられなかったが、探りながら読むとどれだけ苦しいのかと言うのも読めてならない。確かに医療はサービス業の範疇にはいるが、どこにでもある企業にあるような競争原理は若干薄い。しかし今の医療では競争原理にさらされるべきところとそうでない側面がある。さらされるべきところと言うと医療機関が過密化されているところ、簡単にいえば大都市圏は医療機関が多い。その中でどのような医療サービスを施されるか、インフォームドコンセントをいかにすべきかと言うのが問われるため、より医療の質が上がる側面がある。ただしこれについては医療機関を過疎地でももっと増やすべきであり、それに伴って医師の数ももっと増やすしか方法がない。それによって競争原理が成り立つことができれば、地域医療もさらに発展できると推測する。反対に成り立つべきではないというのは医療格差が生まれることである。さらに競争原理がつくことによって、今の医師の数がそのままであれば、過疎地が満足に医療を受けられなくなる危険性もある。そう考えると「医師はサービス業」と言うのはそうだという側面と、そうでない側面をつくらなければいけない。医療と言うのは難しい立場である。
第3章は患者に向けてのことである。医療問題について様々な文献を読んだが、医師から患者へ語っているのは珍しかった。ここは当たり前なところが多かったので特段批評するものがないのでここは割愛させていただく。
第4・5章については医療問題総論・各論、及び医療費について書かれている。たくさん書きたいところはあるが第1・2章で書いたのでここでは特に気になった「医師法21条」について述べさせていただく。
「医師法21条」はこう定められている。
医師は、死体または妊娠四カ月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない
異状死とは一体何なのか、そして警察への届け出の行い方についての解釈が争点になる。それに対しての解釈のガイドラインについて存在しないというに等しい。解決への具体案も本書に書かれているが、まだまだ詰めるべきところもあるので、今後も期待するしかない。それにしてもガイドラインをやっていない厚労省官僚の神経も疑ってしまうのは私だけであろうか。

YouTubeはなぜ成功したのか

YouTubeはなぜ成功したのか YouTubeはなぜ成功したのか
室田 泰弘

東洋経済新報社  2007-05-11
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ウェブ2.0の代表格の1つとしてYouTubeをはじめとした動画コンテンツがある。その代表格がYouTubeである。読者自身が投降したものやアニメ等のMADを楽しんだりすることもできればニュースやアニメや音楽を楽しむことができる1大コンテンツ、いや1大メディアとなった。
その大きな証拠としては米国大統領選の予備選にてYouTubeによる演説が話題となり投票行動の1つの要因となった。今やアメリカの選挙とYouTubeというのが切っても切れないものとなるかもしれない。日本でも選挙のためにいくつかの政党でYouTubeを媒介とした政見放送みたいなものもある。
好意的な側面もある反面、TV局をはじめとした著作権団体がこれらのコンテンツに対して敵意をむき出しにしている。最近では著作権違反に関しての訴えも絶えず、某アニメ番組にてそういった注意テロップも出ているほどである。著作権については他でも主張しているが、著作権を保護することによって技術革新が進むというのは大間違いである。その大きな証拠としてビートルズがあげられる。ビートルズは多くの名作を残しているがその多くは曲を引用したり曲調を似せて作ったりしているものが多いという。つまり著作の盗用とまでは言わないものの、著作を参考にした独自性というのも技術革新の一つの要因と言えよう。したがって著作物の引用というのは必ずしも悪いことではない。
本書の最後に書いてあるがYouTubeはちょっとしたコンテンツの範疇を超えて今や一つの会社となってしまった。その中で自由を求めるものとしては経営という名の軋轢と闘わなくてはならない。YouTubeをはじめとしたコンテンツはこういった意味では新たな局面に入ったといってもいいだろう。

アラブの大富豪

アラブの大富豪 (新潮新書) アラブの大富豪 (新潮新書)
前田 高行

新潮社  2008-02
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原油高が著しい世の中。財政的に逼迫されている人もいれば逆に需要が伸び大儲けしている輩もいることも忘れてはならない。その張本人の1つとしてはアラブの大富豪である。現在では石油を中心にドバイやロシア、UAEらと並んで経済成長も著しく、財政的にも潤沢になっているといっていい。では潤沢となっているアラブは一体今何をやっているのか、そしてアラブの人たちの今後のビジョンはというのは何なのか。そしてアラブの商魂とはと言うのを迫っているのが本書である。
アラブは今バブルと言えるに等しい好景気に恵まれている。その中ではドバイと言ったところでは高級ホテルやリゾートが乱立しており、ファンなもので言うとしたら来年の秋ごろにはアブダビでF1グランプリが開催されることが決まった(同じ石油国のバーレーンはすでに2004年から開催されている)。しかも最終戦なのでなかなか面白いレースになると私は期待する。
話を戻す。本書では書かれていなかったがアラブ諸国はよく石油相の大富豪について取り扱われており、本書でもそういったところは中心ではあるが、本書の著者に一つ注文をつけたいのが急激に潤沢している裏側について迫ってほしかったと思っている。好景気にある反面経済格差も深刻であると私は推測する。実際に中国やロシアが急激に経済成長を遂げてはいるが日本よりも貧富の差が大きく明日の生活も困っているという報道を何度も見たことがある。もしかしたら中近東でも同じ現象が起こっているのではないかとも思うので、今度は好景気の裏側について本を出してほしいと思った。

ネット時代の反論術

ネット時代の反論術 (文春新書) ネット時代の反論術 (文春新書)
仲正 昌樹

文藝春秋  2006-10
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最近ブログが大流行している。今となっては自分のサイトを立ち上げる時も、時事的なことを語る時も、日々徒然なることを語る時も、私みたいに書評を行う時も、すべてブログで賄える。まさにアウトプットの宝庫と言えようか。
しかしネットは2chにしろ、ブログにしろ、必ずと言ってもいいほど付きまとうのが「炎上」である。炎上というと必ずと言ってもいいほど誹謗・中傷というイメージがあるのも事実。しかし炎上にも種類があり、その中で真剣な論戦もあったり、前述のような誹謗中傷、そして同調合戦といったものまで様々である。
本書はその炎上対策にこんな反論の仕方について書かれている。
私自身「炎上」は何度か経験したことがある。今は書評としてほとんど毎日更新を行っているが少しまでは時事的なことについていろいろと語っていた。その中で何度か炎上してしまい何日間かかえて激論を交わしたことがある。この中でも新たな知識を得ることなど勉強になったことが多いので炎上は案外捨てたものではない。しかし反論の技術は本書でちょっと身につけて、その中で実践を何度も興じたほうがいいと私は思う。

舞台ウラの選挙

舞台ウラの選挙―“人の心”を最後に動かす決め手とは! (青春新書インテリジェンスシリーズ) 舞台ウラの選挙―“人の心”を最後に動かす決め手とは! (青春新書インテリジェンスシリーズ)
三浦 博史

青春出版社  2007-06
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「選挙にはお金がかかる」、世間でも私でもそういった固定観念がある。しかし、2005年の郵政総選挙ではあまりお金をかけずに国会議員になった人もいるという。選挙の準備期間が短かったためであるという。しかし従来の選挙であれば充分な選挙期間(1年以上)になるということからポスター大やアシスタント代等でかなりお金がかかるという。しかし本書によると選挙はお金をかけたものが地とは限らないという。では選挙に勝つ秘訣とは一体何なのか。
PR上手なところである。小泉元首相は郵政総選挙にて本当に短い時間で選挙の要点を絞り出している。ただしマニフェストは必ずしもいいとは言えないものの心をひきつけるフレーズと一言が大正を呼び込んだといっていい。逆に2007年参院選の自民党の大敗は政府の閣僚があまり印象が良くなかったように思える。それによる自滅により、民主党に票が流れたともいえる。そう考えると安倍氏が続投を決めた理由も窺えるものの、体調により所信表明演説の後に辞めてしまったのは何とも皮肉である。政治的信念については高く評価したいものの閣僚選びに関しては自分でカバーしきれないところをリカバリーできるような人材を確保できていなかったところ、そして参謀役がいなかったことが低くしてしまった点と言えるのではないだろうか。
本書の最後には都道府県知事選から見た新しい選挙の在り方について書かれている。特に東国原知事や残念ながら千葉県知事選で次点になった森田健作氏、最後は石原都知事についてである。石原氏についてはほとんど人気があったので3戦はできたということにとどめておく。東国原知事は保守分裂によっての漁夫の利の勝利と言えばそれまでではあるが、しかし宮崎県民の心をぐっととらえる演説には称賛に値する。もっと凄いのは森田健作である。「運が良くても当選しそうな人」と書かれているが、国や地方のためへの情熱と言うのは森田しか出せない強さを持っていると私は思う。本書でわずかしか書かれていないが2000年の衆議院総選挙において森田氏は無所属で出馬し当選した。本来は自民党比例区で出馬が検討されていたが森田氏はあえて無所属で小選挙区で出馬をした。その時の幹事長であった野中広務らによる選挙妨害にもめげずの勝利と言うのはいかに国への情熱が強いのかというのが窺えた。選挙は今の昔も3バン(地盤・看板・カバン)は同じではあるが、財力も必要と言うこともあるが、しかし選挙の根幹、浮動票の獲得の最大要素と言えばPR力であり、情熱も必要であると私は本書を読んで思った。

外注される戦争

外注される戦争―民間軍事会社の正体 外注される戦争―民間軍事会社の正体
菅原 出

草思社  2007-03-24
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「民間でできることは民間で」
小泉元首相が郵政民営化や道路公団のときに行った際の言葉である。確かに民でできることは勘に頼らずとも民でやりたいものである。しかし軍事も民間でという考えは小泉元首相の脳裏にはあったのだろうか。安倍前首相の脳裏にはあったのだろうかと本書を読んで勘繰ってしまう。
本書はイラク戦争で特に取り上げられていた民間軍事会社(PWC)の実情について迫っている。何度も言うように戦争と言うのは究極の混とん状態である。その混沌の中から莫大な潤沢とともに斬新な技術(軍事民事双方の)が次々と生まれる画期的な状態にある。しかし、それの代償として多くの民は安定した生活が奪われてしまうということも頭に入れておかないといけない事実である。当然そういう人たちの悲しい叫びと言うのは私自身、学校の授業や校外学習で何度も聞いてきた。それに私自身も戦争は嫌いである。本書の冒頭では3年前にイラクで襲撃されなくなった斎藤明彦氏について取り上げられている。このことから民間軍事会社についての文献が多く出てきた。事実私も昨年の夏ごろに読んだ記憶はあるがそれほど覚えてはいない。しかし民間軍事会社については微々たるものではあるが知識はある。
民間軍事会社についてのもろもろはわかったのだが、もっと欲を言えば民間軍事会社に勤めている人たちの現状についても別の機会でいいので書いてほしいと思った。民間軍事会社についての本は多いが、そこに勤めている「人」についてはそういった文献がほとんどないので。

テレビニュースは終わらない

テレビニュースは終わらない (集英社新書) テレビニュースは終わらない (集英社新書)
金平 茂紀

集英社  2007-07-22
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本書はテレビニュースに取り巻く環境と現状について書きながら表題にあるとおりテレビニュースは終わらないと結論付ける1冊である。
9・11事件から始めイラク戦争、そして4年前にイラクで起こった人質事件における報道の在り方について事細かに書かれているだけではなく、ブッシュが再選を果たした2004年のアメリカ大統領選挙についてのニュースも書かれている。
私見についてはテレビニュースは終わらないのは私もその通りであると思う。しかし、今のままの状態で続くならば、私はテレビニュースはいらない。というのは今の報道は談合状態(どの局にしても同じ映像やニュースの内容にあること)にある。さらにニュース自体の深いところまで探っておらず、それにコメンテーターの発言によってメディアが左右されてしまっている状況にある。これでは我々がメディアによってコントロールされている。そのため我々はこの情報化に置かれているというよりも情報が一方的すぎるので冷静な判断ができなくなっているのも事実である。しかし、メディアというのは我々が享受する政治的、経済的情報を供給できる数少ない手段であり、ニュースは局によって多岐にわたるのでその独自性が見いだせられること、さらにはそこでしか得られない情報がはっきりしていることが重要になってくる。ではなぜそれができないのか、それは企業努力がなっていないからで片付けられてしまうかもしれないがそうではない。政治的な話題に限ってみてみると在京キー局(主要キー局)には「政治部」というところがありそこで情報の取捨選択を行っている。しかしそれが重要な情報であったり少し踏み込んだ情報がほとんど流れないようにしている。というのは政治家の軋轢にさらされているのがこの政治部だからである。当然都合の悪い情報が流れると圧力がかけられるか、もしくはその議員のところへの取材禁止になってしまうという心配があるからだ。つまり政治かによって政治的情報が制限されているといっても過言ではない。そして結局足並みをそろえていくしかないということになる。これは検察関連も同じである。
ではどうすればよいのか。私は政治部は廃止すべきという暴論は言わないものの、政治家の軋轢について恐れることはないようにしてほしいと思う。やましい情報を流せとかいう政治家のほうが我々にとっては信頼できるし、むしろそういう情報を隠したがる政治家のほうが一体何をやっているのか分からない。それでは信頼を得られるわけがない。だからでこそ隠したがる政治家をメディアは見限って情報について開示できる政治家のほうがやっぱり国民に信頼できるのではないだろうか。
インターネット普及によってTV離れによりTVニュース離れも深刻になっているのは否定できない。インターネットでは軋轢が薄いところもあるし、PJニュースといった独自の視点によって伝えられているニュースも存在する。独自の情報を取りたいということからTVよりもネットのほうが強い印象もある。しかし、ネットにも悪い側面もある、検閲がほとんどないのでデマの情報も出ている。それを考えるとどっちつかずと言う印象もある。
何度も言うがTVニュースはなくならないし、なくなってほしくはないがしかし今の状態で入らないと私は思う。独自性とそして視聴者が知らないような情報を流さない限りTVニュースの意義が廃れるのではないだろうか。

誰も知らない教育崩壊の真実

誰も知らない教育崩壊の真実−日本をダメにした狂育を断て! (OAK MOOK 205 撃論ムック) 誰も知らない教育崩壊の真実−日本をダメにした狂育を断て! (OAK MOOK 205 撃論ムック)
西村幸祐

オークラ出版  2008-03-03
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戦後教育によって日本古来のアイデンティティが崩壊されたといっても過言ではない。しかもそれを促したのはGHQの仕業とも言われているがそうではない。真犯人は日教組による教育方針ではあったのではないだろうか。しかもゆとり教育の推奨によって日本の学力も低下の一途をたどっており、政府はようやくその間違いに気付き授業量を増やすことになったがどこまで回復するのか定かではない。さらにゆとり教育によって総合の授業が開設されたがそれによって教師の負担も増えてしまい普通の授業にも影響も与えてしまうという教師の叫びも聞こえ、日教組および文科省は本当に教師の声を聞いているのかという疑念も生じた。
教師のことについても醜態があった。日教組ばりの左翼的、共産主義的、反日的な教師がここまでやらかしていたとはと考えると教師という職業は幻滅してしまう。それに教師の中には国旗・国歌に憎悪感がはびこっており、2つの事件についても本書は書かれている。
これを踏まえて日本の教育というのは一体何なのか、文科省や日教組に頼らない教育の在り方が試されるのではなかろうか。

線路にバスを走らせろ

線路にバスを走らせろ 「北の車両屋」奮闘記 (朝日新書 56) 線路にバスを走らせろ 「北の車両屋」奮闘記 (朝日新書 56)
畑川 剛毅

朝日新聞社  2007-07-13
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バス→線路への走行。まさに夢のような乗り物、これが開発されるのは当分先…かと思いきや、実際に北海道でこういった乗り物が得来ていたことが明らかになった!その名も「DMV(デュアル・モード・ヴィーグル)」。現在では道東にあり現在は廃止になったふるさと銀河線のあったところに現在DMVはそうこうしている。
ではなぜこのような夢の乗り物ができたのかというのが本書である。本書では意向錯誤を事細かに書かれているドキュメンタリーであったので電車について分からない素人でも、電車のことをものすごくわかっている玄人でも楽しめる。さらにはこのDMVの将来の姿についてわずかではあるが考察もなされている。私自身の意見としてはまずは北海道でDMVを広めたほうがいいと思っている。北海道の産物ということを強調することも一つだが本書でも述べられているとおり赤字路線がほかの鉄道会社よりも多く廃止になるところも出てくるだろう。そもそもDMVの目標はそんな赤字路線の解消が根幹である。夢の乗り物であるがそれをつくる(つくらなければいけない?)厳しい現実。北海道にはそういうところである。しかしそういう状況だからでこそ、旭山動物園やDMVといったまったく斬新な産物ができていることを考えると、地方財政も全く新しいものになれば北海道はまだまだ元気になると私は思う。それをまだ知らない、あるいは手探りの状態であるだけかもしれない。

その死に方は、迷惑です

その死に方は、迷惑です ―遺言書と生前三点契約書 (集英社新書) その死に方は、迷惑です ―遺言書と生前三点契約書 (集英社新書)
本田 桂子

集英社  2007-05-17
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本書は遺言書の作法と重要性についてを中心に死に直面することに向けてもろもろの準備を始めるための1冊である。遺言書と言えば死を目前にして予め遺書を用意するというイメージが強い。昨今高齢社会となっている世の中、遺言書は非常に重要視されそれの公正性を証明するために公証人仲立ちのもとで作成することで公証人市場はだんだん儲かるのではないかと邪推する。
本書が言うには遺言書は老人が大往生するために遺産相続を行うよりも、いつ死ぬか分からない若者や中年層こそ遺言書を書くべきであるという。
万が一に備えて遺産相続など諸々についてのいざこざを未然に解消しましょうということ。確かにその通りかもしれない。もし不慮の事故により遺産相続する時に骨肉の争いにより裁判沙汰になってしまう。
また本書の最後には尊厳死に関しての宣言書について書かれているが、尊厳死について騒がれている今だからでこそ重要視されるのではないかと思う。特に尊厳死に関して自分やその家族が希望していても、医師自身が尊厳死を認めないケースもあり、尊厳死を行ったら批判的にマスコミが騒ぎ、そして倫理学会でも批判の的となってしまうだろう。しかし、いざこの宣言書を公証人を介しても介さずしても法廷の手続きさえ行えばなんてことはない。本人がその旨を宣言しているのだからだれの文句もいいようがないという何よりの証拠になる。
遺言書や尊厳死の宣言書など、死ぬ前関して様々なことはおいてから十分できるという甘い考えよりも、いつ起こるか分からないであろう今まさにやるということを心がけたほうがいい。当然私もその中に入っているが…さてどうしようか。

ウェブは資本主義を超える

ウェブは資本主義を超える 「池田信夫ブログ」集成 ウェブは資本主義を超える 「池田信夫ブログ」集成
池田 信夫

日経BP社  2007-06-21
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本書を上梓した著者は書評ブログを立ち上げていることでも有名である。私のような若輩者の書評では歯が立たないほど的を射ているすごいブログである。
さて本書は著者のブログを集成したものである。その内容はウェブやマスメディアや経済(学)、著作権、IT産業、通信・放送、国家について多岐にわたっている。章ごとにまとめてみよう。
第1章はウェブ2.0と2ちゃんねるについて言及している。ウェブ2.0については放送や広告の在り方についての変容について書かれている。さらにはウィキペディアに関しては自由に書き込めるということへの批判もなされている。実際にウィキペディアを創立したジミー・ウェールズについての質問もしているほどである。2ちゃんねるについては両義的な意見を持っている。良い点としては許容量と自由度の高さについてはビジネスマンは学ぶべきであることである。特に議論に関しては誹謗・中傷はあるがTVや新聞と言った既存メディアではできないほど踏み込んだものにできる。さらに双方向性が非常に強く情報を発信したり、逆に議論を深めることによって数倍知識を吸収できるツールになる。
逆に悪い点としては誹謗中傷も自由にできる(ガイドラインは設けてはいるものの形式的なものであるので実際は守られていないことが多い)。それによって被害者の尊厳を傷ついたりして初章にもなったケースもある。2ちゃんねるの管理人であり、ドワンゴの子会社のニワンゴの取締役であるひろゆき(西村博之)氏に対しての損害賠償も後を絶たない。実際に賠償命令もあったがひろゆき氏が一切支払っていないところも著者は言及している。私はこれについて複雑な立場である。表現の自由と公序良俗の線引きである。法律の解釈上明らかなものとしてはひろゆき氏は賠償すべきではあるがしかしその線引きがあいまいなものについては賠償する必要はないと思うというのにとどまる。さらに2ちゃんねるは匿名であるが、これも2チャンネルに関してのと同じようになる。しかし匿名性に関する批判もあるし、「匿名=悪」という論調もあるがそれについては内部告発という観点から反論したい。内部告発は匿名で行える。これは告発者の保護によるものである。もし実名でしか行えなかったとしたら被告発会社はその名前を荒探しを行い、対象の社員には永久に閑職に追いやられたり、不当解雇にされるだけではなく辞職後にもレッテルを張られて非難轟々と言うことになりかねない。そう考えると匿名性がいかに重要なものであるのかがわかる。

第2章はマスメディアの終焉について書かれている。印象的であったのはコンテンツ業界の衰退及びメディアの誇張についてである。コンテンツ産業は業界内の軋轢により新しい技術を取り入れようとするとその利権構造を維持しようとする者たちの妨害によって業界内での成長及び競争原理がほぼ止まっているように思える。そう考えるとコンテンツについての競争力が日本が最もないといわれてもしょうがない。もし業界内の軋轢が薄く、競争原理が成り立っているのであればTVはもっとおもしろいものになっているはずであるし、報道の在り方についてここまで言及はなされていなかっただろう。著作権についてもここでは書かれているが4章のほうが詳しいためここでは割愛させていただく。さて地球温暖化であるが日本ほどここまで誇張して表現しているメディアはない。多くのメディアではIPCCで算出された最善予測を取り入れられてはいるものの、日本だけは最悪の事態を予測している。この差は一体何だろうかと思ってしまう。これは民族性によるものなのかそれとも誇張なのかというところはまだまだ突き詰める余地はある。従軍慰安婦についての朝日新聞の偽造についてはまさにその通りとしか言いようがない。そういった偽造記事をあげつらって韓国や中国、またアメリカも執拗に謝罪要求をかけてくる。本当であれば謝罪すべきではない、朝日は捏造報道を書いていると主張すればいいのに、河野洋平元外相(現衆議院議長)が河野談話を出す、村山富市元首相が村山談話を出したことにより事態はややこしくなってしまっている。そして新聞離れによる活字離れについても言及している。これは新聞社のエゴとしか言いようがない。確かに新聞の総売り上げ部数は右肩下がりとなってきている。しかしそれを引き起こした要因は新聞に対する質の低下と信頼の欠如によるものではないかと言いたくなる。著者もそれについては疑念を感じており、むしろウェブやメールによって活字に触れる機会と言うのはむしろ増えていると言及している。新聞のシステムについても言及がなされており、これについてはまさにその通りである。著者も活字文化の危機であると言っているが、「活字離れ」と捉えがちの人もいるかもしれないが、著者はこの活字文化の危機というのは現存の新聞のシステム、さらに活字の文化の変容に出版社は付いていけていないということに対する危機であると私なりの解釈はそう思う

第3章ではイノベーションについてである。ここで興味深いところは「格差是正は格差を生み出す」と言うところである。日本でも格差問題については深刻な問題としてあげられてはいるもののジニ係数(格差の指標としては一般的にみられる計数。1に近づくほど格差が大きいとされている)で見た限りでは日本は先進国に比べても低い位置にある。そう考えるとまだまだ格差社会とは言えないだろう。しかも民主党や社民党、共産党が掲げている格差是正は「バラマキ福祉」と断罪している。生活保護の改革が最も格差是正に合理的であると著者は主張している。最近では生活保護の請求が右肩上がりではあるが生活保護の受給額、予算ともども減少している。それについての改善は私はするべきである。

第4章は著作権についてである。ここではウィニー事件と著作権期間延長、そしてネット配信等に関する著作権の在り方について書かれている。わずか21ページではあるがタイムリーなところを出しているため非常に内容が濃い。しかも現在の著作権を見事なまでの開設で体系的になっているところもいい。さてまずはウィニー事件であるが結果論としては有罪判決を受け金子勇被告(私は通称の47氏」と言っているが当人は否定しているという)が罰金を支払うこととなったこの裁判。ここで著作権の在り方についての影を落としている。というのはファイル交換についての著作権の在り方についてである。日本ではWinnyは原則やってはいけないことになっている。しかしP2Pソフトと言うの決してWinnyだけではない。しかもWinnyみたいなウィルス(暴露ウィルス)が感染し情報を漏えいすることがないソフトまである。これについても取り締まるべきなのかも賛否両論がある。今回はあり方以前に47氏には明らかに著作権に対する挑戦の文言が2ちゃんねるに投稿していた。こう考えると有罪もあり得るという考えもあるが、前述のように47氏=金子勇被告ではない以上情状酌量の余地がある2ちゃんねるは匿名であるので関連性と言うのは明らかにするのは非常に難しい

著作権期間延長についてだが世界的には70年に延長の風潮があるがこれについては日本独自という観点からまだまだ議論が必要がある。そもそも70年に延ばす必要性があるのかという疑念もある。本書でもあるとおりだれのための著作権延長であるのかというのも考えなくてはならない。それを踏まえたうえでの延長は理由により賛成するし、反対もする

コンテンツ産業について最大のネックとなっているのは著作権である。特に音楽配信や画像・動画配信については顕著である。特にYouTubeについての著作権の在り方についても判例は法令に関する文言がほとんどない。それについてはまだまだ議論の余地はあるが、著作権自体が時代に逆流するものであってはならない。著作権については本当にWin-Winの関係でなければならず、権利者偏重の法律であっても使用者偏重の法律でもあってはならない。前述のようにそういった例がほとんどないので日本が著作権に関して主導権を握るということが必要であるが、著作利権の構造がある以上無理な話かもしれない。

第5・6章についてはIT産業や通信・放送産業についての現状についてである。特に携帯業界は鎖国状態にある(本書では「パラダイス鎖国」)である。携帯産業は世界的にも遅れているというよりも世界のメーカーが日本に入ってこないこともある。携帯事業については総務省がコントロールとしているため競争原理はある程度成り立ってはいるものの、世界的にみても寡占状態としか言いようがない。これについては政府が動かない限り無理であろう。そして通信と放送の融合であるがこれもまた同じである。とりわけ放送についてはアメリカでは衛星放送を含めると300以上ある。またインターネットの介入にも積極的であり、競争原理に働くなかで進化をつづけている。しかし日本では衛星放送がそれほど浸透しておらず、しかも地上波では8局しかない(主要局のみで)。しかもこれらはインターネットを敵視していることが非常に多くインターネット事業に踏み込むことはほとんどない。唯一あるとすればフジテレビであろうか。インターネットを拒否する理由は自然のことであるが、これほどまで過剰なものになる著者は映画産業の繰り返しとなるのかというような文言があった。映画産業も同じような閉鎖的な現象により衰退してしまった過去があった。既得権益のあるTV局がどれだけ緩和できるのかも課題となるのではないだろうか。

第7章は「官治国家の病理」であるがここではITゼネコンについてである。セキュリティの効果はITゼネコンを太らせるという。これには非常に驚いたが、セキュリティが高まっている今を考えると確かにそうかもしれないし、ある意味で自然であると思う。

最後は書評であるが、私自身書評を続けて1年以上たつがやはり質には雲泥の差がある。やはり著者の書評は的を射ているだけではなく非常に簡潔である。私もまだまだであるので見習わなければいけない。

…ここまで書けるくらい興味深い1冊であった。池田氏はすごいと同時に虚を突かれたと思う。私が最も注目しているところばっかり本書で書かれていたのでここまで書くとは思わなかった。

F1 ドイツGP ハミルトンが2連勝!!ピケ Jr. が初表彰台!!!

結果は以下のとおり(GPUpdate.netより)

Pos.ドライバーコンストラクターズTyresTime
1 L・ハミルトン マクラーレン 1:31:20.847
2 N・ピケ・ジュニア ルノー + 5.586
3 F・マッサ フェラーリ + 9.339
4 N・ハイドフェルド BMW + 9.825
5 H・コヴァライネン マクラーレン + 12.411
6 K・ライコネン フェラーリ + 14.483
7 R・クビサ BMW + 22.603
8 S・ヴェッテル トロロッソ + 33.282
9 J・トゥルーリ トヨタ + 37.199
10 N・ロズベルグ ウィリアムズ + 37.658
11 F・アロンソ ルノー + 38.625
12 S・ボーデ トロロッソ + 39.111
13 D・クルサード レッドブル + 54.971
14 中嶋 一貴 ウィリアムズ + 1:00.003
15 A・スーティル フォースインディア + 1:09.488
16 J・バトン ホンダ + 1 laps
17 G・フィジケラ フォースインディア + 1:24.093
Did not finish
18 R・バリチェロ ホンダ + 17 laps
19 M・ウェーバー レッドブル + 27 laps
20 T・グロック トヨタ + 32 laps

ハミルトンが今季初の連勝を獲得しました。途中ハラハラした場面はありましたが、最後は彼の気迫というか、マクラーレンのパフォーマンスの強さか…もう見事としか言いようがありませんでしたね。

見事といえばピケJrが10戦目にして初表彰台。これはチーム戦略のたまものでしょう。とはいえパフォーマンスとしてはフェラーリやマクラーレンよりもずっと劣っていたと考えるとブラボーとしか言いようがありません。今戦のMVPは彼じゃないでしょうか。

3位はマッサ、何とかといった感じです。サーキットの相性が悪いとは言えないようなんですが、もしかしたらフェラーリのパフォーマンスが今回は調子が悪かったのか、それとも何らかの問題を抱えていたとしか考えられません。次戦はハンガロリンク。ここはフェラーリにとってはここ最近相性の悪いコース。そこで挽回と考えるとちょっと難しいかもしれません。しかしここからの逆転もチャンピオンとなるための最重要事項としか言いようがありません。

6位のライコネンにも同様のことが言えます。もう負けられなくなったというべきでしょうか。それとも今年は調子悪いのでしょうか。ランキング3位でいながらまだ2勝しかしていません。ここからライコネンが連勝街道に乗らなければチャンピオンの可能性もぐっと下がるでしょう。

8位にヴェッテル、レッドブル移籍が決まったことの証明となったでしょう。もしレッドブルで彼が走っていたらと考えると…、もっと凄いことになってたかもしれません。

トゥルーリは9位。やっぱり予選は早くて決勝は遅いという感じが強いです。決してトゥルーリのドライビングが悪いのではなく、トヨタのパフォーマンスが予選では強いが決勝で弱い傾向にあるようです。課題はやっぱり決勝ですかね。

中島は15位。今回は我慢といったところでしょうか。しかしそのまま現状維持というわけにはいきません。ルーキーのポイントランキングもピケJrに首位を明け渡してしまいました。次からもっとポイントを稼いでほしいといったところですが…、そうなると毎回荒れるか雨が降るかになればいいんですがね。

さて次戦は2週間後、ハンガロリンク!! 奇跡よ再び!!!

力士の世界

力士の世界 (文春新書 603) 力士の世界 (文春新書 603)
33代木村庄之助

文藝春秋  2007-11-16
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まずは、本書の表題には力士と書いてあるが、ここでは「ちからびと」と呼ばれている。なぜこう呼ばれたのかというのは相撲を見ても本書を見てもよくわかる。そもそも相撲というのは肉体的な力と力のぶつかり合いである。力と力のぶつかり合いで言ったらK-1やプロレスもそうではないのかという気がするが…。
本書は昨年の春場所に引退した元行司の33代目木村庄之助が相撲のすべてを語っている。それだけではなく「横綱の品格」やそれに伴って昨年話題となった「朝青龍問題」についても著者なりの減給をしている。
相撲は神道に大きくかかわるとされているが、著者は先輩行司から聞いた話などをもとにしてより具体的に、そして図を基にして表しているため相撲初心者のためにわかりやすく書かれているので、易々と理解することができた。ここでは相撲と神事の関係の初級編と言ったところだろう(ちなみに中・上級編は「女はなぜ土俵にあがれないのか」などがある)。
さて力士の生活や現状についても事細かに書かれており、本書を片手に相撲を見るというのもまたおもしろいかもしれない。

これでは愛国心が持てない

これでは愛国心が持てない (文春新書) これでは愛国心が持てない (文春新書)
上坂 冬子

文藝春秋  2007-01
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愛国心とは何か?
これまで本書以外に何冊・何十冊の本と出合ったが答えはたくさん見つかった。しかし、本当ともいわれる答えというのには残念ながら絞れない。とはいえ愛国心という意味合いをここまで問い詰められるというのは、愛国心に関して懐疑心を抱いている今の日本だからでこそできるのではないかと私は考える。もし日本が自然と愛国心について語れたならばここまで考察できてはいなかっただろう。
さて本書である。
本書は2部構成となっており、第一部では一昨年に起こったロシアの日本人銃撃殺害事件について、第二部では靖国問題について日本の在り方とリンクしながら言及している。
まず第一部については詳細にいってみる、この事件は一昨年の夏であるのですでに風化してしまった様相であるが、北方領土問題と一緒に考えるとこの事件は風化してはいけない事件の1つである。なぜか。北方領土については千島・樺太交換条約により千島よりも南の島、つまり歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島の北方領土はもともと日本の領土である。それは今も変わらない事実である。しかしスターリン率いるソ連は9月5日に占領された。ポツダム宣言に盛り込まれているという人もいるがそれは完全に間違っており、北方四島に関する文言は一切記述されていない。つまり降伏して敗戦国になったにもかかわらずソ連に不法に占領されたといってもおかしくない。それが60年以上たった現在でも返還されていない。余談であるが、本書にも記述されているとおり著者の本籍は国後島である。これまで2島返還や4島返還に積極的な姿勢へは何度も近づいているが、日本は何を考えているのかそこまでになってしまうことが多い。本当に返還に積極的な姿勢なのかと言うと疑いざるをえない。本当だったら一昨年の事件にしろ、サハリン2号にしろ、日本政府がロシア政府に対して強硬な姿勢をとらないといけないのに、良い意味で物腰の柔らかい温和外交、悪い意味では腰抜け外交と言いざるをえない。日本の国家には本当に愛国心があるのかどうか、著者同様疑ってしまう。
靖国神社については中国や韓国、それと全く関係のないアメリカやオーストラリアがケチをつけてくる。
そもそも靖国参拝は他国が口を出す筋合いはないと私は思う。さて本書の前半の部分では「富田メモ」について書かれている。「富田メモ」はちょうどおととしのこの日の日経新聞の1面にて富田メモについて書かれており、昭和天皇はA級戦犯が靖国神社に祀られたことを不快に思われ、それ以来靖国参拝を行わなかったということである。これについては今でも賛否両論が相次いでいるが、私も著者同様不快である。そもそも合祀されたA級戦犯は私はアメリカなどの戦勝国がつけた言いがかりという風にしか思えない。しかも「東条英機=悪」や「東条英機=独裁者」という声をよく聞くが根本的に間違っている。戦争を仕向けた張本人という声もあるが、これも間違っており天皇の詔以前からアメリカと日本は戦争状態であった。それに日中戦争(支那事変)や朝鮮に関することについては全く関わっていない。それに合祀された本当の理由は東京裁判において天皇訴追の可能性があったのだが、自ら忠誠を尽くしていた天皇を、自ら全部の罪を背負って守り抜いた功績によるものである。
富田メモの話に戻る。そう考えるとA級戦犯について裏切ったという不快な印象もある反面、国際的な調和をお望みになられていたことも考えると富田メモにはそういった側面もある。著者はそれについて不快な思いを「正論」にて明かしている。もっと凄いと感じたのが富田夫人についてである。夫人の行動力といい、質問力といい衝撃を受けた。
本書は著者の積極的・精力的な取材により新書という制約条件の厳しくてもここまで内容の濃いものであった。それに愛国心の持てない理由も非常に説得力があり、日本の国家としての愛国心を疑いざるを得ない。

F1 ドイツGP ハミルトンが今季3度目のPP! そして優勝予想

結果は以下のとおり(GPUpdate.netより)。

Pos.ドライバーコンストラクターズTyresTime
1 L・ハミルトン マクラーレン 1:15.666
2 F・マッサ フェラーリ 1:15.859
3 H・コヴァライネン マクラーレン 1:16.143
4 J・トゥルーリ トヨタ 1:16.191
5 F・アロンソ ルノー 1:16.385
6 K・ライコネン フェラーリ 1:16.389
7 R・クビサ BMW 1:16.521
8 M・ウェーバー レッドブル 1:17.014
9 S・ヴェッテル トロロッソ 1:17.244
10 D・クルサード レッドブル 1:17.503
11 T・グロック トヨタ 1:15.508
12 N・ハイドフェルド BMW 1:15.581
13 N・ロズベルグ ウィリアムズ 1:15.633
14 J・バトン ホンダ 1:15.701
15 S・ボーデ トロロッソ 1:15.858
16 中嶋 一貴 ウィリアムズ 1:16.083
17 N・ピケ・ジュニア ルノー 1:16.189
18 R・バリチェロ ホンダ 1:16.246
19 A・スーティル フォースインディア 1:16.657
20 G・フィジケラ フォースインディア 1:16.963

ハミルトンはイギリスGPの優勝から余裕でしたね。ミスもあったのですがハミルトンのテクニックで見事にカバーしていますから、おそらくポール・トゥ・ウィンの可能性も高いですなぁ。

2位にはマッサ。何とか食いこんだというところでしょうか。前戦もさることながらちょっと調子が悪く、マクラーレンに追いつかれている、むしろ追い抜かれている感があります。スタッフの士気が下がっているのか、マシンに何らかのトラブルがあるのか…。そうなるとライコネンが6番手に沈んだのもライコネン自身のせいとはちょっと言えないかもしれません。

トゥルーリは4番手ですが、決勝はどうでしょうか。予選では結構力を発揮しているのですが、決勝には弱いですからねぇ。ポイント取ったことはあるにせよ予選の順位から維持したことはほとんどないですから…。

中島は16番手、挽回に期待です。

さて優勝予想はこうなりました。

本命:ハミルトン

対抗:マッサ、コバライネン

要注意:ライコネン、トゥルーリ、クビサ

決勝はどうやらウェットになる可能性は少ないようですが、荒れるかどうか、そこまではわかりませんね。初めてのサーキットという考えで行くとハミルトンはそういったことには滅法強いので、ここでも力が発揮するのではないかと。

ライコネンは表彰台以上は上がるかもしれません。1コーナーさえ悪くならなければの話ですが。

あくまで私の勘ですが、良くも悪くもおそらくここがポイントレースのターニングポイントとなりそうです。同ポイントからどのように拮抗状態を破られるのかも注目です。

F1 ドイツGP PP予想

お気づきの方はいらっしゃいますが、梅雨明けしたので背景を変えました。

夏ということなので、ちょっと涼しいように水の中ということなので…

ではPP予想

本命:ハミルトン

対抗:コバライネン、ライコネン

要注意:マッサ、ハイドフェルド、ロズベルグ

こんなところじゃないですかね。

ウェブ人間退化論

ウェブ人間退化論―「社会のIT化」は「サル化」への道!? ウェブ人間退化論―「社会のIT化」は「サル化」への道!?
正高 信男

PHP研究所  2008-05-27
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本書は今現在反映しているIT化を悲観的にとらえ、IT技術の進歩に従ってどんどん日本人は退化しているのではないかと主張している1冊である。
完全に間違っているという感覚で私は本書を読んだのだが、著者の意見には一理あると考える。とりわけ技術の進歩により、人と人とが面と向かって話すコミュニケーションが減っているということは確かにそうかもしれない。当然「話す」ということも最近ではそれほど多くなくなったように見える。しかし、コミュニケーションというのは昔と今では当然違うし昔からもっと昔とでも違う。何を言いたいかというとコミュニケーションというのは絶えず変容しているのではないかということ。だから技術の進歩によるコミュニケーションの変化も私は是であると思う。
しかし後半は全く賛同できない。まずIT化によっていじめが増えたとあるが、これはITとは全く関係がない。親とのコミュニケーションや家族間の環境が主である。その微妙な変化にさらされただけでも子供は敏感に受け止められてしまう。特に離婚や家庭内暴力など急激に悪くなるものは子供にとっても悪影響を及ぼしてしまう。私はそこにあるのではないかと思う。それと周りの取り巻く環境、特に地域の親密感の減少、そして何よりも学校での教師、PTAの在り方の変化などがあげられるのではないだろうか。
第4章では著者が何を言いたいのかがよくわからない。心のメタボリックとあるが何を基準にして行っているのかが本書では全く読めなかった。
そして最後については年に1回ITを離れる程度であれば本書のことがよくわかると思う。私は実際こういう風に触れていなかった高校時代にはいろいろなものを得ることができた。しかしITに数多く触れるようになった大学時代にはさらに違ったものも得ることができた。だからITから得られるものは少ないというのはお門違いである。
ITの悪いところばかりをあげつらっていて何もなかった時をよしとする考え方というのは、いつの時代もそういう考えはあるが、それは現在の進歩を否定しているという己の自己欲求の充足でしかならないと私は考える。本書はそんな類ではなかろうか。

家康と茶屋四郎次郎

家康と茶屋四郎次郎 (静新新書) 家康と茶屋四郎次郎 (静新新書)
小和田 泰経

静岡新聞社  2007-11
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江戸幕府初代将軍徳川家康。その家康の武勇伝や幕府に関する内情については多くの文献が残っている。しかし、その家康をはじめ幕府を経済的に支えた人はあまり紹介されなかった。
本書はそれを支えてきた茶屋家をはじめ江戸時代初期の幕府の経済事情、そして朱印船貿易についてどうなのかというのを解説した1冊である。茶屋四郎次郎については全くよくわからなかったのでちょっと入門書みたいなのを見てみたら、安土桃山時代から江戸時代初期まで徳川家に仕えた豪商(特権商人)とされている。本書では有名な初代から三代目についてピックアップされている。本書を読んで朱印船貿易や家康の死因といわれた「鯛の天ぷら」のくだりが多かったが、本書の内容としては初代・二代目よりも三代目のことについてではなかろうか。

英語より日本語を学べ

英語より日本語を学べ―焦眉の急は国語教育の再生だ 英語より日本語を学べ―焦眉の急は国語教育の再生だ
竹村 健一 斎藤 孝

太陽企画出版  2006-06
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表題を見るにまさにその通りと言っていい。本書は国語教育のスペシャリストである斎藤孝氏、日本の国語教育を憂う論客竹村健一氏の共著である。
第1章では読書について書かれており、現在日本では読書を推進する法律まであることを憂いている。私は大学生活の後半で堰を切ったように本を読むようになり、社会人になった今となっては1日に数冊読むようになった。読書を奨励するのはいいが、無理やりというものではなく読書の良さと魅力を伝えることができたら日本はもっと読書国家になるのではないかというのがこの章の本懐と言えよう。
そして特筆だったのは第5章のコミュニケーション能力。日本人というのは語彙が非常に豊富であるので、非常に勤勉性はあるが、会話する習性がなくしっかりとした日本語と話す機会というのが少ない。日本の教育にはディベートする機会が少ない。正しい日本語を学ぶべきということをいろいろな論客が同じことを言うが、正しい日本語を話す練習を行えば自ずと上達するという。とある番組にて斎藤教授のゼミではそれを毎回短い時間ながらやるが、上達が見えるようになったという。もしもそれが本当であれば日本語教育というのは読み書きだけではなくしゃべる教育を週に1回行えばいいと考える。むしろゆとり教育の本当の狙いというのはディベートによる教育をやるということではなかろうか。先日のある討論番組でもある話題について2日間にわたってディベート行うということを行っていることを聞いた。ちなみに最初は些細なものをディベートを行うが、卒業する時期には性教育や憲法といった重い話題でも積極的にディベートを行うことができるという。日本人は討論する力というのは諸外国に比べて弱いという。日本の国語教育はまだまだ進化するがこういった教育も日本語教育の一つではなかろうか。

病気を治す食べ方、食べ物

病気を治す食べ方、食べ物 (ベスト新書) 病気を治す食べ方、食べ物 (ベスト新書)
石原 結實

ベストセラーズ  2007-03
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病気を治すには食事に限るというのが本書の主張であり著者の主張である。私もこれには大賛成である。しかしこれには欠点があり、即効性がない。日本人はせっかちな民族であるので、病気になっても薬によって解決させようとする。また医師も薬によって治したりする方法を容易にとってしまう。でもそれだと即効性はあるにしても、病気で治すとは到底言えず、結局直しても薬漬けのスパイラルに陥り治る病気も治らない。
少し病気になり薬を飲んで安静にすると言うよりもあらかじめ食事を少し変えることによって病気にならない体をつくるというのも一つの手段である。
著者がやっている「1食抜き」の食事法については半分賛成であるが、無理やり1食抜くことよりも食べたくないときは食べないということに限る。朝だからたっぷり食べなければいけないとか付き合いだから、健康にいいからたっぷり食べろということは私から見ても著者の視点から見ても馬鹿げている。だったら食べたい時に食べればいいし、食べたくないと思えば食べないとしたほうがいい。もともと原始人には太っている人はおらず野生の習性であるせいか食べたい時に魚や肉を捕ったり木の実を拾ったりして(時には火を使って)食べていた。これは人間特有のホメオスタシス(恒常性)が備わっていることによってできたものである。
今太っている人や、病気がちな人にはこれを読むとともに、無理やり食べるという主義ではなく食生活そのものを自分の体に合わせて食べた方がいいのでは。

タイアップの歌謡史

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速水 健朗

洋泉社  2007-01
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「歌」というと何らかのイメージを持っている。歌が持っているイメージもあるが、タイアップの曲のように、ドラマやCMのイメージが先行してしまうことも捨てきれない。例えば、「ラブストーリーは突然に」や「SAY YES」とかはそのイメージがすごく大きい。
本書はこのようなタイアップ曲の歴史について紐解いていく。それらは戦後TV番組が生まれた時からそのタイアップの歴史は始まった。今となっては数多くの曲がCMのイメージソングやTVドラマの主題歌、アニメの主題歌、大会のイメージソングに使われ、その曲自体がそれらのイメージになっている。
本書にも書いてあるがタイアップに関しては浜田省吾は反対の姿勢をとっている一方で、多くのタイアップソングを作ってきた小田和正や吉田達郎の意見も非常に興味深かった。
そして90年代と比べると今はCDの売り上げが落ち込んでいること、そしてTV局の行き過ぎたタイアップについても言及しているところも勉強になった。
タイアップソングの「明」と「暗」、それぞれが入り混じって本書ができたという誠に素晴らしい1冊であった。

長い戒名ほど立派なのか

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加藤 廣 若桜木 虔

ベストセラーズ  2007-01
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戒名というのは死後につけられるので、私たちにとってはあまり縁がないように思える。しかし、もし自分が死んだらどのような戒名が付けられるのかというのはじつは自由に選べられるというわけではないとも思った。
しかし戒名というのはそうではないという。そもそも死後につけられるのは日本くらいで他の国の仏教での戒名は生前に付けられるそうだ。それに戒名というのは鬼籍(死後に入るところ)に入るための通行証と間違えられやすい。確かに死後に与えられることが風習となってはいるものの、仏門をたたいたものは世俗から離れているので生きている間に戒名が名づけられるという。とりわけ戦国武将の中でも苗字と戒名で名乗っていたほどである。
さて本書の内容に戻る。本書はその戒名について考察されている。戒名には多くの類があり、その中でも長いものは立派なのかというが、本書から見るにそれほど立派なものではないものまであった。ということなので表題の答えよりも結論はそうではないと。
しかし、道号によっての格付けはなされているという。道号というのは戒名の一番後ろにある「居士」や「大居士」に当たるのが道号である。これについての詳細は本書で見れば早いと思う。
本書で一番気になったのは戒名を名づけられるに際して戒名料がとられるということ。下は5万以下のものから、上は500万以上かかるものもあるという。おかしいのではないかと考えてしまうが、妥協してしまう側面もある。そもそも仏門自体自宅の仏壇へつき1回、場合によっては年数回お坊さんが訪問してお経をあげるということをしている。実際私の実家もそうだった。その香典だけでも結構稼げるものの、それでは修行にいそしんでいる僧たちが困窮してしまう。そこで戒名である。戒名料を徴収して修行とはいえ少なからずとも修行にいそしめるような稼ぎができるのではないかと私は考える。これはあくまで私自身の私見であるので、実際とはちょっと違うかもしれないのでご承知いただきたい。

新聞がなくなる日

新聞がなくなる日 新聞がなくなる日
歌川 令三

草思社  2005-09-06
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新聞というのはいいものだ。毎日のニュースを事細かにとらえられているばかりではなく安価で多くの活字があるので「読む」という訓練にもなる画期的なものである。
しかし最近新聞に載っているニュースというのは信頼できない。あまつさえTVニュースでもバラエティ化により事件の深みにはまっていくことがなくなってきている、新聞は新聞で全体的に同じ記事にしかなっていなかったり内容も長く書かれているわりにはチープ感がある。
本書はそういった新聞に関する危機と、コンテンツの進化による新聞崩壊の予感に関して論じている。新聞のビジネスモデルというのは非常に古い時からずっと続いており、長らく安定的に成長し続けてきた。しかしインターネットの急速な普及により新聞の売り上げ部数も右肩下がりとなってきている。このままでは新聞が滅びてしまうというのも考えられる。
しかし著者も私も新聞はなくならないと主張している。ただしビジネスモデルと報道の在り方の変革が前提条件となる。ビジネスモデルであるが、新聞は非常に安価で広告収入も多く非常に儲かっていることも事実である。しかし、最近ではGoogleによる広告の在り方の変革もあってか従来のTVCMや新聞広告がなかなか集まらないのもあり、さらに前述の通りに売り上げ部数の減少も相まって、経営が段々と逼迫しつつある。
その中で新聞はどうあるべきかというところでビジネスモデルは本書でも書いてあるが、収入を広告1本にしてフリーペーパー方式にするというのも1つである。広告1本にするのも最近では広告収入も減少していると書いてあるが、ここではGoogle方式とよく似ていて1本あたりの広告収入は安価ではあるものの多数の広告媒体を敷くという、つまり多くの会社の広告で新聞の半数を埋め尽くすという方式である。これには多くの弊害はあるが実現はできるはずである。もう一つは報道の在り方である。これについても本書では韓国のオーマイニュースを例に取り上げられている。日本で言ったらPJニュースが例にあげられるだろう。オーマイニュースもPJニュースも特徴なのは一般市民がジャーナリストとなり(パブリック・ジャーナリズム)、その中で独自のニュースを供給しているというスタイルである。こういったものが報道の独自性を如実に見出している。最近では記者クラブという名の報道談合も話題となっている。情報の独自性や報道の自由が叫ばれているのにもかかわらず、新聞社は記者クラブにて情報を画一化しているのである。それで報道の独自性が見いだせるというのかというのも疑わしいことである。
繰り返すが私は新聞はなくならないと思っている。しかし今のままの状態がもっと続いたらそういった新聞はいらないと主張する。

弄ばれるナショナリズム

弄ばれるナショナリズム―日中が見ている幻影 (朝日新書 27) 弄ばれるナショナリズム―日中が見ている幻影 (朝日新書 27)
田島 英一

朝日新聞出版  2007-01
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本書は日本や中国では「ナショナリズム」というものが蔓延っている。それを排除し真の日中関係を気付こうというのが著者の狙いかもしれない。
しかし隣国というのは永遠に仲良くなれない。中国に関する執拗な日本批判、とりわけ戦争責任論については強く謝罪を要求している、現に日中友好条約にて謝罪しているし90年代には何度も謝罪を行っているのにもかかわらずいまだに謝罪要求を行っている。これでは日中の友好関係は築けない。築くはずがないと私は思う。それの何よりの証拠としてはイギリス・フランスの関係がある。事あるごとに政府間、隣国民間で罵り合いが続いているという。
さてナショナリズムということではあるが、本来であれば国家主義・全体主義のことを表しているのだが、ここではおそらく国家間で仕組まれた愛国心ということであるかも知れない。これについては当ブログの「日本の愛国心」にて詳しく書かれているのでここでは割愛させていただく。しかしナショナリズムには本書に宗教性という考察がなされているが、ナショナリズムと考えると切っても切れないように思える。日本では靖国問題が話題になっており、それが日本のナショナリズムであるという考えの人もいる、それを連結すると中国では無宗教主義である、もとより共産党自体が宗教性があるのではないだろうか。だからウイグル自治区やチベットでの迫害も起っている、宗教の排除を考えると確かにナショナリズムということもうかがえる。
さらに中国では若年層を中心にインターネットが盛んに使われている。その中では愛国主義を強調しているサイトをよく見るという。それによる反日主義は年上の世代よりもずっと強い。それと同時に中国では日本アニメ(日本動漫)がブームとなっている。これによる知日主義も同時に芽生えている。これも一種のナショナリズムではなかろうか。
最後について(東京裁判等)は論外である。天皇は時代の潮流にもまれてしまったのにもかかわらずそれをも知らずに天皇訴追しているので。

「捨て子」たちの民俗学

「捨て子」たちの民俗学―小泉八雲と柳田國男 (角川選書) 「捨て子」たちの民俗学―小泉八雲と柳田國男 (角川選書)
大塚 英志

角川学芸出版  2006-12
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「捨て子」たちと書かれるとちょっとピンとこない。
しかしラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と柳田國男の2人の民族学者から見た、民俗学者共通の来歴と常人には考えられない衝動を手がかりとして著者の大塚英志氏が民俗学の根本と思考について考察している。
民俗学は私自身あまりよくわからないのでここでは気になったところだけ述べようと思う。
著者が言うには民俗学は人相学の雛型となったという。ちなみにハーンも柳田も共通して挙げられているという。民俗学の中の封を開けてみると確かにそうかもしれない。民俗学は国家においてどのような生活をなされてきたのかという学問であるので、その生活の中でいかにして人格、人相を気付いて行ったかという一つの材料となる。そのうえでは人相学というのは民俗学によって生まれたものであるという考えもよくわかる。
ハーンや柳田は日本の民俗学について最も追及をなした学者である。その中でどのような考察をなされてきたかというのも興味深い。そのなかでハーンが「君が代」と民俗についての考察を行っている。ハーンは「君が代」が「民族感情」を喚起しているという言葉に興味がわいた。しかしよく考えてみると、国家というのは国に対する愛国心の現れ、畏敬の念を感じるものであると同時に民族感情が入ることはごく当たり前のことであると私は思う。アメリカやフランス・イギリスなどの国家には革命や独立によって築き上げられたアイデンティティがここにあるのではないだろうか。
最後のほうにようやく表題の捨て子が登場する。これまでの民俗学を見てみると、民俗学というのは生まれながら、もしくは成長とともに芽生える国それぞれのアイデンティティであることがわかった。そこでは親から民族性を受け取るということも後世の役割であり、それを身につけることによって無意識にその国家のしきたりや民族性というのが如実に表れる。しかし、捨て子になり親への愛情かなかったらどうするのか、というのを考察している。柳田によれば子捨て(捨て子)を言うのは「社会への養子」と結論付ける。これについては私自身「なるほど」としか言いようがない。しかし、子を捨てることにより、捨て子は親への愛情を受けることができない。その代わり別の家族での社会、もしくは世間を学ぶということになるのでそこで肉親から学ぶものとはまた違った民族性について学ぶことができる。しかし、いいところも悪いところも表裏一体であるのでどちらがいいとは私でも言いきれない。
難しい本ではあるので、部分的なところで私なりにまとめてみたが、民俗学について少し勉強になったし、これからもこういう類の本とかかわっていきたいという気持ちにもなれた。

「日本の問題点」をずばり読み解く

「日本の問題点」をずばり読み解く 「日本の問題点」をずばり読み解く
三宅 久之

青春出版社  2005-07-26
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本書は日本の政治の問題点について事細かに、かつ分かりやすく解説されている。
第1章では小泉政権下での日本の政治の問題点について語られている。ここでは小泉元総理が考えていることを著者が取材を行ったことによる独自の観点が生かされたところもあり非常に面白かった。
第2章は外交についてであるが対米外交、そして対北朝鮮外交について、第3章では本書が出版された年の5月に中国で大規模な反日運動があった。そのことによる著者自身の反応と、小泉元総理が公約に挙げていた靖国参拝について、第4章では少子高齢化、第5章は教育、そして最後は報道について著者独自の視点、かつ入門書のように非常に明快に書かれている。
特に面白いと思ったのが第4章のジェンダーに関することの話。ある番組をご存知であったらいいのだがここでは女性問題について舌鋒鋭く語っている田嶋陽子氏をここで批判している。あの番組であれだけ批判しているのにここでもかという思いで見ていた。でもやっぱりここでも三宅先生らしいのが本書のいいところではなかろうか(ちなみに宝島社の「おじいちゃんにもセックスを」というところでも三宅先生は田嶋氏を批判している)。第5章では平等教育について批判しているが、ここは全くその通りと言いたい。平等教育によって出る杭が打たれてしまう。本当の教育というのは出る杭を伸ばさなければいけないのに、それを平等主義に反するからやろうともせず、むしろそれを止めてしまうという現状。これでは人が育たず大人たちの傀儡となってしまうのも無理もない。しかし日本の教育はそれでは駄目である。日本人はまだまだ成長できる、競争できる。そういう大人たちに教育を委ねることこそ真の「教育」ではなかろうか。

副島隆彦の人生道場

副島隆彦の人生道場 副島隆彦の人生道場
副島 隆彦

成甲書房  2008-02-08
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副島氏と言えば政治や経済、そして金融に関する本を数多く上梓していることでも有名である。しかし私はこれと言って読まなかった。当然副島氏の本に触れたのも本書が初めてである。本書はいつも上梓されるようなレパートリーではなく副島氏自身の人生観をぶつけ、若者たちに人生とは何かを教える一冊である。本書のハードカバーをめくったところに「私は黙らない」と書かれてあるとおり。まさに丁々発止の如く、次から次へと日本の社会、特に若者に関してのことを叩きまくりといった感がある。しかし後半になるとその感がやや落ち着き著者自身の半自叙伝ともなっている。最後にはメールでの質問・意見の回答も丁寧になされている。
著者にちょっと聞きたいのは、これだけ書かれたのはいいがでは「著者自身の人生は一言で表すと何なのか」とも聞きたくなってしまう。
だがここまで過激に語っていることを見ると大阪の某討論番組を紹介したくなる。著者がパネラー席に出ていたら…いったい何をしゃべるのだろうか。面白そうに思えてくる。

ニッポン・サバイバル

ニッポン・サバイバル ―不確かな時代を生き抜く10のヒント (集英社新書) ニッポン・サバイバル ―不確かな時代を生き抜く10のヒント (集英社新書)
姜 尚 中

集英社  2007-02-16
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東大大学院で政治学教授である姜尚中氏が著者の理論と体験談をもとに寄せられた声にこたえていくという1冊である。著者なりの答え方であり、しかも自分なりのスタンスを貫いているところに本書のいいところである。私もほとんどの意見に共感を持つことができる。
ただし憲法九条に関してはちょっと異論を述べたい。著者は憲法九条を変えることによって戦争のできる国にしようという論客が多いとおっしゃられたが、確かにそういう人もいるが、それは半数もいない。もう半数はもっと守備範囲を広げて集団的自衛権を保持しようということである。それともう一つはイラクをはじめとする海外への人道支援を憲法により保障できるものとすることも改憲論の中の一つと言えるのではないだろうか。特にイラク戦争での自衛隊の後方支援に関しては日本では賛否両論はあったものの国連のアナン前事務総長は高く評価している。私は改憲を行い、集団的自衛権を保持し、戦禍の国々で後方支援を行いながら復興を行うということこそ日本の国防の役割であると私は思う。

ブログがジャーナリズムを変える

ブログがジャーナリズムを変える ブログがジャーナリズムを変える
湯川 鶴章

NTT出版  2006-06-24
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ブログで書き込みを行っているのは日本人が最も多いというのは周知の事実である。その中で時事的なことについて一言書いたり、日々徒然を書いたり、そして私みたいに書評を行ったりもしている人もいる。
ブログというのは自分の意見を述べる格好の場ではあるが、そのブログが日本、いや世界のジャーナリズムを変えるというのが本書である。
まずは第1部は放送と通信の融合であるが、まず著者自身の体験に交えたことでCATVについて書かれていた。ここの部分は非常に興味深かった。日本にも、スカパーやWOWOWといった多くのCATV局は存在するのだが使っている人はあまり見られない。それに対して私が直接聞いた要因としては大きく分けて3つ、一つは月々の料金、また1番組あたりの料金がかかるということ。そして設置が非常にめんどうなことと、録画において不便であること。そして何よりもさしあたり必要と思っていないことである。2つ目と3つ目が重要で、本書では2つ目のことについて事細かに書かれてあった。アメリカと日本のCATV事情が大きく違っているが、詳しくは本書を読んでいただきたい。3つ目に関しても本書にちょっとした要因が書かれている。日本人にはそれだけの欲求がないのか、それともCATV番組に魅力がないのかどちらかであると。あるいはその両方かもしれない。私自身CATVを利用したことはないのだがCATVの魅力と言えば非常に多様であることと地上波(特に在京キー局)で放送することのできなかった報道や話題について切り込めるメリットがある。しかしそれは関心がなければ何物にもならない。結局浸透しない要因は後者にあるという答えに行き着いてしまう。
第2部は本書の根幹である参加型ジャーナリズムについてである。
参加型ジャーナリズムについては前の記事に手何度も書かれているので割愛させていただきたいのだが、本書が本書名だけにそうはいかないので、ここでは前のブログで紹介されなかったところだけについてお話をする。まずは「EPIC2014」についてこれは2004年秋までの実際に起こったことを紹介し、2005年以降2014年までに何が起こるのかというシミュレーションのショートムービーである。これについて当たったのか外れたのかというのはちょっとバカらしいので触りだけにしておく。2004年につくったことなのでほとんどは外れてはいるが、大枠みたいなものは、方向は違えど当たっているといえば当たっているといってもいい。さてブログジャーナリズムである。これについてはちょっと本書にて面白いものがある。米ブロガーがある記事を投稿したことにより著名ジャーナリストを降板させたという。「ブッシュ大統領の兵役」に関してのスクープであるが保守系のブログにおいて機密情報の信憑性に疑問を投げかけ、その後番組のキャスターであったジャーナリストと幹部がこぞって辞任に追い込まれたというエピソードである。ここで軋轢を生じないアマチュアの観点(強み)が顕著に出ており、その力で、強大なメディアを崩すことのできる何よりの証拠となった。ただしこのジャーナリズムにも課題があり、目に見えるものでいえば独自性を割り出すことはできるものの、2chととらえかねないような記事やコメントになること、そして根も葉もないような記事が生まれることが既存メディアよりも多くそれによりインターネットへの批判も高まりかねない危険性が高いことである。これについてはどうしても改善するのは難しい。管理人みたいなものを作り取捨選択をやればいいのではないかということも考えられるが、結局検閲になり、それが強大化してしまうと既存メディアの軋轢と同じようなことになってしまう。当然独自性というものが大事になるものなので公序良俗に反するものは排除すべきだがそれ以外であれば排除すべきではない。それが参加型ジャーナリズム最大の強みだから。
そして報道のビジネスモデルについては、新聞やTV報道については消えることはないと何度も言ってきたがその考えについては変わらない。ただし新聞については同じ形というわけではなくもっと進化した形で存続すると思うし、報道も韓国のオーマイニュースのように1大メディアに位置づけられる強さを持つことができる。それにより報道に関するビジネスモデルの強さは変容すると私は思う。報道というのは絶えず進化しない限り「正確・迅速な報道」、「平等な報道」、そして何よりも「自由な報道」は生まれないのだから。

メディア進化社会

メディア進化社会 (Yosensha Paperbacks 28) メディア進化社会 (Yosensha Paperbacks 28)
小寺 信良

洋泉社  2007-05
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本書はメディアの変遷と進化を5章に分けて考察を行っている。
第1章はメディア論について。ここでは電子書籍の不振や大手マスコミのネット取材の現状、そしてコンテンツ配信について書かれている。まず電子書籍についてであるが諸外国では進んでいるのに対し日本ではそれほど進んでいないことも現実である。とはいえ日本でもニンテンドーDSにて電子書籍が出回っており唯一の救いといってもいいかもしれないが、文学作品しか出回っておらずそこから範囲を広げることが課題と言えよう。コンテンツ配信については最近では音楽配信についての現状について書かれているが、日本には著作権の軋轢が諸外国と比べて大きい。これについては最終章に書かれていたのでそこで紹介する。
第2章はTVについてである。偏向報道やメディア・スクラムについてであるが、ここでは執拗な視聴率主義により事件やその周りにいる人たちを客寄せパンダならぬ「視聴率寄せパンダ」という格好の標的にしているという。さらには現在クイズ番組も乱発しておりおバカキャラも多く出ており、アーティストとしてシングルを出すなどしている。しかもお笑い芸人を起用している番組も多い。これには制作局側の予算削減を意識しているのが露骨に現れてくる。これも確かには一理はあるものの、著名な論客の中にはこういう状態を憂う人もいる。とはいえお笑い芸人に限らず昔のバラエティ番組には人気のある噺家も登場していたということを考えると今ほどではないけれどもそのような傾向は今も昔も変わらないという考えも捨てきれない。
第3章はネット論。ここではブログやネットに現れる文の傾向について着目したい。ブログについても分についてもいえることであるが長文になるものが少ない傾向にある。また、文章として成り立っていないものが多いと著者は言っている(例えば主語がないなど)。しかし文章というのは簡素になることは重要であるが、それ以上に文章として書き続ける力を身につける場でも使える。実際私も書評を通してそうしているが、1年以上やっているのにもかかわらずこんな状態になっている。もっとうまくならなければと思っている。
第4章はオタク論について。ここでは澤口俊之氏の「平然と車内で化粧する脳」をベースにして考察を行っているため岡田斗司夫氏のオタク論とは一線を画している。一線を画しているとはいえ支店のことであり、その過程に行き着く到着点はほぼ同じだった。しかし「中国人や韓国人もオタクにならなければならない(p.181)」とあるが韓国人は分からないが、中国人についてはもうオタクになっている人が多い。これについては「中国動漫新人類」にて紹介されているのでぜひご覧になったほうがいい。
最終章は著作権についてである。現在ではようやく緩和され始めているとはいえ、まだ業界や組織の軋轢により著作権の抜本的な緩和が進んでおらず、それどころか著作権料の配分が値上がりしている。現に「ダビング10」が導入されているがアメリカのCATVでも地上波でもHDD等の録画装置により何度でも録画ができるが、日本ではそれが不便にできている。これも著作権がネックとなっている。またアニメをはじめとしたTV番組のコンテンツ配信は進んでは来ているもののいまだに進んでおらず、こちらも著作権を盾にして配信させないというところが多い。TV局では過去に放送されていたものをマスターテープにして保存を行っているため過去の放送をコンテンツにして配信できようと思えばできるのであるが、視聴者の要望にこたえられるだけの器量があるのかと考えると疑わしいのも事実である。軋轢の解消と諸外国の理解、そして視聴者と著作権側の歩み寄りがない限りこの問題の解決は無理とも言えよう。

メディアと政治

メディアと政治 改訂版 (有斐閣アルマ) メディアと政治 改訂版 (有斐閣アルマ)
蒲島 郁夫 竹下 俊郎 芹川 洋一

有斐閣  2010-12-11
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本書は大学の教科書であり、政治がいかにしてメディアを利用しているのかというのをわかりやすくまとめた一冊である。2005年の衆議院総選挙以降、メディアと政治の在り方について重要視され始めた。特に政治番組一つで選挙の流れというのが大きく変わってくる。しかもインターネットの進化により有権者同士が活発に意見の主張や交換を行うなどしており、それによっての影響も捨てきれないことも事実としてあげられる。論客によってはメディアに先導されて結果が偏重しているといわれているが私はそうではない。むしろ政治に関してそれほどでもない若者が博知化しているというといいすぎではあるものの、政治に関して少なからず興味を持っていることは事実である。しかしそれが選挙に結び付いているという関連性は薄い。というのは投票率は最近では増えては来ているものの、いまだに20・30代の投票率はそれ以上の世代に比べても低い。政治に興味を持ち、1票が変えられるという意欲がなければインターネットが選挙の起爆剤となることの何よりの証拠として認められない。意見交換をすることは大事だが、そのあとには実際に行動をすることも大事である。
さてメディアと政治の変遷であるが、日本は公職選挙法によりまだまだ不自由な点があることが多い。実際アメリカ大統領の予備選では民主党ではオバマが、共和党ではマケインが指名されることが確実となった。その予備選に手最も選挙の材料として使われたのがYouTubeをはじめとした動画サイト、そしてSNSである。最近では民主党の原口一博氏が今年の目標にSNSを挙げていたこともあるが海外ではそれが活発に行われており、選挙や政治参加について大きな役割を担っていることも事実である。
メディアは変容しつつありTV政治が重要な要素となっているがこれからは公職選挙法も改正され、選挙や政治はもっともっと近い存在になるだろう。

靖国問題の核心

靖国問題の核心 (MouRa) 靖国問題の核心 (MouRa)
富岡 幸一郎 三上 治 大窪 一志

講談社  2006-08-04
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靖国問題と言えばよく首相の靖国参拝がメディアでは取り上げられている。
とりわけ左派議員や論客からは政教分離の憲法違反、中国や韓国の批判は激しくA級戦犯が祀られているからという理由から、そのことにより大東亜戦争を肯定化しているという人も多い。これ自体については私も釘を刺したい。特に東条英機のことを言うこともあるが確かに大東亜戦争に持ち込んだ本人の1人ではあるが、人への優しさ(ただし自分に対して忠実な人のみ)と天皇への忠誠と潔さが強い人であった。「東条英機=悪」という印象が今でも強いが、それに疑問を持っている人にはぜひ小林よしのり氏の「いわゆるA級戦犯」をぜひ読んでいただきたい。東条英機の意外な面が垣間見ることができるので。
さて靖国問題に移る。メディアでは靖国参拝だけと捉えがちであるが、実際は結構多い。遊就館問題や一昨年の日本経済新聞の1面にあった昭和天皇は合祀を望んでいなかったという富田メモ問題、そして朝鮮人の合祀者の遺骨の返還の要求も絶えない。
靖国神社というと、1902年に「東京招魂社」として建てられた。日本の有名な神社の多くは数百・数千年前に建てられたので、それを考えるとわりと新しい。靖国神社は様々な事柄において日本に尽くし(もしくは貢献した)殉職した者が人柱として祀られる、いわば合祀されるという。その陣中数は全部で約180万にも上っている。ちなみにそこに祀られている例を「英霊」と呼ぶ人も多い(ちなみに私もそう言っている)。
靖国神社というのは神道上でも特異ではあるものの、国のために忠義を尽くしたという観点から考えると神道上の人柱の範疇には入るかもしれない。

凛とした日本

凛とした日本 ワシントンから外交を読む (PHP新書) 凛とした日本 ワシントンから外交を読む (PHP新書)
古森 義久

PHP研究所  2006-11-16
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日本とは一体どのようであるべきか、そして日本はどのような態度で外交に臨むべきなのか、毎日新聞論説委員の古森氏は「凛とした姿であれ」と答えている。正直言って驚いた。毎日新聞の人間の中でここまで良識があるお方がいるとはと目を疑った。特に第1章では中国に対しては毅然とした態度で臨めとしていること。これは私には大賛成である。著者によればそれをいう理由はいくつかあるものの、特に目を引いたのが橋本派瓦解でのことである。故橋本元首相であるが中国外交ではとんでもない大失敗をやらかしたのである。ハニー・トラップに引っかかってしまい日本が他国に知られてはならないこと(弱点・盲点というべきか)のそのいくつかを流してしまったことにある。それだけではない。中国から牽制を受けるとたちまち弱腰になってしまっていた。隣国というのは有効になることはできないといってもいいのに友好、悪く言えば媚びているような感じになってはいけない。福田首相は対話路線をとっているのだが、これも媚びているようにしか思えない。福田首相は対話路線よりも毅然であるべきだと言いたいところだが…できないだろうな。
そしてもっと驚くべきことは靖国参拝について。本書を読むには靖国参拝反対論は少なかったという。2・30年前には靖国参拝をすると多くの国々が反対や批判をしていたのだが、今となってはワシントンでは逆に中国を批判しているという。ということは今の日本の首相の靖国参拝は間違っていないということの証明につながるのではないか。ただこれを言うと憲法違反(政教分離の違反)という人もいるが個人勘定によるものであるので憲法違反に当たらないと私も確信する。

プロ弁護士の思考術

プロ弁護士の思考術 (PHP新書) プロ弁護士の思考術 (PHP新書)
矢部 正秋

PHP研究所  2007-01-16
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弁護士と言えば法廷の中での争いや被告、原告人の打ち合わせ等で法律論も兼ねながらの交渉、対話が非常に多い職業である。弁護士と言えば法律の専門家と言われがちとあるがそれだけではなく、法律の勉強よりも顧客との会話が主体なのでコミュニケーション力も嫌でも身に付く。交渉や会話の中でどうやって法廷による勝利に導くのかという思考の術を伝授するのが本書である。
弁護士の思考術というと法を用いてのロジカル・シンキングにより自分に有利になる方法を編み出すのかと思っていたが、それ以上に多角的にとらえることと物を疑うことである。物を疑うことは非常に多角的にとらえられる大きな要素である。特に盲目的に物事をとらえていると思考が止まり、その中で得られたものは形式的な要素でしかない。しかし物事を疑うことにより、多角的に物事を得ることができる。それが本書の根幹であるという。
確かになるほどというような1冊ではあるが、私自身物事は疑心暗鬼ととらえるよりもあえて否定的にとらえその中で真・偽の要素を考え出すということを行っている。本書のような方法は新しい思考の1つになるが、本当に役にたつのかというのはあなたの実践しだいである。万人が万人本書のようなことで成功できるとは限らないことについては釘を刺しておく。

石破茂の国防

国防 国防
石破 茂

新潮社  2005-01-26
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本書は著者が防衛庁長官での経験をもとにいま日本はどうあるべきかをつづった半自伝的1冊である。石破氏は現在防衛大臣についており国防に尽力されている。著者が防衛庁長官のときには9.11の後、アメリカのアフガン侵攻、そしてイラク戦争と世界的にも混とんとした状況下で国防に際して尽力した。そういう機会に恵まれたからでこそ著者は防衛大臣としてふさわしいのではないだろうか。
イラクへの人道支援の判断と自衛隊の在り方について著者なりの解釈が非常に印象深かった。自衛隊は軍隊であるともいう人がいるが、確かに国防上そうであるべきだと思う。しかし憲法9条で軍隊になることは許されていない。当然集団的自衛権は憲法違反になってしまう。では自衛隊の意義はというと現時点では防衛隊というよりも災害派遣隊というべきか。軍隊として動くよりも災害や戦禍に対してどこまで支援を行えるのかというのが今の自衛隊に際しての大きな課題となっているのではなかろうか。阪神淡路大震災での失敗もあれば、台湾大地震での貢献、さらにはイラク戦争での人道支援、これは憲法9条に抵触はされず、むしろ日本としての立場を見た国際貢献の在り方そのものではなかろうか。

新・戦争論

新・戦争論―積極的平和主義への提言 (新潮新書) 新・戦争論―積極的平和主義への提言 (新潮新書)
伊藤 憲一

新潮社  2007-09
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巷では憲法を語られる度に戦争のことを引き合いに出す。引き合いに出すということはほとんど戦争の恐ろしさと非戦・反戦運動が多いイメージがある。確かに日本は63年前敗戦を喫してしまいその後、多くの人がなくなってしまった悲劇、原爆の悲劇、沖縄戦の悲しみを引き合いに出されることが多い。しかも今の世の中は「戦争=悪」と片付けられてしまう風潮にある。
しかし本当に「戦争=悪」なのか。確かに戦争によって多くの民が傷つき、死に絶えてしまう。失った人たちは深い悲しみに包まれやがて平和を訴える。しかし今の平和の状態はいつまで続くのか分からない。日本は「たまたま」60年以上平和であったが、いつ北朝鮮や中国と戦争になってもおかしくない状況に立つことが何度かあった。
では本当の「戦争」というのは何なのかというのが本書の大きな役割である。戦争というのは最大ともいうべき混沌の状態にあり、その混沌の中に人々の犠牲により技術革新が目覚ましく成長するのである。中でもコンピュータやインターネットの誕生は戦争によるものによってできたともいわれている。
しかし武器を使っての交戦だけが戦争ではないのはご存じだろうか。大東亜戦争が終わって5年後の1950年に朝鮮戦争があった。その3年後には休戦協定が締結され一応戦争は収束した…が、これはあくまで「休戦協定」であるので休戦状態、終戦は迎えておらず58年たった今でも戦争中ということである。さらにそれとヤルタ会談の内容を機に米ソ間の冷戦がはじまった。いわば武力との交戦のない戦争である。その中でビキニ島での核実験など多くの国々で核実験が行われ緊張感が最高潮まで達することが度々あった。
さらに平和という概念も本書で語られているが、私なりの「平和」については平穏であることではない。故黒岩重吾があるコラムにて平和とは国間の緊張感が維持し続けていることを語っている。
60年以上たった今だからでこそ、平和について語るべきだが同時に戦争の意義についての再認識も行うべきではなかろうか。

新聞社―破綻したビジネスモデル

新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書) 新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)
河内 孝

新潮社  2007-03
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新聞というのは活字媒体の中では非常に文章も多く時事的なことを広く深く読み取れる絶好の文書である。
しかし、もしこの新聞というのが談合を行っていたり阿漕なことを行っていたりしたらあなたはどうするのか?
本書の著者河内氏は元毎日新聞の役員であり新聞社の実情をよく知られている方である。「新聞離れ」に至っている内部的実情、醜き販売スタイルといった新聞社に関する様々な澱を本書は暴露している。それだけではなくTVだけではなく新聞メディアもインターネットをはじめとした新技術に新聞界が脅かされることを非常に恐れていること。そして談合まがいのような新聞記事の歩み寄り(時には社説も)。新聞を読めとよく言う人も多いが本書を読んだらそれをいう気がなくなるのではないかと思う。ただし、歩み寄り等の醜態があっても新聞を読むということは怠ってはいけない。新聞は読むべきである。しかし新聞の書かれていることを鵜呑みにせず、常に疑って読むことである。時にはあほと言いながら読むのもいいかもしれない。

読み替えられた日本神話

読み替えられた日本神話 (講談社現代新書) 読み替えられた日本神話 (講談社現代新書)
斎藤 英喜

講談社  2006-12-19
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日本神話というと大概「古事記」や「日本書紀」である。元来日本神話で語られる文献は非常に多いものの「古事記」「日本書紀」で描かれていることほど日本を描いている作品はない。
しかし本書でそれを覆そうとなるとは…。本書では中世から近世にわたっての日本神話の観点について探っている。中世の神話に対する価値観というのは左右しやすくなっていると書くが、もしもそれが合致とするならばギリシャ神話や古代ローマ時代の事も合致するのではないだろうか。日本と同じ時代ヨーロッパではルネッサンスというのがあった。その中ではギリシャ神話や古代ローマ時代の背景が絵になって現われている。その中でも数々の傑作が誕生している。しかしそれまでは語られはしたものの像にはなっていない目に見えないものであった。そのため価値観によってはその時代の偉人達がどのような性格であったのかという解釈も多様であったと私は思う。これが日本に通程するものがあるならば、日本は作品や神話観は違えど同じ道をたどっていたという証明にもなる。ということは革命が起きていないにしても日本は諸外国と比べても何も後れをとっていない一つの材料と言えよう。
さて私の中で本書の特筆すべきところといったらどんな所かといわれると、宮崎アニメを神学的観点から考察しているところだ。特に「もののけ姫」は「非農民像」をベースにしたというところもさることながら、日本書紀やオウム事件を関連させながらの考察には驚嘆という言葉以外見つからない。宮崎アニメには非常に難しいロジック、レトリックが隠されているのは周知の事実である。しかし宮崎駿の高度な技術・哲学によりそれを全く感じさせない。だから様々な角度から考察されている本や記事が多く出ている所以である。

象徴天皇制と皇位継承

象徴天皇制と皇位継承 (ちくま新書) 象徴天皇制と皇位継承 (ちくま新書)
笠原 英彦

筑摩書房  2008-05
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「象徴天皇制」は大東亜戦争終結後、GHQによって作られた憲法(日本国憲法)第1条によって明文化され、天皇は象徴的な存在となった。もともと天皇は絶対君主というより軍事や政治の統率権は天皇にあった。それらを統率するには高度な政治力だけではなく、非常に大きい人徳も必要であった。天皇家はその両方を持つ唯一の存在であった。ではなぜ戦後憲法により象徴性になったのかというと、大東亜戦争が終結し敗戦処理を行ってきた連合国と日本。その中で戦争犯罪人を裁くために次々と戦争にかかわる要人を逮捕してきた。しかしある人物をめぐって戦勝国らが衝突してしまった。それが天皇訴追に関してである。イギリスやオーストラリア、隣国である朝鮮や中国はそろって天皇を訴追し2000年以上続いている天皇家の血筋を立たなければならないと主張してきた。今でもイギリスやオーストラリアはこれに強く否定し天皇家の廃止を強く訴えているという。しかしアメリカはというと、議会の中でも天皇制の廃止を訴える人が多々見られた。GHQは複雑な立場であった。しかし最終的に判断したのはGHQと国務省であった。天皇を免責し、少し悪く言えば天皇をわれわれの傀儡にし、日本人をアメリカ礼賛にしようと画策していた。それに天皇は日本人にとって精神的支柱にあったのでもし天皇家が断絶してしまったら、日本としてのアイデンティティが維持できなくなってしまうという心配もGHQには少なからずあったのではないかと考える。これにはまだまだ議論すべき余地があるとされている。

地球温暖化の現場から

地球温暖化の現場から 地球温暖化の現場から
エリザベス・コルバート 仙名 紀

オープンナレッジ  2007-02-28
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本書は実際に著者が地球温暖化のメッセージを送っている所を何百か所も訪れて地球温暖化問題の解決の重要性を説いている1冊である。本書では特に、シベリアやオーストラリア(グレートバリアリーフ)、アルプスと言ったと所まで足を運んで行っている。著者が言うにはそのメッセージの表現の仕方は違えどいいたいこと、すなわち結論は同じであったという。現場を目撃したと語るとアルピニストの野口健氏もヒマラヤ山脈にいって同じようなことをおっしゃっていたことを某討論番組で語っていた

地球温暖化によって永久凍土が溶けていき、北極の氷は溶け、さらには山々にある氷やそれにまつわる景観も破壊され、さらにはそこに住んでいた珍しい生き物も絶滅してしまっていた

以前から私は環境問題について否定的な観点でものを見ていた。環境問題についてこれは悪いのだということから盲目的に対策をうのみにしてしまうほど危険なものはないと思っていたからである。だからと言って環境対策を何もしなくていいというのは暴論であり、自分なりに環境問題と向き合うことにしている。例えばペットボトルについては1回きりで捨てずに何度も使うということ、いわばリユースにこだわっている、リサイクルでは確かに環境にもいいもののそれを再利用するのにもコストが生まれCO2も排出される。それでは矛盾をしてしまうのではないかと考える。だからでこそ物を使わずにCO2を排出を抑えることの自分なりの最高形態がリユースだと私は考える

地球環境によってさまざまなものが失われ、破壊されていったのは言うまでもない事実である。しかし今の環境問題の解決の仕方ではいつか破綻してしまうように思えてならない。洞爺湖サミットでもポスト京都議定書が話題に上がっているが、国それぞれの環境対策をどのようにやっていくのかどれを捨てて、どれを拾うのかということを世界単位でというよりも国単位で考えることが先決ではないだろうか。

「成り上がり」の人間学

「成り上がり」の人間学―逆風をパワーに変える「生き方の流儀」 「成り上がり」の人間学―逆風をパワーに変える「生き方の流儀」
田中 森一

イースト・プレス  2008-06-12
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「反転」でおなじみ、「闇世界の守護人」こと田中森一氏の渾身の作品。本書が入港された後の3月31日に収監なされたため本書が収監前最後の作品と言えるのではないだろうか

本書を読んだ率直な感想としては、著者の印象として非常に厳格であるが、反面非常に人情深いところ、懐が深かったことにより闇世界に生きる多くの人との交流ができたのではないかと私は思う。本書を読んでわかるのが許永中や五代目山口組若頭であった宅見勝の人間的な「深さ」を垣間見ることができた。確かに許氏は事件によって逮捕され現在は服役中の身だが犯罪者であるから性格が悪いという印象は本書で払拭したほうがいいと私は思う。また「ヤクザ=悪」ということも限らない。むしろ「必要悪」ということを考えるとヤクザの世界というのは必要であると私は思う。しかし、田中氏が言うようにヤクザの世界というのはたたくのではなく関わらないことが安全であるという。これについては私自身よくわからないので著者の言う通りにしたい

本書の終盤には日本の若者たちのために「田中森一塾」をつくられたという。これについては非常に画期的であり、我々若者たちのためにと思うと感無量である。最近ワーキングプアなど非正規雇用により日本に希望を持てなくなった若者が多くなり、「蟹工船」といった本が飛ぶように売れるようになった時代である。だからでこそ日本の未来を担う若者たちに希望を持たせ、切り開く力を与えるような教育を求めていた。この塾にはそれがあるのではと思う。

高層難民

高層難民 (新潮新書) 高層難民 (新潮新書)
渡辺 実

新潮社  2007-04
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いつものやつが、なぜか出てこなかったのでしばらくはこれで勘弁を。本書を読む前の表題を見たイメージであるが、今では超高層マンションが多く建てられており、その中でも最上階は景観やゆったりとした間取りとなっており富裕層にものすごい人気となっており、契約開始したらたちまち埋まってしまう。しかし高層物件は費用がかさみ、そして資産も底をつき難民状態となってしまう。本書ではそう書かれているのではないかと思った。

しかし、本書の内容はそうではない。高層マンションの上の階に住んでいる人が対象だということは同じだが、もしも地震が起きた時に取り残されるいわば難民状態のことを言っているのである。最近では震度5弱以上の大地震が頻繁に起きている。日本は環太平洋造山帯にあり自身が頻繁に起きやすいところである。しかしその中で原発や高層マンションといった耐震構造になっていても危険といわれるような場所は日本にはある。さらに緊急地震速報がスタートしてから何度かその情報は流れたがそれの効果について実証されたケースは1つもない。しかもその緊急地震速報自体にも欠陥があり、直下型地震のときには速報が出た時にはもう地震が揺れているというのがほとんどであり、中には揺れた後に緊急地震速報が流れたケースもある(東大の大学院教授であるジェームズ・ロバート・ゲラー氏の意見は当たったといってもいい)。緊急地震速報に頼らず構想に限らずもし地震が起きたら、これからも地震が起きるのかということを事細かに書かれたので、緊急地震速報に頼るよりもずっと確実な選択肢として本書を読むと効果的だろう。

F1 イギリスGP ハミルトンが雨の大波乱の中母国GP初優勝!!

結果は以下のとおり(GPUpdate.netより)。

Pos.ドライバーコンストラクターズTyresTime
1 L・ハミルトン マクラーレン 1:39:09.440
2 N・ハイドフェルド BMW + 1:08.500
3 R・バリチェロ ホンダ + 1:22.200
4 K・ライコネン フェラーリ + 1 laps
5 H・コヴァライネン マクラーレン + 1 laps
6 F・アロンソ ルノー + 1 laps
7 J・トゥルーリ トヨタ + 1 laps
8 中嶋 一貴 ウィリアムズ + 1 laps
9 N・ロズベルグ ウィリアムズ + 1 laps
10 M・ウェーバー レッドブル + 1 laps
11 S・ボーデ トロロッソ + 1 laps
12 T・グロック トヨタ + 1 laps
13 F・マッサ フェラーリ + 2 laps
Did not finish
14 R・クビサ BMW + 21 laps
15 J・バトン ホンダ + 22 laps
16 N・ピケ・ジュニア ルノー + 25 laps
17 G・フィジケラ フォースインディア + 34 laps
18 A・スーティル フォースインディア + 50 laps
19 S・ヴェッテル トロロッソ + 59 laps
20 D・クルサード レッドブル + 59 laps

それにしてもハミルトンは荒れたレースには強いですなぁ。もう「完勝」といってもいいくらいですもん。荒れたレースになればなるほど強くなっていく。これも才能ではないでしょうかね。

2位にはハイドフェルド、面目躍如といったところですねぇ。それとBMWの強さの証明の一つかもしれません。

ハミルトン優勝以上に衝撃的だったのは3位バリチェロ!!2005年アメリカGP以来の表彰台です。最多出場記録の更新もさることながらここにきての表彰台は日本のメーカーとしては感無量じゃないでしょうかね。しかもここ最近本当にポイントが稼げていないこと、バリチェロ自身も昨シーズンはデビュー以来初めてのノーポイントでしたからここにきて大爆発ともいうべきですかね。

そして中嶋は父の前で入賞。「雨のナカジマ」再来といってもいいですね。これ。しかもポイントもチームメートのニコと同ポイント。もしかしたら次戦以降で逆転もあり得ますね。しかし最後まで7位を守ってほしかった。欲を言えばアロンソを抜いて6位になってほしかったというのが本心です。

さて次は2週間後、ドイツ・ホッケンハイム!!

F1 イギリスGP コバライネンが初PP そして優勝予想

結果は以下のとおり(GPUpdate.netより)。

Pos.ドライバーコンストラクターズTyresTime
1 H・コヴァライネン マクラーレン 1:21.049
2 M・ウェーバー レッドブル 1:21.554
3 K・ライコネン フェラーリ 1:21.706
4 L・ハミルトン マクラーレン 1:21.835
5 N・ハイドフェルド BMW 1:21.873
6 F・アロンソ ルノー 1:22.029
7 N・ピケ・ジュニア ルノー 1:22.491
8 S・ヴェッテル トロロッソ 1:23.251
9 F・マッサ フェラーリ 1:23.305
10 R・クビサ BMW no time
11 D・クルサード レッドブル 1:20.174
12 T・グロック トヨタ 1:20.274
13 S・ボーデ トロロッソ 1:20.531
14 J・トゥルーリ トヨタ 1:20.601
15 中嶋 一貴 ウィリアムズ 1:21.112
16 R・バリチェロ ホンダ 1:21.512
17 J・バトン ホンダ 1:21.631
18 N・ロズベルグ ウィリアムズ 1:21.668
19 A・スーティル フォースインディア 1:21.786
20 G・フィジケラ フォースインディア 1:21.885

ある意味で波乱の予選だったなぁと。だってQ1で雨降ったというのはだれも予想できないでしょう。これによってかどうかはわからんが多くのマシンがスピンを起こしましたからねぇ。

しかも本命であるフェラーリが3位と9位。明日が楽しみですが、正直言って不安もありますよ。

そしてなんといってもコバライネンが初のPP。やっとですねぇ。ハミルトンがずっと活躍してその陰に隠れてしまった状態なのでようやく日の目がみられるような感じかもしれません。ただ決勝はどうでしょうかね。

そしてウェバーも2位一昨年のモナコ以来といわれますが、実力で2位を勝ち取ったといえば記録更新かもしれません。

というわけで優勝予想

本命:ライコネン

対抗:ハミルトン、コバライネン

要注意:ウェーバー、マッサ、ハイドフェルド

ちょっとネックになるのが、フェラーリの予選の不調の原因。2つ考えられるのは今回の予選が雨だったからという考えと、テストのあと何らかのトラブルがあったのかと推測できますが。もし後者だったら優勝は非常に難しいでしょう。全社であれば天候によってライコネンがピット戦略で逆転優勝は十分あり得ます。

PPのコバライネンを対抗に置いた理由は上記ですねぇ。ライコネンも早さを求めているだけではなく、結構戦略的になっているのでピッと戦略にまんまとハマって2位ということも考えられます。

ウェーバーは、1コーナーでライコネンにやられてそのあとはずるずるとポジションを落としていく概算。ポイント圏内には入りますが表彰台はどうでしょうかといったところ。

そして問題は現在ポイントリーダーのマッサ。9番手スタートなので1周目でどれだけオーバーテイクできるかがカギとなるでしょう。そうでなければトラフィックに引っ掛かりポイント獲得をしてもわずかということにもなりかねませんからね。

大体こんな感じじゃないでしょうかね。

F1 イギリスGP PP予想

久しぶりに書評以外でのブログですかね。思えばずっと本を読んでブログで書評という毎日でした(決してネタがなかったとは言わないですよ)。

さて、イギリスGPということなので、早速ニュースが2つも、

クルサードが今年で引退。まぁ年ですからねぇ。引退後はF1のコメンテーターで安泰ですかね。

続いてはシルバーストーンが来年限りになるような気が…、イギリスGPは再来年はドニントンでやるというニュースも飛び込んできました。シルバーストーンはちょっとヤバかったのでしょうかねぇ。でもドニントンも結構久しぶりなのでどんな走りになるのかもちょっと見てみたいものです。

さぁそんなこんなもありながら、PP予想といきましょうか。こうなりました。

本命:ハミルトン

対抗:ライコネン、マッサ

要注意:クビサ、コバライネン、ウェーバー

まぁ地元GPなんでね、こうなるでしょうね。

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書) 3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書)
城 繁幸

筑摩書房  2008-03
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「若者はなぜ3年で辞めるのか?」の続編。
本書では3年で辞めた若者の行き先……ではなく団塊の世代を中心とした「昭和的価値観」と我々のような今の若者の「平成的価値観」の違いについて考察している。
昭和からバブル時代にかけては日本では「終身雇用」であり、会社のために働くという風潮が長く続いた。それによる影響もあるせいかその中で急激に経済が成長し、GDPでは世界第2位にまで上昇した起爆剤となった一因がある。しかしバブルが崩壊し人々の価値観が変わりだしたころに終身雇用の風潮は崩壊した。それを崩壊させた張本人の1人であるのがカルロス・ゴーンである。ゴーンは社長に就任するやいなや大量リストラを敢行した。それに続いて多くの企業で大量リストラを出し失業率は増加の一途をたどった。さらに2000年代に入ると就職超氷河期時代となり、大学に卒業していても就職先が見つからずに結局非正規雇用にありつくかニートになるかという道しか残っていなかったということにまでなってしまった。
この時代にさらされてきたからでこそ「平成的価値観」が形成されたと言える。「平静的価値観」というのはご存じのとおり成果主義であり自分のために仕事を行い、自分は仕事のために生きているのではないという価値観である。最近ではそういった価値観を持つ企業は増加しているものの、相変わらず昭和的価値観に縛り続けている企業もある。
非常によく分析はされているが、それによって仕事に関してどのような影響を及ぼすのかについてはもう少し書いてほしかったことが心残りだった。

レバレッジ時間術

レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 (幻冬舎新書) レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 (幻冬舎新書)
本田 直之

幻冬舎  2007-05
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本書は「レバレッジリーディング」の続編で、レバレッジの時間術を伝授する1冊である。そもそも「レバレッジ」というのは一体何なのかというと、物理的に「てこの原理」と言われ、てこを使えば少ない力で大きなものを動かすことができる原理のことである。要するに少ない力で大きなものを得るということであり、副題となっている「ノーリスク(ローリスクというべきか)・ハイリターン」がまさにそれと言える。
簡単に言えば効率的にやるコツをつかんで1時間かかった仕事を5分に減らして提示で帰り、「自分の時間」を満喫しようというのが本書の狙いである。
時間は1日で24時間しかない。逆に言えば24時間もあると言える。その中で仕事のウェイトをどこまで狭めていき、自分を伸ばす・そして満喫する「自分の時間」を抽出できるかはあなた次第と言える。著者は都心に在住でそのメリットについて語っているが、私は郊外に住んでおり当然乗り換えないといけないがそれはそれでメリットがあると言いたい。私は小・中・高・大と通勤バス・列車には縁がない生活を送っていた。当然学校から10数分のところにあるのでそれほど億劫ではなかった。しかし、それをやるからでこそ「甘え」が生まれてしまい学業もおろそかになってしまった苦い思い出が今も残っている。「通勤電車」については就職活動中に初めて体験したがその中で新聞を読んだり本を読んだり自分で勉強する機会ができ非常に有意義であった。私は著者とは逆に通勤列車のよさを勧めたいと思っている。確かに通勤時間もかかるし体力的には負担も強いられる面もあるが、自分が勉強できる、そして自分を高める空間としてはこれ以上ないと私自身の経験上そう言いたい。

日本語の奇跡

日本語の奇跡―「アイウエオ」と「いろは」の発明 (新潮新書) 日本語の奇跡―「アイウエオ」と「いろは」の発明 (新潮新書)
山口 謠司

新潮社  2007-12
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日本ほど、字や語彙組み合わせの多い国はない。しかし、なぜこれほどまでに多くなってしまったのか。そしてなぜこれらは生まれたのか。それを解説をしているのが本書である。
日本語のルーツの本についてはタミル語からきているという本にはであったことはあるが、こちらは中国の儒教の文化から、飛鳥時代以降の日本の歴史も兼ねてそのルーツを探っているところが特徴であると私は本書を見てそう思った。しかしカタカナの誕生については、漢字の簡略化や外国名によるものというだけであって、ではなぜカタカナになったのかがはっきりと分からなかったところが惜しかった。
世の中正しい日本語をという風潮も多く、逆に新しい語彙も増えており日本語は日々変容している。しかし、根本的な軸がなければ日本語に限らず言語というのは崩壊する。本書はその原点について述べているのではないだろうか。

オリエント急行の時代

オリエント急行の時代―ヨーロッパの夢の軌跡 (中公新書) オリエント急行の時代―ヨーロッパの夢の軌跡 (中公新書)
平井 正

中央公論新社  2007-01
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オリエント急行の歴史は殊のほか長い。1883年にパリ〜イスタンブールで運行されたのが始まりであった。その後世界大戦により途中運行中止があり、戦後再開されたが東西冷戦のあおりから1977年に廃止された、しかしその5年後の1982年にスイスの会社が購入し、観光目的で新たなオリエント急行として、運行を始め現在にいたる。
本書では「走るホテル」としてのオリエント急行、それに通過する国々の紹介を第1部に取り上げられている、そして長きにわたる歴史とオリエント急行にまつわる出来事については第2部で取り上げられている。
本書を読んでおもしろいと思ったのは、私は活字を読んでいるのだが、あたかもオリエント急行の一乗客になって国々を旅しているかに思えるところである。さらに時代背景もあり、そのたびはさらに面白みを増しながら旅を続けるという感じになれた。
もしそういう機会に出会えたならばこういう体験もしてみたいものだ。

神の領域を覗いたアスリート

神の領域を覗いたアスリート (朝日新書) 神の領域を覗いたアスリート (朝日新書)
西村 欣也

朝日新聞社  2007-02
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本書は一流スポーツマンとしての境地「ゾーン」を8人のアスリートのエピソードと、頂点に上り詰めた者たちの受難、日本シリーズのあれこれ、元スケート選手とアメフト部の監督の対談という構成で成り立っている。
一流スポーツマンというのは非常に特徴的であり、その人の人間性というのが各違った「ゾーン」を見出していた。特に印象的だったのが千葉すずに関する話である。本書では「とがった個性」として表しているが、中身をみると礼節の中でものすごいとがり用には面白みがあふれていたし、もし、その時代でもっと知識を持っていたら間違いなく彼女のファンになっていたと思う。
それはさておき、本書に載っていない数多くの有名選手にはそれぞれ特有の「ゾーン」が存在するが著者はその人たちはどのような「ゾーン」であると見抜くのであろうか。

大帝没後

大帝没後―大正という時代を考える (新潮新書) 大帝没後―大正という時代を考える (新潮新書)
長山 靖生

新潮社  2007-07
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大正時代というと激動であった明治・昭和と違ってやや影を潜めたというイメージがある。なにせたった15年しかその時代はなかった。「一世一元」が定められてから最も短かった時代である。
しかしそのなかでも「激動」はあった。大正デモクラシーである。それにより原敬という平民宰相が生まれ、戦前の民主主義を象徴する時代でもあった。しかしそれと同時に社会主義運動の時代が活発になり始めたのもこのころであった。
本書では2つ大きな特徴がある。1つは天皇崩御の時の風潮、もう1つは乃木大将の割腹自殺についてである。明治天皇が崩御された直後は様々なところで崩御への哀悼の意をこめ官報をはじめ民間の新聞でも小説や事件等を自粛するということがあった。これは昭和天皇崩御の時も通程するものがあり、崩御直後では多くの会社や店先、そして新聞でも追悼の意を述べたり、半旗を掲げたりしていた。TVに至っては昭和の時代を振り返るような自粛放送が終日、中には2・3日続けていた。明治天皇にしては夏目漱石が激怒したというところも印象的であった。
そして天皇崩御も連なるが大正天皇がなくなったと同時に乃木大将も割腹自殺を行い天皇の後を追ったという話である。私自身は「殉死」という誠に高貴な死に方であり、さらに遺言で爵位と家を絶することを指示していたなど、(大正)天皇への忠誠の強さがどれほどのものであったのかというのには畏敬の念が表れた。しかし、当時の高等遊民(今で言う「スネかじり」)は、「バカな奴だ」と冷たくあしらったことには怒りを覚えた。

ブータンに魅せられて

ブータンに魅せられて (岩波新書) ブータンに魅せられて (岩波新書)
今枝 由郎

岩波書店  2008-03-19
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普通の国では豊かさの尺度としてGDP(国内総生産)を用いている。しかしブータンは違っていてGNH(国民総幸福)を国王が提唱し、用いている。ブータンは経済発展は著しいが、その中で降伏によって国を豊かにするという物差しに使うのは非常に珍しい、というより唯一ではなかろうか。
ブータンは日本と比べたら非常に貧しい国である。しかし心も貧しいのかといわれるとそうではない。おそらくブータンの人々のほうが豊かかもしれない、私自身はブータンに直に触れたことはないのでわからないが。しかしブータンは心が豊かな国でも当然のごとく問題を抱えている。その一つとして南ブータン移民問題があげられる。当然日本のメディアでは扱われていない問題である。本書でも書かれているが第四代国王からひそかに対策を講じてきてはいるが解決には至っていない。しかし長い目で解決を行っているように中枢では尽力している。
とはいえブータンの幸福を希求する姿勢についてはそれを忘れかけているわれわれ日本人も見習わなければならない。

イタリア・マフィア

イタリア・マフィア (ちくま新書) イタリア・マフィア (ちくま新書)
シルヴィオ ピエルサンティ Silvio Piersanti

筑摩書房  2007-03
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マフィアというとアメリカやロシア、中国というイメージがあり、そこでは麻薬売買や政財界との多少のパイプを持っており、それらを裏で支配し荒稼ぎしているという考えを私は持っていた。
本書ではイタリアにおけるマフィア(イタリア語で「コーザ・ノストラ」と言うそうだ)の存在について書かれているが、ここで書かれていることを見ると想像をはるかに絶する。政財界と関与していたり麻薬の売買を行っている文言はあったが、そこではなく根絶を目指した者たち、特に検察官や警察官をはじめ、多くの識者が殺されていることである。その量は最初に考えていたマフィアの比ではなかった。殺されなくても圧力をかけてくることもあるがその手法も非常に残忍極まりない。またマフィアの真相についても書かれているので本書を書かれたシルヴィオ・ビエルサンティ氏はどのような気持ちで書かれたか、そしてどのような身の危険があったのかというのをどうしても聞きたくなる。戦慄の中からの変な興味がわいてきてしまった1冊であった。

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