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敵対的買収

敵対的買収―新会社法とM&A (角川oneテーマ21) 敵対的買収―新会社法とM&A (角川oneテーマ21)
渡邊 顯

角川書店  2007-03
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昨今では企業合併・買収が盛んにおこなわれている。とりわけ合併で有名なのは「金融ビックバン」であろう。多くの企業が大合併を行い、金融業界は見違えるように変わってしまった。そして現在では大丸や伊勢丹など百貨店同士の合併があり、百貨店業界も再編の嵐に遭っているところである。
さて本書の表題には敵対的買収がある。実際敵対的買収は日本ではあまりいいイメージを持っていない。小さい企業では敵対的買収はそれほど多くはないもののあるものの、上場企業では今までではほとんど例がなく昨年のケン・エンタープライズによるソリッドグループホールディングスの敵対的買収の1例しかない。アメリカではこういった買収は頻繁にはあるものの、日本では外国企業に売られることを非常に嫌がるというケースが多い、とりわけ外資ファンドは嫌悪の的になっているところである。私が考えるには、おそらく文化の違いがあるのではないだろうか。
日本は非常に伝統を大切にしており「千年働いてます」の本が出されるほど伝統というのには強いこだわりを持っている。合併をすることよりも長く企業を存続させ、豊富なノウハウにより、より柔軟性と生産性を上げていくということにある。そうすればお互いの技術を取り入れることもせずに、新しい技術を築いていけるというところにあるのではないだろうか。それが起因の1つになって戦後急激に経済を成長させたのだろう。
逆にアメリカでは、その企業を長く存続するというこだわりがなく、むしろ奪い合うことによって成長を続けているのではないだろうか。開国される前のアメリカはイギリスから渡ってきた移民に支配され、もともと大陸で生活していた先住民族から土地を奪ったほどであるのだから。だから友好的ではなくても買収し、その技術・財産を骨の髄まで奪い尽くし、やがては捨てる。そういう文化性にあるのではなかろうか。
本書の感想の話に戻る。本書はこの敵対的買収と会社法について事細かに解説なされている。さらに敵対的買収に遭った時の合法的な防衛策についても書かれているのでそういう仕事に携わっている方々にとってのバイブルであるだろう。

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